スタッフブログ

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2016年のスタッフブログ最新スタッフブログへ戻る
403. 年末年始のお休みのお知らせ (2016.12.28)

 事務所の年末年始のお休みは、12月28日(水曜日)~平成29年1月4日(水曜日)までとなります。大変ご迷惑をお掛け致しますが、どうぞよろしくお願い致します。

 今年春から開始いたしました「スタッフブログ」は、私の方から弁護士に提案させて頂いて、熊本地震発生前に新設されました。熊本地震発生後、たくさんの方々からご心配を頂きましたが、弁護士の書く「事務所ブログ」と私の書く「スタッフブログ」の両方で現状を細やかに発信できたことは、とても有意義だったと思っています。何事も「継続」することが大切だと思っていますので、来年もいろんなことに
興味を持って自分なりの視点で物事を見つめ、感じ、考えを深めてゆきたいと思っています。
 今年も一年間大変お世話になりました。ありがとうございました。

402. 仕事納め (2016.12.27)

 今日は事務所の仕事納めの日でした。
今日は一日中、打合せ、裁判、書面作成の他に写真展の写真撤去作業等もあり、弁護士もスタッフもそれぞれ懸命に仕事に力を尽くしました。
 また、仕事を終えてからは事務所の忘年会が、「草喰 常」にて開催されました。丁度「常」もこの日が年内の最後の営業日で、明日からは限定100個のおせち作りに専念されるそうです。

 久し振りに訪れた「常」ですが、前菜の盛合せがとても繊細でした。
海老芋を素揚げにして枯葉や落葉に見立て、小振りな栗や銀杏を添えるという心憎い演出がなされていました。まるで絵でも描くように、一皿の中に季節感が凝縮されていました。その他にもお重に盛合せられたお造り、特大のハマグリとアサリの真薯のお吸い物、海老芋の揚げ出しのカニあんかけ、赤牛の棒葉焼、柚子釜グラタン・・・など、
季節の旬の恵みの食材を満喫してみんなの笑顔が弾けます。

 今年一年の労をねぎらい、そして来年に向けて心を新たにしました。
今日は一日中、冷たい強風が吹き荒れていましたが、忘年会を終えた頃には心も体もほっこりと温まり、
満ち足りた気分で帰途に着きました。

401. 写真展開催中! (2016.12.23)
 熊本読売写真クラブ(熊本YPC)の第5回写真展が、12月21日(水曜日)から
開催されています。
 会場は、鶴屋デパート東館8階の「ふれあいギャラリー」です。
 開催期間は、12月27日(火曜日)までです。
 開催時間は、午前10:00~午後7:00です。
                 
 坂本弁護士は「天国にひとり」、「槍」、「赤い命」の3作品を出品しています。
写真は受付のすぐ近く、会場左手側に展示しています。
満開のミヤマキリシマ、一瞬の光に輝く槍ヶ岳、全山紅葉のくじゅうを、
是非会場内でご覧頂ければ幸いです。
 なお、今週末の12月23日(金曜日・祝日)は、坂本弁護士も会場内に午後2時までおりますので、
お気軽にお声を掛けて頂ければ幸いです。
400. 秋に別れ (2016.12.22)

 お昼の休憩時間にバスを利用して街へ行きました。
バスを降りると街路樹の落ち葉が雨に濡れ落ち、舗道を埋め尽くしていました。
街路樹から舞い散る落ち葉はとてもゆっくりと落ちて行き、哀愁を感じさせます。
あまりにも美しい光景だったので見とれて少しの間眺め、秋に別れを告げました。

 少し歩くと、ホテルキャッスルの外観の全体を覆っていた白いカバーが半分ほど外されて、改修された外観の一部が見えていることに気がつきました。
昔から見慣れている赤煉瓦の上に、細いシャープなラインが新たに取付けられて縦のラインが強調されたデザインになっています。
これまでの重厚なイメージから、モダンで都会的な雰囲気に変身していました。
 
 地震直後、ホテルの外壁がひび割れだらけだった痛々しい姿を思い出すと感慨深いものがあります。現在もホテルの正面玄関前では、特大のクレーン車が置かれ改修工事の作業を続けています。ホテルの正面玄関側だけでも全面改修を終えると、随分イメージがよくなると思います。あと一息といったところでしょうか。

399. 勝烈亭 (2016.12.21)

 熊本地震で大きな被害を受けた老舗とんかつ店「勝烈亭」が、12月19日(月曜日)8カ月振りに全面改装してオープンしました。「勝烈亭」は昭和50年(1975年)創業、熊本で最も有名な老舗とんかつ店です。熊本を訪れる海外からの観光客にも大人気のお店で、地震前は店の前に大行列ができるほどでした。

 新しくなった店舗は、外国人観光客を意識してか店舗上部には店名をローマ字で表記されています。店舗の外観や店内の内装は、以前は和風の雰囲気でしたが新店舗はスッキリとしてモダンな雰囲気になっています。1階フロアは全てテーブルとイスが置かれ、ゆっくりできる感じになっていました。
また、新たに2階フロアが新設されたので、収容人数がかなり増えているようです。
店内にはオープンを祝う花が至る所に飾られ、花の甘い香りが強く漂ってお祝いムードに包まれていました。
 「勝烈亭」は新市街の人気店なので、人の賑わいも再び戻って地震前と同じような活気が感じられました。
 (店内の写真撮影及び掲載は、お店から承諾を得ております)

398. 忘年会 (2016.12.20)

 12月20日、紫垣弁護士を中心とするグループ弁護士の忘年会が開催されました。弁護士、家族、事務スタッフなど大人数のためホテルでの開催となりました。紫垣先生の奥様のご配慮により、毎年恒例の楽しいビンゴゲームも実施され、クリスマスにちなんだ素敵な景品などが数多くプレゼントされました。
 今年傘寿を迎えられた紫垣先生はとてもお元気で、いつものように全てのテーブルを回られてひとりひとりに気さくに言葉掛けをされていました。
大変気遣いに溢れている先生ですので、いつも本当に恐縮してしまいます。

 一年を振り返ってのスピーチでは弁護士全員がスピーチしました。
若手の先生方が一生懸命話しをされる姿からは、フレッシュさが感じられました。
 そして、紫垣先生から直接ご指導頂いたベテランの弁護士5人は、全員が弁護士会会長経験者(吉田先生は現会長です)なので、とてもスピーチ慣れしています。ユーモアがあり余裕が感じられる個性的なスピーチに「さすが!」と感心しました。坂本弁護士はいつものように「みなさん、こんばんは!」と大きな声で呼び掛け、陽気で明るいムードメーカーとして会場内の雰囲気を盛上げてから、場の空気を和ませていました。
 そろそろ閉会かなと思ってすっかり安心し切って食事を楽しんでいましたら、何故か急に私もスピーチをしなければいけなくなり大変驚きました。全く予想していなかったのでとても焦りましたが、紫垣先生から時折投げかけられる言葉などに反応しながら、当日着ていた着物にまつわる話しをさせて頂き、何とか話し終えることができて安堵しました。

 一年に一度、一堂に会する忘年会ですので一年振りに再会する方も多く、皆さんにお会いすることができる貴重な機会となっています。今年も無事参加できましたこと、皆様方のお元気な姿を拝見できたことに心から感謝致します。

397. 愛する息子 (2016.12.19)

 「津久井やまゆり園」事件で神奈川県警津久井署捜査本部は、負傷者24名のうち男性2人の氏名を初めて公表しました。残りの22人と殺害された19人は匿名のままです。氏名が公表された尾野一矢さん(43歳)とご両親は、何回かテレビで拝見したことがありました。

 先日放送されましたバリバラでも、一矢さんの現在の様子が紹介されました。
一矢さんは重傷を負い一時は意識不明となり、医師から命の保証はできないと言われていましたが、奇跡的に一命を取り留めました。
 一矢さんの刺された傷痕を確認していた時、突然、「怖い!怖い!」と叫び出しました。今でも事件の時の恐怖に襲われパニックをおこすのです。
一矢さんは「やまゆり園、やめとく!」と言い情緒不安定な様子でした。
一矢さんのお腹の傷は数十センチ程もあり痛々しく、喉の傷もかなり深いように見えました。
事件が被害者に与えた身体の傷と心の傷の深さを思うと胸が締め付けられました。
 ゲストの森達也さんは、護送車のなかで笑っている容疑者の姿が繰り返し報道され「理解不能なモンスターがやった事件だ」というイメージが醸成されて、事件を深く問い直す機会が失われていると鋭く指摘されていました。

 以前、朝日新聞「紙面批評」で村木厚子さん(前厚生労働事務次官)が今回の事件に関して、「障がい者が実名で語れる信頼勝ち得て」と題して書かれた記事が今も忘れられません。
 今回氏名を公表された尾野一矢さんのご両親を取材した「愛する息子 隠してはいられない」(朝日新聞・7月30日)と題する記事を読まれた村木さんは「どの記事よりも事件があってはならないことだと強く訴えかけた」、「実名によって実像が伝わる価値は大きい。報道を通じてこの問題を訴えたい、名前を名乗ってもいいと被害者の人たちに思ってもらえるよう、障害というテーマに関し、その報道姿勢や内容、取材方法などあらゆる面で信頼を得るための不断の努力を続けて欲しい」と訴えておられました。

 今回の事件が匿名である限り犠牲者の人間像が見えてこないことで、事件が風化されやすいと思います。現に街頭インタビューなどでは、すでに事件のことをすっかり忘れている人の多いことに驚きます。
 今回の氏名公表を契機として、犠牲者や被害者の方々が氏名を公表できるようになって、事件の真相が明らかになることを願っています。

396. クリスマス・バージョン (2016.12.19)

 今週のアレンジはクリスマスバージョンとなっていて、雲竜柳にキラキラしたラメが散りばめられています。籐で編んで作った星形の飾りの色がとてもシックです。大輪の白いユリの花が華やかと清楚さを感じさせます。

 今週末はクリスマスが控えていますが、忘年会の賑わいも今週くらいまででしょうか。弁護士の忘年会も今週の分を終えると、来週の事務所の忘年会が最後となります。例年、弁護士は数多くの忘年会に出席しますので、大きく体調を崩さないかいつも心配になります。今年は12月に2回東京出張が入っていたので、何とか無事乗り切ることが出来ました。スタッフ一同も一安心しています。
 今年も残すところあとわずかとなりました。年末年始の準備に向けて、忙しさにも拍車がかかります。

395. 映画への旅(30) 「92歳のパリジェンヌ」 (2016.12.18)

 実話をもとにした尊厳死をテーマにした映画です。原作本のタイトルは「最期の教え」です。映画の内容からすると、邦題よりも原作タイトルの方がしっくりきます。
 92歳の母が尊厳死を決断したことで、娘、息子、孫などの葛藤・苦しみ・悲しみ・共感・理解・・・を描いています。

 主人公マドレーヌを演じたマルト・ヴィラロンガ(84歳)の説得力のある演技が素晴らしいです。老いを自然な演技で見せて、全裸での沐浴シーンも体当たりで演じています。また、意思の強い女性を表情豊かに見事に演じています。観ている人は誰もが自分の親の姿を重ね合わせたり、あるいは将来の自分の姿を想像したりしながら感情移入することでしょう。そして、この映画の要となる難役の娘役を演じたサンドリーヌ・ボネールの演技も素晴らしかったです。当初は母が選択した尊厳死を受け入れることに戸惑い揺れ動き葛藤しながらも、次第に理解し共感してやがて、母の一番の良き理解者となってゆく姿を丁寧に繊細に演じていて深く共感できました。

 この映画では、母と娘の印象的なシーンがいくつかあります。
娘が母を背負って楽し気に語らいながら丘を登り、丘の上で沈む夕陽をふたりで見つめ心を通わせるシーン、
遠い街で暮らす母の昔の恋人と母が再会を果たし、幸せそうに微笑む母の様子を木陰からそっと見守る娘の温かな眼差し、母と娘が一緒に沐浴するシーンでは、娘は老いた母の身体を労わりながら優しく抱き締めます。このシーンでは、娘は母を愛おしい存在として深い愛情で包み込み慈しみます。
母は娘を信頼して身体を預け、娘は母の身体を全身でしっかり受け止めるのです。母と娘の身体と心がひとつに溶け合って、同じ思いを共有し深い信頼関係で結ばれていることを象徴する感動的なシーンです。

 尊厳死をテーマにしていますが決して暗い話ではなく、尊厳死を選択したことで生き生きとした悔いのない充実した日々を過ごします。満ち足りた幸せな人生の終わり方が描かれています。この映画を観た人は誰もが「自分なら・・・」と考えさせられる映画です。

394. 体感型映画 (2016.12.17)

 新しくなったユナイテッド・シネマ熊本で、待望の4DX3Dの上映が開始されました。熊本初登場4DXの記念すべき上映作品は「ローグ・ワンスター・ウオーズ・ストーリー」です。上映会場に入る前に、入口横に新たに設置されたコインロッカーにコートやバッグなどを入れてから入場となります。会場内の椅子は真っ赤な派手なシートで、遊園地のアトラクションのような雰囲気で期待感が高まります。
 映画が上映する前から椅子に座っていると、何回もガシャンガシャンと小さな振動があり胸がドキドキしました。

 4DXは映画のシーンに連動して椅子が上下左右に激しく揺れます。
椅子はマッサージチェアの技術を応用しているようで、振動の仕方がよく似ています。
また、椅子の動きは遊園地のアトラクションの動きによく似ています。銃を撃つシーンでは、後頭部からワンポイントの風が吹いてきます。戦闘シーンでは髪の毛が始終風に吹かれた状態になりヘアースタイルが乱れるので、帽子を被っていた方がよいかもしれません。臨場感があり、まるで映画を観ている自分も映画の中にいるような感じがしました。シーンに応じてスモーク・水・香り・風・振動などがあり、これでもかというほど五感を強く刺激します。上映中は最初から最後までずっと緊張していたのでとても疲れました。

 私の場合は遊園地のアトラクションが苦手なので、4DXは不向きだということがよく分かりました。
今まで通り椅子に深く腰掛けて、映画の世界に深く浸りながら観る方が合っているようです。

393. 完全復活 (2016.12.16)

 熊本地震後、水前寺公園を訪れるのは今回で3回目です。
早朝の水前寺公園は観光客もまばらでした。
湧水の水量は豊富で、完全に元通りに復活しているようでした。
風は冷たいものの穏やかに晴れ渡り青空が広がり、柔らかな陽射しが降り注いでいます。水鳥たちが気持ちよさそうに水面を泳ぎ、鯉ものんびりと優雅に泳ぎます。台湾からの観光客でしょうか、楽しそうに水鳥にエサをあげている様子がとてものどかに感じられます。

 地震直後に2回、水前寺公園を訪れて被災状況を見ていますが、現在の姿からは地震があったことを忘れさせるほど美しく整備されています。
 静かな庭園を散策したり、ただ佇んでいるだけでも気持ちが安らぎます。
街中にこんなにも豊かな自然が広がり、憩える場所があるなんて幸せだとしみじみ思いました。

392. 写真展のご案内 (2016.12.15)

 熊本読売写真クラブ(熊本YPC)の第5回写真展が下記の内容で開催されます。
  ☆会 場: 鶴屋デパート東館8階「ふれあいギャラリー」
  ☆期 間: 2016年12月21日(水曜日)~12月27日(火曜日)
  ☆時 間: 午前10:00~午後7:00
                  (なお、最終日は午後4:30までとなります)

 熊本YPCのクラブの会員19名が、1人4、5点の作品を出品致します。
年末のお忙しい時期ではございますが、鶴屋デパートでのお買い物の際についでにご覧頂ければ幸いです。また、12月23日(金曜日・祝日)、24日(土曜日)、
25日(日曜日)のいずれかの日に、弁護士も会場内にいる予定です。
 お気軽にお声を掛けて頂ければ幸いです。

391. きものリメイク (2016.12.14)

 今週の伝統工芸館は、「きものリメイク布雅 作品展」と「Kashiko 服展」などが開催されています。「きものリメイク布雅 作品展」は、ベテラン講師の松尾政子さんを中心とするリフォーム教室の作品展です。
着物を洋服にリフォームして、気軽に着られるように工夫しています。
 会場内には着物をリフォームした色とりどりのワンピース、シャツ、パンツ、ベストなどの他に、帯で作った個性的なバッグなども展示してありました。
 やはり、着物特有の独特な絵柄や色彩が美しく、ズラリと並んでいる光景は壮観でした。

 「Kashikoの服 -FINLANDの風」は、デザイナー-近藤 賢子さんの作品展です。
近藤さんはこれまで東京、倉敷、フィンランドなどで展覧会を開催されました。
展示されているワンピースの素材は、産業廃棄物の間伐材から作られた糸を使用しているというから驚きです。近藤さんの作品の中には、「じいちゃんの着物で作ったんですよ」というワンピースが展示してありました。 表地は紬で裏地が大島紬になっています。
シンプルなデザインのワンピースですが、裏地を思いっ切りオシャレにするのが近藤さん流らしく、リバーシブルでもOKとのこと。その他にも、ワンピースの裏地をカラフルなマリメッコの布地を大胆に使用したものもあり、とても斬新な感じがしました。洋服はどれもシンプルなデザインですが着心地が良さそうです。
 そして最も印象的だったのは、色遣いがカラフルで楽しい感じがしたことです。
近藤さんも「色には自信あるんですよ」と胸を張っていました。近藤さんはお話ししてみると気さくでおもしろそうな感じの方でした。近藤さんのお人柄に触れながら、作品の説明を聴くのも楽しいかと思います。

 着物を洋服にリフォームするのも、リフォームする人の個性の違いで作品の印象が大きく異なるので、
大変面白い企画展だと思いました。他にも布遊びの小物展もあり、今週は「和」がテーマになっているようで
見応えがあります。

390. 映画への旅(29) 「築地ワンダーランド」 (2016.12.13)

 現在、豊洲移転問題に揺れる築地で働く人たちの姿を、真正面から追ったドキュメンタリー映画です。この映画を観ると、世界唯一といわれる巨大な市場である築地で働く人たちは、伝統を守り高い技術を持ちプライドを持って仕事をしているプロフェッショナルであることがよく分かります。
 長い歴史のある築地では毎日20,000人もの人々が働いていて、それはまるでひとつの街のようです。親子代々受継がれる仲卸の魚屋さんたちは幼馴染の関係で、深い信頼関係で結ばれています。お互いの遣り取りの様子からは厚い人情が感じられます。

 映画を観て最も印象深かったのは、日本刀のような切れ味の鋭い長い包丁で、巨大なマグロを解体するシーンです。呼吸を整え精神統一してスパッと切られたマグロの断面は、とても美しいと思いました。
マグロの解体をするという行為が、何かとても神聖な儀式のように感じられました。
解体されたマグロは丁寧に美しく下処理されて、見るからにおいしそうです。
この映画を観ていると、無性にマグロが食べたくなります。
きっとこの映画を観た人なら誰でもマグロが食べたくなるのではないでしょうか。

 撮影期間1年4カ月、撮影時間600時間という長期密着撮影だからこそ映し出せた貴重なシーンが数多くあります。監督と築地の方々との信頼関係が築けたからこそ記録できた映画だと思います。
 将来、豊洲移転後には「築地ワンダーランド」は特別な価値ある作品となり、益々その魅力は高まることでしょう。

389. ふたご座流星群 (2016.12.12)

 今週のアレンジは、クリスマスシーズンをイメージしたアレンジになっています。
クリスマスシーズンを代表するモミの木、バーゼリアの丸い実やエピデンドラムのボール状の小花、鮮やかな赤い色の枝が美しいサンゴミズキなどがクリスマスの雰囲気を醸し出します。その他にもバンダ、オンジューム、アンスリュームなどが彩りを添えます。

 先日熊日新聞にアマチュア天文家が投稿されていた記事によると、13日の深夜から14日の明け方にかけて「ふたご座流星群」が、1時間あたり20個程観測できるかもしれないそうです。「たまにはのんびりと夜空を見上げてみませんか」という言葉が添えられていました。残念ながら13日の天気予報は雨模様ですが、14日が曇り、そして15日は曇りのち晴れの予報となっています。流れ星の活動が活発な時期とのことですので、時には夜空を見上げて流れ星を眺めてみるのもロマンティックではないでしょうか。

388. 山本むつみさん~好きを力に~ (2016.12.11)

 熊本学園大学公開講座第24期「DOがくもん」は、人気脚本家山本むつみさんを講師に迎え、「私の脚本家人生~『好き』を力に」と題して講演会が開催されました。山本むつみさんの主な作品は、2002年ラジオドラマをはじめとして、代表作の2004年「御宿かわせみ」、2010年NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」、2013年NHK大河「八重の桜」、その他にも「慶次郎縁側日記」、「相棒」、「コウノトリ」など良質な人気作品を数多く執筆されています。山本むつみさんの経歴は北海道大学卒業後、出版社に途中入社するために便箋10枚に入社動機を熱く書き綴ったことが認めら、見事難関を突して編集者となりました。生涯一編集者を目指していましたが、シナリオセンターで脚本の勉強も始めコンクールに応募したら時代劇で連続3回入選し、NHKから「御宿かわせみ」の脚本を依頼されました。その後は順風満帆な脚本家人生を歩まれています。

 山本むつみさんは脚本家は家に例えるなら設計図を引く仕事と同じで、土台になる脚本はドラマの命だと言います。そして、脚本家になるためには必要な3条件があると、かつて向田邦子さんがジェームス三木さんにおしゃったことを紹介して下さいました。その3条件とは①おしゃべりであること、②胃が丈夫であること、③嘘がうまいことです。脚本の打合せはプロデューサーや演出家など10名程を相手にして1人で対応するので、自分の主張や考えをはっきり伝えるのは闘いだと言います。また、書き直しを命じられ胃が痛くなる思いもするので胃が丈夫でないと乗り切れないと言います。そして、ドラマは嘘を面白おかしく書く能力が必要だと言います。さらに、何時間も座り続けて書くので筋力も必要だと言います。締め切りがあるので徹夜もするので頭脳労働というイメージがありますが、実際は肉体労働だそうです。
 山本むつみさんの言葉で特に印象的だったのは、「スルースキル」という言葉です。
雑音を撥ね退ける力を磨き、自分の人生だからこそ自分の尺度で物事を考え、変化を恐れないで変化の波に乗って対応してゆくことが大切で、人間は生きている限り変ってゆかないといけないとも語られていました。

 私は「ゲゲゲの女房」のドラマの大ファンでした。ドラマを1日3回見て、毎日感想文を書いて番組感想投稿サイトに半年間投稿したほどの熱の入れようでした。「ゲゲゲの女房」に関する話は特に興味深く聴きました。
 1年前に亡くなられた水木しげるさんについては、100歳まで生きられると誰もが信じていたので、亡くなられた時には本当に驚いたそうです。青山斎場でのお別れ会はみんなが笑いながら思い出を語る楽しいお別れ会だったと言います。帰り際にはねずみ男と鬼太郎が描かれた小さな色紙が参列者にプレゼントされましたと言いながら、手にして見せて下さいました。色紙には「好きなことをやりなさい」という水木しげるさんの生き方そのもののような言葉が書かれていました。今回の講演のタイトルもその言葉から由来していることも明かされました。

 「ゲゲゲの女房」を執筆するきっかけは、本屋で偶然目にした「ゲゲゲの女房」の本と目が合って、本に「おいで」と呼ばれるような不思議な経験をしたそうです。専業主婦が主人公なのでNHKからは反対意見が多かったそうですが、山本むつみさんご自身が作品に熱狂的に惚れ込んで好きになって執筆されたそうです。
 またある日寝ている時、夢枕にご存命中の水木しげるさんが現われ「あんまりかっこよく書こうとせんでええぞ」と言われるという不思議な体験もされたそうです。水木しげるさんは全く人と違うことをやり誰にも似ていなくて、会えばみんなが好きになる人間的魅力がある人だったそうです。自分の好きなことに軸足を置いて、自分の人生を自分がつくることが重要だと語られていました。

 講演後の質疑応答では、好きな俳優さんを訊かれ「風間杜夫さん」の名前を挙げられていました。
好きな理由は、どんな役でもうまいから尊敬しているそうです。尊敬する脚本家を訊かれ「笠原和夫さん」の名前を挙げられていました。「仁義なき戦い」の脚本家で、お手本にしているそうです。
 私も折角の機会なので勇気を振り絞って思い切って手を上げました。「ゲゲゲの女房」が大好きだったこと、「ゲゲゲの女房」が主人公は勿論のこと全ての登場人物が丁寧に描かれていたことに惹かれたこと、
そして松坂慶子さんが演じたみちこさんという、人の心の痛みにそっと寄り添うキャラクターが大好きだったこと、みちこさんみたいな人が日本中にいたらいいのにと本気で思って観ていたことなど、ゲゲゲ愛を一気に語りました。すると、山本むつみさんは顔を輝かせ「わぁーうれしいなぁ!」、「みちこさんはオリジナルキャラクターなんです。」、「アシスタントを演じた3人も、今ではすごいことになってますからね!」と嬉しそうに笑顔で話して下さいました。私が心底愛したドラマなので人一倍愛着があります。憧れの脚本家に、思い切って勇気を出して直接話せたので大変感激しました。本当に忘れられない貴重な思い出となりました。

387. くまフェス (2016.12.10)

 週末、花畑公園で「くまフェス」が開催されました。熊本のアイドルグループやアイドル集団「仮面少女」のライブも開催されていて賑やかでした。
 アニメのコスプレの参加者を見ることができる、楽しいイベントとなっていました。

 コスプレをしている人たちは色鮮やかなカラーウイッグをつけていて、メイクも漫画チックです。衣装は個性的でとてもカラフルです。それぞれ工夫してアニメのキャラクターになりきっていました。コスプレ参加者は写真を撮られることに慣れていて、キメのボーズや表情を見ていると、アニメのキャラクターが今ここにいるような感じを与えます。

 参加者の大半は10代、20代のようですが、中には50代の中年男性の姿も見られました。
参加者はそれぞれがヒーロー、ヒロインに変身して思い切り弾けて、キラキラと輝いているように見えました。
 イベント会場を去る参加者は、着替えをスーツケースやリュックサックに詰込み、仲間同士で満足気に楽しそうに語らいながら帰る姿が印象的でした。
 熊本で開催された大規模な「くまフェス」ですが、お天気にも恵まれ参加者も多くて大成功だったようです。
参加者も見物する人も楽しいイベントでした。

386. 匿名の命に生きた証をたどる (2016.12.08)

「匿名の命に生きた証をたどる」というドキュメンタリー番組を観ました。
今年7月に発生した相模原事件。事件の現場となった津久井やまゆり園元職員の西角さん(51歳)は、犠牲者が匿名報道されたことについて、一人一人の人生が封印され記号としてしか処理されていないと疑問を抱きました。
 西角さんは在職中のアルバムを頼りに犠牲者のリストを整理して記憶を辿ります。西角さんは通称「リボンさん」と呼ばれていた女性がよく通っていた食堂や、リボンさんを担当していた元職員と連絡を取ります。2人の話しで共通していたのは、リボンさんはいつもニコニコしていて他人が嫌がることを一切しなかった人だったということです。元職員は「リボンさんが頼ってくる姿が自分の子供の姿と重なり、思い出を語る心境になれない」、「どんな思いで旅立ったのか・・・」と悲痛な声で話しました。
 西角さんは心に刻まれた生きた証を伝えて行く必要があることを痛感したのでした。

 そして次に、西角さんはやはり元職員の太田さん(73歳)を訪ねます。
太田さんは、退職して12年が経ちます。36年間という長い期間、人生を捧げた津久井やまゆり園で発生した事件に接し「何とかならなかったのか」という強い後悔の思いに駆られました。「贖罪」という思いから西角さんと同じ思いを抱いていました。犠牲者19人の生きた証を記録する必要性を強く感じ、それは自分の「責務」だと考えていました。
 犠牲者19人の中に通称「ラジオさん」と呼ばれる人がいました。「ラジオさん」という名前の由来はラジオを聴くとご機嫌になるからです。太田さんは犠牲者の多くが通っていたという近所の理容店を訪ねました。
犠牲者の人柄を少しでも知ることができるならという思いで話しを聞こうと試みますが、冷たく拒絶され何ひとつ話は聞けませんでした。地元の人たちは事件のことを早く忘れたいという思いから、固く口を閉ざします。
 失意の太田さんは、やまゆり園の家族会元会長の尾野さんのご自宅を訪問します。
尾野さんの息子さんは今回の事件の犠牲者で、大怪我をしましたが一命はとりとめました。
尾野さんの息子さんとラジオさんは同じグループで、事件発生前のバス旅行の写真には旅行を満喫している様子のラジオさんが写っていました。尾野さんはラジオさんが「うっ、うっ、うっ・・・」とよく笑っていたと話してくれました。その話を聞いて太田さんは「何と表現していいのか分かりませんが・・・確かに生きていましたね」と感慨深げに言いました。
 太田さんは次に、犠牲者となったある入所者を支援していた細野さん(70歳)を訪ねて、人柄を教えてもらいます。温厚で優しくて、職員の手伝いをよくするので職員がもうひとりいるみたいだということから「準職員」と呼ばれていたことを懐かしそうに話してくれました。また、演歌が大好きだったので、北島三郎新春公演に連れて行ったことあるそうです。その時「先生にあげる」と言って、細野さんに湯呑茶碗をプレゼントしてくれました。
細野さんは今もその湯呑茶碗を愛用しています。細野さんは湯呑茶椀をじっと見つめ、「遺品となりました」と寂しそうにポツリと言いました。細野さんは犯人に対して「ふざけんな」、「人間か」、「ぶっ殺すぞと犯人に飛び掛かる気持ちがある」と激しく感情を剥き出しにして怒りました。

 太田さんはやまゆり園の毎日の散歩コースを歩いてみることにしました。すると、偶然反対側から両手をしっかり繋ぎながら歩く3人の津久井やまゆり園の入所者と出会いました。挨拶を交わすと入所者は「太田先生」と懐かしそうに言って、太田さんのことをちゃんと覚えていてくれました。
 散歩コースを歩きながら、途中ベンチで小休憩しておやつを食べたことや、帰り道みんなで「高校3年生」を歌いながら帰ったことが懐かしく思い出されるようでした。「高校3年生」を懐かしそうに歌っていた太田さんが突然、言葉につまり無言になりました。「高校3年生」の歌詞の最後「ぼくら離れ離れになろうとも、クラス仲間はいつまでも」の歌詞が胸にぐっときて歌えなくなってしまったのです。
 しばらくの沈黙の後、太田さんは「このコースを歩いて散歩したことの重大さを感じました。かけがえのない命を奪われたことが、ひとりで歩いているとさらにその思いが強くなりました」と語られました。
 犠牲者19人のうち15人の情報が断片的に分かっているそうですが、太田さんは犠牲者19名全員のそれぞれの人生を明らかにして記録に残したい、という思いを尚一層強くされたようでした。
 11月中旬、太田さんがやまゆり園の献花台を訪れると、「献花台撤去」の告知がされていました。
事件発生から4カ月余り経過して、名前の明かされない匿名の犠牲者に捧げられた花束も撤去されます。
 太田さんは、献花台が撤去されて犠牲者のことを忘れてしまうことは「2回目の殺人を犯すことになってしまう」、「振り返ることもなく忘れ去られることになってしまう」、「2回目はさせない」と強く心に思うのでした。

 太田さんは事件発生直後から、新聞やテレビにも積極的に登場していたので、優しい話し方をされる温厚そうな方という印象を抱いていました。発言内容も犯人を一方的に責めるようなものではなくて、犯人と同じ仕事に携わっていた者としての視点からコメントされていたので強く心に残っていました。西角さんや太田さんが犠牲者の生きた証を記録しようとされていますが、ご苦労の多い大変な作業だと思いました。いろんな側面から犠牲者の人柄を地道に探ってゆくと、おぼろげだった人間像が次第にくっきりと浮かび上がってくるのがよく分かります。西角さんと太田さんが力を尽くされていることは意義深く、犠牲者の方々の本当の意味での供養にもなると思いました。

385. 熊本稲荷神社 (2016.12.08)

 熊本城の守り神とされる熊本稲荷神社ですが、隣接する熊本城の大きく崩れ落ちた石垣の補修工事の様子を真近に見ることができます。これまでは背の高いフェンスが張り巡らせていて、中の様子が殆ど分かりませんでした。先週くらいからでしょうか本格的に補修工事が始まったようです。工事の大型車両が頻繁に往来するたびに、フェンスを大きく開閉するので、フェンスを開けた時には工事の様子を眺めることができます。丁度、私が稲荷神社の前を通りかかった時、偶然にも三角元熊本市長ご夫妻が中の様子をご覧になられていました。やはり元市長というお立場上、人一倍ご心配なことと思われます。

 崩壊した石垣から膨大な量の石が崩れ落ちています。その石の山の上に3台のショベルカーが乗って、急ピッチで石を取り除く作業をしています。作業の進捗状況からすると、おそらく年内に補修工事の完了を目指しているのではないかと思われます。このエリアは美術館分館、伝統工芸館、加藤神社などがすぐ近くにあり繁華街もすぐ目の前で、人の往来が多く観光客も多数訪れます。また、新年を迎えますと熊本稲荷神社には大勢の参拝客が訪れますので、一日でも早く補修工事を終えることは復興をアピールすることにもなります。すでに写真左手側の稲荷神社の後方部分は補修工事を終えています。石垣は白いビニールで覆われて、黒い大きな土嚢が整然と並べられています。現在工事中の場所も同様に美しく整備されることでしょう。

 地震発生直後、熊本稲荷神社の石垣の被害状況を見た時は、あまりにも酷い惨状にただ呆然として一体どこから手をつけるのだろう、補修や整備ができるのだろうかと心配していましたが、次々にきれいにかたずけられて整然とした状態になって行く様子を見ると心底ほっとします。
 できることなら、熊本城の中も早く全面開通して欲しいと願っています。例年、今の季節は城内を散策して紅葉を眺めるのが大きな楽しみでした。今年は城内への立入りは加藤神社までしか行けませんので、残念ながら紅葉を楽しむことができませんでした。来年開催される熊本城マラソンの時までには、全面開通することを願っています。

384. ラストソング (2016.12.07)

 「ラストソング」というタイトルのドキュメンタリー番組を観ました。
青森慈恵会病院の緩和ケア病棟は、心と身体のケアのために自然な流れの中での死を尊重しています。緩和ケア病棟は全国に360カ所ありますが都市に集中していて、患者さんの生活の質を高める取組をしている医療機関は少ないそうです。人生最期の瞬間(とき)を迎えるその日まで、最期まで自分らしく生きられるように末期ガン患者のリクエストに応じてハープ演奏をされているのは、終末期治療専門の音楽療法士、佐藤由美子さんです。佐藤さんには患者さんと医師の橋渡し役をするという大きな役目もあります。
患者さんは医師や看護師さんに言わないようなことでも、佐藤さんには心を開いて話してくれることがあります。佐藤さんの音楽療法を受けた患者さんは、すごくリラックスしてとてもいい顔になります。
 佐藤さんはセラピストは自分自身の精神的的ケアがきちんと出来ていないとプロフェッショナルとはいえないと言います。そして、音楽は人生最期の贈りものですと語られていました。

 音楽療法は心や身体の健康回復のために用いる効果的な療法です。おもに精神病院や老人ホームなどを中心としていますが、近年はホスピスにも活躍の場を広げています。終末期の患者さんの好きな歌を一緒に歌ったり演奏したりすることで、痛みの軽減・吐き気の緩和・心の安らぎなどに効果が認められます。あくまでも楽器は患者さんの心を開いてもらうための道具であり、最も大切なことは患者さんとのコミュニケ―ションだそうです。番組の後半、末期肺ガンの男性が自分の好きな歌を聴くと穏やかな笑顔になる様子が映し出され、病室には笑い声が響きました。しかし、その後男性の体調は急変します。男性の妻は、夫の意識がない中、夫が昔好きだった森山良子の「この広い野原いっぱい」を夫の耳元で聴かせます。男性は好きだった歌に包まれながら静かに旅立ちました。

 音楽療法士の仕事は、死と向き合わなくてはといけません。佐藤さんはこの仕事を15年間続けています。佐藤さんが音楽セラピストを目指したのは、病死した父の死に向き合った母がよく歌を歌っていたことにあります。また、兄がいじめを苦にしてずっと引きこもり、8年前突然死去しました。一番助けたかった兄を助けることができなかったと悔やみます。そして、今でも夢に兄が出てきて「ごめんね」と謝っていると言います。
兄に対して何もできなかったという後悔の念から、誰かを救う仕事がしたいという思いで音楽療法士の仕事を選択しました。佐藤さんの奏でるハープの優しく温かく柔らかい音色は、患者さんの心に安らぎを与え病室に優しく響いていました。

 この番組を観て音楽の力の大きさを感じました。数年前に亡くなった私の母も、亡くなる前日母が好きだったNHKドラマ「冬のソナタ」の主題歌のCDをかけた途端、一瞬表情が変化して歌に聴き入っていたことを懐かしく思い出しました。人生最期の時、自分の好きな音楽の音色に包まれて旅立てることは幸せなことだとしみじみ感じました。

383. 見た目の差別 (2016.12.06)

  「見た目の差別」という番組を観ました。
 番組のオープニングは、マスク姿のひとりの女性のひとり芝居でスタートしました。顔にリンパ管腫の障がいを抱える女性は、人から目を背けられて差別される苦しみを切々と訴えます。ひとり芝居を終えると、突然マスクを取り外しました。
障がいのある顔を見せて「目を背けないで理解して欲しい」と強く訴え掛けました。ドキリとするショッキングな演出に、正直戸惑いました。
 その他にも、顔半分が血管腫のため赤いアザのある男性が出演して「あの人は人を殺しているから近付いてはいけない」と母親が子供に言うのを聞いことがあるそうです。また、色素欠乏症で髪の毛が金髪のようになっている男性は「何か特殊能力があるのですか」と聞かれたことがあるそうです。

 番組に出演された見た目に障がいを抱える方々は、人からジロジロ見られたりからかわれたりいじめられて、辛くて辛くて引きこもりになったこともあり、社会の偏見に深く傷ついてきたと語られていました。
その他にも、就職や結婚差別など人生設計が出来ないという絶望感から生き辛さを抱えていると言います。
 見た目の障がいは①機能障害がない、②治療の緊急性がない、③生命の危機がない、ので公的な支援を全く受けることが出来ないことが問題点で、見た目の問題だからと放っておかれることが多いとのことでした。

 番組冒頭でひとり語りをされたリンパ管腫の女性は、社会の冷たい目を変えるために積極的に表舞台に出ています。普段の生活では、マスク姿で外出しており、食事もマスクを付けたまましています。
これまでに、鼻と口の手術を40回以上繰り返してきたそうです。結婚して出産したことが大きく影響して、さらに顔の障がいがひどくなってしまったそうです。一人息子は学校で女性のことを「オバケ」、「顔が変だぞ」などと心ないことを言われて悲しみ深く傷ついていました。

 女性は見た目の障がいが社会に知られていないことで起こる社会の偏見を変えるために、3年前から一人芝居を始めました。「少しずつ世間の目が変わって欲しい」、「中身はみんなと変わらないひとりの人間です」、「生き辛さを知って欲しい」と思ったのがきっかけでした。ひとり芝居を観た人たちは「素敵」、「かっこいい」と感想を述べていました。女性は同じ悩みを抱える人たちの力になりたいという願いがあります。また、スポットライトを浴びて自分を解放することに喜びも感じているとのことでした。

 女性がひとり芝居をしたりテレビ番組に出演するという勇気ある行動を決断させたのは、病気の認知度を高めて偏見をなくしたいという強い願いの他に、一人息子に胸を張って生きて行って欲しいという思いもあるからではないかと思いました。また、女性が積極的に行動することで自分を開放する喜びを感じることができたのは大きな救いでした。 私はこれまで顔に障がいを抱える方を見た経験が殆どなかったので、この番組は衝撃的でした。女性が発言した「中身はみんなと変わらないひとりの人間です」という言葉が心に突き刺さりました。

382. 初霜・初氷 (2016.12.05)

 今週のアレンジは、冬の木立を連想させます。ホワイトカラーの中に、
淡いピンクやのカーネーションや紫色のスイートピーとトルコキキョウが
美しく映えます。花材はツツジ・カラー・コチア・セペリカム・アンスリューム・
シンビジュームです。

 熊日新聞によりますと、例年11月には初霜や初氷が観測されていますが、
今年はまだ観測されていないとのことです。
 今週は寒くなり初霜と初氷が初観測される可能性があるそうです。
このところポカポカ陽気が続いていますので、急激な寒さにはご注意下さい。

381. かき松さん&つとむ君 (2016.12.04)

 週末、新市街のアーケードで南阿蘇村の「阿蘇猿まわし劇場」の調教師・かき松さんとおサルの「つとむ君」(2歳)のイベントが開催されました。
 かき松さんは漫才師の島田洋七さんに雰囲気がよく似た方でした。
愛嬌があってユーモアがあります。つとむ君は人間でいうと6歳だそうです。健気で愛らしくてなかなか芸達者でした。かき松さんとつとむ君の息の合った掛合が楽しくて、大勢の観客は大きな笑いに包まれていました。

 芸の披露を終えると、かき松さんが大きなザルを手にしてお賽銭を集めて回ります。千円札を差し出す人が結構多かったようです。私は丁度チョコレートを買い求めたばかりでしたので、かき松さんに許可を得てつとむ君にチョコレートを1個プレゼントしました。すると、つとむ君はチョコレートを2口程であっという間に食べてしまったのでビックリしました。この様子を見ていた観客は大笑いしていました。
 かき松さんに「劇場は営業しているのですか?」と訊ねますと「営業してますよ」とのことでした。
アクセス事情が悪い中での営業は厳しい状況が続いているのではないだろうか、
劇場の被害状況はどのようなものだったのだろうか、と気にかかり調べてみました。

 「阿蘇猿まわし劇場」は地震の影響で、吊り天井の一部が客席に落下するなどの被害があったそうです。
おサルさんたちには被害はなかったものの、かなり怯えた様子だったそうです。
人間同様、おサルさんたちも強いショックを受けたのでしょうね。
 そんな中「自分たちが先頭に立って自粛ムードを吹き飛ばそう」という思いで、「阿蘇の復興」のために4月29日には公演を再開したそうです。再開した日は6回公演のうち1回だけが観客が4人で、あとは観客ゼロだったとのことです。5月18日は1日1回だけの公演で観客は2人だったそうです。
収容人数600人の劇場で2人の観客という光景を想像するだけで悲しくなります。
現在は徐々に観客も増えてきているようなので一安心しました。
  「阿蘇猿まわし劇場」ホームページの フェイスブックでは最新の情報を見ることができます。
 アドレスはhttp://www.aso-osaru.com/です。

380. 映画への旅(28) 「淵に立つ」 (2016.12.03)

 映画はありふれた家族の日常の風景からスタートしますが、すぐに夫婦の関係性に小さな違和感を感じさせます。どこか他人行儀でかみ合っていない会話、視線を交わすことのない冷めた関係、無反応で何を考えているのかよく分からない夫。そこに突然現れる訳ありの危険な感じのする不気味な雰囲気の男。
家族の崩壊に拍車をかけるように、物語は展開してゆきます。

 登場人物が少なく説明的なセリフで構成されてはいませんので、ひとりひとりの俳優の高い演技力が求められる映画です。主演の浅野忠信さん演じる狂気を秘めた複雑な内面を持つ人物は、浅野さんが得意とする役柄でまさに適役でした。
 また、浅野忠信さんと対をなす役柄の古館寛治さんは、感情の起伏に乏しく何事にも無関心そうに見えながら、時折突然感情が爆発します。心の中で何を考えているのかつかめない不思議な人物像が、やはり適役だと思いました。私が最も注目したのは筒井真理子さんです。はじめはどこにでもいるごく普通の主婦を軽快に演じます。そのうち突然の乱入者に心惹かれてゆき、妖艶な色香を漂わせ恋心に揺れ惑います。
そして、ついには夫との間に決定的な不信感を募らせ、心に深い闇を抱えながら生きる姿を巧みに演じ分けます。以前から演技の上手な女優さんだと思っていましたが、ひとりの女性の多面性を巧みに演じ切っていました。この映画が成功している大きな要因のひとつだと思います。

 映画を観終わっても割り切れないもやもやとした思いが渦巻き、映画のいくつかのシーンを思い出しては考えたりすることの多い余韻の残る映画でした。誰が観てもすっきりと理解できて感動する、という映画とは対極にある映画です。余談ですが、夫婦の一人娘役が篠川桃音ちゃんだったことに注目しました。
桃音ちゃんはNHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」で、愛くるしい子役として有名になりました。
朝ドラ出演時はまだ幼かった桃音ちゃんですが、現在は10歳になっていました。
相変わらず大きな瞳がきれいな美少女ですが、演技力もかなり上達していました。
思いがけず成長した桃音ちゃんを観ることができたのも新鮮な驚きでした。

379. 吃音と向き合う (2016.12.02)

 バリバラの番組オープニングは、シンガーソングライター清水裕治さんが「吃音と申します」(作詞作曲:清水裕治)を生演奏しました。
 歌詞は「は・は・は・は・はじめまして。話すと・ど・ど・どうしてもどもります。吃音症という障害ですが気にせず話して下さいね。『えー・それは考えすぎだよ個性って思えばいいんじゃない?』、『そっ・そっ・そー・それを決めるのはお、おまえじゃない!』そ・そ・そ・そ・そうなんだ、真似を・す・す・するのは楽しいか?お前にとっては笑いごと、でも俺にとってはdead or alive。がっ・がっ・がー・学校内では・・・わっ・わー・笑われ続けて、しゅ・就職活動いよいよ笑えなくなってくる、こ・言葉が出なくて、で・電話も出来ない、や・やれと言われても、ただただ今日もどもってる、め・面接だって、きょ・今日も不採用、お・俺も分からず、ただただ今日もどもってる。誰も俺の辛さわからない。家族のみんなも理解出来ない。だけどいつかは分かってくれる。今日もどもりながら気長に生きてみよう。」
 清水さんは小学校の頃からからかわれたりいじられていた経験から、吃音の理解を広めるために吃音をテーマにした曲を歌っています。 

 出演者は桂文福さん(吃音の落語家)、九大病院・菊池良和医師、京大生・八木智大さんです。菊池医師はご自身も吃音がありますが「自分のことが自分で分からないのだから、他人のことはさらに分からない」、「吃音は専門家でも専門外です」と正直に述べられました。
 京大生・八木さんは障がいや吃音の問題に目を向ける教育の重要性を感じて、将来は教師を志望しています。番組では八木さんのために模擬授業を企画しました。八木さんは、あえて最も言葉が出難く苦手な「英語」の授業に挑戦します。事前に入念な準備や予行練習をするものの、最初の自己紹介だけで35秒かかりました。秘策としてメトロノームに合わせます。すると言葉がスムーズに出て5秒で自己紹介ができました。
吃音はリズムに合わせると言葉が出やすいのです。
 先生デビュー本番。小学校高学年生9名の前で人生初の教壇に立ちます。黒板に自分の名前を書いて自己紹介をしますが、なかなかうまくゆきません。子供たちは初めて聞く話し方に困惑した表情を浮かべています。
 しかし、徐々に調子が出て来て、子供たちとうまくコミュニケーションをとりながら授業を進めることができました。授業を終えてから子供たちに感想を訊ねると、「しゃべりにくそう」、「言葉が出難そう」、「聞き取れるから大丈夫」、「それでいいんじゃない」、「気にはしない」と好意的な意見が聞けました。
八木さんは「少しだけ自信を深めることができました」、「おもしろかったです」と感想を述べられていました。

 八木さんの奮闘振りを温かな眼差しで見守っていた桂文福さんは、子供の名前を呼ぶときには「いつも元気な山田君」などと、名前の前に子供の特徴も言う工夫をするとどもり難いと、貴重なアドバイスをされていました。桂文福さんは「吃音でなかったら平凡な普通の落語家の師匠になっていたと思う。けったいな芸風と言われるのは吃音のお陰ですよ。自分のハンディを武器にしたから吃音でよかったと、今、心から思える。みんな違ってみんないい」と述べられていました。番組ご意見番・ミスターバリバラは「なかには『治したい』と思っている人もいることは事実。『治さんでいいよ』というよりも、いろんな人の生き方を見てもらってこんなやり方もあるんだなとか、こんな工夫をすればうまくいくと伝えていくのが皆さんの役割かな」と感想を述べられていました。

 司会の山本シュウさんが八木さんに「どんな先生になりたいですか?」と質問しました。
すると、八木さんはなかなか言葉が出ません。そんな時、すかさず桂文福さんが手にした扇子をメトロノームの振り子のように左右に大きく振り、それに合わせて規則正しくぽっ・ぽっ・ぽっ・・・と口ずさんで助け舟を出してくれました。八木さんはそのリズムに合わせて話し出すと、急にスムーズに話せました。予期せぬ感動的なシーンに、バリバラレギュラー陣は一斉に「すごいなぁー!!」と目を輝かせて驚きました。番組の最後には桂文福さんが考えられた「みんなドモダチ~!」という言葉で締め、出演者全員の笑顔で終えました。

 番組を観て、八木さんは教師志望で苦労は多いかもしれませんが、きっといい先生になるだろうなと思いました。にこやかで明るくて前向きで、ちゃんと子供の心に寄り添って向かい合っていける人だと思いました。
 そして何といっても桂文福さんが魅力的でした。以前も違う番組で桂文福さんの特集を観ましたが、苦労をたくさん重ねてきているだけにいろんな工夫や知恵に心底感心します。悩みを抱えている人たちを見つめる瞳の温かさが伝わってきます。ご自分が抱える障害を笑いに包み込んで受け入れ、障害と共に生きる姿は人間的な魅力に満ちています。桂文福さんの生き方や考え方は、同じ悩みを抱える人にとって参考になる点が多く、明るい希望となると感じました。

378. 縫う人 (2016.12.01)

  「縫う人~着物から洋服へ~」というドキュメンタリー番組を観ました。
洋裁師の都築映子さん(65歳・大分県在住)が着物に向かって「ごめんね」、
「切るの勿体ないねぇ」、「よいものにしてあげたいなぁ」とつぶやきながら、
着物にハサミを入れます。着物の生地や柄の美しさを活かして洋服にリフォーム
して着物に新しい命を吹き込み、着物に込められた想いを縫い繋ぎます。
 
 都築さんは着物で仕立てた洋服は軽くて暖かく、想い出も一緒に楽しめると言います。
そして、現在は日常の生活の中で着物を着る機会が少ないので、タンスの中に入れて眠らせておくよりも洋服にリフォームした方が、着物が喜ぶのではないかと言います。番組の中では、着物がドレス、ワンピース、
ジャケット、シャツ、パンツなどにリフォームされ生まれ変わって喜ぶ人たちの様子が多数紹介されました。

 着物に関する話しだったので興味深く番組を観ました。
私も着物好きな叔母から譲り受けた着物が数着あるので、なるべく機会を見つけて着物を着るように心掛けています。私は叔母から着物に纏わる話を聞くのが、とても楽しくて興味深いです。
それぞれの着物には、必ず何かしらの思い出や物語があるからです。
叔母が大切な着物を手放すと決断した時の寂しさを思うと、譲り受けた者としては着物を大切にして、
なるべく数多く着ることが礼儀ではないかと思っています。
 最終的には、着物を洋服にリフォームして気軽に身に纏うこともとても素敵なことだと思います。
どのようなかたちであれ、最後まで着物を愛してあげる心が大切なのだろうと思います。

377. 歌暦 (2016.11.30)

 「歌暦」というタイトルが付けられた、谷村新司さんのピアノリサイタルが熊本で開催されました。芸大卒の若手男性ピアニストの情熱的な演奏と、歌手生活45年を迎えた谷村新司さんの円熟した歌との競演が新鮮さを感じさせました。

 アリス時代の初期の作品「22歳」から大ヒット曲「遠くで汽笛を聞きながら」、ソロ活動後に山口百恵さんに提供して大ヒットした名曲「いい日旅立ち」など、誰でも知っている曲を中心にした構成となっていました。ラストは「群青」と「昴」。
そしてアンコールはお馴染みの「サライ」。
観客と共に声を合わせて歌い、一体感を生み出します。

 誰でも知っている名曲の数々で楽しませ、ユーモアに満ち溢れた手慣れた語りで観客を温かな笑いに包み込み、衰えることのない美声と声量で歌の世界観を見事に歌い上げます。すべてにおいて多くの観客を満足させ得る高い技量を持ち合わた、別格の歌手だとしみじみ感じました。
 歌声がいつまでも心に響き、余韻に酔いしれました。

376. ボツイチ (2016.11.28)

 以前、朝日新聞で「妻に先立たれたら」とうタイトルの記事が掲載されました。配偶者を亡くされた方を「ボツ(没)イチ」と呼ぶそうです。
 男性は仕事中心で生きてきているので地域との繋がりが薄いうえに、不慣れな家事にも直面して戸惑うことが多いそうです。
心身のダメージは女性よりも男性の方が高い傾向にあるそうです。
 死別後に表われる反応として、不眠・食欲不振・疲労感・引きこもり・集中力がなくなる・悲しみ・怒り・孤独感・自分を責める・・・などの心身のダメージがあります。これらの症状は、夫婦仲や長期の介護などの影響で、それぞれの事情や状況によって「悲しい」という感情があまり起きないこともあるということです。

 死別した時にはまずはゆっくり休むことが大切で、少し気持ちが落ち着いたら配偶者を亡くした人や信頼できる人に話しを聞いてもらったり、亡くなった人に宛てて手紙や日記を書くのもよいそうです。
夫婦で一緒に行なったことや、妻に喜ばれた楽しい記憶を思い出して、自分を責めないことが重要だそうです。そして、辛いとか悲しいと感じるのはそれは夫婦の間に深い愛情があったことの証しとのことです。
自分のペースで自分に合った生き方をしていくことが大切ですと結ばれていました。

 私はこの記事を読んだ時「ボツイチ」という言葉を初めて知りました。
記事には書かれていませんでしたが、やはり何か趣味を見つけて没頭したり、新しい人間関係を築いたり、
旅行や登山をして生活環境をちょっと変えてみるのもいいのかもしれないと思いました。
 夫婦間の愛情が深いほど喪失感が大きい・・・というのは夫婦としての豊かで幸せな時間を過ごしてきた「証し」であるなら、日々の暮らしの中での楽しい出来事を簡単なメモ程度でもよいので記録しておくのがよいと思います。大切な記憶はいつまでも色褪せることなく、きっと生きる力となり宝物となるだろうと思います。

375. 着ぶくれの日 (2016.11.28)

 今週のアレンジは11月最後の週を飾り、そして週の半ばには早くも12月を迎えるのに相応しい、心が弾むような明るい彩りに満ち溢れています。
 オンジューム・アオモジ・グロリオサ・カーネーション・アンスリューム・ヒペリカム・エピデンドラム・・・カラフルな色の競演が楽しめます。

 11月28日は「着ぶくれの日」だそうです。
確かに寒くなってきたのでダウンジャケットや分厚いコートを着用されている方を多く見掛けるようになってきました。電車に乗っていると、コートの厚さで1.5人分席を占有している方も見掛けます。
 都会では今までは100人乗っていた電車でも、着ぶくれした人が増えてしまうと90人しか乗れないということになり、1時間あたりの電車の本数が変化してしまうこともあるらしいので切実な問題のようです。

 その点、熊本では朝夕の通勤時間帯以外はのんびりしていて長閑な雰囲気です。
お互い席を譲り合って和気あいあいとしています。熊本に住んでいてよかったとしみじみ思います。

374. 映画への旅(27) 「永い言い訳」 (2016.11.27)

 原作・脚本・監督 西川美和さん、主演は本木雅弘さん。
突然訪れた喪失の悲しみ、苦しみ、後悔、葛藤、出会い、喜び、幸せ、願い・・・
などが複雑に絡み合って描かれている味わい深い秀作です。

 主人公を演じる本木雅弘さんが、今まで見たこともないようないろんな表情や感情を曝け出しているのが意外でした。これまでは優等生タイプの作り込んだ演技をされることが多かったのですが、今回の作品ではダメな部分や嫌な部分なども演じていて、主人公の人間性が豊かに捉えられています。もう「モッ君」という呼び方が似合わない、成熟した大人の俳優になったのだと感じられました。
 オーデションで選ばれたアーティスト竹原ピストルさんの真っ直ぐな演技にも、強く惹き込まれました。
本木雅弘さんとルックスもタイプ的にも真逆なので、対比が際立っていて効果的でした。
 やはりオーデション(370人の中から)で選ばれた2人の子役の自然体の演技も魅力的でした。
長男役の藤田健心君は繊細な演技が印象的で、将来性が感じられました。
長女役の白鳥玉季ちゃんは天真爛漫で、自由に発言しているように感じられリアル感がありました。
 主人公の妻役 深津絵里さんは登場シーンこそ少ないものの、結婚生活20年の夫婦の冷めた関係を感じさせる余韻の残る演技が、映画を観ている間中ずっと忘れられなくて切なさを感じました。

 妻は夫にずっと愛情を抱き続けていたのに、夫は妻に無関心で愛情もすっかり失せていた・・・。
時間の経過とともに、人との関わりの中で少しづつ変化してゆく夫の心の移ろいを丁寧に描き出します。
 西川美和さんの作品を観ていつも感じるのは、人間の複雑な心理描写を巧みに描きだしているのが大きな特色だと思います。喪失してしまってから初めて知るその存在の大きさ、二度とは戻ってこない大切な日々。
 つまりは今この瞬間(とき)、お互いがちゃんと向き合い相手の心に寄り添いながら生きなければ後悔する、ということを示唆している映画でもあると思いました。現在の時点での今年観た邦画のベストワンです。

373. 「ばななとグローブとジンベイザメ」 (2016.11.26)

 本日、映画「ばななとグローブとジンベイザメ」の上映と舞台挨拶がデンキカンで開催されました。映画上映前には、出演者からのビデオレターも特別上映されたので驚きました。映画は3年前に公開されましたが、現在も全国各地でアンコール上映されている作品です。 主演は熊本人吉出身の中原丈雄さんです。
父と子のそれぞれの思いを温かなタッチで描いています。中原丈雄さんのダメおやじ振りが憎めなくて、ほのぼのとして愛嬌があるので、衝撃のラストでは胸にジワッとくるものがあり涙を誘います。会場内でも泣いている方が多かったようです。

 映画上映後には舞台挨拶が開催されました。
登壇者は主演の中原丈雄さん、 川上麻衣子さん、 黒田福美さん、 仁科貴さん 、原田佳奈さん、
根岸季衣さん 、佐藤貢三さん 、新城希空さん、 大城英司さん、キャスト9名が参加されました。
 大城英司さんは中原さんの弟役として出演されていますが、映画の脚本・プロデューサーでもあります。
司会進行もされて「この作品が被災地の皆様の心の癒しになればと考えております」と語られていました。

 キャストの方々は映画の思い出話しと、被災地である熊本の人たちを気遣う温かな言葉を述べられていました。特に、中原丈雄さんは熊本で仕事をして帰京した日に熊本地震が発生したそうで、特別な思いを抱いているようでした。気負いがなく自然体の親しみやすい語り口で、思い遣りのある言葉を優しく語り掛けるように切々と話されました。一言一言が胸に深く染み入り心を打たれて涙が止まらなくなりました。
やはり、泣かれている方が大勢いたようです。

 舞台挨拶終了後は、特別価格(200円)の映画パンフレットに、キャスト全員がサインをして握手して下さいました。今回のイベントの目的は「熊本の人たちにちょっと元気に、楽しくなって頂くこと」だそうですが、
熊本で舞台挨拶やサイン会まで開催して頂けて、至れり尽くせりの温かな思い遣りの心を強く感じました。
夢のような贅沢な時間を過ごさせて頂けました。ありがとうございました。

372. プリンセチア (2016.11.25)

 12月が近くなると街はクリスマスカラーに染まります。
フラワーショップにも深紅のポインセチアがたくさん並んでいます。
事務所の玄関口に、淡いピンクのプリンセチアとローズ系のシクラメンを飾ってみました。とてもキュートで華やかな印象です。

 プリンセチアには「花言葉は思いやり」と書かれたカードが添えられています。
12月になると何かと気忙しく感じますが、「思いやり」の心を忘れないで、
日々の暮らしを丁寧に過ごしたいものです。

371. 生きるってなんだ (2016.11.24)

 「生きるってなんだ」というタイトルの番組を観ました。
元SEALDsのリーダー奥田愛基(あき)さん(24歳、大学院生)は、新しいデモの形を作り一躍「時の人」となりました。国会前で叫ぶ姿から攻撃的で強烈なイメージを抱かれます。しかし、奥田さんには中学時代に壮絶ないじめにあい自暴自棄になり、リストカットや自殺未遂をおこしました。
 
 奥田さんは中学生の時、突然友人たちから無視されるようになります。
そして、ある日「死んでほしい人」の第一位に名前が挙げられます。誰とも話せなくなり自分が自分でいられなくなりますそして、自分は今ここに存在しているのだろうかと思えて、自分が透明になってゆくのを感じます。とうとう息をするのも辛くなり塞ぎこむようになりました。
 奥田さんの実家はキリスト教協会。父は牧師で深夜遅くまでホームレスや路上生活者の生活再建のために根気強く支援を続けています。父は当時を振り返り「親子だから息子を許せなくて、『こんなことでどうするんだ』と息子を追い詰めてしまいました」と悔やみます。奥田さんは母に「全部ぶっ殺して自分も死にたい」と叫びます。母は、「息子が壊れてしまうまで力ずくで思い通りにしようとしていた」、「何も分かっていなかった」と苦悩の表情を浮かべ後悔します。その後、奥田さんは自傷行為をしてブロック塀に頭を打ち付けて死のうとします。親には本当のことが言えなくて、自分でもどうして欲しいのか分からなかったと言います。
今考えると、その時誰か一緒に考えてくれる人がいたならよかったと思うと振り返ります。

 そんな時、偶然目にした劇作家鴻上尚史さんが書かれた新聞記事に救われます。
記事の内容は「いじめられている君へ、死なないで逃げて、逃げて、安心して生活できる場所が絶対にあります。それはちいさな村化南の島かもしれませんが、きっとあります。」
鴻上さんはインタビューで「いろんなことは後から考えろ、逃げると本当に世界の広さに出会えるんだ」と書いてありました。奥田さんはこの記事を読んで、鳩間島へ「生きる」ために転校する決断をします。
鳩間島では仲曽根さんという島民にいろんなことを教えて頂き、人知を超えた世界は広いのだということが自然に理解できるようになり、「積極的に挑戦しろ」、「できないという気持ちを持つな」と教えられます。
 しかし、奥田さんは突然トラウマに襲われることがありました。急激に不安定になり、大量の服薬やリストカットをして自殺未遂をしました。その時、普段は寡黙な中曽根さんから本気で猛烈に怒られました。
 奥田さんは鳩間島での暮らしを経験することで、自分ではどうしようもないものを受け容れ、人は人だし自分は自分、人との距離感が掴めたと言います。その後、東日本大震災でのボランティア活動、「生きるって何ですか?」というタイトルの映画製作、SEALDs設立など、自分にも何かできることがあるかもしれないという思いで、いろんなことに積極的に挑戦しています。

 奥田さんはいめじについて「みんな傷つく誰しもが加害者であり被害者です。いじめだと認識して違うやり方があるはず、そして『生きて欲しい』と言い続けなければいけない」と発言されていたのが強く心に残りました。
 現在、奥田さんはいじめ体験や生きることについての講演をされています。
「生きていて欲しいと一生懸命に伝えるしかない」、「生きることはいろんな人との出会いや経験から変わってくる」、「自分は自分として生きて行かないといけない」、「人の助けも必要だがその中でひとりとして生きて行く、それが自分の生きることです」と語られていました。

 今回の番組で衝撃的だったのは、奥田さんが抱える深い絶望感や苦しみを正確に理解できていなかったご両親の後悔の言葉、鳩間島で自殺未遂した時に真剣に向き合ってくれた仲曽根さんの言葉、そしていじめに加担してしまった幼なじみで親友の言葉、それぞれが当時を振り返り率直に語られているのが深く重く心に残りました。特に、いじめに加担した友人が当時を振り返り「ゲーム感覚の発想で流れに乗らないと置いて行かれると思い、分からないままいじめに加わった」、「はたから見ると彼は復活した、いじめがあるから今があるんだ、転校して新しい学校に行けてよかったと人は言うが全然よくない。」、「いまだにしんどい思いをさせてしまったなと、自分がしんどくなることがある」、「仲良しだよねと胸を張って言えない辛さがある」と現在の辛い心境を沈痛な面持ちで正直に告白していました。テレビ番組に登場して発言することは、とても勇気のいることだっただろうと思います。奥田さんへの懺悔の気持ちと、自分たちが経験した辛い体験を多くの人に知ってもらうことで、いじめ防止に役立てようという考えから出演を決断したのではないだろうかと推察しました。
 いじめられた人もいじめた人も、いつまでも心の傷が癒えることはないのです。このことを重く受け止めなければならないと思います。 この番組は何回も再放送をして、是非多くの方々に観て欲しいと願っています。

370. 祝・リニューアルオープン! (2016.11.23)

 今日はユナイテッド・シネマ熊本が待望の リニューアルオープンをしました。
熊本地震発生以来7カ月もの長期間閉館していました。
久し振りに館内に足を踏み入れると、とても懐かしい感じがしました。
映画館の名前は「シネプレックス」から「ユナイテッド・シネマ」に変わりましたが、
館内のレイアウトに大きな変化はないので、混乱することはありませんでした。

 当初から混雑が予想されましたので、事前にネットでチケットを購入していたのでスムーズに映画を見ることができました。チケット売り場は物凄い行列で、さらにマスコミ関係者の取材もあり大混雑していました。

 映画上映前、予告編とともに4D映画のコマーシャル映像が2回放映されました。4D映画の楽しさが十分伝わる映像でしたので、観客は大爆笑していました。
12月16日公開の記念すべき4D作品は「バイオハザード・ザ・ファイナル」と、
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のようです。

 今回は「ファンタスティック・ピーストと魔法使いの旅」3Dを観ました。
これまでよりも映像が目の前に飛び出してくるので迫力満点でした。また、音響設備などの性能が格段に向上しているようで、映画を観ている自分が映画の世界に入り込んでいるように感じられました。
3D映画を観るのは本当に久し振りでしたので、心から楽しむことができました。
 これからはわざわざ遠くまで行かなくても、以前のように気軽にシネコンの作品が楽しめるようになりました。

369. 映画への旅(26) 「ヴィスコンティと美しき男たち」 (2016.11.22)

 ルキーノ・ヴィスコンティ監督作品「山猫」と「ルートヴィヒ」が、日替りで一週間限定で特別上映されています。
 「山猫」は1963年作品(53年前)、4K修復版で上映時間は187分(約3時間)。
現在81歳のアランドロンが28歳の時の作品です。没落していく名門貴族の世界を描いているので豪華絢爛。特に大舞踏会の華やかさや熱気に圧倒されました。
一世を風靡した美男子、アランドロンの美貌も眩しいほどキラキラと光り輝いていました。

 「ルートヴィヒ」は1972年作品(44年前)、デジタル修復版で上映時間は237分
(約4時間)。現在では大変珍しい映画の途中で休憩が入りました。
実在したルートヴィヒⅡ世国王の謎の死までを、ヘルムート・バーガーが熱演しています。
暗い翳りがあり狂気を秘めた美しい端正な顔立ちと、役柄が憑依しているかのような迫真の演技に惹き込まれました。どのシーンも美しく魅力的で心を奪われ、破滅的なストーリー展開も緊張の糸が緩むことが一瞬たりともない優れた作品でした。

 今回初めてルキーノ・ヴィスコンティ監督作品を2作品鑑賞出来る貴重な機会となりました。
ヴィスコンティ監督のすべてにおける美意識の高さを強く感じました。
監督ご自身が名門貴族出身でありすべてにおいて本物にこだわること、ご自身が幼い頃より美少年で美しい端正な顔立ちであり美形の俳優を好まれること、俳優が燃え尽きるまで渾身の演技を引き出す卓越した演出力で完全主義者であること・・・ヴィスコンティ監督についての興味も尽きません。

 最後に、「ルートヴィヒ」に主演したヘルムート・バーガーが、ヴィスコンティ監督の死後精神的ダメージを受けて出演作品が激減したというので、その後がとても気掛りで調べてみましたらあまりの変貌ぶりに驚いてしまいました。時の流れは本当に残酷です。
 映画の中に刻まれた最高に美しい姿だけを記憶に留めておくことにいたしましょう。

368. ねむの木学園 (2016.11.22)

 県立美術館分館にて「NHKハート展」と「くまもと障がい者美術展」が開催されています。色彩感覚に優れ、ユニークな発想の作品に驚かされます。
 特に、熊本在住の肢体不自由な方が口でマウスを動かして作成されたデジタルアートが素晴らしくて、長時間眺めました。構図、色彩、繊細なタッチ・・・本当に見事な作品です。「NHKハート展」は障がいのある方がストレートに訴え掛けてくる言葉と、著名人のイラスト・絵画・写真などとのハーモニーが、作品をより一層印象深くしています。障がいがあっても個性的で豊かな作品は人の心を強く打ちます。

 今回の作品展を鑑賞していましたら、以前、NHKテレビ探検バクモンで「ねむの木学園」を特集していたことを思い出しました。「ねむの木学園」学園長の宮城まり子さんは現在89歳です。車椅子に乗られてはいましたが、かつてはミュージカル女優として活躍し大スターだった頃の面影を残し、しっかりした話し方をされていました。
 ねむの木学園は昭和48年設立。宮城まり子さんが私財を投じた日本初の肢体不自由児養護施設です。
現在、施設では73人が共同生活をしています。広大な敷地のねむの木村には、ねむの木学園・美術館・吉行淳之介文学館・喫茶室などが点在しています。

 美術館には160点もの絵画が展示してあります。数々の世界的な絵画賞を受賞している有名な「としみつ」さんは、入園した頃は心を閉ざしていたそうですが、絵を描くことで自分の感情を表現する喜びを知りました。
 しかし、3年前突然、絵が描けなくなり、まり子さんに「ぼく死んじゃう」と訴えました。
その時、まり子さんは「挫折を知ることは素晴らしいこと、挫折を超えて次の山を登るの」と言って励ましたそうです。としみつさんは「みんなファミリー、みんなが元気なのがうれしい」と言います。

 まり子さんは、将来自分が死んだ後も子供たちが生きて行ける方法を模索し、どうすればいいのかを真剣に悩んでいました。子供たちが他人から同情されるのではなく愛されながら生きてゆけて、「ねむの木学園」が子供たちにとってファミリーとしての楽しい場所であり続けることを強く願っておられました。
 子供たちに温かな愛情を注ぎ続け、子供たちから「おかあさん」と慕われているまり子先生。
子供たちを見つめる慈しみの眼差しからは、深く大きな愛情が感じられたのが印象的でした。

367. 暮秋 (2016.11.21)

  今週のアレンジは、淡いオレンジ色のバラ・カランコエ・ガーベラと、淡いピンク色のカーネーション、馬酔木(アセビ)、淡いクリーム色のカトレヤ、クリーム色の花が美しい月光花(ゲッカコウ)は香水の原料になり夜になると甘く香ります。

 11月も残すところ9日間となりました。
明日は二十四節気では「小雪」。
今の季節を表現する言葉も向寒、霜寒、霜秋、暮秋・・・など、
季節は秋から初冬へと移りゆきます。

366. カッパの本屋さん (2016.11.18)

 金龍堂まるぶん店が、熊本地震以来7ヶ月振りに営業を再開しました。
「カッパの本屋さん」は、全面ガラス張りのスッキリとした雰囲気に生まれ変わっていました。入店するとすぐに3体のカッパさんが迎えてくれます。
早速、お賽銭をあげる人もいます。また、以前のようにカッパさんの周囲に腰かけて憩う人の姿も見受けられます。

 店内を見渡しますと、本棚のコーナーの表示がとても大きく分かりやすくなっています。本の配置は大体、以前の配置を基本にしているようです。
真新しい淡いクリーム色のフローリングが、明るい印象を与えます。
以前は、店の奥から上之裏通り方面へ通り抜けできて便利でしたが、残念ながらリニューアル後は行き止まりとなっていました。一部段差のあった店内は段差のないバリアフリーとなり、安心して歩けるようになっていました。新たに文房具や雑貨を新設したコーナーがあったり、店長お薦めの本のコーナーなどが新設されていたのが目を引きました。

 店頭にはたくさんの花輪がズラリと並び壮観です。上通りの中心的な書店なので、やっと本来の賑わいが戻ったように感じました。街行く人も「わぁーよかったね!」と口々に話すのが聴こえてきました。
 カッパさんたちも再びいつもの場所に帰って来れて、嬉しそうに喜んでいるように見えました。

365. きつ音こそ芸の肥やし (2016.11.17)

 「きつ音こそ芸の肥やし」というタイトルの番組を観ました。
桂文福さん(63歳)は芸歴45年の落語家です。高座での第一声は、両手を顔の横で大きく広げて「バアー」ではじまり、その後は小ネタを連発するというユニークで型破りなスタイルの芸風で人気があります。

 文福さんは3歳の頃からきつ音症でした。少年時代は馬鹿にされることが多かったので人と関わることを避け続け、きつ音がばれないようにしようと思いながら生きていました。ある日、桂文枝(5代目)師匠の陽気で華やかな落語を聴き、その語り口のすごさに衝撃を受けます。そして、「自分も人前でしゃべれたらいいな」、「落語を一席でもできて笑ってもらえたらいいな」、「うまく話せない自分を変えたい」と思い、文枝師匠に弟子入り(19歳)します。3年先輩の兄弟子桂文珍さんは、「自分でやりたいと思っているものと、向いていないものがある。これを『ネタに蹴られる』というが、『大丈夫かな?』と心配していた」と回想されていました。

 まくらの部分は勢いで乗り切るのに、古典落語に入るときつ音を恐れて固くなってボルテージが下がり、テンポが変わってうまく出来なくて伸び悩んでいました。そんな時、文枝師匠は「お前の独特の間を大事にせえよ」と声を掛けてくれました。文枝師匠の言葉を契機として得意な小ネタ、河内音頭、相撲甚句で勝負しようと決心します。さらに文枝師匠は「お前ええわそれ、それでいけるんちゃうか」と励ましてくれたのです。
 そして、文福さんはそつのない話し方が出来ない方がオリジナリティがあると思うようになります。

 文福さんには9人のお弟子さんがいます。不登校・いじめ・引きこもり・人とうまく話せないなどみんな個性的です。 文福さんは「弱いところがあったり悩んでいる人の方が、絶対味がでる」ときっぱりと言い切ります。
 そして「ハンディを武器に、ピンチをチャンスに、きつ音だったお蔭で今がある」、「やっと辿り着いた」、「今はきつ音でよかったなぁと思う」と笑顔で語られていました。

 番組の最後には、きつ音の人たちの集会に文福さんが参加して体験談を語られていました。
文福さんは「自分には河内音頭や相撲甚句という武器がある」、「自信があるから怖くない」、
「きつ音は治らんでいいし、治す必要もないと思う」と率直に語ります。文福さんの話しを聴いた若者は「自分も何か武器を見つけたい」、「吃音は自分の個性、スラスラ話したらおもしろくない」、「もっとどもっていけたらいいなぁ」と明るい晴々とした表情で感想を語っていました。

 文福さんの福々しい笑顔を見ていると、なぜか幸せな気分になれるから不思議です。
障害、病気、悩みを抱えながら生きてこられた方の人生や言葉には、強い説得力があり揺るぎのない強い信念が感じられます。芸歴45年の文福さんが辿り着いた明解な答え「きつ音は治らんでいいし、治す必要もないと思う」、「今はきつ音でよかったなぁと思う」は感動的でした。
きつ音を自分の個性だと受け容れて、きつ音と共に生きる姿勢が素晴らしいと思いました。
 悩んでいるより一歩前に踏み出して、たくさんの失敗や経験を積み重ねて、
文福さんのような境地になれるなら、幸せな人生を送れるのではないかと思いました。

364. 秋の競演 (2016.11.16)

 ブログで何度かご紹介させて頂いています顧問会社の経営者の方から、
所有されている敷地内で育てているヒマワリとコスモスを再び頂戴しました。

 特大のヒマワリの強烈な黄色が、強いパワーを感じさせます。
ヒマワリといいますと夏というイメージですが、秋に鑑賞するのも格別な思いがします。摘みたてのコスモスの香りが辺り一面に漂い、秋の香りに満ち溢れています。

 スックと立ち凛としたヒマワリと、風に揺れ動く可憐なコスモスの競演が楽しめるのも、今の季節ならではのことではないでしょうか。
 いつもながらのお心遣いに、心より感謝申し上げます。

363. 映画への旅(25) 「この世界の片隅に」 (2016.11.16)

 第二次世界大戦下の広島・呉。戦時下、主人公の少女すずさんが必死に生きる姿を描いています。日常の中で繰り返される日々の営み。食べる、笑う、怒る、泣く、愛する・・・。わずかばかりの配給で、少しでも美味しくて満腹感の得られる食事を作るために、知恵をしぼり創意工夫する様子。緊張感のある日々の暮らしの中にも生まれる家族団欒の笑顔。若くして知らない土地へ嫁ぎ、幼さが残り不器用ながらも一途に人を愛するすずさん・・・そんな日常やすずさんの成長してゆく姿を、温もりの感じられる優しいタッチの絵で表現しています。

 この作品の大きな特色のひとつにもなっているのが、6年という長い歳月をかけて綿密な時代考証をしたうえで緻密に描かれた、輝く海・雄大な山・街並み・吹き渡る風・愛らしい草花などの風景や自然が、溜息のでるほど美しく強く惹き込まれます。
戦争によって、長閑でどこか懐かしい風景が失われて行くのを観るのは、辛く悲しく心が痛みました。

 私は主人公のすずさんの声をのんさんが演じていることが、とてもよかったと思います。
のんさんの清純さ、純粋さ、とぼけた味わいのある可愛らしさ、一途さが、すずさんとピタリと重なって魅力的でした。観ていて深く感情移入でき、心からすずさんを応援したい、見守りたいという気持ちになりました。
 映画を観ながら、私もすずさんの生きた時代を一緒に生きたようなそんな気持ちになり、幾度も涙が込み上げてきました。

 のんさんは映画の感想を「どんなことがあっても毎日が巡ってくるという、普通がすごく愛おしくなる作品です」、「生きるということに涙があふれてきますが、悲しい涙ではなく、何があっても生活を続ける力強さに心が震えます」と語っています。まさしくその言葉は、この映画の核心を突いている言葉だと思います。

 「この世界の片隅に」は、クラウドファンディングというシステムで資金調達を経て映画化しています。
大勢の人々の願いや思いに支えられた映画です。莫大な宣伝費をかけなくても、上質な作品であることがクチコミで拡散し、高評価を得ているようです。つい先日開催されました広島国際映画祭では「ヒロシマ平和映画賞」を見事受賞されました。誠におめでとうございます!私の今年のアニメ・ベストワン決定!

362. COCORO (2016.11.15)

 毎年恒例の税務署の確定申告の説明会会場へ行くために、電車「COCORO」(こころ)に乗りました。「COCORO」は熊本市電開業90周年事業の一環として導入された、ブレーメン形の超低床電車です。1時間に1回位しか運行しないので、「COCORO」に乗れるチャンスはめったにありませんので、「COCORO」に乗れたのはとてもラッキーでした。

 「水道町」の電停が近くなると突然、年輩の女性の声で「次は水道町」、「次は水道町」という声が聞こえてきました。高齢者の方が誰かに大きな声で尋ねているように感じられましたので、声の主を探そうと慌てて周囲を見回しました。すると、すぐにそれはコロッケさんが淡谷のり子さんの物真似をして、アナウンスしているのだということに気が付きました。

 テレビのニュース番組や新聞記事で、コロッケさんが熊本市内の各電停名を有名人の物真似でアナウンスしているということは知っていましたが、淡谷のり子さんの物真似にはちょっとびっくりしました。
 アナウンスの声がコロッケさんだと分かると、電車に乗っていた人たちは一様に顔を見合わせて笑い合いました。熊本の人たちを笑顔にしたいからということで、コロッケさんからお申出があって実現しましたが、確かにみんなが笑顔になれました。コロッケさんの優しい思い遣りの心がうれしいですね。
 今後も電車に乗る楽しみが増えました。

361. スーパームーン (2016.11.14)

 今週のアレンジは、一目見て深まり行く秋を感じました。
ひとつひとつの花の色が、とても深みのある色となっています。

 深紫のトルコキキョウ、蜜柑色の華やかなガーベラ、雪下紅(セッコウカ)の深紅の実が愛らしく、アレンジ全体の素敵なアクセントとなっています。
 その他にも、レボリューション・ゴールドとも呼ばれる黄金葉が美しいメラレウカ(ティーツリー)は、ハーブとしても人気があります。
 レインボー(虹のように見える)と呼ばれるコンシネは、赤みの強い複雑な色合いが今の季節によく合います。コンシネは真っ直ぐにピンと伸びている姿がスマートで、「真実の木」と呼ばれます。花言葉は永遠の愛、幸福、開運、長寿・・・など
花言葉を眺めているだけで幸せな気分にさせてくれます。

 今日は地球と満月との近さが、68年振りに大接近するといスーパ―ムーン。
今日の熊本は一日中雨模様で、夕刻には雷雨もありました。その後、雨も上がったので窓を開けて夜空を眺めてみましたが、どんよりとした夜空に月は見えませんでした。
 スーパームーンの輝くような銀色のオーラに包まれ願いごとをすると叶うそうですが、あいにくの空模様なのが本当に残念でなりません。

360. タイムレス (2016.11.12)

 「熊本コーヒーフェスティバル~コーヒーと出会うこと~」が、びぷれす熊日会館イベント広場にて11月12日のみ、1日限定で開催されました。
このイベントはコーヒーを通して熊本の復興を願うという趣旨で開催されました。
 老舗コーヒー専門店「岡田珈琲」の呼び掛けに、被災した「タイムレス」、「cafepopolus」、県内各地からコーヒーがおいしいと評判の若手オーナーの店舗、自家焙煎専門店などが参加しています。
 各店のコーヒーの味の飲み比べ、焙煎や淹れ方の教室、窯元のコーヒーカップ展示、コーヒーアートなど盛り沢山の内容の復興イベントとなっています。

 このイベントで特に注目されているのが「タイムレス」です。
以前は上通りのビルにある老舗カフェとして有名でした。数年前に阿蘇西原村へ移転しましたが、熊本地震で壊滅的な被害を被り営業再開はかなわず廃業されました。
 現在はコーヒー豆の注文に応じて、ご自宅で少量づつコーヒー豆を焙煎(手網焙煎器)しているそうです。
当初は「出店は無理です」と断っていたそうですが、主催者側からの強い要望に応じて、参加することを決断をされたそうです。

 イベント会場内はコーヒーの深い香りに包まれ、活気に満ち溢れていました。
やはりダントツの一番人気は「タイムレス」です。長い行列が出来ていました。
丁寧に手網焙煎されたコーヒー豆は、ふっくらとして色ムラもなく美しい色艶をしています。
ネルドリップを使用してお湯を糸のように細く注ぎ淹れ、ゆっくり丁寧に抽出してゆきます。
時折、タイムレスの元常連さん達が、オーナーに懐かしそうに声を掛けて行きます。
私の前に並んでいた若い女性も元常連の方で、色々とタイムレスのことを話して下さいました。
 私も以前タイムレスが上通りにお店があった頃、一度だけ訪れたことがありました。
とても落ち着けてくつろげる雰囲気で、レトロ感のあるカフェだったと記憶しています。

 30分程行列に並んで、やっと飲むことができたタイムレスのコーヒー。
日も暮れかかり気温も低くなった頃、1杯のコーヒーの深い香りに包まれ、
優しく柔らかい味わいが身体に染み渡り、心底ほっとできました。

359. ユナイテッド・シネマ熊本 (2016.11.11)

 今朝の熊日新聞に、休館中だった「ユナイテッド・シネマ熊本」(旧:シネプレックス)が、11月23日から営業を再開するといううれしいニュースが発表されました。
 当初の予定では12月再開と報道されていまたから大変待ち遠く思っていましたので、早期の再開が決定したことはとても喜ばしいことです。

 「ユナイテッド・シネマ熊本」のホームページでは、下記のような上映予定作品が発表されています。
~震災復興特別チャリティー上映会~(鑑賞料金は500円となっています)
11月23日(水・祝)~12月15日(木)上映予定作品
「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」(4月16日公開作品)
「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」(6月4日公開作品)
「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」(7月9日公開作品)
「ファインディング・ドリー」(7月16日公開作品)
「HiGH&LOW THE MOVIE」(7月16日公開作品)
「ONE PIECE FILM GOLD」(7月23日公開作品)
「ペット」(8月11日公開作品)
「スーサイド・スクワッド」(9月10日公開作品)
「超高速!参勤交代 リターンズ」(9月10日公開作品)

 まずは、休館中に上映出来なかった作品をチャリティー上映した後、12月16日から熊本県内では初めてとなる体感型(4DX)上映が楽しめるそうです。記念すべき4DX上映作品は、「ローグ・ワン・スター・ウオーズ・ストーリー」ではないかと思います。12月16日からの上映が待たれます。

358. 「なんさま『肥後にわか』^^;」 (2016.11.10)

 本日、熊日新聞連載の「私を語る~にわか人生掛け舞台~」が最終日(37回目)でした。先日のトークショーでは10日で連載が終了すると話されていましたので、とうとうその日が来たのかと寂しい思いがしています。

 キンキラ陽子さんのトークショーを2度拝見したり、ご本人と直接お話し出来る機会に恵まれたので、最近はキンキラ陽子さんの声や表情を思い浮かべながら記事を読むようになり、より一層読むのが楽しみになっていました。
 これまでに大切なお母さん、お父さん、にわかの先輩や仲間などを亡くされて心細い思いもされたことと思われます。現在、キンキラ劇団団長として団員を率いるのは、並大抵のご苦労ではないと思います。トークショーを拝見しますと気力が漲っていて、よく通る声には張りと艶があり、まだまだお元気でご活躍できるパワーが確かに感じられました。
連載を契機に肥後にわかが再び注目されていますので、新春公演はきっと大成功する予感がしています。
 今回の連載は今年1月から準備を進められてきたそうですが、熊本地震が発生し連載の時期が難しかったのではないかと思います。地震から半年過ぎて、多くの人が心から笑いを求める心の余裕が生まれた時期を見計らってからの連載はとてもよかったと思います。

 今回の連載を担当されました熊日新聞社の松尾正一編集委員から「なんさま『肥後にわか』^^;」というサイトを教えて頂きました。新聞の連載に連動した特設サイトです。今朝の「なんさま『肥後にわか』^^;」には、早速、キンキラ陽子さんの連載終了の挨拶の動画がアップされていました。
タイトルは「これでしみゃあ」で、動画ではキンキラ陽子さんが連載を振り返った感想や新春公演に懸ける思いが明るく語られていました。お別れは「あんがとございます」で、温かみがあり心のこもった言葉でした。
 そして、動画の最後には木頭を打ち鳴らして幕を閉じる、という演出になっていました。

 キンキラ陽子さん、長期間に亘る連載で楽しませて下さいまして、本当にありがとうございました。
新春公演に向けて張り切っておられることと思いますが、お身体に気を付けて益々お元気でご活躍下さい。
 そして、聞き書きをご担当され、さらに「なんさま『肥後にわか』^^;」というサイトで「肥後にわか残し隊さん」としてサイトの管理運営をされておられる松尾正一編集委員にも、心からお疲れ様でしたと申し上げたいです。

 なお、特設サイト「なんさま『肥後にわか』^^;」のアドレスは、下記をクリックするとご覧頂けます。
https://niwaka2.blogspot.jp/p/blog-page_56.htmlです。
 楽しくて充実した内容となっていますので、是非一度ご覧下さい。

357. 立 冬 (2016.11.07)

 今週のアレンジは落ち着いた柔らかな色合いの華やかなオンシジュームや胡蝶蘭を中心として、リメンブランスという名前のバラが目を惹きます。
花びらの巻きが繊細で美しく、透明感のある淡いピンク色はサクラの花びらの色を思わせます。その他にもケイトウ、スターチス、バンダ、エソンジューム、タニワタリ、アセビと多くの種類の草花たちに彩られています。

 今日は立冬(りっとう)です。その年で初めて冬の気配がみられる日とされていて、この日から立春の前日までを暦の上では冬とするとされています。 
 熊本ではこのところ日中はポカポカ陽気で過ごしやすい日々が続いています。
もう少し遅い秋を楽しめそうです。

356. 映画への旅(24) 「男と女」 (2016.11.06)

 1966年制作の名作「男と女」は、クロード・ルルーシュ監督が29歳の時自主制作した映画です。50年の時を経て、再上映されています。あまりにも有名なフランシス・レイの音楽や映画の大筋は知ってはいましたが、映画館のスクリーンで観るのは今回が初めてです。映画を観た率直な感想としては、50年前の作品とは思えないほど映像がみずみずしく新鮮に感じました。過去と現在が交錯し、カラーとセピアを巧みに使い分け、テンポ感があり、編集センスの巧みさを感じました。

 シンプルだからこそ古さを感じさせないファッションセンスのよさも楽しめ、
またフランス映画にしては珍しくセリフが最小限なので映像に集中でき、想像力をかきたてられ感情に強く訴えかけてきます。そして、どのシーンも一枚の絵のように美しいのです。
冬のド―ヴィルの海岸の打ち寄せる波の重苦しさ、今にも雨が降り出しそうなどんよりとした空、吹きすさぶ冷たい風・・・それらの何気ない風景さえもが、恋心にときめき、悩み、途惑う、主人公の心象風景を表現しているように感じられました。

 特に印象的だったのは、主演のアヌーク・エメの美しさです。太い眉と濃くて長いアイラインが、目元の表情をより一層強調するメイクになっています。艶っぽく憂いのある「目の演技」に幾度も心を奪われ魅了されました。
また、ボブヘア―を無造作に掻き上げる仕草の艶っぽさや、ムートンのコートの襟を立てポケットに手を入れて歩く姿の美しさなど、溜息がでるほど素敵でした。人気脚本家の中園ミホさんは「男と女」の映画を、これまでに100回も観たそうですが、スクリーンで鑑賞できる貴重な機会ですので、私ももう1回独特な映像美に浸ってみたいと思いました。

 50年前、クロード・ルルーシュ監督は29歳という若さで、大人の男女の恋愛の心の機微を見事に描き出したことに心底驚きます。映画の内容はシンプルな恋愛ストーリーですが、甘く切ない音楽と融合するような、流れるようなカメラワークがとても斬新です。今観ても新鮮に感じますので、50年前の公開時、リアルタイムでこの映画を観た方々はかなり衝撃的だったのではないだろうかなどと、そんなことも想像しながら観ました。

 クロード・ルルーシュ監督はこれまで恋多き人生を歩まれてきたことでも有名ですが、最近テレビに登場されている姿を拝見しましたが、とても若々しいという印象でした。テレビでは次のようなメッセージを述べられていました。「愛とは何か?作品を貫くテーマ、恋愛に関する情熱は高まるばかりです。愛は意味を与えるもの、私の人生そのもの、人生で最も美しい時はまだ経験していないのです。年を重ねるごとに今まで以上に楽しんでいますし、20歳の時よりも今の方が楽しんでいます。年齢は障害ではない。この瞬間、瞬間が、過去よりも大切なのです。アドバイスはひとつです。前よりも人生を楽しみ、人生を前よりも愛することです。たとえ、それが未知の場所であろうとも。」そして「今も恋をしている」と語られていました。

 そんなクロード・ルルーシュ監督の最新作「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」がデンキカンで上映中です。インドを舞台にした大人の恋愛模様が、旅情豊かに描かれています。
クロード・ルルーシュ監督は先月バースデーを迎え79歳になられましたが、最新作からは衰えを知らぬ若々しいエネルギーが満ち溢れているように感じられました。 

355. 新春初笑い (2016.11.05)

 先日に引き続き、熊日新聞博物館で肥後にわか「キンキラ劇団」団長・キンキラ陽子さんの2回目のトークショーが開催されました。弁護士が熊日新聞社の松尾正一編集委員と旧知の仲ということもあり「トークショーに行くよ」と言うので、私も同行させて頂くことになりました。 会場に到着するとすぐに松尾編集委員からご配慮頂きまして、控室にスタンバイされていたキンキラ陽子さんを紹介して下さいました。思っていた通りのチャーミングで素敵な女性でした。直接お話しすることが出来て大変感激しました。キンキラ陽子さんのお話しでは、松尾編集委員に愉快な芸名を命名されたそうです。もしかしたら、来年1月9日の新春初笑い公演の時に、松尾編集委員の芸名発表と初デビューするかも?新春公演が楽しみです!

  今回のトークショーは、前回の時(100名)よりもさらに観客数が多く(180名)、またも急遽、会場は3階の広い部屋に変更となりました。RKKテレビの撮影もありました(夕方のニュース番組で放送されていました)。
  今日のキンキラ陽子さんは赤いお着物姿で、とても気合が入っているように見受けられました。
前回同様に、軽妙なトークで会場を沸かせ、終始笑いが絶えることがありませんでした。
 トークショーの後半は三味線と唄で盛上げます。観客も一緒になって歌ったり、手拍子をしたり、合いの手を入れたり、楽しい時間を過ごしました。トークショー終了後、キンキラ陽子さんと妹さんのお二人で観客全員にみかんを手渡しでプレゼントして下さいました。最後まで心遣いが行き届いていることにも感心しました。
 キンキラ陽子さんからお元気なパワーを分けて頂いたお蔭で、気持ちが明るく晴々として、ウキウキ気分で朗らかになることができました。やはり、笑いには人間を元気にする不思議なパワーがあるようです。

  弁護士はトークショー終了直後、すぐに「新春公演を見に行くよ」と言っていました。
そして「たった一人で、長時間、大勢の人の前であれだけ話せるのはすごいね」としみじみ言っていました。
 弁護士も弁護士会の会長時代には、大勢の方の前で話す機会がとても多かったのです(1年間に80回程スピーチをしたそうです)。また、写真集を出版してからは講演の依頼も多く、これまでに何回も講演を経験しているので、トークの難しさや大変さはよく分かっています。だからこそ、いかにキンキラ陽子さんの話術が巧みで凄いかがよく理解できるようでした。今回のトークショーでは、トークの大筋の内容は決めておられるようですが、観客の反応などを敏感に感じ取りながらアドリブを次々に入れて観客の心をしっかり掴み、大きな笑いを取り続けていました。素晴らしい技量に圧倒されました。

  私は先日のトークショーの翌日、早速、新春公演のチケットを購入しました。
以前から「肥後にわかを観てみたい」と思っていましたので、今からとても楽しみです。
新春公演ではテレビでお馴染みのかめきさんや、大田黒、大さん(太田黒浩一さん)も出演されるそうです。
その他にも、サプライズゲストがあるかもしれません・・・。
 肥後にわかが再び脚光を浴びていますので、みんなで盛り立てて応援して、熊本の伝統芸を絶やさないようにしたいですね。

354. 秋桜(コスモス) (2016.11.04)

 今朝、顧問会社の経営者の方が、所有されている敷地内で育てているコスモスを届けて下さるという電話を頂きました。今年の7月にも、ヒマワリを届けて頂いたことがありました。午後、届けられた摘みたてのたくさんのコスモス。
早速、事務所の玄関口に飾らせて頂きました。

 穏やかに晴れ渡り、あたたかく優しい陽射しに照らされた、色とりどりの可憐なコスモス。
そういえば、今年はコスモスをゆっくり鑑賞する機会がなかったことに気付きました。
毎年秋になると、阿蘇の高原にコスモスを見に出掛けていました。
しかし今年は、残念ながら阿蘇に行く機会が激減したので、一度もコスモスを見ていませんでした。

 そよ風に優しく揺れるコスモスの優美さとしなやかさに癒されながら、忘れていた秋を満喫させて頂きました。
お心遣い、本当にありがとうございます!

353. 肥後にわか展&トークショー (2016.11.03)

 熊日新聞博物館で肥後にわか「キンキラ劇団」団長・キンキラ陽子さんのトークショーが開催されました。キンキラ陽子さんは、現在熊日朝刊で「わたしを語る」を連載中です。今回の連載を契機として、肥後にわかが再び脚光を浴びて注目されています。私も毎朝、キンキラ陽子さんの「わたしを語る」を読むのを楽しみにしています。肥後にわかの歴史がよく分かり、ひとつひとつのエピソードが面白く興味深いです。それに何といいましても、聞き書きスタイルの話し言葉で書かれていますので、キンキラ陽子さんから直接話しを聴いているような感覚になります。
臨場感があり、ユーモアもあり、とても楽しいです。記事を読みながら笑ったり、しんみりしたり、時には「へぇー、そうなんですか・・・」と思わず呟いたりしながら読んでいます。聞き書きをされているのは、熊日新聞社の松尾正一編集委員です。
松尾編集委員は肥後にわかの研究を30年間に亘りライフワークとされていて、
肥後にわかを熟知されている方です。

 新聞博物館では熊本の伝統的なお笑いである「肥後にわか展」も開催中です。
舞台で使用した背景幕、衣装、太鼓道具類、戦前の舞台の音声、戦後の動画、昭和20年代のラジオ放送用台本など貴重な資料が展示されています。
 また、肥後にわかの人気者ばってん荒川さんのコーナーもありました。
お米ばあさんでお馴染みの懐かしい衣装も展示されていました。

 キンキラ陽子さんのトークショーは、当初は展示室内の隅に小さな舞台が設置されていて、観客用の椅子が10脚程並べられていましたが、トークショー開始直前になると大勢の観客が来場したため、急遽、隣室の広い場所に変更になりました。観客は100名程で、立ち見も出る程の盛況振りでした。観客の中には熱心なファンの他に、肥後にわかの台本作者、劇団員、後援会の方、その他にも縁の深い方々など、交友関係の広さを窺わせました。主催された熊日新聞社は、予想外の出来事に大変驚いていたようでした。

 午後1時30分、トークショーがスタート。キンキラ陽子さんとお弟子さんのれん子さんが和服姿で登場。
キンキラ陽子さんは大入り満員に感激されて、とても嬉しそうでした。もうすぐ誕生日を迎えるとのことで、沢山のお花やプレゼントを頂いていました。キンキラ陽子さんはとても表情が豊かで、機転がよく利いていて、瞬間的におもしろいことを次々に考えて話し、人を惹き付ける魅力に溢れていました。
 また、三味線を弾く時は凛とした佇まいでよく通る声で「おてもやん」、「東雲節」、「牛深ハイヤ」というそれぞれ趣の違う歌で楽しませてくれました。その歌に合わせて、れん子さんがユーモラスな踊りで華を添えます。
ちなみに、れん子さんは新町にある老舗の森辛子蓮根のお嬢様だそうです。
 キンキラ陽子さんは長い芸歴の中で磨き上げてきた芸で、たくさんの人を笑いで包み笑顔にさせてくれ楽しませてくれました。確かな技と芸を感じさせ、まさしく笑いのプロフェッショナルだと思いました。

 観客は「にわかはすたれさせたらいかん」、「今は使われなくなった旧い熊本弁が懐かしい」などと話し、
幼い頃から肥後にわかを身近に感じ、慣れ親しんできた楽しい思い出を、懐かしそうに口々に語っていました。肥後にわかが多くの方々に深く愛されていると、しみじみ感じました。
 肥後にわかは熊本の貴重な文化であり、肥後にわかの演者は貴重な宝だと思いました。
長く続く伝統を継承し、大切に保存すべきだと、重要性を痛感しました。
(なお、写真の掲載は熊日松尾正一編集委員より許可を得ています)

352. 深秋 (2016.10.31)

 今週のアレンジは、淡いピンク色のバラやツバキと、白い大輪のユリの
彩りが華やかで見応えのあるアレンジになっています。
  特に、ツバキといいますと冬というイメージなので、「もう、ツバキ・・・」と
思わず呟いてしまいました。

 10月も今日で終わり、明日からは11月です。
時が駆け足で過ぎて行くような思いがしますが、一日一日を大切にして、
丁寧に過ごすよう心掛けたいと思っています。

351. 100歳の不屈 (2016.10.30)

 熊日新聞「追想」のコーナーに、ジャーナリストむのたけじさんの記事が掲載されていました。むのたけじさんは、今年8月21日(101歳)に死去されました。
記事を読んでいましたら、以前テレビでアンコール放送されたむのさんのことを取上げた番組のことを思い出しました。番組のタイトルは「100歳の不屈~伝説のジャーナリスト 次世代への遺言~」というドキュメンタリー番組でした。
昨年、100歳を迎えられた時に放送された番組の再放送でした。
番組の内容は下記のようになっていました。

  番組ではむのさんのこれまでの経歴が紹介されました。反戦を訴え続けたジャーナリストむのたけじさんは、戦前・戦中は朝日新聞の記者でした。しかし、戦時中に「大本営発表の嘘を書いた」責任をとり、敗戦と同時に朝日新聞を辞職しました。その後、故郷・秋田で地方紙「たいまつ」を創刊しました。「あなたは自由守れ、新聞は貴方を守る」というメッセージを掲げ、30年間に亘って発行しました。100歳を迎えても気力は衰えることなく、著作や講演活動を通じて「戦争の絶滅」を訴えているということでした。
 また、むのさんの人間的な魅力にも数多く触れていました。むのさんは、2002年に胃がんの手術、2006年に肺がんで放射線治療を受けました。ガンのことを「カンタさん」と「カンコさん」と名付けています。
 むのさんは、自分の身体の中のガンに向かって呼び掛けます。「こらこら、カンタさん、カンコさん、お前らそこにいるが程ほどに遊べよ。あんまり暴れるな。急ぐと火葬場に連れて行かれて、煙になってパァーッ」とユーモア溢れる話し方をされていました。90歳を過ぎても自転車に乗り「80歳より90歳の方がいい仕事ができるようになった」とのことです。記憶力が衰えることがなく鮮明なので「生き字引」と呼ばれていました。目は殆んど見えないそうで、歯は50歳の時全て失い、食事は歯茎で何でもよく食べるそうです。むのさんは「まだ生きてたのなんて、バケモノみたいに言われます」とユーモアたっぷりに語り、ハキハキとした明るく元気のよい大声で豪快に笑っていました。
 そして、自分に誇りを持って自分を大事にすることの大切さを説いていました。「80億人の中に、俺一人だけだもんな」、「自分で自分を敬わなきゃ」、「そうすれば敬うべき他人が見えてくる」、「必ず他人を大切にする」、「命は1回だけ」と語っていました。好きな言葉は「死のもの狂い、命懸け」だそうです。「ダメだと思ったら指一本動かすな、やるなら本気になってやってごらん」必ず道は開けると確信していると語っていました。
   番組の最後に、夢について述べていました。「この世に平和がやってきたなと、微笑みながら死ぬことです」、「今が一番若々しく、みずみずしいと思っています」むのさんらしい素敵な夢と感想です。

  むのさんのユニークな話し方と、その話の内容に強く惹き込まれました。信念が強く、決してぶれることがなく、志の高い方だと思いました。新聞の記事では「頑固一徹な『大正の男』一本気な性格」などと表現されていました。病床で「命と戦争に関する本、それから恋愛小説を書きたい」と話していたそうですが、101歳の方が書く恋愛小説を読んでみたかったです。ちなみに、ドキュメンタリー番組の中に、お元気だった頃の奥様が登場するシーンがありました。「むのさんのどこが魅力ですか?」と訊ねられて、奥様は恥じらいながら「全部です。」と言って、ご夫妻で顔を見合わせて大笑いされている、微笑ましいシーンがありました。奥さまから見ても、きっと魅力的な方だったのでしょう。むのたけじさんが遺された数々のメッセージを胸に刻み、いつまでも忘れません。

350. 晩秋のマム (2016.10.29)

 ブログNo.327掲載の「ガーデンマム」が満開となりました。
10月初旬、事務所のアプローチに飾った時は、まだ青々として堅い蕾の状態でした。現在は満開の時を迎え、美しく咲き誇っています。
「ガーデンマム」を育てるのは結構難しくて、例年苦労していましたので、
美しく咲いてくれたのでとてもうれしいです。

 今年は雨にあてないように気を付け、適度に日に当てて、根腐れしないよう気をつけながら水遣りをするようにしました。
美しいラウンド型を保ちながら満開になると、なかなか壮観です。
清浄な香りが漂い、深まり行く秋に相応しいかと思います。

 もうしばらくは楽しんで頂けそうですので、事務所にお越しの際には花を愛で、
秋の香りを感じて頂ければ幸いです。

349. 年賀状 (2016.10.28)

 もうすぐ11月、年賀状が発売になります。それは事務所の年賀状の準備が始まる時期でもあります。毎年、年賀状に使用する写真を選ぶのは、大変な作業ですが楽しみでもあります。
 私の仕事は、多忙な弁護士に代わりに今年一年間の写真ブログをすべてチェックして、年賀状の写真の候補作を数点選び出します。そして、実際にポストカードを何枚か作製してイメージを掴みやすくして、最終判断は弁護士が決定します。

 例年ですと写真の選択に困るほどたくさんの写真があるのですが、今年は熊本地震の影響で阿蘇の風景写真が激減していて殆んどありません。夏の阿蘇の草原、阿蘇の草原で風に揺れているススキ、コスモス畑、山の紅葉・・・悲しいことに全くありません。熊本地震前の前に撮影された熊本城と桜の写真が数点ありましたが、眺めていると切なくなります。

 今年一年間に撮影した写真の中から選ぶ貴重な1枚。
どんな写真が選ばれ、どんな言葉が添えられた年賀状になるのか楽しみです。

348. 伝説のパン職人 (2016.10.27)

 仕事の流儀「復活!伝説のパン職人」を観ました。
パン職人、竹内久典さん(44歳)は伝説のパン職人。兵庫県西宮の山奥にある予約殺到のパン屋さんは、毎週月曜日の朝10時から午後2時まで、一週間分のパンの予約を電話で受け付けます。顧客は予約するために、200回あるいは1000回も電話を架けたと言う人もいました。店の営業は火曜日から金曜日の4日間のみで、完全予約制となっています。

 竹内さんは小学校高学年の頃から不登校気味となり、中学2年生の時には完全に不登校になってしまいました。社会からはみ出してこのまま終わるのか、自分は本当にダメな人間なのか、と自問自答する日々が続きました。
  その後、一念発起して「みんなに認められたい」という思いを抱き、パン職人になる決意をします。「パンだけは誰にも負けたくない」、「幼い頃から何ひとつ一番がなかった」、「パンで負けたら終わり」という強い思いがありました。

 27歳の時、有名レストランのシェフとの出逢いが人生を変え、常識に捉われないパン作りをするようになります。28歳で独立し、溢れるアイデアから生み出されるパンが評判となり、たちまち人気店となりました。かつて大阪市内の中心街にあったパン屋は、「日本一おいしいパン屋さん」にも選ばれました。竹内さんは「認められた」という喜びも束の間、それは地獄の始まりでした。
  朝4時から顧客が行列を成し、1日の来店者数は1000人、1日の売上は100万円を超えました。
24時間体制でパンを作っても間に合わず、毎日追われる日々でした。身も心もボロボロで、強いプレッシャーに押し潰されそうでした。ストレスの反動から大阪の一等地のタワーマンションを購入したり、高級車を購入したりしましたが、何の満足感も得られませんでした。本当に自分が作りたいものが作れなくなったストレスが募り、「やる意味がない」と思うようになりました。そして「これが僕だと自信を持って言えるパンを作りたい」と思い、人気絶頂期に突如閉店することにしました。

  閉店から3年後、今年1月に郊外の山奥で再スタートしました。
常識破りの独自の製法で作るパンは、唯一無二と称されます。 パンを食べた人は「小麦の生命感が爆発している」、「フワフワ感が凄い」、「噛むほどに味わいがある」、「愛情を感じます」と言います。
 多くの人を魅了するパンは、午前3時前から20年来のパートナーと一緒に、12時間パンを焼き続けて作ります。極度に柔らかい食パンの生地は限界の水分量で、モチモチとした喉越しの良いパンが出来上がります。伝統の技法もセオリーも無視し、製法なんか関係ない「おいしかったらいい」という信念を貫いています。
 毎月新作の創作パン作りにも挑戦しています。今まで作った創作パンは、他のどこにもない個性的なパンばかりで2000種類程にもなります。具材にもこだわり抜き「もっとおいしいものが作れるんじゃないか」、「まだ絶対おいしくなる」と確信しています。「完成と思ったらそこで終わってしまう」と言い、試作と改良を繰り返しながら、全力で「僕のパン」を焼き続けます。
 
 竹内さんに何のために働いているのか訊ねると、それは家族・社会・お金ためだけではなくて「パンは僕のすべて」、「僕の中から生まれたものは責任を持って出したい」、「僕のオリジナルの究極のパンを作りたい」、「まだ絶対おいしくなる、それをやり続けたい」、「今日の限界は明日の限界とは限らない、そう思ってやってきた」と語ります。パンの世界で「唯一無二」を目指す竹内さん。竹内さんが作るパンは竹内さんの作品であり、竹内さんそのものなのだろうと思います。「パンは僕のすべて」と言い切れるなんて、何て幸せな人生なのだろうと思いました。人生のすべてを懸けれるものを見つけた人は、幸福な人だとしみじみ思いました。
 竹内さんが自分で作った焼き立てのパンを頬張って「おいしい!」と言って、満面の笑みを浮かべ幸せそうな顔だったのが印象的でした。

347. 心を包むふろしき (2016.10.25)

 「心を包むふろしき」という番組を観ました。
私はふろしきを普段の生活では殆んど使用しませんが、弁護士が裁判の時大量の資料を持ち運ぶのに使用するのをよく見ます。ふろしきの絵柄が多種多様で美しいことは知っていましたが、さらに深くふろしきの魅力を探ります。

 ふろしきには四季折々の彩りや絢爛豪華な物語が描かれていて、まるで一枚の絵画のようです。シンプルなデザインや配色のものであっても、物を包み結ぶことで粋になります。番組では「ぼかし」の染技を取上げていました。引染職人が100本ほどもある刷毛を使いこなして、日本情緒に溢れた繊細な技で、移ろい行く春夏秋冬の風景を表現します。

 ふろしきと人々の暮らしの変遷を、写真で記録している方が紹介されました。
昭和40年代頃、ふろしきは人々の暮らしと密接に結びついていました。結婚式の引き出物を包んだり、
スキーに行く若者が、唐草模様の大判のふろしきを鞄代わりに背負っている姿の写真もありました。
ふろしきが生活の中に息づいていたことが分かります。
 現在はといいますと、ふろしきを100枚持っているという能楽師が登場しました。
着物やお能の面などを大切に包んだり、頂き物をした時に包んだり、セカンドバッグ代わりに大小のふろしきを携帯していて、とても便利だと語っていました。
 番組の最後には、茶道具商が登場。数百年生き延びた貴重なふろしきと茶道具との関係などについて、興味深い話しをされていました。茶道具を包むふろしきは基本的に「更紗」で、異国情緒があり風格があるとされ珍重されたそうです。寂び道具には派手なふろしきは合わないとされ、よい寂び道具はよい裂(きれ)で包むのだそうです。ふろしきの格と茶道具の格の妙が面白く深い世界です。

 この番組を観ると、ふろしきの世界がとても奥深いものであることがよく分かります。
ふろしきの絵柄をじっくり眺めたり、普段の生活の中でも取り入れてみたくなりました。

346. 冬支度 (2016.10.24)

 今週のアレンジは、全体的にホワイト&イエローの花でまとめてあり、
秋の名残を感じさせつつも、初冬へ向かう様子を表現しているようにを感じました。ダリア、カラー、ネリネ、アンスリューム、カトレア、バラ、プリペットが活けられています。

 天気予報を見ていますと、「西高東低の冬型の気圧配置」というコメントを聞くようになりました。秋から冬へと季節が移ろって行きます。
 日中はまだ温かですが、夕方頃には冷たい風が吹き込むようになりました。
季節の変わり目は体調を崩しやすく、風邪をひいている人も多く見受けられます。 早目の冬支度を致しましょう。

345. 映画への旅(23) 「ふたりの桃源郷」 (2016.10.23)

 「ふたりの桃源郷」は、山口放送が25年間に亘り、1組の夫婦(寅夫さんとフサコさん)の姿を追い続けたドキュメンタリー映画です。
 寅夫さんとフサコさんは、水も電気も水道もない山奥で、夫婦だけで自給自足の生活を送っています。寅夫さんは端正な顔立ちで姿勢がとてもよく、長髪なので一見するとムツゴロウさんみたいな風貌です。
 フサコさんは笑顔がチャーミングで、寅夫さんのことを大好きなのが、表情や仕草からよく分かります。そんなフサコさんのことを寅夫さんも愛していることが伝わってきます。驚いたのは、夫婦の寝室が家の前に停車している古いバスだったことです。バスの中にはダブルベッドが設置されています。夫婦で仲良く眠る、微笑ましいシーンもありました。
まるで新婚カップルのような初々しさです。

 しかし、時間の経過と共に徐々に、夫婦には老いが際立ってきます。
そして、とうとう山で暮らせなくなる時が訪れ、夫婦は山の麓の老人ホームに入居することになりました。
夫婦には3人の娘がいますが、三女夫婦が両親を最期まで看取る決心をして、山の麓の町に移住します。
映画の後半は三女夫婦の献身的な介護の日々が中心となっています。
 寅夫さんが93歳で死去。フサコさんは認知症が進み、寅夫さんが亡くなったことが分かりません。
ある日、三女がフサコさんを山に連れて行くと、フサコさんは「おじいさんはどこじゃろ?」と不安そうな顔で、山に向かって大声で「おじいさぁーん!」と叫ぶシーンがありました。その声が切なくて、胸が締め付けられました。

 三女夫婦の親の看取り方は、理想的な看取り方でした。親の気持ちを理解しながら、出来ることを精一杯遣り尽くした、悔いのない見事な看取りでした。具体的には「好物を作って食べてもらう」、「目で楽しめるように花を飾る」、「肌で感じられるように心地よい寝具やタオルを用意する」、「懐かしい童謡の数々を耳元で歌ってあげる」、「出来るだけ山へ連れて行ってあげる」など。フサコさんが亡くなった時には、山の水を死に水にしました。三女夫婦は「これ以上出来ないぐらい、遣り切って看取れた」、「満足している」と達成感を感じているようでした。三女は、両親を自分の親のように思い一緒に看取ってくれた優しい夫を、心から信頼し「恩返ししたい」と語っていました。そして、三女夫婦は両親が大切にしていた山の暮らしを受け継いで、畑を耕し丹精込めて農作物を作り続けています。一度は荒廃した畑ですが、今は手入れの行き届いた肥沃な畑として蘇りました。
 25年間という長期間、1組の幸せな夫婦の歩みを記録し続けた映像は、忘れ難く強く胸に残りました。

344. 灼熱のギタリスト (2016.10.22)

 「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」の公開を記念して、上映終了後にフラメンコ・ギタリスト樫原秀彦さんのミニライブが開催されました。
 私は「パコ・デ・ルシア」のことを全く知りませんでしたので、この映画を観てどんなに偉大な人だったのかがよく分かりました。パコ・デ・ルシアは、神さま、王者、偉大、天才、革命家、道標、プロフェッショナル、超絶技巧、カリスマ、完璧主義者、独創的などと称され、特別な存在だったことがよく分かります。
 この映画の監督・脚本・製作・編集は、パコの息子クーロ・サンチェスです。
パコのプラーベートな部分も観ることが出来る貴重な記録となっています。

 上映終了後、映画の余韻が残る中、フラメンコギタリスト樫原秀彦さんのライブが静かに始まりました。1曲目はパコ風の演奏。その中にも自分なりの即興も加えて演奏をされました。2曲目はオリジナルの曲の演奏を。静かな情熱を感じさせながらも、哀愁を帯びた切ない音色でした。樫原秀彦さんの経歴は、ニューヨークでジャズスクール卒業。7年半の音楽修行中にフラメンコギターと出会い魅了され、フラメンコギタリストへと転身。昨年、東京から奥様の故郷である熊本に移住され、現在は熊本を拠点としてライブ活動をされています。熊本でのライブは丁度60回目を迎えるとのことです。
 今日は「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」の上映後のライブなので、「朝から胃が痛む」と苦笑いされていました。演奏中の樫原さんは軽く目を閉じ、身体の中から湧き上がる感情を繊細に感じ取りながら、演奏しているように見えました。表情はほとんど変わりませんが、何かを深く考えているようにも見えました。
時に優しく、時に激しく、繊細に音を紡いで奏でていました。

 映画館の空間は音が柔らかく美しく響いて、楽器の演奏にとても向いていると思いました。
映画の余韻に浸りながら、フラメンコギターの生演奏を聴けるなんて夢のようです。
とても贅沢な時間を過ごすことが出来ました。デンキカンならではのユニークな企画です。
今後も今回のような素敵な企画を楽しみにしています。

343. ときの華 (2016.10.21)

 渡辺真知子さんの「LIVE2016~ときの華~」が開催されました。会場内は満席で、観客は年齢層が幅広く、男性客が多いので驚きました。
 渡辺真知子さんは2日後に還暦を迎え、11月1日には歌手生活40周年を迎えるとのことでとても嬉しそうで、3回の衣装替えでも「赤」を意識されていました。

 ピアノ、ベースギター、ドラムの生演奏で、ピアニストがトップアレンジャーとなって全曲をジャズアレンジにしたり、コーラスも秀逸でした。
 1部では「愛の讃歌」などしっとりとした曲を中心にして、2部では美空ひばりさんの名曲を大胆なアレンジで、真知子流に仕立てて聴かせます。
 渡辺真知子さんは前奏曲が流れだした途端、すぐに身体の奥深くまで歌の世界観が入り込んで行くようで、歌いだす前から顔の表情が大きく変化し、歌の主人公になりきっているように感じました。
 歌声はシルキーで伸びやか、そしてとてもパワフルです。全身で大きくリズムをとりながら、まるで楽器を奏でるかのように歌声を自由自在に、巧みに響かせていました。

 ラテンの軽快なリズムの歌、しっとりとした切ないジャズナンバー、往年のヒット曲を斬新なアレンジで、見事に歌い上げます。やはり40年間という長い年月、第一線で活躍しているのは、パワーのある歌声と卓越した表現力、そして健康に恵まれていることや、努力を惜しまない姿勢に秘訣があるようです。
 ライブ会場内の観客の心をひとつにするパフォーマンスの素晴らしさや力強い歌声に圧倒され、いつまでも胸に響いて特別な夜となりました。

342. マジック (2016.10.19)

 プロマジシャンの藤田大知さん(26歳)が、「アルファン症候群」という、5000人に1人という珍しい病気と向き合っている姿を追ったドキュメンタリー番組を観ました。
 「アルファン症候群」は背骨が曲がるなどの骨格の症状、動脈が裂けるなどの血管の異常を引き起こす遺伝子疾患です。根本的に治癒することは難しい病とされています。藤田さんは過去に命の危機に晒されたことがあり、その時には目の前に白いもやがかかり、息ができなくなりました。その時のことを思い出すだけで恐怖感が甦りトラウマとなっています。藤田さんは「神様が持っていた何枚かのトランプのカードの中から1枚引いたら、たまたま難病のカードだった」、「そのカードの裏側にはマジックの才能を授けてあげようと書かれていたのではないか」と笑顔を浮かべながら話します。

 藤田さんは一昨年、緊張性気胸になり緊急手術を受けました。あと1時間遅ければ大動脈破裂を起こすという危険な状態で、その時の手術は13時間にも及びました。手術後5日後にトランプを手にしましたが手に力が入りませんでしたが、主治医から「そんないいリハビリはない、最高だよ」と励まされました。
 藤田さんは「やれることは狭くなったが、中心にはどっしりとした手品があった」、「これと決めて生きて行こう」、「病気のおかげで的を絞れた」、「大人数を相手にして手品をするので前向きになれた」、「マジックは天職だ」とすべてを前向きに捉えます。

 現在、藤田さんは緊急搬送され一命をとりとめたのだから、今後は「人のために力になりたい」と思うようになり、同じ病気の人に向けてブログを発信しています。「同じ病を持って生まれた者同士、相手のためにもそして自分のためにも生きる力になる」、「自分にはマジックという大きな武器がある」、「自分が活躍することで自分の病の認知度が世間に広まって理解してもらって、小さな輪が少しずつ大きな輪になって欲しい」と願っています。藤田さんは「自分は運が強い、病は個性だ」、「自分は病気で構成されている」、「病気は自分のいいパートナーです」と柔らかな表情で穏やかに語っていました。
 自分の病を受け容れ、自分の得意なマジックで生きようと決意した藤田さん。
あまり表情を変えず淡々と話す藤田さんですが、その心の内には強く熱い決意や覚悟が感じられました。

341. 街から遠ざかったこの村で (2016.10.18)

 熊本地震から半年が経過しました。
新聞やテレビなどでも特集番組が数多くありました。
 そんな中、Eテレで放送されました「街から遠ざかったこの村で」というタイトルの番組を興味深く観ました。この番組は、地震の影響で村内の建物600件以上が全半壊した南阿蘇村を取上げていました。南阿蘇村では橋が崩落して道が寸断し、村から街へ行くには山の中を通る迂回路しかないので、村を去る人が相次いでいるそうです。南阿蘇村にある特別養護老人ホーム「陽ノ丘荘」での取組みと、今も断水の続く不自由な生活の中、長く続いた家を一人で守り続ける女性(77歳)を追ったドキュメンタリーです。

 「陽ノ丘荘」では、苦楽を分かち合った職員が地震で被災して移住を余儀なくされ、157人いたスタッフのうち21人が村を去りました。現在残されたスタッフは「自分達しかいない」、「お互いを信じてやるしかない」という覚悟で、全力で仕事に取組んでいます。避難生活が長引き、ディサービスを利用する高齢者は増加しています。高齢者は地震の影響を人一倍受けやすいので、引き籠るようになったり、目を合わせることもなくなり、豹変したという人もいるそうです。スタッフの中には町から南阿蘇村へ通勤している人もいます。地震前は20分だった通勤時間が、蛇行した狭い道を通らなければいけないので3時間かかるようになりました。睡眠時間は4時間、休憩時間に僅かな仮眠をとって何とか凌いでいます。そんな過酷な状況の中でも「大変な時こそ、きめ細かいケアをしたい」、「お年寄りが好きなんです」と笑顔で語っていました。

 一人暮らしを続ける女性は、現在も断水が続いているので、雨水を貯めて生活用水として利用しています。自給自足の生活を続け、お風呂は3日に1回にして辛抱しています。
近所の人達はみんな仮設住宅で生活しています。女性の唯一の心の支えになっているのは、数年前に亡くなった夫を陽ノ丘荘で看取ったので、いつか自分も陽ノ丘荘にお世話になればよいという思いがあります。
 不安な気持ちを抱えながらも、やれるところまでやってみようと考えているようでした。

 番組の後半には、陽ノ丘荘に入所されている男性の102歳の誕生日会の様子が映し出されました。
スタッフは「地震前と変わらないサービスを続けたい」と語っていました。
 そして、番組の終わりには「変わってしまった故郷、でもここにしかない故郷」、「残されたスタッフの正念場が始まっている」という言葉で結ばれていました。スタッフの人数が減少し疲労が蓄積している中で、残されたスタッフが全力で必死に南阿蘇村の高齢者を支えているという現状がよく分かる番組でした。
 この先、このような状態で支え切れるのだろうか、という不安や心配が募るばかりです。

340. 不成就日 (2016.10.17)

今週のアレンジはドウダンツツジの深紅の花と、シェリーベービー・スィートフレグランスが特に目を惹きます。シェリーベービーは蘭の一緒ですが、チョコレートのような甘い香りがほのかに匂います。その他には、銀梅花(ギンコウバイ)、西洋アジサイ、シンビジューム、ヒマワリ、トルコキキョウなどが活けられていて、花の色合いは秋らしく深みがあります。

 昨日から日中の最高気温が上昇し、半袖姿の人も見掛けます。今週は温かく穏やかな一週間となりそうです。
  ちなみに、10月17日は「不成就日(ふじょうじゅび)」だそうです。
文字通り「万事に成就しない日」のことで、事を起こすには良くない日とされます。特に、結婚、開店、命名、移転、契約などによくないとされます。
また、この日から諸芸始め、思い立ち、願い事もよくないとされています。
 以上から、この日にはゆっくり休養を取って、体調を整えるのが良いとされているそうです。ご参考までに。

339. メモリアル・コンサート (2016.10.16)

今年も村下孝蔵さんのメモリアルコンサートが開催されました。 
村下孝蔵さんは1953年生まれ、1980年デビューしました。1999年6月20日、コンサートのリハーサル中に脳内出血で倒れ、その4日後に、46歳で急逝されました。
 今年の偲ぶ会主催コンサートは10周年記念として、1996年2月に東京・新宿の日清パワーステーションでのライブ映像を、ツアーサポートギターを務めた経田康さんが映像を編集して、全曲ノーカットでの上映となりました。ライブで一度しか演奏しなかったという、カントリスタイルのギター・ソロ演奏「枯れ葉」などの貴重な映像もありました。コーラスを務めた松浦誠二さん、ギターの経田康さんらが出演して生演奏するコーナーもありました。
 
 丁度、コンサートの直前、朝日新聞の「もう一度流行歌」で、「初恋」を取上げていました。そこには「『初恋』はユーロビートのアップテンポな曲調にして、疾走感を出して青春の一コマを歌い上げるのに相応しい曲に仕上げた。」、「誰もが身に覚えがあるような情景を描く歌詞で、初恋の世界観を作りだした。」、「軽快で切ないメロディーが、耳の奥でずっと響いていた。」、「ほろ苦い想い出、熱い思いを胸に、ピーターパンのような純真な心を持った人だった。」と書かれていました。

 哀愁を帯びた柔らかな歌声、切なさや郷愁が心に沁みる抒情的な世界。歌を聴いていると歌の風景が浮かんで来て、胸が締め付けられます。観客はライブ映像に合わせて1曲ごとに拍手をして、今まさに生のライブを観ているような感覚になります。でも、アンコール曲を終えると、それまでライブ映像を映し出していたスクリーンには、無数の星を散りばめた夜空が映し出されました。「あぁ、村下さんはいないのだ・・・」と急に現実に引き戻され、悲しい気持ちになりました。

 村下さんと親交の深かった中垣さんが中心となって、毎年メモリアルコンサートが開催されることで、いつまでも村下さんのことを忘れないで、記憶することはとても幸せなことだと思います。
いい時間を過ごさせて頂きました。

338. 映画への旅(22) 「あなた、その川を渡らないで」 (2016.10.15)

 山里で仲睦まじく暮らす夫(98歳)と妻(89歳)の日常を追ったドキュメンタリー映画です。映画は冒頭、掃き集めた枯葉をお互いに掛け合って、まるで幼子のように無邪気に楽しそうに遊んでいるようなシーンから始まります。
 老夫婦はペアルックの民族衣装を着て出掛け、雪が降ると一緒に雪を「美味しい」と言ってパクパク食べたり、眠る時は手をしっかり繋いで寄り添い合って眠ります。私は、余りにも老夫婦がラブラブなので「この映画はドキュメンタリーではなくて、ベテランの俳優さんが演じているのかな?」と不思議な思いで観ていましたが、徐々に夫の体調に変化が見られ、強く咳き込み、やせ細って行ったので、やはりドキュメンタリーなのだということが分かりました。

 妻は14歳の時、19歳の夫と結婚しました。結婚生活は76年になります。
夫は妻の顔をそっと優しく撫ぜるのが好きです。そんな夫を見つめる妻からは、「夫が大好き」なのが伝わって来ます。「こんなに愛し合っている夫婦に、いつの日か別れがきたら・・・」と想像するだけで切なくなります。

 しかし、無残にも別れの時は訪れます。妻は夫が旅立った後「天国でも着れるように」と夫の服を燃やし、「忘れない、心の中でいつまでも忘れない、世界で一番好き」と亡き夫を偲んで泣き崩れます。
心の底から湧き上がる悲しい泣き声が、山里の辺り一面に響き渡り、いつまでも止むことはありませんでした。

 何の迷いもなく真っ直ぐに、ただひたすら人を愛すること、ファンタジーかと思えるほどの「純粋な愛」が描かれている映画でした。亡くなってから「世界一好きだった」と言って貰える夫婦の関係は、奇跡のようにも思えるほどの幸せな夫婦だと思いました。

337. うつくしいひと続編 (2016.10.15)

 行定勲監督が、「うつくしいひと」の続編となる復興支援映画を制作することが決定し、発表されました。 「うつくしいひと」は被災する前の熊本の姿が映っていることから話題となり、全国各地でチャリティー上映された短編映画です。

 行定監督は続編では「傷ついた熊本だが、生活している人々は凜として頑張っている。被災した熊本で生きる人の苦しみ、前向きな頑張りを未来に伝え、現状の熊本を映像として記録したい」との思いを抱かれているそうです。

 続編の内容としては、地震後の熊本を訪れたフランス人男性と、それを助ける探偵のやりとりを通して、被災した熊本で生きる人々の姿を描くそうです。被災した熊本城や崩落した阿蘇大橋などをロケ候補地とし、11月上旬に撮影して、来年4月に熊本市で復興映画祭を開く予定とのことです。

 地震後、いち早く再開したデンキカンで「うつくしいひと」が上映された時の熱気を忘れることが出来ません。早朝から、新市街の通りに伸びた長蛇の行列と、長期間に亘るロングラン上映。
 日頃は映画館に足を運ばないような感じのご高齢の方や、ご近所同士で誘い合って集団で映画を観に来ていたり、家族全員で映画を鑑賞する微笑ましい光景も久し振りに見ました。

 私はチャリティ上映会の時に映画を観ましたので、映画の上映後には行定監督と高良健吾さんのトークショーが開催されました。行定監督はその時すでに「続編を作りたい」と表明し、構想も考えていると話していたので、早期に実現することに正直驚きました。どのような映画が出来上がるのか、今から楽しみです。

336. 夏目漱石の妻 (2016.10.15)

 今年放映されたドラマの中でNHK「トットテレビ」と並んで面白いのが、現在放送中のNHK「夏目漱石の妻」です。このドラマは夏目漱石の妻、鏡子さんの視点から漱石との夫婦の関係を、ユーモアを交えながら描いた物語です。

 夏目漱石は帝大卒の知性派ですが、英国留学で神経症を患い気難しい性格の持ち主です。また、幼少の頃養子に出され家族愛に恵まれずに育ったので、妻や子供たちへの接し方がとても不器用でした。
 夏目漱石の妻、鏡子さんは貴族院書記官長の長女でお嬢様育ちです。
19歳の時、10歳上の漱石と見合い結婚をします。社交的で明るく占い好きです。結婚後も朝寝坊の癖が直らず、几帳面な漱石とは性格が正反対で衝突することも多かったようです。
 また、鏡子さんは流産を経験したり、孤独感に苛まれ入水自殺を図るというショッキングな事件も起こしています。気難しい漱石を支えながらも、自分の意志を貫く芯の強さも持っています。

 繊細で緻密な演技をされる長谷川博己さんは、日頃は冷静沈着な反面ちょっとしたことがきっかけで狂気に満ちた表情に変貌し、暴力を振るという複雑な性格の漱石の人物像を巧みに演じています。一方、鏡子さんを演じる尾野真千子さんは、喜怒哀楽を生き生きと表現して、鏡子さん像を人間味溢れる愛すべき人物として、豊かに造形しています。お二人の演技が実に素晴らしく見応えがあり、ワンカットも見逃せないと思わせる凄さがあり強く惹き込まれます。気難しい漱石と20年間共に暮らした鏡子さん。その苦労は並大抵ではなかっただろうと思われます。鏡子さんだったからこそ夫婦関係を継続し、家庭を守り抜くことができたのではないかと思います。成育環境、性格、感じ方も違う他人同士が「夫婦」として共に生きていくことの難しさ、面白さ、喜びは、いつの時代も変わらず不思議で奥深いものです。

 丁度、熊日新聞社の新聞博物館で「熊本時代の漱石さん」が開催されていますので見学しました。
五高教師時代の写真、新聞記事、資料などが多数展示されていましたので興味深く鑑賞しました。
 展示の中には、鏡子さんやお子さん達の写真もありました。鏡子さんは全体的にふっくらとして、おっとりした雰囲気が感じられました。この展示会の中で、漱石が鏡子さんのことを「オタンチン・パレオロガス」と呼んでいたということを知りました。これは東ローマ帝国の「コンスタンチン・パレオガス」から取ったものらしく、
「オチョコチョイ妃殿下」という意味ではないか・・・という記事がありました。
鏡子さんのお人柄が偲ばれるニックネームです。命名した漱石のユーモアも感じられ、夫婦の関係が微笑ましく感じられました。

335. シャンソンコンサート (2016.10.14)

  「HORI教室シャンソンコンサート」がキャッスルホールで開催されました。
「HORIシャンソン教室」を主宰されている堀直敏先生は、長年に亘り、九州におけるシャンソンの普及に尽力されています。今回のコンサートは、堀先生が指導されているシャンソン教室の2年に1度の発表会です。当初は4月22日に開催予定でしたが、熊本地震で会場が被災したため延期になっていました。
 今回は会場をホテルに移して、地震から半年ぶりにやっと開催することができたとのことです。

 堀先生をはじめとして、北九州や宮崎の生徒の方々も含め総勢23名が出演されました。
シャンソンのコンサートは出演者も観客も、独特な華やかさに満ち溢れています。
私は熊本地震後、このような華やかなコンサートを鑑賞するのは初めてだったので、感慨深いものがありました。コンサートがスタートするとまずはじめに、堀先生が生徒一人一人の人柄やエピソードを紹介されてから歌うという構成になっていたので、それぞれの人生が垣間見えて、歌声もより一層胸に響いてきました。

 コンサートの終盤では、趙美麗さんが登場しました。熊本地震後、ご主人が東京で闘病生活を送っていたので、ずっと付き添われて看病されていたそうです。そのため歌のレッスンは全くしていなかったので、今回のコンサートを辞退されていたそうです。しかし、堀先生が「是非出演して欲しい」とお願いしたところ、急遽、2週間程特訓を重ね歌を仕上げて、出演が決定したとのことです。趙美麗さんは元ミス神戸で容姿端麗で、シャンソンの全国大会では歌唱賞を受賞されました。熊本では有名人で、プロ活動もされているほどの実力のある方です。歌から長く遠ざかっていたとは思えないほどの素晴らしい歌声と、パフォーマンスで観客を魅了し圧倒していました。

334. シネプレックス熊本再開! (2016.10.13)
 今朝の熊日新聞に「シネプレックス熊本」が、12月に再開されることが正式に発表されました。シネプレックス熊本は熊本市中心街近くにあり、シネコンの中でも最も早期の再開が望まれていました。しかし、休館が長引いていたので閉館の噂も絶えず、再開できるのかどうか不安視されていました。
 
 新聞記事によると、12月の再開の時には、熊本県内で初めての体感型アトラクション4Dシアターを導入し、特殊効果で臨場感が体感できるそうです。以前、ニュース番組で4Dの体感型映画館の特集番組を観た時、熊本でも観ることができるといいなと思っていたのでとても楽しみです。
 
 12月の再開の時には劇場名が「ユナイテッド・シネマ熊本」と変わり、福岡のキャナルシティシネマと同様の配給となるようですので、ラインナップはこれまでとは多少違う傾向の作品も上映されるかもしれません。
333. 映画への旅(21) 「健さん」 (2016.10.11)

 映画「健さん」は、2014年11月10日に亡くなられた高倉健さんと親交のあった方々のインタビューから、その素顔に迫るというドキュメンタリー映画です。
 マイケル・ダグラス、マーティン・スコセッシ、ジョン・ウー、ヤン・デ・ボン、ポール・シュレイダー、降旗康男、山田洋次、梅宮辰夫、八名信夫、中野良子、東映時代のスチールカメラマン、宣伝担当、40年来の付き人など、総勢20人程が出演し、
「高倉健」さんの人間像を浮き彫りにしています(敬称略)。

 高倉健さんがこれまで出演された映画の役柄からは、不器用・寡黙・実直・誠実・慎ましい・正義感・・・など、いかにも「昭和の古きよき時代の男」というイメージです。しかし、プライベートでは人懐っこくて、お茶目なところもあり、優しい気遣いができる人だったようです。直筆の手紙をこまめに書いたり、人情にも厚かったようです。プライベートを殆んど見せることなく、最後まで「高倉健」を演じ切った人生だった、ということが凄いと思います。映画の中で、2シーン程、インタビューに答える高倉健さんの肉声が流れます。
「漫然と生きる男ではなく、一生懸命な男を演じたい」、「どんなに大声を出しても、伝わらないものは伝わらない。」、「むしろ言葉が少ないから伝わるものもある」高倉健さんが追求する美学が感じられ、胸がジーンと熱くなりました。

 映画の中に高倉健さんの実妹が登場されていました。やはり顔立ちがどことなく似ています。
物腰が柔らかくて上品な雰囲気が漂い、何気ない仕草もエレガントです。まるでかつて映画女優だったのかと思わせるほどの素敵な女性でした。妹さんは兄・高倉健さんの素顔を知ることができる貴重なエピソードを、懐かしそうに語られていました。

 映画を観て最も残念に思ったのは、世界的に活躍できる俳優になれる大きなチャンスが何回もあったのに、巡り合わせがうまく行かなかったということです。巨匠マーティン・スコセッシ監督は、遠藤周作さんの代表作「沈黙」を完全映画化した最新作「沈黙-サイレンス-」(原題:Silence)に、高倉健さんに出演して欲しいと願っていたそうです。もし出演されていたなら世界中から称賛され一気にブレークして、きっと世界中から映画の出演依頼が殺到したのではないかと想像します。本当に残念でなりません。
 しかし、高倉健さんご自身が、世界的に有名になることを望んでいたのかどうかは分かりません。
有名になることよりも、「高倉健」としての美学を貫かれることの方が重要だと考えていたような気もします。
そのように考えると、ご自分が思い描いた通りの人生を歩まれ、多くの人に愛されて幸せな人生だったのではないかと思います。高倉健さんへの愛に溢れた、懐かしさと切ない思いのする映画でもありました。

332. シック (2016.10.11)

 先週末から急に気温が下がり、秋らしさが感じられるようになりました。
熊本にもやっと本格的な秋の到来となりました。

 今週のアレンジは、全体を淡いパープル系にまとめられていて、とてもシックな感じがします。アレンジの中心には濃い紫色のバンダ(蘭)が活けられ、全体の色合いを引き締めています。
 また、ユニークな風船唐綿(ふうせんからわた)がよいアクセントとなっています。雲竜柳の伸びやかさも目を惹きます。その他には、ネリネ(ダイヤモンド・リリー)、バラ、トルコキキョウ、カサブランカ、ケイトウなどが華を添えます。

331. 赤煉瓦 (2016.10.10)

 熊本地震でお店が全壊してしまった「赤煉瓦」が移転して、10月8日から、半年振りに営業を再開しました。9月末にマダムから営業再開の連絡を頂いていましたので、早速休日を利用してランチタイムに伺わせて頂きました。
新店舗の移転先は、以前のお店と同じ南坪井エリアにありました。
 店の入口付近には、物凄い数の花輪や胡蝶蘭で埋め尽くされていました。
「赤煉瓦」は30年間という長い歴史があり、熊本のフレンチのトップとして君臨してきました。お祝いの花がたくさん贈られるのは、「赤煉瓦」がそれだけ多くの方々に愛されている証しのようです。

 店の入口には懐かしい「赤煉瓦」の看板が掲げられ、見慣れた石像もありました。ドアを開けると真正面に煉瓦の壁面と、以前はウェイティングルームに飾られていた大きな絵画が飾られていました。左右の壁面を見渡しますと、天井まである大きく開放的なガラス面と、もう一方は壁一面が鏡になっていました。鏡に店内が映るので、実際よりも店内が広く見えます。店内は16名程収容出来るそうですが、実際には10~12名程にして、お客様にゆっくり食事を楽しんで頂けるようにしているそうです。以前のお店に比べるとこじんまりした印象ですが、ご夫婦で切り盛りするには十分な広さです。

 予約をしている馴染みのお客様が次々に来店して、店内はあっという間にすぐに満席になりました。
お客様の接待をされるマダムは、以前と同じ雰囲気のコスチュームに身を包みキリリとして颯爽とされ、お客様ひとりひとりに「お元気でしたか?」とにこやかに優しく言葉を掛けられていました。
 地震直後、被災した店内で「この先どうなるんだろう・・・、という不安から泣きました」と涙ぐみながら話をされていたマダムの姿が印象的でした。再開までの半年間、耐え難い辛さや不安な気持ちを抱えながら過ごされてきたことが伝わってきました。「もう一度、再開しよう!」と決断するには、相当な勇気と覚悟が必要だったことだろうと思います。店内にいるお客様全員が笑顔を浮かべて、満足そうに食事を楽しまれています。
多くの方々が「赤煉瓦」の再開を待ち望み、再開を心から喜んでいるようです。シェフとマダムにとっても、多くのお客様の笑顔に出逢えることは「もう一度頑張ろう!」と思える大きな力となるはずです。

 新店舗ではお皿も新調し、和の要素を取り入れる試みがなされ、新しい調理法にも挑戦されていました。
伝統の味も守りながらも、革新的で独創的な料理の数々で楽しませて頂けました。
やはり「赤煉瓦」は、熊本のフレンチのトップをひたすら走り続ける「最高のレストラン」です。
今後も「赤煉瓦」のオリジナルの味覚を追求し続けて、多くの人を楽しませて頂きたいです。
 シェフとマダム、体力の続く限り頑張って下さい!!

330. 茶 寿 (2016.10.08)

 事務所の近所にお住まいのSさんから、実家のある長野に帰省されたというお話を聞きました。 Sさんは現在80歳代で8人兄弟とのことです。
 兄弟の最高齢は長男の92歳ですが、兄弟全員が健在とのことです。
1年に1度、兄弟全員で長野の実家に集合して、お互いが元気なことを確認し合うことが大きな喜びであり、生き甲斐となっているそうです。
 今年の長野での集いの時、兄弟全員で「『茶寿』(ちゃず)まで生きよう!」と話し合ったと、嬉しそうに話されていました。

 私は「茶寿」という言葉を知らなかったので、早速調べてみました。
「茶寿」とは、108歳のお祝いのことだと分かりました。
「茶」という字の草かんむりを昔は「十十」と書いたので、10+10で「20」となります。次に、下の部分の「八十八」を縦書きしているので「88」となります。
全部を合計すると、20+88= 108となるとのことです。
 さらに、108歳の茶寿のあとも調べてみました。
111歳・・・川寿(せんじゅ)(「皇寿<こうじゅ>」または「王寿<おうじゅ>」)
112歳・・・珍 寿(ちんじゅ)
118歳・・・天 寿(てんじゅ)
120歳・・・大還暦
 ちなみに、かつて長寿日本一になられた泉重千代さんは、「大還暦」(120歳)をだったそうです。

 Sさんは血色もよく、笑顔の絶えない明るい方です。Sさんとお話しをすると、元気パワーをお裾分けして頂いたような気分になります。Sさんには是非「茶寿」を目指して、益々お元気でお過ごし頂きたいと思っています。

329.  『見る』世界 (2016.10.07)

 今朝の朝日新聞に「横断歩道進む『ピヨピヨ』化」という記事が掲載されていました。横断歩道で視聴覚障害者が安全に街を歩けるようにするために、音響信号が出す音を「ピヨピヨ」や「カッコー」などの鳥の鳴き声に置き換えられているという内容でした。丁度、先日「目の見えない人が『見る』世界」という番組を見ました。
番組の中で、視聴覚障害者がどのようにして街中を歩いているのかが紹介されている部分がありましたので、番組全体の内容と合わせてお読み頂ければと思います。

 目の見えない人は耳の働かせ方や足腰の使い方が、目の見える人とはちょっとずつ違います。
例えば、坂道を歩いている時は自分なりに探りながら頭の中で道を作り出し、広い俯瞰的な見方をしながら歩いています。音に対してはとても敏感で、音の反響の変化から自分が今いる位置を感じ取って把握しています。また買い物などする際には、目に映るものに振り回されないので情報量が少ない分、自分の意識に届かない物を特に欲しいとは思わないので、惑わされないとのことです。つまり、本当に必要な物しか買い求めないのでとても賢明だといえます。

 ある男性はバイク事故で、ある日突然失明し、恐怖感と不安で震える日々が続きました。
 そのような状況の中、父が「たまには『まいった』と言っていいんだぞ」、「一緒に頑張ろう」、「生かされたんだ」と励ましてくれました。男性は「生き残ったことが怖かった・・・」とその時の気持ちを率直に語りました。
 事故から4年後、男性は見えないことについて「違いがあること自体がおもしろい」、「ギャップやズレがおもしろい」、「可能性や想像することがおもしろい」、「見える世界を手放したらラクになった」と見えない世界を受け容れて、明るい表情で前向きに語り、見違える程に精神的にも大きく回復していました。

 目の見えない子供達に、色彩のことを訊ねる興味深いシーンがありました。
子供達は「数字や文字のひとつひとつに、それぞれ違った色がある」、「夢の中に出てくるものは全部カラーで、人の顔もはっきり分かる」と生き生きと楽しそうに、顔を輝かせながら話していたのが印象的でした。

 そして、番組の最後には「興味を持って語り合うことがバリアフリーに繋がる」、「見方を変えて全く違うバランスで捉える人は豊かでおもしろい」という言葉で締め括られていました。
私が知らないことばかりで、新鮮な驚きの連続でした。
「いろんな世界を知る」ことは、いろんな人の立場になって考えてみるきっかけになります。
 横断歩道の音響信号の取組みは、人に優しくて心の豊かさに繋がる、とてもよい取組みだと思いました。 

328. 真夏の通り雨 (2016.10.06)

 昨晩、偶然テレビを見ましたら、歌手・宇多田ヒカルさんが「NEWS ZERO」10周年特別企画として出演されて、村尾信尚キャスターと対談をされていました。
 宇多田ヒカルさんは番組のエンディングテーマ「真夏の通り雨」を歌っています。久し振りに拝見する宇多田ヒカルさんは、お母さんの藤圭子さんの風貌にあまりにもそっくりなので驚きました。ストレートのボブヘアー、大きな切れ長の瞳を強調したアイメイクなど、母・藤圭子さんの面影を、娘の宇多田ヒカルさんが再現しているように感じられて、不思議な気持ちになりました。

 宇多田ヒカルさんは「真夏の通り雨」について、「ちょっと古くさいような今どき感がない、美しい日本語だと思える歌を作りたいな、と思って作りました」、「パーソナルで感情的というか、ただの一人の人がうつむいて考えてるみたいな歌詞なので、ニュースをお届けする番組に合うかなって思いました」、「いろんな方に思いを馳せると、歌詞が意味を帯びてきて共感してもらえるように、作品として昇華させて作りました」、「辛く悲しい思いから立ち上がって行こうと、感情移入できる歌です」などと歌に懸ける思いを語られていました。
 また、村尾キャスターから「歌に出てくる『あなた』は誰なんでしょうか?」と問われると、「私にとっては母親なんです」と答えていました。村尾キャスターとの対談では、宇多田ヒカルさんはあらゆる状況を的確に把握して、ご自分の人生をしっかりと歩んでいる、大変聡明な女性だという印象を抱きました。 

 2010年「人間活動」宣言後、ボランティア活動・語学学習・図書館通い・お遍路・結婚・出産などを経験されて、テレビに出演をされるのは約5年半ぶりとのことです。若い頃から豊かな才能を存分に発揮されて「平成の歌姫」、「天才アーティスト」として大活躍をされてきました。
 しかし、私生活では、幼い頃から母・藤圭子さんの精神的不安定さに悩まされ続け、母が突然、自死したことを嘆き苦しみ続けます。母の死後、発表したコメントでは「悲しい記憶が多いのに、母を思う時心に浮かぶのは、『笑っている彼女』」と当時の心境を綴っていました。母の死から3年の時を経ても、なお母への想いは募るばかりのようです。
  
 番組の最後には、「真夏の通り雨」をピアノで弾き語りをされました。
宇多田ヒカルさんが紡ぎだす豊かなメロディー、研ぎ澄まされた美しい言葉、繊細な感情表現からは、哀しみ、切なさ、愛しさ、優しさが溢れていました。言葉のひとつひとつが胸に深く沁みて、涙が流れそうになりました。

327. ガーデンマム (2016.10.06)

 馴染みのフラワーショップの方から「ガーデンマムが入荷しました。」というご連絡を頂きました。毎年、秋になると「ガーデンマム」の入荷が待ち遠しくてなりません。早速、事務所のアプローチに飾りました。

 「ガーデンマム」は1本の茎に複数の花を咲かせます。今はまだ蕾の状態ですが、満開になると壮観です。ラウンド型のおしゃれな雰囲気も楽しめますし、
「ガーデンマム」特有の芳香が漂いウェルカム・フワラーとしても相応しいと思います。

 「ガーデンマム」の花言葉は気高く気品ある「高潔」や、純粋さを感じさせる「清らかな愛」です。そのような花言葉を感じ取りながら、あらためて「ガーデンマム」を眺めてみますと、さらに楽しみが益します。
 初秋にピッタリの「ガーデンマム」でお客様をお出迎え致します。
お楽しみ頂ければ幸いです。

326. 折り合い生きる (2016.10.05)

 「ハートネットTV生きるためのテレビ2」を見ました。
以前にもこの番組では同じテーマを取上げていましたが、今回も大変興味深く見ました。番組の内容は、自殺未遂の経験者や自殺願望を持つ人のメッセージやインタビューに耳を傾け、どうやって「死にたい気持ちと折り合う」のかがテーマとなっていました。メッセージの朗読は、熊本出身の女優・福田沙紀さんです。
ひと言ひと言、言葉を噛み締めながら丁寧にメッセージを読み上げている姿が印象的でした。数人の方の体験談が紹介され、そこから「死にたい気持ちとの折り合い方」を探ります。特に、私が心に残ったのは次の方々です。

【ケースⅠ】
  女性は、4歳頃から「生まれてきた意味や存在意義」に強い疑問を抱き続けて来ました。
ある日、女性は犬を飼うことにしました。女性は「犬を看取るまでは犬と一緒に生きる」という、新たな生きる目標を抱きます。また、心配ばかりかけ続けてきた母に「恩返しをするために生きる」という気持ちも芽生えるようになりました。女性は、自分のためではなく「誰かの役に立つために生きよう」、「出来ることはしてみよう」、「生まれて来た証しが欲しい」と思うようになり、そのことが生きるための目的や理由となっています。
【ケースⅡ】
  幼い頃から母に褒められた経験がなく、学校ではいじめにあっていた女性は、「自分が生きていることで人に迷惑をかけている」、「世の中から必要とされていない」と感じながら生きてきました。
  女性は長い間、怖くて鏡を見ることが出来ませんでした。ある日、覚悟を決めて鏡を見る決断をします。
鏡に映る自分の顔を眺め、自分の顔をそっと触ってみたら「自分を大切にしよう」という実感が湧き上がって来ました。そして次に、「化粧をしてみよう」と思いました。女性の心の中で、小さな変化が起こってきたようです。
【ケースⅢ】
  大学生の男性は、就活・卒論・サークル活動などがうまく行かず、一気に追い詰められ、うつ状態に陥ります。胸が苦しくなり、過去の嫌なことまで全部思い出して激しく落ち込みます。
  クリニックを受診し、医師から「嫌なことを忘れていい」と言葉をかけられ、救われたような思いがしました。「悩むことも人生の一部であり、ひとつの経験だ」と考えられるようになります。
  現在は、「しなければいけない」という気持ちを取っ払い、「これをやりたいな」、「こうなってみたい」と思えるようになってきました。「死にたい」という願望よりも「生きたい」という気持ちの方が多くなってきたそうです。
【ケースⅣ】
  女性は結婚していた時、夫がメンタルが弱くお酒に溺れる人でした。夫との暮らすうちに次第に「私って何のだろう?」と思うようになります。そして、「ドライアイスみたいに煙になって消えたい・・・」と考えるようになりました。 その後、夫とは離婚して、新しいパートナーと出会いました。
 パートナーは女性の「死にたい・・・」という気持ちを、ただひたすら聴いてくれます。
そして、「病気だから、うつという病気が、そういうふうに考えさせようとしているだけだよ」、「うん、うん、大丈夫、大丈夫」と優しく言ってくれます。女性は「あっ、そっか」と思えるきっかけを、パートナーの言葉が作ってくれたと言います。現在、女性は「『死にたい』と思うのも『生きたい』と思うのも自分、どちらの思いも抱えながら一緒に生きよう」と考えるようになりました。パートナーの存在に支えられながら、女性の気持ちは少しずつ変化して行きました。

  前回見た時と同様に、今回も番組を見ていて胸がとても苦しくなりました。
苦しい胸のうちを誰にも話せずに、「死にたい」気持ちを抱き続ける人の心は、きっと想像も出来ないほどの辛さや苦しさなのでしょう。ひとりひとりがそれぞれ抱える辛さや苦しみに必死に向き合いながら、自分なりの「折り合い」をつけて、精一杯、生きていることが痛い程伝わって来ました。   

325. カクテルレッド (2016.10.04)

 10月に入ってから初めての花のアレンジは、秋らしさに満ち溢れています。
ハイビスカスの実やバラの実が、真っ赤に色付いています。ハイビスカスの実の赤い色は「ハイビスカス・カクテルレッド」と呼ばれます。「クロトン」の大きな葉っぱが程よく紅葉していて、今の季節にピッタリです。その他には、「カンガル・フォー」、「ケイトウ」、「りんどう」、「シェリーベイビー」、「トルコキキョウ」なども、それぞれに色合いに深みがあって秋らしさが満喫出来ます。

 またも台風が発生し、九州北部を直撃しそうです。今年は台風が次々に発生しています。7月が4個、8月が7個、9月が7個、合計18個も発生しています。
 台風シーズンが長引き、気の休まる暇がありませんが、備えだけは怠らないようにしたいものです。

324. ともに学び合う (2016.10.03)

 先日、朝日新聞「フロントランナー」に掲載されていた写真の女性の顔に見覚えがありました。記事を読んでみると、昨年観たドキュメンタリー映画「みんなの学校」の大空小学校・元校長、木村康子さんでした。現在は退職されて、教師や保護者の方々の勉強会や講演会活動、本の執筆などをされているとのことです。

 映画「みんなの学校」は熊本でも上映されました。当初は1週間限定上映でしたが、好評だったので異例のロングランを記録したと記憶しています。大空小学校が目指したのは「不登校ゼロ」。
発達障害のある子や気持ちをうまくコントロールできない子も「個性」だと捉えて、みんな同じ教室で学びます。児童、教職員、保護者、地域の方々が一緒になって取組み見守り続けます。幼い頃から、いろんな個性や違いを認め合うことで、人を思い遣る心や優しい心が育って行くのです。また、この映画は経験の浅い教師が悩みながらも、ベテラン教師から助言を受けて成長して行く様子も、ありのままに映し出している点でも異色でした。「学校が変われば地域が変わる、そして、社会が変わっていく」という映画でもありました。

 私はこの映画を観た時、パワフルな木村泰子さんに圧倒されました。
特に印象に残っているシーンは、大空小学校のルールは「人にされて嫌なことはしない、言わない」ですが、ルールを破った生徒は校長室に呼ばれます。そして、子供が納得するまで真正面から真剣に向き合います。
生徒が自分の誤りを理解し、どうすべきかに気づいたら、校長先生が「巻き戻し!」と言って遣り直しをさせます。このシーンはとてもいいシーンでした。子供の今後の生き方の基礎となる、とても大切な時間だと思いました。木村泰子さんは身を削るようなしんどい生き方をされていますが、遣り甲斐、充実感、達成感はとても大きいのだろうと感じました。映画の中で、木村泰子さんが大病を患っていて辛そうにしている姿が、一瞬だけ映し出されていたのでお身体の具合を心配していました。今回のお写真を拝見する限りでは、明るい笑顔でとてもお元気そうな印象を受けたので安心しました。

 記事の最後には「大空小で出来たことは、全国どこでもできる」、「大空のような学校で学んだ子供が、社会を変えて行くはず」との願いを込めて・・・と書かれていました。
 大空小学校で実践された「ともに学び合う」という木村泰子さんのお考えに賛同される方が、益々増えますようにと願っています。

323. 修行僧 (2016.09.30)

 今日は思いがけず、知人から「第80回記念 新制作展」の図録が送られて来ました。新制作展は9月14日~9月26日まで、東京六本木・国立美術館にて開催されていました(1年に1度の大規模な美術展です)。

 知人は、以前私が東京で仕事をしていた時の仕事仲間(大先輩)です。
沖縄出身で、高校3年生の時絵画が初入選し、その翌年には彫刻の作品が沖展の美術展で入選しました。当時の新聞には、十代での入選は初めてのことなので、驚きをもって紹介されたそうです。
 その後、上京し、仕事を続けながら熱心に作品を制作し続けて来られました。
若い頃、作品が入選を果たせなかった辛い時期も、決して諦めることはありませんでした。現在は、彫刻界の重鎮として美術展の審査員を歴任されています。

 昨年は偶然にも、私が上京した折、美術展が開催されていましたので、作品を鑑賞することができました。しかし、今年は残念ながら鑑賞できませんでしたので、お心遣い頂いた図録で作品を鑑賞させて頂きました。今年の作品は「修行僧」と「魚河岸の男」というタイトルの胸像を、2点出品されたとのことです。

 図録に添えられました達筆なお手紙には、「修行僧」に寄せる熱い思いが綴られていました。
 勤務先の経営者が熱心な仏教徒だった関係で、社内には修行をするための道場がありました。
従業員も仏事に参加する機会があり、僧侶の方々がお題目を唱えながら、一心不乱に精進するお姿を拝見する機会があったそうです。僧侶のお姿を拝見していると、何かしら不思議な大きな力が潜んでいるように感じ、深い感動を覚えたそうです。そのような神秘的な体験により、制作意欲を強く掻き立てられたとのことでした。過去にも僧侶の像を数点制作されたことがあったそうですが、今回の作品では僧侶の内面までも表現できるようにとの思いで、全力を傾けて制作されたとのことでした。

 ご自分の人生を懸けて、長い歳月、彫刻という世界に真摯な姿勢で向き合い続けてきた誠実なお人柄に、いつも深い感動を覚えます。「修行僧」という作品は、制作者ご自身の姿とピタリと重なると思いました。
 かつて、一緒にお仕事をご一緒させて頂き、今も交流がありますが、決して驕り高ぶることもなく謙虚で誠実な方です。努力が実を結び、豊かな才能が開花したことを、本当に嬉しく誇りに思っています。
 今後、益々のご活躍を心から願っております(作品の掲載は、制作者の了解を得ています)。

232. 京情緒 (2016.09.29)

 お昼休憩時間を利用して鶴屋デパートへ行くと、偶然、1階サテライトスタジオで、京都・先斗町の舞子さんの舞いの披露が開催されていました。今日から開催された催事「大京都展」の特別企画イベントです。

 今まで舞子さんを見る機会が数回ありましたが、実際に目の前で舞う姿を見るのは初めてです。まだどこか幼さの残る舞子さんが、一生懸命踊る姿は初々しくて微笑ましかったです。お着物の柄は秋の草花が描かれ、だらりの帯はモダンな絵柄となっています。髪飾り、かんざし、帯留めなどの小物が小粋で素敵なアクセントとなっています。めでたさを感じさせる金屏風の上には、巨大なプロジェクターが設置されていて、京都の四季折々の美しい風景が次々に映し出し、雰囲気を大いに盛り立てます。

 舞いの披露は3曲ありました。
①「紅葉の橋」、②「京の四季」、③「祇園小唄・鴨川小唄」です。
「紅葉の橋」は、晩秋から初冬へと移ろう季節をしっとりと唄っています。「京の四季」は、その名の通り、京都の四季の風情や情緒を描いた唄です。「祇園小唄」は、春夏秋冬の四季折々の祇園の町の様子が思い浮かぶ唄です。それぞれの唄と舞いからは、京都らしい情緒が感じられました。
 優雅な舞を鑑賞していると、ここが熊本であることを忘れ、一瞬、京都にいるよう錯覚を覚えます。

 イベントの途中では、質疑応答のコーナーもありました。
15歳の時に入門してから1年間、踊り・長唄・鼓・三味線などの修業をみっちり積んだ後、16歳の時舞子はんとしてデビューしたそうです。舞う時はキリリとした印象でしたが、トークの時には一気に表情が和らいで笑みを浮かべて、はんなりとした口調の19歳の女性の顔に戻っていました。

 そんな舞妓はんの様子を終始、遠くから心配そうにそっと見守っているお着物姿の美しい女性がいました。
おそらく芸妓さんか、もしくは女将さんだと思います。私はこの女性の凛とした佇まいや美しさ、大人の女性の色香が感じられて、何度も目を奪われました。やはり、花街の女性には独特な雰囲気があり、人を惹き付ける魅力が備わっているように感じました。
 偶然にも、舞子はんの舞いを見ることが出来て、特別感のある幸せな時間を過ごすことができました。

231. ともにおだやかに (2016.09.28)

 「ともにおだやかに~ある認知症ディケアの挑戦~」という番組を見ました。
精神科クリニックが経営するディケア「小山のおうち」は、30名程の重度認知症(徘徊や暴力の症状のあった人)の方々の心に寄り添い続けています。

 「小山のおうち」での、認知症の症状を和らげるための具体的な取組みが紹介されました。①認知症の方に「思い出」を語って頂いて、全員でその思い出を寸劇に仕立てて演じてもらいます。全員で演じることで、前向きな気持ちになってもらう効果があるそうです。②認知症の方が、日頃、感じている思いを紙に書いてもらいます。心の奥にしまい込んでいた「思い」を引き出すための作業を、スタッフが手助けをします。話の糸口を掴んでフォローしながら、手記を書き上げます。これまでに、認知症の方々が書かれた手記は70篇を超えるそうです。

 手記を通して、認知症の方々の心の内が見えて来ます。みなさん共通しているのは、「これまで出来ていたことが出来なくなることの辛さや息苦しさ」、「辛い日々を過ごしている」、「自分はダメになってしまった」、「悲しくなる」、「心が暗く寂しい」・・・・。
悲痛な心の叫びが聴こえて来るようです。深い落胆や絶望感が、痛い程伝わって来ます。

 精神科医の高橋医師は、23年前にディケア「小山のおうち」を開設しました。
高橋医師は、当初、認知症になった方は「何も分からなくなる。」と思い込んでいたので、家族のケアに重点を置いて、認知症の方に対しては妄想や興奮を抑えるための投薬だけをしていたとのことです。
 しかし、数多くの認知症の方々と接するうちに、次第に考えが変わって行き「ひとりの人間」として向き合うようになりました。現在、高橋医師は認知症の方に対して「物凄くよく分かっている」、「理解する能力を持っている」と認識が大きく変わり、ケアの在り方も全面的に見直すようになりました。

 「小山のおうち」では、認知症の症状が重い方や意思疎通が難しい方に対しては、「どんな症状も否定しないで受け容れる」という基本姿勢で取組んでいます。そして、丁寧に話しかけるように心掛けています。
 スタッフは認知症の方へ「正直ですね」、「ありがとう」、「忘れることは悪いことではないですよ」と繰り返し伝える努力をしています。「小山のおうち」に来ると同じ仲間がいますし、心に寄り添った手厚いケアをしてもらえるので、症状は徐々に改善されて心が穏やかになっていくようです。

 症状を悪化させないためには、家族の接し方が重要だそうです。認知症の方は家族から色々と指摘をされると「叱られた」、「怒られた」と受け止めてしまい、「自分はいない方がいい」と思って、突然、家を出るという行動をとることがあります。とてもストレスに弱いので、心の中の叫びの表現のひとつとして、暴力や徘徊という行為になってしまっているとのことです。家族が厳しい口調で話し掛けると悪循環に陥り、症状は悪化して改善しないそうです。高橋医師のアドバイスによると、笑いながら話したり聞いたりするように心掛けて、穏やかな雰囲気で接すると症状が落着いて改善されるそうです。そして、心が安らいで笑顔を取り戻し、家族と共に再び穏やかな時間を生きることが出来るようになるとのことです。

 この番組を通して、認知症の症状は家族の接し方で大きく変わるということが分かりました。
今までとは大きく変わってしましたことを家族が受け容れて接し方を変えて、認知症の方の心に寄り添うことが大切だということが分かり大変参考になりました。

230. 映画への旅(20) 「怒り」 (2016.09.27)

 「怒り」は英会話学校講師を殺害後、整形を繰り返して2年あまり逃亡して逮捕された市橋達也の事件をベースにしています。
 映画の大きな特徴は、犯人と思える3人のストーリーを、同時進行で並走して描いていることです。真犯人は誰か、犯行理由は何か、には主軸を置いないので、最後まで犯行の動機が分からないまま終わるので、かえって不気味さや不可解さが益しました。

 「怒り」はストーリーの全体的なバランス、テンポ、3つのストーリーの繋がり方が絶妙です。 
的確な構図、卓越した編集力、重厚感のある演出力の巧みさ・・・李相日監督の桁外れな力量を感じました。
 李監督の作品に2度目の出演となる渡辺謙さんは、雑誌のインタービューで「俳優が役とどう向き合うか試される得難い現場」、「役者の心の中で本当に何かが動く、その瞬間を李監督は切り取っていくんです」、「心の針が振れるまで、透明の鞭で役者を追い込んでいく」、「過酷で独特な演出によって、役者のメンタリティの中にあるものを剥き出しにしてしまう」、「一瞬一瞬の積み重ねによって、物語を紡いで行くのが李作品」と語られていました。確かに、出演者全員の圧倒的な演技は繊細で緻密で見応えがありました。
 特に印象的だったのは、森山未來さんです。心の振れ幅の大きさを自由自在に表現していました。
役柄に対する深い洞察力と理解力、感受性の鋭さと豊かさ、そして圧倒的な表現能力の高さに「すごい役者さん」だと思いました。

 「怒り」は「信じること」が大きなテーマになっています。人の心の曖昧さ、繊細に揺れ動く心、人を信じ抜くことの難しさ、信じることの尊さ、などが強く感じられる作品でした。
 映画のラストではほっとするようなシーンもあり、重苦しい気分のままで終わらなかったことは大きな救いでした。重厚な映画を3本観たような、そんな充実感と満足感がありました。

229. 残 暑 (2016.09.26)

 今週のアレンジは、大輪のユリやピンク色の胡蝶蘭など明るいイメージを受けます。枝物が伸びやかに広がっているのが印象的です。

 台風が過ぎ去った後、一時的に気温が下がっていたので、季節が秋へと移り行くのかと思っていましたが、ここ数日は再び厳しい残暑が復活しています。
日中は、再びエアコンもフル稼働の状況です。

 今週で9月も終わりますが、厳しい猛暑だった今年の夏を思い出させるような暑さが、もうしばらく続くようです。

228. いのちのホスピスでの学び (2016.09.25)

 「つぼい自然庵」(葬儀社)において、みこころホスピス総師長・シスター泉(緩和ケアのスペシャリスト)による、「いのちのホスピスでの学び」というテーマでのトークショーが開催されましたので参加してみました。
 今回初めて自然庵を訪れましたので少々緊張しましたが、扉を開けるとピアノの生演奏が流れていて、お茶・お団子・お菓子・コーヒーなどで手厚くおもてなしてをして頂いて大変恐縮しました。終始リラックスした和やかな雰囲気の中で、シスター泉の豊富な体験談から導き出されたお話しを、興味深く聞かせて頂きました。

 シスター泉のお話しを要約すると次のとおりです。
 みこころ病院(ホスピス)は、人生の最期の場所として1993年、23年前に設立されました。
ホスピスとは、人生の終末期を迎えた人が、その人らしい生を完成するための最期の生き方をする場所です。主役は患者や家族です。主役の要求や望みに対して「あなたをそのまま受け容れますよ。」という徹底した姿勢を貫いています。ホスピスでは、まず「痛み」のコントロールをします。痛みに襲われる恐怖から解放されると安心感が生まれます。痛みが和らぐと自分の好きな事が出来るようになり、再び笑顔を取り戻すことが出来ます。痛みからの解放は、身体と心と魂の安らぎに繋がります。
 また、「どんな話しでも聴きますよ、という努力をします。」という姿勢で接しています。
「過去に経験した忘れられないことや驚いたことは、その人にとっては大切な経験なのです。」、「話しを聴きながら、その人の体験の中に聴き手も入って行くのです。」など聴き方のコツを伝授して下さいました。

 そして、家族、特に夫婦の役割についての興味深いお話がありました。
ある高齢の男性が早朝、「寂しんですよね。」と突然ポツリとつぶやきました。
シスター泉が男性に「誰にそばにいて欲しいですか?」と訊ねると、男性は「妻」と、即答されたそうです。
シスター泉は、すぐに男性のベッドの隣に妻が宿泊するベッドを設置しました。その日から、妻が泊まり込むことになりました。そして、夫婦は手を繋いで眠るようになりました。
すると、男性の気持ちは安定して落ち着いたそうです(「添い寝の看取り」)。
 シスター泉はこのような光景をよく目にするので、夫婦とは何だろう、とよく考えるそうです。
夫婦や家族の関係はお金に代えられない大切なもの、家族に見守られる人は人生の成功者で、最高の幸せ、人生の宝物、と感じるとのことです。

 シスター泉がこれまで患者さんから掛けられた言葉は、「今、最高の治療を受けていると思っている」、
「病気がどこかに行ったみたいだ」、「みんなが優しい」、「ダメと言わない」、「頼みさえすれば応えようとしてくれる」、「自由だ」、「ここに早く来ればもっと長く生きらたのかもしれない」、「生涯の目標はここで達成出来ました」、「思い残すことはありません」、「ホスピスは生きる場所です」、「あなたたちの優しさで変わりました」、
「人生で今が最高に幸せです」・・・。ご自分の人生に満足されて安らかな心で旅立たれたのだろうと思います。

 ホスピスの現場で、多くの患者さんやご家族の方々に接して来られたシスター泉の言葉には、強い説得力がありました。また、ホスピスが「生きる場所」だという言葉を聞いて、温かな気持ちになれました。
将来、人生の最期の時間(とき)の過ごし方として、ホスピスは選択肢のひとつだと思いました。
 シスター泉の体験談から多くのことを学ばせて頂ける、貴重な機会となりました。
思い切って参加して本当によかったと思いました。

227. 紅葉(もみじ) (2016.09.25)

 知人からの紹介で初めて訪れた「紅葉」(もみじ)。
「紅葉」は、十割蕎麦と創作料理の店です。熊本地震の3週間程前にオープンしました。山間の緩やかなカーブを上ると、石造りの広い階段が見えます。
木立の中を抜けると、古民家風の「紅葉」がありました。

 店内のいたる所に、美しく可憐で優しげな野の花が活けられています。
ギャラリーも併設されていて、あらゆる調度品が趣きがあり、こだわりが感じられます。創作料理、十割蕎麦、デザートと、手作りの温かみが伝わってきます。
居心地がよくて、初めて訪れた感じがしませんでした。

 このような雰囲気のお店は、阿蘇へ行くと多く見受けられますが、
熊本市内では珍しいので、一度訪れた人はきっとリピーターになると思います。
いずれ人気店になって、予約の取れないお店になることでしょう。
 休日の気軽な気分転換には最適でした。お薦めです。

226. 熊本の宝 (2016.09.24)

 今朝の熊日新聞に「熊本の宝 守りたい~スイゼンジノリ養殖場 地震で廃業危機に後継者~」という記事が掲載されていました。水前寺のりを絶滅の危機から救うために、たった一人で養殖場を守り抜いて来られた丹生慶次郎さん(81歳)。
熊本地震が契機となり、念願の後継者が現れたという明るいニュースでした。 

 私は丹生さんの奥様と、以前より親しくさせて頂いています。
奥様から、丹誠慶次郎さんが水前寺のりに深い愛情を注いで、数々のご苦労を重ねながら養殖を継続されてきたこと、数年前から後継者問題に悩まれていること、廃業を考えていること、などをお聞きしていました。
 もし後継者が現れなければ最悪の場合『廃業』になってしまう、そうしたら「丹生さんの長年のご苦労が報われない。」という悲しい思いで、後継者問題について心配しながら見守り続けてきました。やっと念願の後継者が現れたことで、水前寺のりが絶滅の危機から救われることに安堵しました。

 早速、丹生さんの奥様にお祝いのお電話をしました。
丹生さんは、後継者の丹生幸宏さん(29歳)が「真面目な青年なので、安心して任せられる。」と心から喜んでいました。今後は丹生さんは、今まで蓄積したノウハウや技術を後継者に伝授して、安心して引退が出来そうです。本来なら、個人の努力だけで継承するのではなく、熊本県・熊本市・大学などの公的機関で手厚く保護し、継承して頂けるのが理想的なのですが。

 現在、大手有名化粧品メーカーなどからも支援の輪が広がっているそうです。
また、将来的には医薬品の分野への応用も研究されています。
 水前寺のりに秘められた不思議な力は、未知数の可能性に満ち溢れています。

225. さまよう遺骨 (2016.09.23)

 クローズアップ現代+で「さまよう遺骨」が放送されました。
家族の形が変化することによって新しい価値観が生まれ、それに伴い行き場を失った遺骨が急増し、遺骨の埋葬のスタイルが大きく変化しています。

 番組では、変化する埋葬のスタイルを紹介していました。
①預骨(一時的に、お骨を預かる)
保証金3万円で、葬儀社が一時的に遺骨を預かります。夫の遺骨を預けたまま、9年間も音信不通になった妻。やっと妻と連絡がつくと「捨てちゃっていい。」と
あっけないほど簡単に言います。20年以上別居していたので、夫への愛情がないのです。「遺骨を引取りたくない。」と強く拒む妻。結局、葬儀社が合同墓に埋葬しました。葬儀社はこれまでに引取り手のない遺骨、200体も埋葬したそうです。
 また、無縁遺骨も増加している原因として、生涯未婚や熟年離婚などもあげらます。
②迎骨(遺骨の引取りサービス)
 シニア婚(60代半ばで)をした妻は、体が不自由で遠出が出来ないので夫の遺骨を自宅に安置していました。しかし、毎日遺骨を見る度に埋葬していないことを責められているような気持ちになり、大きなストレスとなっていました。それで、NPOを通じてお寺の合同墓に埋葬してもらうことにしました。
妻は喪服を着用して「さよなら」と言って、遺骨を見送りました。
妻なりの弔いを済ませたことで「ホッとしました。」と、安堵の表情を浮かべました。
③送骨(宅配便を利用して寺に送って埋葬してもらう)
 14年前に夫と離婚した元妻に、孤独死した夫の遺骨を引取るように自治体から連絡がありました。
最初は「どうして?」と不審に思っていましたが、誰も引取り手がいないことを告げられ、送骨するまでの10ヶ月間だけ遺骨と共に過ごすことにしました。元妻は、それがせめてもの供養だと考えます。
元妻は、遺骨とお別れする時に「落ち着けるね、新しい場所で安らかにね。」と言って清々しい顔をして見送りました。
④○葬(ゼロソウ)。
 ○葬とは遺骨を引取らない、葬儀をしない、お墓を作らない。つまり、全く何もしないということです。
 死生観や家族のあり方が大きく変化していることが、遺骨の埋葬の変化にも繋がっています。
生前の家族の関係の深さや、どれだけ縁を結べたのかで、弔いの形が変わると指摘していました。
 今後、益々多くなる独居老人については、市役所で生前登録する「エンディング・サポート」というシステムがあります。遺骨の行き場があることが安心感に繋がります。

 番組を通して、遺骨の埋葬や弔い方が大きく変化していて、いろんな選択肢があることが分かりましたけれど、切なく寂しい気持ちにもなりました。遺骨の行き場を心配しなければいけない時代になったのだ、ということを痛感しました。

224. 秋のガーデン (2016.09.22)

 毎年、この時期になると待ち遠しかった「富士のニオイザクラ」と「LOVE ME」がフラワーショップに入荷しました。早速、事務所の玄関入口に飾りました。

 「富士のニオイザクラ」は名前からも分かる通り、富士北麓地域で栽培されています。サクラの花をイメージさせるピンク色の可愛らしい花姿と、上品な芳香が特徴です。枝振りがとても見事で花の咲き具合が面白く、これから満開を迎える頃には香りも一層強くなります。事務所を訪れる方々やご近所の皆様方にも楽しんで頂けると思います。 また、愛らしい「LOVE ME」もガーデンの素敵なアクセントとなっています。

 秋のガーデンは彩りが豊かで、ワクワクする楽しさに満ちています。

223. 食べログ (2016.09.21)

 今朝の朝日新聞に「食べログ点数 店側が疑義」という記事が掲載されていました。「食べログ」は「失敗しないお店選び」をコンセプトに2005年に開設しました。お店の基本情報を得たり、お店を選択する際には欠かせないものとなっています。特に、旅行先で食事をする際のお店選びなどには大変便利です。

 今回は「食べログ」の問題点について取上げていました。
「食べログ」は5点満点で評価されますが、「食通度合」の判断基準などの詳しい算出方法は非公開となっています。点数の考え方や見方などについての確認のすべがないので、以前より「不透明さ」が指摘され問題視されていました。

 「食べログ」については、私も以前から疑問に思うことが多々ありました。
お店によっては、おそらく専門業者に依頼して書かせているのではないかと思える投稿も数多く見受けられます。料理に関する詳細で手慣れた記事、美し過ぎる写真、過剰とも思える高評価。
 「食べログ」の評価がお店の経営に大きく影響する、という話もよく聞きます。
ある飲食店の店主は、実際とは違うことを食べログに書かれてしまったために「客数が減少した。」と嘆きます。現在は「食べログ」で受けたダメージを回復するために、必死で努力を重ねておられます。

 新聞記事には「味覚は人によって大きく異なる。」、「万能な口コミサイトではないと理解して向き合うことも大切」と書かれていました。これは私もいつも感じていることです。人の評価というのは千差万別です。
あくまでも「参考にする」程度に留めておくのが無難なのだろうと思います。

222. 2年のキセキ (2016.09.21)

 Eテレ「ガンと向き合う新発明~ドクター中松 2年のキセキ~」という番組を見ました。ユニークな発明家として有名なドクター中松さん(87歳)のガンと向き合う姿を追ったドキュメンタリー番組です。
 2014年6月、「前立腺導管ガン」と診断され、余命2年と宣告されました。
治療法が確立していない病気なので、「自分で治療法を確立する。」、「僕が独占で発明出来るチャンスを天が与えてくれた。」と前向きに捉えて、「Dr.中松セラピー」という、免疫力をあげてガンに打ち勝つための数々の発明が紹介されました。

 「Dr.中松セラピー」の発明の内容は、次のようになっています。
①車の中で聴くガン撲滅の歌。歌のタイトルは「ガンの顔つき悪くても」です。 
歌詞は「ガンの顔つき悪くても、どんなにガンが強くても、どんなにガンが暴れても、怖くはないぞ!負けないぞ!ガンは堪らず消えていく!」言葉で免疫力を刺激することで、免疫力がアップするそうです。
②食生活については、40年間に亘り毎日の食事の写真を撮影して記録し、自分の健康状態と照らし合わせた論文を発表しています。2005年「イグ・ノーベル賞」を受賞されています。膨大なデーターから導き出された「究極のメニュー」を食べるシーンがありました。野菜や魚などシンプルな料理ばかりでしたが、科学的データーに基づいてひとつひとつの食材を厳選した、大変な努力の結晶だとのことです。
③最終兵器「がんがんロボット」なるものが、秘密のベールに覆われていました。
ネーミングの由来は、「ガンをがんがんやっつける!」からだそうです。
近日公開予定ですが、ガンに対して強烈な攻撃力があり、常識を遥かに超えているらしいです。
 その他にも、がんがん筋トレ、がんがんアクア・・・など、セラピーの内容は10項目にも及びます。
セラピーが完成したら、全世界に向けて論文を発表するそうです。

 ドクター中松さんは、これまでに3500以上の発明をされ注目されてきました。
例えば、フライングシューズ、ブレンチェア(頭がよくなる椅子)、ウデンワ(腕に巻く電話)、精神集中機・・・。
独創的でユーモアに溢れた、我が道を突き進んできました。しかし、最近は体力が衰え、身体が思うように動かなくなり、食べると卒倒し、寝ると呼吸困難になるという状況だそうです。
 2016年初詣。神社の境内でインタビューを受けるドクター中松さんは、「願い事をしたことがない。」、「自分ができないからお願いをする、僕はそういう主義ではない。」、「自分で治すという考え方です。」と語られていました。また、仕事場に無造作に置いてあるファイルのタイトルには、「私は死んでる暇がない」書かれていたのでドキリとしました。

 ドクター中松さんのエネルギーの原点となっているのは「困難なことは面白い、絶好のチャンス、楽しくやるんです。」という考え方にあります。主治医は、「無治療ですが、ガンというよりも彼の人生そのものを鼓舞している感じもあって、結果的には非常に『クレバー』なのかもしれないな。」とコメントしていました。ドクター中松さんの事務所スタッフの学生は「いつも笑顔で、ガンとの向き合い方自体が『最大の発明』なんじゃないのかなって気がしますね。」と語っていたのが印象的でした。

 ドクター中松さんのガンとの向き合い方からは、つねにユーモア精神を忘れずに、ガンと真剣に向き合っていることが伝わってきます。余命宣告を受けてから命の期限はすでに切れているのですから。動揺した姿を一切見せることなく、最期の時間(とき)までユーモアを持ち続けて、生きることに真剣に向き合っている姿を拝見して「ドクター中松さん、すごい人だな。」とあらためて思いました。

221. 実りの秋 (2016.09.20)

 今週のアレンジアは、サンザシ・石化柳・リンドウ・シンフォリカリポス・ベロニカ・アンスリューム・セダムです。
 最も注目したのは「シンフォリカリポス」です。ピンク色の実が愛らしく、ふっくらとしています。まるでブドウの房のようです。実りの秋を感じさせるアレンジになっています。

 次々に発生する台風、熊本は台風の直撃を免れ、大きな被害もありませんでした。朝には雨も上がりましたが、時折強風が吹き荒れ、気温もかなり低くなっています。秋物の服に袖を通したいと思えるような、そんな気分の一日です。

220. シネコン (2016.09.19)

 今朝の朝日新聞に「映画文化新しい空間で発信」という記事が掲載されていました。TOHOシネマズ株式会社が2018年、日比谷エリアの新ビル内に全11スクリーン(約2300席)、隣接する東京宝塚ビル内にあるスカラ座とみゆき座を改装し、一体運営することで全13スクリーン(約3000席)の都心最大級のシネマコンを新設するとのことです。 日比谷を新しい「映画文化の発信拠点」としたいとの思いから、色々と構想を練っているようです。また、映画鑑賞後は日比谷公園を眺めながら余韻に浸れる空間もつくる予定らしいので、完成が待たれます。

 今日は、9月13日(火)に5カ月ぶりに再開した「光の森シネマ」を訪れました。
熊本県内のシネコンは地震の被害の比較的少なかった「宇城シネマ」が営業を再開していますが、熊本市内からは遠過ぎて、とても不便でした。「光の森シネマ」は熊本市内から近くて便利がよいので、「光の森シネマ」の再開を多くの方々が待ち望んでいました。
 混雑状況を表示する掲示板には、「満席」の文字がズラリと並びます。
特に、大人気なのが「君の名は。」です。私が午前中チケットを購入する時には、日中の上映分はすべて完売でした。夜の回のチケットのみ残席が僅かだけ残っているという状況でした。
 再開後、初の3連休ということもあり、広いフロア内は物凄い人で賑わい、活気に満ち溢れていました。

219. 探検バクモン「熊本城」 (2016.09.15)

 9月14日(水)、NHK「探検バクモン」は熊本城の特集でした。
爆笑問題が、地震の被害で立ち入り規制中の熊本城の中を探検します。
案内役は、以前「タモブラ」が熊本城の特集をしていた時にも出演されていた方でした。テレビ慣れしている方なので、ユーモアもあり的確な説明をされていて、とても分かりやすかったです。

 番組の中で特に興味深かったのは、「石垣」と「長塀」についての話です。
石垣は「気負」という「いにしえの職人技」で、石が積まれているそうです。
昭和55年、石垣の修復作業を手掛けられたといわれる「石工棟梁」木下浩昭さんが登場しました。
木下さんは48年間、熊本城を守ってきた方です。「石垣の生き字引」、「石垣の守り神」などと称されています。
木下さんは穏やか笑顔を浮かべ、優しそうで、実直そうな感じの方のようにお見受けしました。
現在もお元気で活躍されていることを知り、とても心強く思いました。石垣は、ひとつの石を積むのに1時間もかかるという、途方もない作業だそうです。順番・高さ・位置など、1センチでもずれたらいけないとのことです。気が遠くなるような、難しく、根気のいる大変な作業だということがよく分かります。

 地震の被害が大きく、倒壊してしまった「長塀」は国の重要文化財なので、修復のやり方も特殊です。
長塀が作られた当時と、同じ材料と技術で修復しなければいけないという難しさがあります。
注意深く細やかな作業が求められ、具体的な修復方法を聞いているだけで、気が遠くなるような作業です。
熊本城はこれまでに地震、台風、戦争などで、32回も修復を繰返して来たそうです。
爆笑問題の太田さんが「復興したら歴史になる。」、「運命を乗り越えたことになる。」と言われた言葉が心に残りました。

 今朝の熊日新聞には、石垣の被害が最も大きく、石垣の約1割、膨らみが生じた箇所も合わせると全体の約3割の積み直し(425億円)が必要とされ、また13箇所に及ぶ国指定重要文化財(72億円)や天守閣などの復元建造物の修復(137億円)など総額634億円が必要とのことです。膨大な金額に溜息がでます。
 そして、天守閣の再建を2019年度までに、熊本城全体の復興を20年間で目指す方針とのことです。
「きっと必ず復興する!」と信じて、希望を抱きながら復興に向けての修復の過程を見守り続けたいです。

218.「 震災ADR」の反響 (2016.09.14)

 8月27日、「震災ADR」のシンポジウムを開催してから、その後の反響が大きく、申立件数も順調に推移しております。多くの皆様方にADRの利点をご理解頂いて、活用して頂けるようになってきているようです。

 シンポジウム後は、熊日新聞、毎日新聞、朝日新聞に記事を掲載して頂きました。また、その後もNHK、西日本新聞、共同通信社からも熱心な取材がありました。マスコミの方々からの熱心なご要望があり、実際に震災ADRの仲裁をしている様子を取材したいとのことでしたので、申立人と相手方に事前の了解を得て、プライバシーに十分な配慮をしながら、本日、坂本弁護士が仲裁人となっている案件をマスコミの方々に取材して頂きました。NHKは夕方「クマロク」で放送されるのかもしれません。放送日などは未定です。また、TBS「報道特集」からも「震災ADR」についての取材依頼があったようです。

 坂本弁護士が7年前にADRに出会い、たったひとりで熊本にADR制度を立ち上げてから、ずっと「ADRとは素晴らしいシステムなんだ。」と信じて言い続け、勉強や研修を重ねて研鑽を積んできました。
熊本地震発生後「震災ADR」を立上げて、長い間、地道に努力を重ねてきたことが実を結んでいるようです。

 坂本弁護士は「ADRはあっせん人の『調整力』と『人間力』に負うところが大きい。」と実感しているそうです。
実務経験が豊富で、人間味に溢れ、調整能力が優れている、ベテランの弁護士があっせん人となりますので、トラブルの問題点を的確に判断し、申立人と相手方のそれぞれの気持ちをしっかり理解したうえで、双方の心に寄り添いながらていねいに調整しますので、裁判所とは違ったトラブルの解決の道が探れます。

 坂本弁護士がADRに懸ける熱い情熱と揺るぎのない強い信念を抱いて、地道に活動を継続してきたことに対して心から尊敬します。

217. お月見 (2016.09.14)

 Eテレ「美の壺」で、「お月見」をテーマにしていました。
「中秋の名月」である空気の澄み渡るこの時期に、満月の美しさを堪能し、「お月見」から日本人の美意識や心を探るという内容です。

 はじめに京都、大覚寺が紹介されました。お寺の敷地内には月見台と大沢池(人工池)があります。池の水面に映った月を愛で「お月見」をするのが風流とされてたそうです。次に、月光の神秘的な力に魅せられた「月光写真家」、田中賢治さんが登場。月の繊細な光を幻想的に撮影します。田中さんは「満月の夜は宇宙を感じる。」と語られていました。独特な月光写真の美しさに酔いしれました。
 そして、月を想い月と遊ぶという日本独特な月との遊び方を、茶道の世界の「見立て」から学びます。インテリデザイナーであり茶人の内田繁さんの「見立て」が紹介されます。
内田さんが「お月見」のテーマに添った、掛け軸、水差し、床の間の花器、ご自分でデザインされたモダンな茶室など、全てに個性的な「見立て」をして遊びます。
 「主人と客人が、心の月を通じて重なる・・・。」という素敵なナレーションが流れます。

 最後は、お月見に欠かせないお供え物(団子や里芋)についての紹介です。
お供え物の団子は、月をかたどった月に捧げるためのものです。
また、ススキを活けるのは、ススキが月を招くしるし、依り代(よりしろ)の役目があるそうです。
京都では生命力が強い里芋をお供え物にして、月に願いごとをする風習があるそうです。
 京都の代々続く旧家の「お月見」の様子が紹介されました。
月を見つめながら「いにしえの歌」を唱え、月に祈りを捧げる姿が紹介されました。初めて見た京都の旧家のお月見ですが、やはり風情があります。 
 番組の締め括りには、「かけては満ちる月の神秘的な力を頂く、悠久の時に思いを馳せる・・・。」という美しい言葉で結ばれていました。

 ひとつのテーマをいろんな角度から深く掘り下げて、美しい映像、心地よい音楽、美しい言葉のナレーションなどで楽しませてくれる貴重な番組です。中秋の今この時、夜空を見上げて月を眺めたくなりました。
今週は雨が降り続くようですので、満月は期待できそうにもないのが残念です。

216. 映画への旅(19) 「ロング・トレイル!」 (2016.09.13)

 「ロング・トレイル!」は、全米3大トレイルで最も有名な「アパラチアン・トレイル」(アメリカ東部を縦断するアパラチア山脈に沿って走る自然歩道で全長は約3500キロ)が舞台になっています。

 主人公ビル(ロバート・レッドフォード)は、著名な紀行作家として数々の賞を受賞し、家族にも恵まれて満ち足りた生活を過ごしています。
しかし、老年期に差しかかり自分の人生に何かしら物足りなさを覚えます。
長年住んだイギリスから生まれ故郷のアメリカに戻ったことを機に、「アパラチアン・トレイル走破」に挑戦しようと決意します。一人旅の危険性を危惧する妻のために、40年振りに再会した破天荒な悪友のカッツ(ニック・ノルティ)と一緒に、シニアコンビの珍道中の旅がスタートします。
 ストーリーはシンプルですが、最後まで楽しく観ることができる大きな理由は、主役の二人(ロバート・レッドフォードとニック・ノルティ)の俳優としての力量によるところが大きいです。
二人の役柄は、風貌、性格、これまで歩んで来た人生も全く違うので、一見すると異質な者同士に見えます。
そんな二人が旅を共にすることで、心を通わせて行く姿が味わい深いのです。
また、雄大な自然風景が素晴らしいので、清々しさや爽快感も味わえます。
 
 ロングトレイルの魅力とは、はじめるのは簡単でも終えるのが難しいことに凝縮されているようです。
途中で挫折してしまう人が多く、二人も何度も途中で諦めそうになります。
真夜中に2頭の熊に遭遇したり、崖から転落したりという数々のトラブルに遭遇します。
 絶望的な状況の中で、見上げた夜空一面に煌めく星々の美しさに言葉を失うほど感動します。
二人の心が通い合う瞬間で、しみじみとする名シーンとなっています。私はこのシーンがすごく好きです。
 もうひとつ好きなシーンは、旅を途中で断念して家路に着いた時、カッツが旅の先々でビルに向けて書いて送っていた絵葉書を眺めるシーンです。いかにもカッツらしい短い言葉や簡単な絵でだけのハガキですが、旅の思い出を共有した二人にとっては、十分気持ちが伝わる微笑ましいシーンでした。

 老いること、挑戦すること、諦めることの勇気、夫婦愛、友情・・・旅で得たものは、人生の終盤を彩る素晴らしい経験でした。名優揃いながら、教訓めいたところや気負ったところが全くないので、気軽に笑いながらリラックスして観ることができました。ほのぼのムードなのが心地よく、しみじみとした味わい深い映画でした。
 トレッキング映画としても十分楽しめますので、いつもはインドア派の私ですが、たまには風に吹かれて、大自然の中を歩いてみたくなりました。そんな気分にさせてくれる映画です。

215. 秋へ (2016.09.12)

 今週のアレンジは、彼岸花によく似たネリネ(ダイヤモンド・リリー)、トルコキキョウ、吾亦紅、リンドウ、バンダ、デルフィニューム、セダムなどの華やかさなアレンジとなっています。

 メインのバンダ(紫色の蘭)や凛としたリンドウ、吾亦紅がアレンジ全体の色に深みを与えて、秋らしさを感じさせます。

 今週は雨が降り続くとの予報ですので、やや湿度は高いものの気温も下がり、一雨ごとに季節が秋へと移り変わって行くことを感じます。

214 一期一会 (2016.09.11)

 今朝の朝日新聞に「心重ねる 茶の湯」という特集記事が掲載されていました。
その中で利休の茶の湯論、「路地へはいるから立つまで、一期に一度の茶会の様に、亭主をしっして威づべきとなり」という言葉が紹介されていました。
「一生に一度の出会い」という、客は亭主の仕事を真剣に見て、敬意を払うべきだという意味で、茶の湯に緊張感を求めてたと解説されていました。
 また、女優の壇ふみさんは「お茶は動く禅、無駄のない美しい動きでお茶を点てると、座禅を組むような境地になるのかしらと思いました。」、「お茶の文化には日本人が大切にしてきた価値観のようなものが凝縮されている。」、「一期一会や、季節を感じる心を大切にすることなどを、お茶から学んだ心の持ち方は今も続いていると思います。」と語られていました。

 以前、Eテレ「女ひとり70歳の茶事行脚~お茶で心を通わす人生を懸けた茶事行脚~」という番組が放映されたことを思い出しました。おもてなしの原点と言われる「茶事」に人生をかけ、これまで1000回以上の出張茶事を執り行い活躍されている半澤鶴子さんが登場されました。
 半澤鶴子さんは70歳を機に茶事の神髄を極めようと、鍋釜と茶道具を車に積み込み、着物姿で車を運転して車中泊や野宿をしながら、旅先で偶然出逢った人を茶事でもてなします。季節の移ろいを敏感に感じながら、一期一会の模索の一人旅を追った、2年間に亘るドキュメンタリー番組です。

 私が特に印象深かったのは、「琵琶湖」、「京都」、「福島」での茶事です。
1.「琵琶湖」では 山水風月を実感するために、湖に沈む夕陽を見つめながら野宿をします。
茶事の当日、高熱で体調不良の中、地元の漁師相手に4時間の茶事を行いますが、満足の行く茶事が行えず、体力の衰えを痛感して激しく落ち込みます。「今まで前向きに自分を磨いてきたけれど、心も体も無理が利かなくなってきた。」と実感します。しかし、「不都合を厭わないで遣り続ければ、神様が智慧をくれる。」、「心と心を通わせて、限られた時間の中で出来ることを行い、悔いずに前へ進もう。」、「最善こそ茶事の本分。相手に喜んでもらえたら嬉しい。」と前向きに捉えるのです。

2.京都「瑞峯院」へ。千利休が作った「平成待庵」で、20年前より敬愛する和尚に一客一亭の究極の茶事を行います。和尚から「花一輪に飼いならされてる」という究極の言葉を頂いて、半澤さんは深く感激します。
そして、「その場やその土地にあることを感じ取れたら、ありのままの花の美しさ、何も思い煩うことなく咲いている、人生ってそういうこと。」とご自分なりに悟るのです。

3.冬の「奥会津」へ。旅立つ1年前、大腸癌のため療養生活を送り、自らの命と向き合います。
半澤さんは「生きよう、生きよう、生きよう、自分自身に、体に対して、細胞自身が励ましのリズムのようないじらしさを感じた。」と闘病生活を回想します。「真っ白な雪の原野の中、山の営み、大地の営み、大きな息づかいを体現してみて、ゆっくり雪と対峙してみたい。」という強い思いを抱き、家族の反対を押し切って命懸けで冬の奥会津へ行きます。雪を掘り起こして食材を探すと、命が息づいているのを発見します。「こんな草の中にも命の源、芽を出す力が次の命に繋がっている。次の世代にも繋げる命の力。」、「山菜の芽吹く力は、人生の門出と全く同じ。」と感じます。客人は、道すがら出逢った高校3年生の3人の若者。3人のうち1人は南相馬から避難して来た子でした。その子は新しい土地での避難生活を「新しい出会いがあるっていい」、「悪い方に捉えてもいいことない」、「今の方が好きだから」と笑顔で語ります。若者が自らの今を受け容れている姿に、半澤さんは深く感動します。

 最後に半澤さんは、「人と草々、一期一会。」、「命と命を通わせる営み。」、「命に限りがあること、その切なさにその背中合わせに人は労わり合って、自然と優しく寄り添って来た。」、「そんな中から生まれて来たのが茶事の世界かな、あらためて実感した旅です。」と語られていました。
 半澤さんの茶事を拝見して、移ろう季節の美しさ、草花の生命力、人をもてなす温かな心を感じました。
茶事は決り事が多く敷居が高いと思っていましたが、「一期一会、季節を感じる心を大切にする」ことが重要なのだということがよく分かり、一度は茶事の世界に触れてみたいと思いました。

213. 感動の方程式 (2016.09.10)

 先日、毎年恒例の「24時間テレビ39 愛は地球を救う」が放送されている中、Eテレ「バリバラ」が「検証!『障害者×感動』の方程式」というテーマで生放送して、大きな話題となりました。出演者たちは全員、「笑いは地球を救う」と書かれた黄色いTシャツを着ていました。司会はラジオDJの山本シュウさん。その他にも義足のスプリンター・大西瞳さん、多発性硬化症など3つの難病を抱える大橋グレースさん、ミスター・バリバラこと玉木さんというレギュラー陣に加え、ゲストとして鈴木おさむさんとカンニング竹山さんが出演されました。

 障害者のイメージは「感動する・勇気をもらえる」というものがほとんど。「なぜ世の中には、感動・頑張る障害者像があふれるのか?」その謎を徹底検証しました。まず「感動の方程式」とは何かを具体的に分かりやすくするために、グレースさんをモデルにして、①大変な日常②過去の栄光③悲劇④仲間の支え⑤いつでもポジティブという5つの感動のステップによる感動ドキュメンタリー制作のプロセスを紹介しました。
 グレースさんとスタッフの本音や裏話をせきららに見せることで、いかにして感動ストーリーが出来上がって行くのかを、ユーモアを織り交ぜながら分かりやすく紹介していました。私は、二人のリアルな会話がまるでコントのような遣り取りに感じられたのでおかしくて、ずっと笑いながら観ていました。

 コメディアンでありジャーナリストだったステラ・ヤングさん(骨形成不全症)が、生前(2年前)に行った講演会の模様が紹介されました。「障害者を扱った映像を健常者が見れば、自分の人生は最悪だが、下には下がいる。彼らよりはマシだと思うでしょう」、「健常者に勇気や感動を与えるための道具になっている。」このような状態を「感動ポルノ」という衝撃的な発言をされました。 さらに「世の中の捉え方を歪める考え方を乗り越えるべき障害は、障害者を特別視し、モノとして扱う社会です。」、「障害は特別ではない。障害について考えることはあなたを特別な人にしてくれるでしょう。」と言葉を結んでいました。

 ミスター・バリバラこと玉木さんは「自分より不幸であることで感動させようとする。上から目線で障害者を見ることで可哀想だと思う。そこに差別が生まれる。分かりやすい構図だ。」、「一見いい番組を見ている気になるが、知らないうちに悪影響があるということを知らなくてはいけない。」、「同じ人間だから一緒に怒ったり、考えたり、想いをすりあわせる中で、相互に確認していくことで感動が生まれる。」、「それは一方的ではなく、お互い合致した時に、『あぁそうやったんか』ってことがほんまの感動ちゃうかな。」、「今作られているのは、障害者と健常者という上下関係が出来上がっていて、『してやっている』とかそんなところで作られている。」、「みんなが幸せになることをみんなで考えていくことが大事なことで、それをつき詰めていくと“人権を守る”であったり“差別をなくす”、そういうところに繋がっていくんちゃうかな。」と意見を述べられていました。ミスター・バリバラこと玉木さんは、番組のご意見番として鋭く核心を突いた意見を率直に話されるので、「なるほどな・・・。」といつも感心します。

 メディア(NHKとBBC)の取上げ方についても紹介されました。その中で特に、イギリスで1992年障害者を一画的に描いたチャリティー番組に、障害者が抗議運動を起こしたことを契機として、1996年BBCテレビがガイドラインとして障害者を「勇敢なヒーロー」、「哀れむべき犠牲者」として描くことは「侮辱」につながると定めました。日本でもガイドラインが必要だと思いました。番組のラストでは、出演者全員で「サライ」を大合唱して番組を終えるという徹底ぶり。最後までユーモアのある演出に「お見事!」と思いました。

 「バリバラ」はタブー視されてきたテーマにも自然体で向き合ってきています。いつも笑いやユーモアがあるところが好きです。私は「24時間テレビ」はいつも見る気がしなくて見ませんが、「バリバラ」の本音トークが好きです。今回の番組は、決して「24時間テレビ」への批判ではなく、社会をよい方向に変えたい、本当の情報を伝えたい、という思いで作られたものだと思います。「24時間テレビ」放送中に生放送することで、多くの人に関心を持ってもらうには絶好のチャンスだったと思います。メディアや視聴者も、社会全体が障害に対する考え方や見方が変わって行く契機になる有意義なテーマでした。

212. 穏やかな死 (2016.09.09)

 先日「クローズアップ現代+」は穏やかな死を迎えるために、医療と宗教の新たな試みとして「臨床宗教師」を特集していました。年間130万人の多死社会の中で、スピリチュアルな部分(死の恐怖感、死生観の悩み)に対応するために「臨床宗教師」が生まれました。「臨床宗教師」はホスピスなどの医療現場で患者に寄り添いながら信頼関係を築き、時間をかけて患者の話しを聴くことで、患者が理想とする死生観や死のイメージを探ります。

【ケースⅠ】
 死期を悟った末期ガンの女性が「夢の話」をするようになりました。死後のイメージを想い描くことは、患者が「死への心の準備」が始まったサインです。死に対する恐怖や不安でいっぱいだった気持ちに変化が見られるようになり、「死んだら天国、極楽に行って既に亡くなった故人と再会できる。」とイメージするようになります。そして、「死んでも命は終わらない。」と思うようになり、心が穏やかで安らかになって行きます。
女性が家族へ最期に遺した言葉は、「ありがとう!心からエールを!感謝を!大好きですよ!」でした。
 そして、臨床宗教師には手紙を渡しました。
その手紙には「光に包まれて旅立つその日まで、この世の生をつぐむ。あなたの闘いを、私は美しいと思う。」と書かれていました。人生の最期の時間(とき)に紡がれた美しい言葉に、胸打たれ涙が流れました。
臨床宗教師は「患者が光の世界を具体的にイメージして、死の恐怖を乗り越えて欲しい。」という強い願いを抱いて、患者の心に寄り添っているのです。

【ケースⅡ】
 末期ガンの女性は「紫の海の上で月の光に照らされながら、少しづつ、少しづつ、昇って行きます。
うれしくて、うれしくて。私は何もお返しは出来ないけれど、気持ちだけは本当ですからね。
ありがとうございます。そういう気持ちにさせて頂いてありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。」という言葉を遺して亡くなられました。
 女性の夫は「すうっーと砂浜に潮が引くように、何のサインもなく静かに逝きました。」、「眠るように、砂浜に吸い込まれるように亡くなりました。」、「絶対幸せだったよ。間違いないよ。」と穏やかな表情で、しみじみと語っていました。穏やかな死を迎えることは、残された家族の心も穏やかにしてくれるのです。

【ケースⅢ】
 医師であり僧侶でもあり末期の膵臓の末期ガン患者である田中医師(70歳)。これまで500人以上の患者の死を看取ってきました。患者の話を傾聴することで、患者が人生の価値を見出して「気づく」という手助けをしてきました。田中医師は「私の刻々と過ぎて行く残された時間は、これまでどおりに患者の話しを聴いて患者が自分の本質が分かるように促し、自分の人生の価値を見出して気づいてくれることを願っています。」と語られていました。 最期の時間(とき)まで、淡々とご自分の信じた道を全うされようとしている姿が尊いと思いました。

 人生の最期の時間(とき)を、自分らしく心安らかに迎えられるように導いてくれる「臨床宗教師」という存在がいることを今回初めて知り、とても心強く思いました。安らかな心で最期の時間(とき)を迎えた方々を見ていて、私も「こんな最期を迎えられたら幸せだな。」と心から思いました。
 

211. 利平と写真 (2016.09.08)

 肥後銀行本店、里山ギャラリーで、冨重寫眞所開業150年「利平と写真」が開催されています。冨重寫眞所は、冨重利平さんが寫眞所を開業して今年で150年、親子4代に亘り伝統が継承されています。

 今回の写真展では、熊本地震を考慮して新旧の熊本城の写真を数多く展示しています。また、夏目漱石をはじめとする、冨重寫眞所と関係の深い著名人の写真も展示してありました。会場中央には利平さんが愛用されていた貴重なカメラ(屋内用と屋外用)2台も展示してありました。その他にも、明治時代に発生した熊本地震(別名:金峰山地震)の貴重な写真やエピソードもとても興味深かったです。「金峰山が爆発する!」と思われていたそうで、荷物を抱えて熊本から逃げ出す人が大勢いたそうです。
 明治、大正、昭和、平成へと、時代の移り変わりとともに、自然や景観が変化して行く様子を興味深く鑑賞しました。写真は優れた記録で、貴重な資料です。
大変価値のあるものだということが、あらためてよく理解できました。

 ギャラリー受付には冨重寫眞所4代目館主も在所されていましたので、いろいろと楽しいお話しを聴くことができたのも大変有意義でした。

210. 四季の丘 (2016.09.07)

 9月6日(火)、事務所のランチ会が「メゾン・ド・フォレスト~四季の丘」で開催されました。レストランは「天空のウエディングステージ」と呼ばれ、結婚式がメインとなっています。「絶景の丘」と名付けられたガーデンを眺めながら、お昼限定で一般の方も食事が頂けます。レストラン内のインテリアは洗練されていてセンスがよく、カラーコントロールも美しく完璧です。また、高台に位置しているので眺望は素晴らしく、眼下には熊本市の街並みが一望できます。時折吹く風が心地よく、暫し時間を忘れてしまいそうになるほどリラックスできました。

 料理のスタートにコーヒーサイフォンが運ばれて来て、テーブルの上に置かれました。「これから何がはじまるのだろう?」というワクワクした期待感が高まります。
 まずはじめに、サイフォンの上部にみじん切りにしたキノコを3種類(椎茸・マッシュルーム・ポルチーニ)入れます。次に、サーバーに黄金色のチキンスープを注ぎ入れます。そして、固形燃料に点火して温めて沸騰させ、キノコの芳醇な香りと旨味を十分抽出します。それから、スープカップにスープだけをそっと注ぎ入れます。
一連の作業をテーブル上で行うので意外性や驚きがあり、工夫された演出の楽しさに感心しました。
 食事の最後のお楽しみのデザートは、季節のフルーツやパッションフルーツソースなどの上に、
淡雪のようなコットン・キャンディが添えられて彩りの美しさに見惚れました。
 一皿一皿の料理が非常に凝っていて盛付けも繊細で美しく、味のバランスやハーモニーの絶妙さに感心しながら堪能しました。あらためて「料理は芸術」だと思いました。料理の世界の奥深さに触れたような思いがして感動しました。接客マナーもスマートで、空間や味わいも含めて申し分なしのレストランでした。 

 帰り際には、チャペルを見せて頂きました。本格的で重厚感のある厳かな雰囲気のチャペルにも圧倒されました。至る所がステキなので、溜息の連続でした。
 お昼休みのひと時、まるで別世界に迷い込んだような、素敵な時間を過ごしリフレッシュ出来ました。

209. 熊本復興ねぶた (2016.09.06)

 9月3日(土)午後7時から9時までの2時間、「熊本復興ねぶた」が熊本市二ノ丸公園で開催されました。私も東北出身者なので「青森ねぶた祭」には馴染みがあります。まさか熊本で見ることができるとは思ってもいなかったので、夢のようなイベントです。東北の短い夏を彩る「青森ねぶた祭」は、豪快、勇壮華麗、躍動感、熱気、活気に溢れて、短い夏にすべてのエネルギーが爆発するかのような祭りです。躍動感あふれる跳人(ハネト)の “ラッセラー、ラッセラー、ラッセ、ラッセ、ラッセラー”というリズム感のある掛け声が、お祭り気分を大いに盛り上げます。

 私の故郷でも「能代七夕」という夏祭りがありますが、城郭灯篭の絵柄は儚げで太鼓や笛の音色も哀調を帯びて物哀しさを感じさせます。東北の祭りはどちらかというと、私の故郷のような静かな祭りが主流だという印象があります。
 青森では何台ものねぶたが街中を練り歩くので眩いばかりですが、今回は、大変貴重なねぶた1台が二ノ丸公園の暗闇の中を練り歩きます。
暗闇に浮かび上がるねぶたの豪快な絵柄は、独特な雰囲気があり心に強く残りました。

 「熊本復興ねぶた」代表世話役・外崎 玄さんをはじめとする関係者の方々の、熊本県民に寄せる優しい思い遣りの心や心意気を感じました。外崎 玄さんは、ねぶたの様子を遥か遠くから眺めていました。
テレビ局の取材に答えて「近くで見たら、お客さんが喜んでいる顔を見て泣いてしまいますから・・・」と涙ぐみ、感慨深げに語っていました。私も思わずもらい泣きしてしまいました。
 復興ねぶたを見た人たちは一様に「元気をもらえました!」、「楽しかったです。」、「ありがたいです。」、「感謝しています。」などと感想を述べられていました。
私もねぶたを見ながら故郷の祭りを思い出し郷愁に駆られ、感動して胸がいっぱいになりました。

 熊本復興ねぶたのキャッチフレーズは「ねぶたの熱が、力が熊本のチカラになる!」です。
確かに元気になれるチカラを頂けました。今年の夏の終わりは、忘れられない大切な想い出ができました。
本当にありがとうございました!!

208. 愛しい家族 (2016.09.06)

 先日の熊日新聞に、「ペット不可・・・つらい別れ」という記事が掲載されていました。地震被災者が転居先でペットを飼えず、家族同様のペットと泣く泣く別れなければならない辛さを訴えていて切なくなりました。

 また、9月3日のTBSテレビ「情熱大陸」では熊本の獣医師が登場し、地震直後、被災者がペットを伴って避難できるように、動物病院(4階建て)の全フロアを「同伴避難所」として開放した様子が紹介されました。
約3週間で、動物と飼い主の約1500組が避難したそうです。
獣医師は、朝7時から午後11迄診察。夜11時からは1日7~10件の手術を行います。手術を終えるのは午前1時30分頃。家族とは別居し、日中僅かな時間に仮眠をとるというハードな生活を送っています。獣医師の配慮のお蔭で、数多くの家族がペットと共に安心して避難生活を過ごせたことに感謝していました。また、獣医師は家族の一員であるペットと一緒に住める避難所や仮設住宅が実現するよう、行政に働きかける活動も積極的に行っていました。

 以前、ペットを飼っている知人が、ペットが急逝した時深い悲しみに包まれ「母が亡くなった時よりも悲しい。」とおしゃっていた言葉に、「それほどまでにペットを愛していたのか・・・」と驚き、衝撃を受けたことがあります。ペットへの愛は「無償の愛」、「究極の愛」なのかもしれません。
 ペットは愛しい家族なのです。どうか一緒に暮らせますように、と願うばかりです。

207. 変 化 (2016.09.05)
 今週のアレンジは、カサブランカ、オンシジューム、ルティア、カーネーションなどの花の色が、少し落ち着いた感じを与えるクリームイエロー系の色合いにまとめられています。
 先週末は台風の直撃も予想されていたので、緊張感のある日々を過ごしていましたが、大きな被害もなくほっと安堵しています。
 台風も過ぎ去り、今日は晴天。再び厳しい暑さが戻って来ましたけれど、陽射しが真夏のギラギラした感じではなく、秋の気配が多少感じられる穏やかな感じに変化して来ているようです。
206. 男と女 (2016.09.05)

 9月2日放送の『アナザースカイ』のゲストは、人気脚本家の中園ミホさんです。
半年から1年かけて本音を聞き出し入念なリサーチをしてから書き上げる脚本はリアルで、毎回社会現象を巻き起こしています。プライベートではシングルマザーで、前職が占い師というユニークな経歴でも話題の女性です。
 番組の前半では一人息子の周作さん(22歳)と一緒に、フランスのドーヴィル(避暑地として有名)を巡ります。脚本家としての原点となった映画「男と女」(1966年の作品、監督クロード・ルルーシュ、音楽フランシス・レイ)の舞台となった海辺の街ドーヴィルを訪れるのは、13年ぶりの再訪となります。特別な思い出の地で、シングルマザーとしての息子に対する思いを語ります。息子を産んだことで真剣に仕事に向き合う決意をし、「息子が初めて自分を変えてくれた、最初で最後の男」と言い切っていました。
 番組の中盤では、「男と女」の印象的な映画のシーンを織り交ぜながら、海辺の街、ホテルのレストラン、ホテルの部屋などを巡ります。13年前に訪れた時は晩秋だったので海も空もグレーでしたが、今回は夏なので海も空もキラキラして輝いてときめきを覚えたようです。

 番組の後半では、クロード・ルルーシュ監督(78歳)がかつて所有していたホテルの中にある監督専用だったシアターで、「男と女」を鑑賞します。終映後、サプライズで、クロード・ルルーシュ監督からのメッセージが映し出されます。「愛とは何か?作品を貫くテーマ、恋愛に関する情熱は高まるばかりです。愛は意味を与えるもの、私の人生そのもの、人生で最も美しい時はまだ経験していないのです。年を重ねるごとに今まで以上に楽しんでいますし、20歳の時よりも今の方が楽しんでいます。年齢は障害ではない。この瞬間、瞬間が、過去よりも大切なのです。アドバイスはひとつです。前よりも人生を楽しみ、人生を前よりも愛することです。たとえ、それが未知の場所であろうとも。」素敵なメッセージでした。

 中園ミホさんは「男と女」を14歳の時に観て衝撃を受け、初めて大人の世界に触れました。これまで100回以上観たそうです。クロード・ルルーシュ監督を「人生の師匠」と言っていました。
 今回のメッセージから「先の見えない闇の中にこそ最も美しい瞬間がある。」、「大人は成熟してもう何も動じないのではなく、完成しないことが大人なのだ。」、「もっともっとずっと情熱を追い求めることが大人なんだ。それでいいんだ。」、「未知の場所であろうとも恐れないで、いろんなことを冒険したい。」、「いくつになったからと縮こまらないで恋愛ドラマを書いていきたい。」、「人生最高の瞬間はこれから。」と感想を述べられていました。とてもよい企画の番組でした。

 この番組を観ていたら映画「男と女」が観たいと強く思いました。そうしました、何という偶然でしょうか、デンキカンで上映予定(日程未定)だということが分かりうれしくなりました。
歳月を重ねて、あらためて名作を見直すと、より一層理解が深まり味わい深くなるのではないかなと思います。秋の深まりとともに、上映が待たれます。

205. 美の空間 (2016.09.04)

 チームラボによる大規模展覧会「チームラボアイランド踊る!美術館」と、「学ぶ!未来の遊園地」が宮崎アートセンターで開催されていました。
 展覧会の趣旨は、創造的な「共創」の体験が、非常に大切だとの思いから企画されました。展覧会の内容は、アート作品(3作品)と未来の遊園地(5作品)です。
作品のタイトルは、
①「花と人、コントロールできないけれども共に生きる」
②「百年海図巻アニメーションのジオラマ」
③「世界はこんあにもやさしく美しい」
④「お絵描き水族館」
⑤「つくる!僕の天才ケンケンパ」
⑥「光のボールでオーケストラ」
⑦「小人が住まうテーブル」
⑧「つながる!積み木列車」

 今回の展覧会で最も印象的だったのは「百年海図巻」です。
100年間に亘る海の変化の様子を、10分間に短縮したアニメーションです。
会場内の床の上に置かれた、柔らかな大きなクッションに身を深く沈めてゆったりと鑑賞します。
幅20mの巨大な屏風絵のようなアニメーションが、流れるように変化して様子がとても美しいのです。
作品と観ている私とがひとつに溶け合ってゆくような感覚がして、圧倒的な美の空間が体感できました。
子供達の生き生きとした輝くような顔が印象的で、大人も楽しめる展覧会となっていました。
 デジタルアートの世界の未来が、益々楽しみになりました。

204. 備え (2016.09.01)

 8月31日午後7時46分、熊本地方で「震度5弱」の強い揺れがありました。
NHK夜7時のニュースで、台風の被害が甚大だった岩手や北海道・富良野の映像を見て気持ちが沈んでいたところ、突然、大きな揺れに襲われました。

  「ガタガタ」という大きな音をたてて激しく揺れたので、身の危険を感じました。
4月の大地震の記憶が鮮明に甦り、身体や脚がブルブルと震えました。
幸いにも今回は、食器棚から食器が流れ落ちるという恐怖の光景を見ることはなかったので、少しだけほっとしました。

 電車のダイヤの乱れや、高速道路の一部区間で通行止めも生じています。
近所には「注意!危険!倒壊のおそれあり!」と書かれている家も何軒かあるので心配です。
 9月1日午前6時33分、激しい揺れに襲われ飛び起きました。地震が再び活発化してきているようです。

 8月も終わり、暑さも和らぎ、やっと一息ついてゆっくり過ごすことができるようになってきていました。
そんな中、突然の大きな揺れに襲われて、本当に怖かったです。
最近は余震の回数も減ってきていたので、気が緩みすっかり油断していました。
今後は余震や情報に十分注意して、備えを心掛けて過ごそうと気持ちを引き締め直しました。

203. 映画への旅(18) 「冬冬(トントン)の夏休み」 (2016.08.31)

 1984年に制作された「冬冬(トントン)の夏休み」(台湾)は、主人公・冬冬(トントン)のひと夏の想い出を描いた映画です。劇中流れるメロディは「仰げば尊し」と「赤とんぼ」。日本人なら誰でも知っているメロディに、自然と親近感が湧きます。
 映画の内容は、台北で暮らすトントンと妹のティンティンが、祖父母が暮らす田舎で夏休みを過ごします。長閑な田園風景を舞台に物語が展開します。
 地元の少年たちとの交流、叔父の結婚騒動、知的障害のある女性との交流、強盗事件、母の深刻な病状、厳格で威厳のある医師の祖父・・・、大人の世界で起こる奇妙で残酷な出来事を淡々と描き、兄妹の視点で丁寧に描いています。

 私が特に心に残ったのは、知的障害のある女性とトントンの妹・ティンティンとのエピソードです。
死んだ小鳥を見つめ悲しむティンティン。その小鳥を見た女性は、大声を上げて嘆き悲しみます。
そして、木によじ登って鳥の巣に死んだ小鳥を戻してあげようとしますが・・・。
二人とも純粋無垢、心が澄んで清らかなのです。大事件の後、寄り添い合う二人はまるで母子のようです。
二人の心が触れ合う、胸がジーンとするいいシーンです。
 この映画では、障害に対する社会の差別的な考え方をありのままに描いているので、残酷な発言に戸惑いを覚えたり、胸が締め付けられるほど辛く感じる部分もありました。
淡々と描くことで、より一層、問題点が浮き彫りになっていると思いました。

 夏休みに触れたほろ苦い大人の世界。いつの日か遠い記憶となっても、二度と戻らない大切な時間を決して忘れることはないでしょう。想い出は記憶の片隅でずっと大切な宝物として生き続けるのです。
夏の終わりの締め括りに相応しい映画でした。

202. ウェルカムフラワー (2016.08.30)

 昨日と同様、今日も朝から涼しい風が吹いているのでガーデンの植替えをすることにしました。フラワーショップへ行くと、丁度、花市場が今日開催され、仕入れたばかりの鉢物が店頭に並んでいました。本格的な秋の鉢物は9月の2週目位から入荷する予定とのことです。

 ガーデンには「ケイトウ」や「ベゴニア」などの他に、「バイオリンの木」を植えました。初めて植えた「バイオリンの木」は、フラワーショップの方がイチオシされるお薦めの鉢物です。可憐な小さな花が咲くと上品で甘い香りが漂うので、「ウェルカムフラワー」として最適です。
 初秋らしさが感じられるガーデンで、ほっと一息ついて頂ければ幸いです。

201. 夏の終わり (2016.08.29)

 今週のアレンジは、より一層、秋の気配が感じられるアレンジとなっています。
薔薇の花やヒペリカムの実の赤い色が今までよりもぐっと深みを益して、落着いた感じになっています。夏が過ぎて行く・・・夏の終わりを感じます。

 ここ数日、台風の影響で天気が不安定で、雨が急に激しく降り出したりやんだりを目まぐるしく繰返しています。厳しい残暑もやっと和らぎ、今日は蒸し暑さからも解放され、終日涼しく過ごしやすい一日となっています。

 8月も残すところあと2日となりました。
涼しくなったらガーデンを秋色に植え替えたいとずっと思っていたので、今週中には季節に先駆けてイメージチェンジをしたいです。

200. 仙台から熊本へ (2016.08.29)

 8月27日(土)、「震災ADRシンポジウム~仙台から熊本へ~」が熊本大学工学部百周年記念館で開催されました。弁護士関係者の登壇者は、熊本県弁護士会吉田会長をはじめとして、松村弁護士、馬場弁護士、坂本弁護士、そして仙台弁護士会の斉藤弁護士、竹内弁護士、阿部弁護士、日弁連ADRセンター委員長山崎弁護士です。
 司会の熊大・石原准教授のテンポの良い適切で手慣れた進行、コーディネータの九大・入江准教授のご尽力により、充実した内容のシンポジウムとなっていました。参加者の中には石巻市、愛媛県、東京、京都、名古屋などの遠方から参加された方や、九州各地から参加された方もおられました。その外にも、各自治体で実際に紛争解決に関わられている方や、医療関係者、弁護士、司法書士、会計士、法学部大学院の学生、一般市民の方などが多数参加されていて、関心の高さを感じさせました。

 シンポジウムではADRのメリットや弁護士による申立サポート制度の重要性などを実演も交えて、分かりやすく説明されました。坂本弁護士もパネリストとして参加させて頂き、ADRに懸ける熱い思いを情熱的に語っていました。また、熊本における震災ADR立ち上げまでの経緯や、弁護士による申立サポート制度の設立、申立件数の現状についての具体的な報告を致しました。シンポジウムの締め括りとしてパネリスト全員が壇上に上がって、参加者からの質疑応答のコーナーもありました。ADRは各士業、医療関係者などが連携してチームで取組むことの重要性も認識できました。また、今回のように被災経験のある仙台会から熊本会へと、経験を伝えることの大切さもあらためて再認識しました(仙台会の弁護士の先生方、本当にありがとうございました)。

 最後にパネリストが一人ずつADRに対する思いを述べられました。
坂本弁護士は「ADRはとても素晴らしい制度です。ADRというのは『愛のシステム』だと思います。
人が人を思い遣る愛のシステムなのです。」と熱く持論を語っていました。
ADRという制度が生まれた根幹となる理念に、聴いていてぐっときて胸を打たれました。

 熊本県内で初めて開催された「震災ADRシンポジウム」は、多くの方々の力が結集して実現した大変意義深いシンポジウムでした。多くの気づきがあり、参加してみて本当によかったと思いました。

199. 映画への旅(17) 「ブルックリン」 (2016.08.28)

 1950年代、閉鎖的な故郷アイルランドから大都会ニューヨークのブルックリンへと移住するひとりの少女。ホームシックを経験し郷愁に駆られながらも、自分の理想とする目標に向かって努力して、徐々に洗練され自立した女性へと成長して行く姿が描かれています。

 「ブルックリン」は物語としてはとてもシンプルなのに秀作なのは、脚本の緻密さ、監督が舞台監督出身で手堅い演出をされていることなどがあげられますが、何と言ってもヒロインのシアーシャ・ローナンの演技の素晴らしさにあると思います。
澄んだ透明感のあるブルーの瞳で真っ直ぐに前を見つめる眼差し、意思の強さを感じさせるキリリとした口元、凛とした美しさ。そして少女から自立した女性へと成長して行く過程でのキラキラした煌めきや揺らめきを、繊細に情感豊かに魅力的に見事に演じ切っています。

 映画のラストで、「ブルックリン」と「アイルランド」で巡り逢ったふたつの恋に揺れ動きながら、最終的にヒロインが選択した愛に、私は涙が流れました。それはいろんな事情はあったものの、安定した生活が約束された愛ではなく、生活の不安はあるものの一途な愛を選択したことに心打たれたのです。人生において本当に大切なものは何かを見極めた、ヒロインの心の成長が感じられ感動的なシーンでした。

 余談ですが今回の作品では「色」にも大注目です。故郷アイルランドでは、シンボルカラーの温もりと落ち着きの感じられる「グリーン」が中心です。「ブルックリン」では街並みも服装も一気にカラフルになり、楽しく自由な印象です。映画のストーリーだけでなく、ヘアー、メイク、ファッション、街並み、カルチャーなど興味を惹く要素がたくさんあって楽しめました。特にヒロインのメイクやファッションの変化は、ヒロインの心の成長を表現している大切な要素となっています。
 久し振りに映画らしい映画を、スクリーンで堪能しました。とても魅力的なお薦めの映画です。

198. シンポジウム (2016.08.27)
 今週8月27日(土曜日)午後3:00~午後6:00、「震災ADRシンポジウム~仙台から熊本へ~」が熊本大学・工学部百周年記念館にて開催されます。
 東日本大震災の際、復興のために震災ADRを活用された仙台会の斉藤弁護士の講演、仙台弁護士会の弁護士の先生方による申立サポート制度の実演、パネリストの弁護士の先生4名、熊大准教授、熊本県消費生活課の審議員などによるパネルディスカッションもあります。司会は九州大学の入江準教授です。
坂本弁護士もパネリストの一人として参加させて頂きます。
 
 坂本弁護士はADR(紛争解決)をライフワークとしており、長年に亘りADR委員を努めています。日弁連のADR委員会にも2ヶ月毎に上京して研鑽を積んでいます。
熊本におけるADRのスペシャリストとして、根気強く活動を続けて来ました。
 熊本地震発生後、「震災ADR」の立ち上げ、「申立サポート制度」の設立などに尽力し、弁護士会内におけるADR周知のための広報誌作成、ADR成功例の取材とニュース誌作成(これまで36回に亘り作成)、「震災ADR」周知のための熊本県内の各市町村及び公共施設へのチラシの配布、今回のシンポジウム周知のための各マスコミへのチラシの配布等・・・これまでずっと情熱を絶やすことなく、ADR制度の周知のために地道に継続して尽力してきました。坂本弁護士はいつも「ADRは市民のためになる素晴らしい制度だ。」と言い続けています。決して揺るぐことのない強い信念を抱いて、長い間活動を続けて来ました。
 
 シンポジウムは入場無料・予約不要ですので、ADR(紛争解決)に少しでも興味のあられる方はどうぞお気軽にご参加下さい。東日本大震災を経験された仙台会の弁護士の先生の貴重なお話しも聞けますし、具体的な「実演」もありますので、誰にでもよく分かり理解できるような内容になっています。
 貴重な機会ですので、坂本弁護士のADRに対する熱い志にも触れてみて下さい。
多くの皆様方のご来場をお待ちしております!
197. ともに暮らす社会へ (2016.08.26)

 朝日新聞(8月24日)に、「ともに暮らす社会へ」という記事が掲載されていました。障害のある人が暮らしやすい社会にしていくためには、どうしたらいいのかを当事者や死支援者がそれぞれの立場から意見を述べて問題提起しています。
 今回はEテレ「バリバラ」でお馴染みのあべけん太さんと、漫画家の山本おさむさんが意見を述べられていました。

 あべけん太さんのキャッチフレーズは「ダウン症のイケメン」。
いつもニコニコして明るい笑顔で、ユーモアがあってほのぼのした癒し系です。
 あべけん太さんは「『知的障害者』じゃなくて『すてき障害者』って言われていると思うようにしています。」、「みんな仲良くすればいいんじゃないですか。人として、友だちになろうぜって。」、「障害があっても明るい未来があるんだから。」と、いつもの明るくて陽気でフレンドリーなあべけん太さんらしい発言です。

 漫画家の山本おさむさんは、漫画の世界ではタブー視されている重複障害者を描いた「どんぐりの家」を、ビッグコミックに連載しています。山本さんは「障害者たちは、人間に序列を付ける社会にずっと疑問を投げかけてきました。」、「障害者を『無駄』と考える人ほど、自分自身が序列社会にはじかれ、さらに弱い人を攻撃して優位に立とうとしているように見えます。」、「障害者も健常者も社会からはじかれる人がいないよう、今こそ、障害者が築いてきた『必要な人には支援をして支え合い共に生きる』という視点で、社会を考えないといけないと思います。」と述べられています。山本さんは問題の本質を鋭くとらえておられると思いました。

 いろんな方がそれぞれの立場で意見を述べられるのは、物事をより深く考えるうえで重要ですし、とても参考になります。タイムリーなよい企画だと思いました。

196. 「爆発」への道 (2016.08.25)

 Eテレ「知恵泉」(ちえいず)を見ました。今回は「岡本太郎 “爆発”への道」です。
「芸術は爆発だ」の名言で一世を風靡し、現在も熱く支持され続けている岡本太郎さん。父は漫画家の岡本一平、母は歌人の岡本かの子、という芸術一家に生まれました。幼い頃から既存概念にとらわれることなく「自分に正直であれ」と教育されました。しかし小学校で求められたのは「規則と慣習」。少年時代は成績もビリで、中途退学するなど挫折の連続でした。パリでの芸術活動もうまくいかず、一時は筆を折ったこともあります。
迷い、逆境、困難をいかにして乗り越えて行ったのかを探るという内容でした。
 ゲストは岡本太郎さんとも親交のあった美輪明宏さん。昔、銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」で岡本太郎さんに会った時の印象は、礼儀正しくて慎ましく紳士的な振る舞いをされていたそうです。
仕事では「岡本太郎」を営業用として演じて、プライベートとはっきり割り切っていたと発言されていました。

 10年間に亘るパリでの生活で芸術とは何かを模索し、彷徨いながら「生きるとは本来無目的で非合理なものだ。」、「瞬間、瞬間、生命力と情熱のありったけをつかい、全存在で爆発すればいいんだ。」という考えに思い至り、その後は一切の迷いがなくなります。そして、あえて危険で苦しい道を選択し、挑み、闘い続けるのです。「逆境にあればあるほどおもしろい人生なんだ。」と言い、挑戦することが闘志を引き出すエネルギーとなり活力を益し、圧倒的なオリジナリティのある作品を生み出す力となるのです。
 美輪明宏さんは岡本太郎さんのことを、自分の核となる揺るぎのないものを自分の内にしっかり持っていた方で、自分を高めなければ生きて行けない窮極を求めていた、と鋭く分析されていました。

 番組の最後には、東京港区青山にある岡本太郎記念美術館が紹介されました。
応接間には等身大の岡本太郎さんの蝋人形が常設されています。庭にはユニークな彫刻が所狭しと並び、アトリエには未完成の絵画300点が所蔵されています。2階のプライベートルームでは創作に息詰まった時に、書き物に勤しんだそうです。つねに新鮮な気持ちを保つために、3カ所のエリアを自由自在に忙しそうに往来していた姿が目に浮かぶようです。岡本太郎さんの息遣いやエネルギーが感じられる空間となっていて、若者のリピーターが多いのも頷けます。

 私も以前、川崎市岡本太郎美術館へ行った時、森の木立を歩いている時からすでに不思議な大きな気を感じ、館内に一歩足を踏み入れた時から独特な空気感を感じました。どの作品も「何だこれは」と思える、一度見たら忘れられない独創的な作品ばかりでした。また人の心にストレートに届く魂のこもった言葉は、いつまでも色褪せることなく心の中で響き続けるのです。

195. アトムと暮らす日 (2016.08.24)

 偶然、テレビのチャンネルを回していたらNHK「SFリアル~アトムと暮らす日」という番組が放映されていました。番組中、何回か懐かしい鉄腕アトムの映像も流れ、かつて漫画の世界で描かれたSFの空想の世界が現実になりつつあることが紹介されていました。最先端の科学技術によって現実になり始めている「人型ロボット」というアトムのようなロボットとの生活が、人間に何をもたらすのか、ロボットと暮らすリアルに迫り未来の展望や課題に迫る、という趣旨の番組でした。
 今年は「ロボット元年」とも言われ驚異的な技術革新が進み、人と自然に会話するロボットや感情を理解するコミュニケーションロボットが多く開発されています。ロボットが人間と一緒に暮らす日が現実味をおびてきていて、将来は一般家庭にもロボットの導入が進むと予想されています。

 フランスで女性研究者が半年間にわたり、人型ロボットと一緒に暮らすという試みを行ったところ、人間はロボットと家族のように接するようになるといった姿がみられました。ロボットは研究者の女性と一緒にパンケーキ作りを手伝ったり、忙しそうにしている人間の様子を眺めて、その場の雰囲気を和ませるためにロボット自身が判断して、突然楽しそうにダンスを踊り始めたのには驚きました。研究者の女性は半年間ロボットと暮らすことで次第に心を通わせてゆき、別れのシーンでは切なさを覚えました。
 また、幼い頃からロボットと暮らす子供に「おばあちゃんとロボットとどっちが好き?」と尋ねると「ロボット」と答えました。さらに「お母さんとロボットとどっちが好き?」と尋ねると「お母さん!」と答えた時には、本当にほっとしました。でもその子はすぐにロボットの手にさり気なく自然に触れていました。ロボットが何の違和感もなく、家族の一員になっている現実がありました。

 ロボットは初めは赤ちゃんのようなまっさらな状態から、少しずつ人間の感情を学習してゆき、最終的には学習していない曖昧な感情さえも理解するように進化してゆく様子にも驚きました。
 映画などでも描かれて来た世界が、現実になって来ているのです。
心を持ったロボットが登場する日も、そう遠くないように感じました。

194. 映画への旅(16) 「セトウツミ」 (2016.08.23)

 「セトウツミ」は脱力系コメディ漫画が原作です。
大森立嗣監督、主演は池松壮亮さんと菅田将暉さん。
川辺でひたすら喋るだけの大阪の高校生の青春が描かれている作品です。
ウツミ君とセト君の掛け合いがまるで漫才のボケとツッコミのような絶妙な間の会話や、その空気感の緩さが心地よくて面白かったです。
 映画は全6話で構成されています。第1話を観た時には殆んど笑えなかったので、「この映画大丈夫かな・・・」と少々不安になりました。しかし、第2話、3話・・・と進行するにつれて徐々におかしみやおもしろみが益して行き、クスッと笑うことも多くなり、映画の世界観に心地よく浸れるようになって行きました。映画全体としてはジワジワと面白くなって、次第に笑いが大きくなって行くという感じでした。

 ウツミ君とセト君は個性の違いが際立っていて、全篇ほぼ二人芝居の会話劇なので、主演の二人には高度な演技力が要求されます。若手俳優の中では演技力が群を抜いている池松壮亮さんと菅田将暉さん。
実力派として大活躍する二人だからこそ成立した映画だと思います。
 映画に登場するウツミ君の父・母・お爺ちゃん、先輩のヤンキー、マドンナ、クラスメイトの堤君、バルーンさんなどの脇役の個性が強烈で、それぞれ色々と訳ありでちょっと物悲しくもあり、作品に彩りを添えています。

 わずか10日間という短期間で撮影されたそうですが、ゆったりした心地よい雰囲気が醸し出されています。大森監立嗣督は「同情や共感が主なコミュニケーションの手段になっている感じがあまりしっくりこない」、「人と人が対等になれば、自然と二人みたいな距離感になってくんじゃないか」、「そういう関係性が、ものを作るということの基礎にある気がする」、「生命力が重視される『世界』があって、そこは二人が純粋な笑顔で喋れる場所なんです」と語られています。

 毎日の何気ないことが楽しくておかしい・・・あっという間に過ぎていった青春時代。
大事件もなく、いつも同じ場所、同じ友達と過ごした時間の大切さ。
青春時代のキラキラした想い出は懐かしく切なく愛おしい・・・そんな記憶を思い出させてくれる映画でした。

193. 耐え抜くチカラ (2016.08.22)
 今週のアレンジは、淡く透明感のあるピンク色のアンスリューム、西洋アジサイ、ネリネが目を惹きます。オンシジュームの黄色が華やかさを添え、ベリーの赤い実がアクセントとなっています。
 8月も残すところあと9日間。夏の疲れが出やすいこの時期、優しい彩りの花たちを眺めていると、残暑の厳しさもしばし和らいでゆくようです。
花たちが、残暑に耐え抜くチカラを与えてくれるような気がします。
192. 街中のオアシス (2016.08.21)

 熊本地震後、閉園していた「監物台樹木園」(けんもつだいじゅもくえん)が再開したので訪れてみました。熊本城内の一角に位置する「監物台樹木園」は、2.6haの敷地に、約2100本の樹木や野草、盆栽など141科793種の植物が植えられています。入園料は8月31日までは無料となっています。震災後、長い間閉園していたので、園内の植物の状態がとても心配で、不安な気持ちで園内にそっと足を踏み入れました。入園するとすぐに満開の色鮮やかで美しい「ポーチュラカ」の花壇が迎えてくれます。その他にもマリーゴールド、ランタナ、ウコン、むくげ、ノシラン、のうぜんかずら、まつばぼたん、もみじあおい、えんじゅ・・・などが美しく、大切に管理されていたことがよく分かり安心しました。
木陰を散策すると涼しくて心地よくほっと憩え、まさしく「街中のオアシス」です。

 休日の朝、加藤神社や二ノ丸公園を散策する人はとても多いのですが、誰一人として園内を散策する人はいませんでした。木陰のある心地のよいエリアはたくさんのカラスたちの憩いの場となっていたので、何とも勿体ないと思いました。
私ひとりだけの貸切状態で、とても贅沢な時間でした。
(一部、立入禁止のエリアがありますので、ご注意下さい。)

191. 空飛ぶ金魚 (2016.08.21)

 鶴屋デパート本館1階の案内所前に「空飛ぶ金魚」が登場しています。
国内でも有数の金魚の産地「長洲町」で最古の養魚場である「松井一也養魚場」から、選りすぐりの金魚を水槽内で展示しています。7月から登場していたようなのですが、鶴屋デパートを訪れる時にはいつも何かしらバタバタとしていることが多いので、「空飛ぶ金魚」には全く気が付きませんでした。
水槽の背景が青空になっているので、爽やかで涼しげです。
金魚は珍しい種類のものばかりで、姿かたちが美しくていつまでも眺めていたくなります。水中を優雅に泳ぐ金魚の姿を見ていると癒されます。

 熊本は残暑が厳しく、連日、日中の最高気温は37℃~38℃。
猛暑で疲れた身体と心に癒しを与えてくれる金魚。
気持ちよさそうに泳ぐ姿が、心から羨ましく思えました。

190. メッセージ (2016.08.17)

 7月26日未明、障害者施設の入所者が、19人が死亡、26人が重軽傷を負う事件が発生しました。Eテレ「バリバラ」(8月7日(日)夜7:00)で、緊急座談会が開催されました。事件の背景に何があるのか、再発を防ぐために何が必要か、障害のある当事者や支援者と共に考えようと企画されました。緊急座談会の出演者は、「バリバラ」レギュラー陣の他に、知的障害・「ピープルファースト北海道」会長、障害者入所施設長、相談支援専門員、社会学者・立命館大学大学院教授などが出演されました。
 
 私が特に心を打たれたのは、福島智さん (全盲ろう、東京大学先端科学研究センター教授)のメッセージです。メッセージの内容は下記のようになっています。
「なぜ、これほど心が痛むのだろう。なぜ、これほど恐れを感じるのだろう。
無抵抗の障害者の殺害が、「二重の意味での殺人」と感じられるからだろうか。
肉体的生命を奪う「生物学的殺人」。人の尊厳や生きる意味自体を否定する「実存的殺人」。
 だが、魂が凍りつくようなこの不安の原因は、たぶんそれだけではない。
私たちと容疑者が、まったく無関係だとは言い切れないと、私たち自身がどこかで気づいてしまっているからではないか。容疑者は衆議院議長への手紙で、障害者を殺す理由として、「世界経済の活性化」をあげた。
障害者の存在は、経済活性化を妨害するというのだ。
 しかしこうした考えは、私たちの社会にもありはしないか。労働力の担い手としての経済的価値で、人間の優劣が決められる。そんな社会にあっては、重度障害者の生存は軽視されがちだ。
そして本当は、障害のない人たちも、こうした社会を生きづらく、不安に感じているのではないか。
 なぜなら、障害の有無にかかわらず、労働能力が低いと評価された瞬間、社会から切り捨てられるからだ。障害者を刺し殺した容疑者のナイフは、同時に、私たち一人一人をも刺し貫いている。」

 この事件に関して、これまで障がいのある方がこのような内容の発言をされたのは初めてだと思います。
事件の本質的な問題点をを鋭く突いています。
福島智さんの言葉の一言一言が、胸に沁みました。深く、重い、言葉です。
何度も読み返していると、胸が締め付けられ苦しく辛くなります。
福島智さんの貴重なメッセージを心に刻み、しっかり受け止めなくてはいけないと思いました。 

 福島智さんは9歳で視力、18歳で聴力を失いました。福島さんの意思疎通手段は、お母さんが考案された「指点字」です。福島さんは18歳の時、「この苦悩には意味がある、あるんだろうと仮定して生きていくしか、俺には生きる道はない。」と決心します。その数週間後、視覚と聴覚が完全になくなる「全盲ろう者」となります。光と音を失った時、「地球上から引き剥され、暗く静かな宇宙空間に一人投げ込まれたように感じた。」と表現されています。深い絶望感と孤独感が伝わってきます。それでも「もし自分に課せられた使命があるなら、果たさなければと。」と考えます。生き抜くことを決意した福島さんの精神性の気高さを強く感じます。
 福島さんは「あなた自身が自分の力で考え、感じて、さまざまに思い巡らし、探し続けること。」と重要性を訴えられています。情報が氾濫する中、自分自身が考え抜くことの大切さをあらためて教えられました。

189. 映画への旅(15) 「ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」 (2016.08.16)

 「ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」を鑑賞しました。
原題は「The Rise of James Brown」です。 
 JBは貧民街出身で幼い頃に母親に捨てられ、極貧生活の中で不遇な少年時代を過ごしたことが、逞しく強く生き抜く原動力になっています。
 黒人の権利を求める活動家、ビジネスマン、「ファンク」を発明した偉大なアーティストとして、未公開映像と全盛期のライブ映像、バンド・メンバーなどの関係者、JBに影響を受けたアーティストたちのインタビューで綴る、貴重なドキュメンタリ映画です。

 私はJBのことは、西田敏行さんの主演映画「ゲロッパ」で、西田さんがJBの模写をされているのを観て知りました。JBに関する予備知識もないままに観たJBの映画はとても強烈でした。
一度聴いたら忘れられない独特なシャウトするボーカルスタイル、聴く人の心にダイレクトに届く卓越した表現力、誰にも真似できない熱狂的なダンス・・・こんな凄いミュ―ジシャンを今まで見たことがありません。
よく歌は「ハート」が大切だと言いますが、JBは「ソウル」と言う言葉を繰り返し言います。
確かにJBのライブからは、ハートを超えた「ソウル」が感じられ圧倒されました。
 
 JBは「火の玉のような男」、「炎のステップ」、「ソウルマン」、「希有なボーカリスト」、「超絶パフォーマー」、「ソウルのゴッドファーザー」、「ショービジネス界で最もよく働く男」、「革新的ファンクの発明者」、「教祖」、「ファンクの帝王」、「別格」などと称されています。どの表現からも、いかにJBが特別な存在なのかがよく分かります。

 JBのライブは聴衆を魅了し、酔わせ、虜にします。私の心にダイレクトに伝わってくるパワフルな歌声と、パフォーマンスに魅了されました。また、仕事仲間へのインタビューから浮き彫りになるJBの複雑な人間性も非常に興味深く、充実した内容となっていて大満足の映画です。1週間限定上映なのがとても惜しい作品です。

188. 移ろい (2016.08.16)
 今週のアレンジは、一足早い秋の訪れを感じさせる「吾亦紅」の登場です。
「吾亦紅」は「我もこうありたい」という思いを込めて名付けられました。
暗赤色の丸い花穂が愛らしく派手さはないものの、秋の山野に自生する生命力の強い野草です。 花言葉は変化を表わす「移ろい」、「移り行く日々」、「変化」などです。「透百合」の凛とした美しさ、「雲竜柳」のしなやかに伸び行く感じがいいアクセントになっています。
 早朝と夜更け頃に吹く風が、少しひんやりとしてきているように感じます。
日中は雨も降りやっと猛暑から解放され、最高気温も33℃でした。
少しずつですが、季節は移ろって行っているようです。
187. 赤いいのち (2016.08.15)

 8月15日、読売新聞に熊本読売写真クラブ(熊本YPC)の2015年度の年間賞が発表されました。弁護士が大分県竹田市で撮影した写真「赤いいのち」が銀賞を受賞しました。読売新聞をご覧になった方々から、早速お祝いのメールや電話を頂きました。ありがとうございます。
 弁護士は「彼岸花の中に自分の影を写し込みました。彼岸花は生と死を感じさせる独特の雰囲気があります。自分の命と重ね合わせ、共にこの時代を生きているという思いを表現しました。」と述べています。
 「赤いいのち」は、事務所HPの写真ブログNo.2464(2015年9月14日)でもご覧頂けます。「赤いいのち」に添えた言葉は以下のようになっています。

~赤い命~

今年は少しだけ彼岸花が咲くのが早いようです。
どうかなと思って撮影に来てみると、いい感じで咲いていました。
人が少ないので、足であちこちと茎が折れていることもありません。

去年からここでは自分のシルエットを撮っています。
日没間近の強い斜光が入るのを待ちます。
その時がきて、彼岸花の赤が一層強烈に光り輝きます。
この時を生きている、赤い命が浮かび上がります。
自分のシルエットも長く影を伸ばします。
赤い命が輝く、そんな世界の中で、私も今を生きています。

186. 当事者たちの告白 (2016.08.13)

 NHKスペシャル「~介護殺人『当事者たちの告白』~」を録画して見ました。
2週間に1度という頻度で介護殺人が発生しています。介護を開始して1年以内の事件の発生率は26%にものぼります。介護者へのアンケート結果では、24%(4人に1人)が「手にかけたい」、「一緒に死にたい」と答えています。
 NHKが6年間に亘り独自調査をした結果、介護殺人は未遂も含めて138件発生しています。この番組では100人を超える当事者に接触をし、そのうち11人から直接話しを聞くことができたという貴重な記録です。
 介護は突然始まります。周囲に誰も相談出来る人がいなくて、不安を抱えながらたった一人で介護をすることになります。介護人は介護される家族の元気だった頃との落差に愕然とし、自由がない毎日の繰り返しにクタクタになり、肉体的にも精神的にも追い詰められ、現実を受け止めきれないままドン底の状態へと追い詰められて行きます。

1.71歳の男性。42年間連れ添った妻が骨粗鬆症で2度骨折して寝たきりになります。治る見込みがない妻から次第に笑顔は消え「自分は何も出来ない、元に戻れない。」と絶望を深めて行きます。そして、「死にたい、殺してくれ、生きるのが辛い」と頻繁に訴えるようになります。夫の心は沈み心が折れて限界に達し、人生の幕を閉じる決心をします。事件当日、大好きだった阿蘇へドライブに行きます。そして、最後にもう一度、妻に最終の意思確認をして一線を超えてしまいます。夫は妻を殺害後、自殺未遂をして自首しますが、警察での取調べ中「殺してくれ」と何度も訴えました。しかし、「生きて償いなさい」と諭されます。不慣れな家事と介護を懸命に行った献身的な夫は「今が辛い。」、「写真でないと会えないから。」、「長男から『親父は許さん』と言われた。」、「憎くてやったんではないが、長男は聞き入れてくれない。」と苦しい胸の内を語ります。

2.仕事と母の介護の両立に疲れ切って限界だった兄は、離れて暮らす失業中の弟に「助けてくれ」と懇願します。弟は25年振りに自宅に戻って母の介護を開始します。しかし、認知症の母の話す言葉はまるで外国語のように意味不明で、意思の疎通が全く出来ません。次第に、母は母の皮を被った『バケモノ』だと思うようになります。介護から逃れたいが逃げる場所も行くあてもない、という追い詰められた状況になります。そして、「一番辛くて可愛そうなのは母なのだ。」、「母を楽にしてやれるのは自分しかない。」と思うようになります。母を殺めた弟は、懲役8年の判決を受け服役中。独房で毎日、母を想い祈る日々を送っています。

3.妻80歳、夫75歳。夫は認知症の妻から繰り返し侮辱され続け、我慢する毎日でした。介護保険の申請をしましたが、妻は歩行と食べることに問題がないので「要介護2」と判定され、施設には入居できません(入居は要介護3以上)。日毎に妻の妄想や暴言がエスカレートして、激しい口論をするようになります。夫は「気がおかしくなりそうだ」、「殺人者になってしまいそうだ。」と追い詰められて行きます。そして、妻を支えきれなくなってしまい妻を殺めてしまいました。悲惨な老老介護の現実です。夫は懲役7年の判決を受けました。

4.51歳男性。認知症の母(82歳)の介護のために会社を辞めて、11年間介護をしています。生活は母の年金暮らしです。以前は、妻に介護をしてもらっていましたが、離婚して妻は家を出て行きました。男性は「手足を鎖で繋がれている。」、「牢獄にいるようだ。」、「かなりキツイ。」、「介護するためだけに生活している『介護ロボット』だ。」と言います。5年前、男性の目の前で母が脳梗塞で倒れた時、救急車を呼ぶのを躊躇いました。男性は「自由になれる」と思い、その時すぐに母を助けなかったことに複雑な思い抱きながら、今は強く悔いています。

 この番組では、介護者は社会から孤立状態で取り残されているという恐怖感を抱いています。
誰も手を差し伸べてはくれず、たった一人で苦しみを抱え込んで、最悪の結果を選択してしまっています。
 しかし、今は後悔の念に苦しんでいることが分かります。現在の制度、システム、仕組みの中では、出来る支援には限界があるのです。終わりの見えない介護の状況に絶望感を覚え、親子心中や自殺を考えながらも、それでも懸命に介護を続ける人が数多く存在します。誰もが突然介護をしなくてはいけない状況になり得るのです。「私達を隔てる一線があるか?」と番組は問い掛け、このままでは介護殺人は永遠になくならないと警鐘を鳴らしています。事件の当事者たちが語る生々しい証言から、何故愛する家族の命を殺めてしまったのかが分かり胸がとても苦しくなりました。決して他人事ではないのだ、と思いながら観ました。

186. デジタルアート (2016.08.13)

 熊本市現代美術館で「かえってきた!魔法の美術館」展が開催されています。2013年にも開催され好評でしたが、今回は12作家の最新のデジタル技術を駆使した17作品が展示されています。夏休み期間中の子供達が楽しめる見て、触れて、参加できる、体感型アート作品が展示された展覧会となっています。
また、子供だけでなく大人も十分楽しめる展示内容となっています。

 ただ眺めるだけでなくアート作品に参加できるので、不思議な世界に溶け込んだり迷い込んだりしたような感覚が味わえ、遊び心が満載でとても楽しかったです。
 特に「Pixelman」という作品は、作品に近付くとピクセル数がどんどん変化して行き、自分の姿が最後にはドット模様に変身して行くのが面白かったです。

 今回の展覧会には参加していませんが、デジタルアートの分野では「チームラボ」(代表:猪子寿之さん)の作品が大変有名です。最新のテクノロジーを駆使して感性豊かなアート作品を次々と生み出し、世界的に大活躍されています。
自由な発想と豊かな創造性を感じさせる作品は、新しい時代を感じさせます。
これからの時代は、専門性を持っている才能豊かな人達がチームを組んで、今まで見たこともないような夢のある美しい作品を創造することが主流になる予感がします。おそらく東京オリンピック関連のイベントや開幕式などでは、デジタルアートが大活躍することでしょう。
 遊び心があり心がワクワクして、美しく、心から感動できるデジタルアートの未来は無限の可能性があります。今後も注目して行きたいです。(4枚目の写真は「Pixelman」で、私の姿を撮影してみました。)

185. 〇0(マルオ)の食卓  (2016.08.13)

 市現代美術館で、天草の陶芸家ユニット「丸尾3兄弟」作の器を来館者に贈り、その器を使った食卓の写真を作品として展示する参加型展覧会が開催中です。
 参加者は会場に並んだ皿や茶わんなどから1点を持ち帰り、料理や食事の様子などを撮影して、写真にエピソードを添えて市現代美術館に送ると、会場内に展示されます。

 「丸尾3兄弟」は、この企画展のために新作200点を会場内に展示したそうです。会場内に入ると沢山の食事風景が壁面を埋め尽くしています。
どの家庭料理も美味しそうです。家族の笑顔が溢れていて、写真に添えられた言葉もほのぼのとしています。写真を1点1点眺めているだけで、とても幸せな気持ちになります。

 熊本地震で器を失った人たちを元気づけようと企画されたそうですが、震災後の食卓から見えてくる熊本の今が分かります。写真を見ると、震災後も見るからに美味しそうな家庭料理を工夫をして作っていることが分かります。
 写真を通して、若手作家と器を手にした方々との交流や温もりの感じられるユニークでおもしろい企画展となっていました。

184. 映画への旅(14) 「或る終焉」 (2016.08.08)

 メキシコの新鋭マイケル・フランコ監督が演技派ティム・ロスの主演で、終末期患者の在宅看護を行う看護師の葛藤を描いた作品です。
 BGMが全くない独特な雰囲気のとても静かな映画です。
終始緊張感が漲り、まるでドキュメンタリー映画を観ているような気分でスクリーンを凝視しました。看護師の熟練した無駄のない動き、患者への献身的な接し方、死に直面した患者の心が大きく乱れた時の受け止め方、患者との間に芽生える親密な関係と感情。
主演のティム・ロスは、抑制の効いた的確でリアルな演技で見事でした。

 この映画は余計な説明をすることなく、主人公の介護の様子を淡々と映し出すという手法なので、人物像、患者との関係性、心の葛藤などを観客が想像力を働かせながら探り、自分なりの解釈をして行かねばなりません。私も映画を観ながら、つねに主人公や患者の心の奥底にあるものは何か、ということを考えながら観ました。主人公が患者の身体と心のケアをする時の接し方で最も心に残ったのが、さりげなく手を添えたり、手で支えたり、抱き締めたりという仕草です。余計なことは一切言わず、表情もほとんど変化がないけれど、その手の動きはとても雄弁であると感じました。患者に対する思いの強さを感じました。
こんな看護師さんに終末期ケアしてもらえたらどんなに幸せだろうかと思いました。

 映画の後半、生きる望みの失せた患者から「死なせて欲しい」と懇願され主人公がとった行動は、あまりにも患者の思いを深く受け止めたために、超えてはいけない一線を超えてしまった行為でした。
看護師としてではなく一人の人間として、患者の強い願いに深く共感して受け容れてしまったための行為だったと思います。観る人によって受け止め方は様々で、問題になるシーンではあります。

 そしてラストシーンはまったく予想していなかった衝撃的な出来事で突然終わります。
私は思わず「えぇー!」と小さく声を上げてしまい、顔を手で覆いました。
映画が終わってもすぐには席を立ちあがれないほどショックを受けました。
今まで観た映画の中で、最もショックな終わり方の映画でした。
 映画の内容が優れていること、ショッキングなラストシーン・・・記憶に残る映画になりました。

183. ひとりじゃなかよ (2016.08.08)

 8月7日(日)、ユニークな自撮写真で有名になった西本喜美子さん(88歳)のトークショーが、ツタヤ書店にて開催されました。
「衝撃の自撮りの女王」として有名な熊本市在住のアマチュアカメラマン西本喜美子さん。インターネットで話題になり、たちまち週刊誌やワイドショーにも頻繁に取り上げられています。今回のトークショーは、「ひとりじゃなかよ」の出版記念のイベントとして開催されました。司会は「テレビタミン」でお馴染みの村上美香さんです。
 そして途中からは写真教室「遊美塾」を主宰されている、アートディレクター・グラフィックデザイナーしても有名な西本さんの息子さんの西本和民さんも登場しました。「ひとりじゃなかよ」は写真もいいですが、写真に添えられた熊本弁の言葉がユーモアがあり温かな眼差しを感じさせほのぼのしてます。

 西本さんは経歴もとてもユニークです。ブラジルで誕生し、8歳の時に帰国。
美容学校を卒業後美容院を経営。しかし、2人の弟が競輪選手だったことに憧れて、22歳の時競輪学校でA級ライセンスを取得し、女子競輪選手となります。
27歳の時、税務署職員だったの西本斎さんと結婚し引退。
 72歳で息子さんが主催する写真講座「遊美塾」に入会したのをきっかにカメラを始めて写真の魅力にはまりました。自宅の一部を写真スタジオに改装。
74歳の時パソコンを始めて、写真の加工もご自分でされています。

 西本さんは小柄で笑顔が可愛らしくて、飾り気がなくてさばさばしたテンポのよい話し方をされる、とても魅力的な女性だと感じました。西本さんは写真の対象物をじっくり観察して、どうしたらおもしろい写真が撮れるのかを考え抜いています。また、自分自身が写真のモデルになることで、とても楽しまれながら写真を撮っていることが分かります。だから写真を観る人にも西本さんが感じた楽しさが伝わってくるのでしょう。
 西本さんは写真に取組まれることで運動にもなる、頭も使う、写真教室の若い仲間の方々と楽しく語り合うことで気持ちが朗らかで若々しい・・・そのすべてが西本さんにとって大きな生きる力となっています。
 年齢にこだわらずにいつまでも挑戦する心、楽しむ心が大切なのだと、あらためて思いました。

182. 日本金工展in熊本 (2016.08.07)

 日本最高峰の金工作品を一堂に集めた「第45回伝統工芸 日本金工展in熊本」が県伝統工芸館で開催中です。
 現代金工の最高峰の作品を一堂に鑑賞できる公募展の巡回展です。
金、銀、銅を緻密に加工した作品145点が展示されています。

 日頃、金工作品を鑑賞する機会がありませんので、若手作家による自由な発想での斬新な作品や、重要無形文化財保持者(人間国宝)による重厚な作品などを興味深く拝見しました。金工作品は、茶釜・花器・装身具(帯留め、ブローチ、アクセサリー)など作品の幅が広いのに驚かされます。素材は金・銀・銅・鉄・錫などです。熊本からも9人の方が出品されていて、入選作品の中には肥後象眼(ネックレス)の作品もありました。力作揃いでとても見応えがありました。
貴重な機会ですので、一点一点の作品をじっくり鑑賞しました。

 最も心惹かれ印象深かった作品は、新人賞を受賞された石川県の川嵜遊さんの黄銅錫流し象嵌香炉「ゆきのはて」でした。まさしく芸術作品だと思いました。
繊細な表現と美しい造形、細やかで丁寧な職人技に魅了されました。
完璧なまでの美しさに感動して、長い時間佇み鑑賞しました。
 金工作品を鑑賞できる貴重な機会となり、とても贅沢で充実した時間(とき)を過ごすことができました。

181. 夏の想い出「ダッチコーヒー」 (2016.08.06)

 デンキカンカフェ(珈琲しもやま)で、夏だけのお楽しみ「ダッチコーヒー」を頂きました。ダッチコーヒーは、カフェのカウンターにいつも鎮座している存在感のある器具で抽出します。前日から入念に仕込みをして、当日の早朝から8時間かけてじっくり抽出します。長年に亘り試行錯誤を重ね、やっと満足の行くダッチコーヒの抽出に成功したそうです。抽出過程におけるオリジナルの工夫は企業秘密だと思うのですが、しもやまさんは惜し気もなく詳細にネットで公開されています。
その抽出方法を拝見しますと、細やかな工夫が随所に見られます。
そしてじっくり時間をかけて丁寧に抽出していることが分かります。

 私はいつもはカフェオレ派ですが、貴重なダッチコーヒーにミルクを入れては勿体ないし、申し訳ないと思い、ストレートで少量ずつ口に含みじっくりと味わいました。一口飲む毎に、口の中一杯に広がるまろやかな味わいと芳香に驚きました。
ダッチコーヒーにはシェーカーでシェイクされた泡が添えられているので、口当たりがとてもクリーミーでマイルドです。飲み終えた後も、いつまでもダッチコーヒーの豊かな味わいが残り、余韻が感じられました。 
 ダッチコーヒーとの出逢いは、忘れられない夏の想い出の1ページとなりました。

180. 火の国まつり (2016.08.06)

 熊本の夏の祭典「第39回火の国まつり」が、8月5日(金)と6日(土)の2日間に亘り、熊本地震からの復興の願いを込めて開催されました。
 新市街の特設ステージでは、タレントの「ヒロシ」さんや「コロッケ」さんのライブも開催されて大変盛り上がりました。ヒロシさんが今まで見たこともないような明るさなのでで意外でした。ヒロシさんは「以前は友達がいませんでしたが、今は友達もできて心が開きました。」とおしゃっていました。やはり地元でのライブということもあり、リラックスできて楽しかったのでしょう。昔からの仕事仲間のもっこすファイヤーや、大先輩のコロッケさんとの掛け合いも和気藹々として楽しかったです。

 夜には火の国まつりのメインイベント「おてもやん総おどり」が賑やかに開催されました。
「サンバおてもやん」の軽快なリズムが街中響き渡り、心が弾みウキウキしてきます。
約5団体総勢約5000人の踊り手が参加し、楽しさと熱気に溢れていました。
上通り、下通り、新市街・・・どの通りも物凄い人出です。
飲食店もどの店も行列が出来て、大繁盛している様子でした。
大地震があったことを、ひと時忘れさせてくれて、人の心を一気に元気にしてくれました。
 熊本の夏は、人々の笑顔が弾け、活気に満ち溢れ、熱い一日となりました。

179. 写真と表装の邂逅 (2016.08.03)

 熊本県伝統工芸館で「四浦和紙と相良文化~写真と表装の邂逅~」 が開催されています。相良三十三観音の写真を和紙に印刷して、掛け軸や屏風に仕立てています。和紙に印刷することで色に深みが出て、独特な世界観が生まれます。
 仏像の陰影のある美しさと奥行感に圧倒され、暫し写真の前で佇みました。
すると不思議なことに、写真に向かって手を合わせて祈りたいという気持ちになりました。写真と表装がコラボすることで作品の魅力がさらに益して、より強い存在感で訴えかけてきます。また、一目惚れした着物(留袖)の絵柄を活かして制作されたという屏風も、あまりの美しさにうっとりとしながら鑑賞させて頂きました。

 今回の作品展は写真家の濱田喜幸さんと、表具作業一級技能士の魚返倫央(うおがえし みちお)さんのお二人によるコラボ展です。
 私が作品を鑑賞していましたら、魚返さんがタブレットを手にして近付いて来られて作品の説明や、これまで手掛けられたお仕事の数々を写真を見せながら熱心に説明して下さいました。
 魚返さんのご実家は人吉の「魚返豊州堂」という大正時代に創業した老舗の表具店で、魚返さんは4代目となります。古い時代の美術品、文化財、文化遺産などの古い掛け軸や表具の修理や修復をされています。
 魚返さんは表具と壁装の一級技能検定の資格保持者です。また、文化財保存修復学会に在籍し、文化財等の保存修復の技術を磨いています。勘と経験のみに頼らない科学的手法を用いた修復を行い、スキハメ技術、素材分析、赤外線カメラの使用、酵素還元法を用いた洗浄を導入しています。
 熊本県の文化財の約3分の2は、人吉・球磨地域に集中しますが、多くの貴重な歴史・文化財産は何の修復もされないままに劣化の一途を辿っています。魚返さんはこれらの貴重な財産の修理や修復をして、文化財を次世代に引き継ぐために尽力されています。

 魚返さんからボロボロに破けて変色した掛け軸を修復する作業工程を撮影した写真をたくさん見せて頂きました。私は写真を拝見して「ここまで美しく修復するなんて、本当に凄い職人技!!」と心底驚き、感心しました。作品に再び命が宿り、甦ったと思いました。
 今後も文化財の修復のお仕事だけでなく、才能あるアーティストの方々とコラボして、魅力的な作品を制作して頂きたいです。期待しています。(写真は魚返さんにご承諾を得て掲載しています。)

178. 映画への旅(13) 「団地」 (2016.08.02)

 映画「団地」は阪本順治監督が藤山直美さんのために書き下ろした、完全オリジナル脚本です。阪本組と言われるお馴染みの俳優やスタッフの方々が集結した作品は、おかしみに溢れたテンポのよい作品となっています。
 団地で繰り広げられる人間模様だけではなく奇想天外なラストもあり、最後のワンシーンに至るまで楽しめるファンタジー作品となっています。 
面白い映画というのは、主役だけでなく出演者全員が生き生きと描かれていますが、この映画も一人一人の個性が際立っていて面白く描かれています。
 主役の藤山直美さんは、今回はどちらかというと地味で控え目な抑揚の効いた演技をされています。
無理に笑わせようとしていないだけに、かえって何ともいえないおかしみが生まれます。
 それにしましても、藤山直美さんはやはりすごい役者だなとしみじみ思います。
やはり長年、舞台で鍛錬して磨き上げている演技力は見事です。動き、視線、表情など細やかに考え抜かれていて職人技だと感じました。ここまで傑出した演技力のある役者さんは貴重な存在です。

 先日、NHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」で、藤山直美さんと香川照之さんが対談した番組を拝見しました。藤山さんは「情は毛穴から出るから、いくら技術を会得しても情は演じられない」、「役者が売るのは空気と記憶だけ」、「鍛錬や訓練を努力という風に役者は考えてはいけない。」、「鍛錬や訓練は箸の上げ下ろしのようなもの」、「これを努力だと捉えてしまうと、自分に対して恩着せがましくなる」などの熱い芝居論や俳優論を交わし、内容の濃い見応えのある対談番組となっていました。

 藤山直美さんのためにあて書きされた「団地」では、今までとは一味違う魅力が引き出されていました。
 あえてファンタジー仕上げにしてありますが、実は死後の世界、異次元、死生観などが笑いの中に込められているユニークな作品となっています。
 当初の予定では1週間限定上映でしたが、好評なようで上映が3週間程、延長になったようです。
震災後、映画館が長く休館していた影響で、上映予定の作品が目白押しの状況の中での延長決定は異例なことです。やはり良質な作品が僅か1週間しか上映されないのは寂しいですから、延長上映は大変喜ばしいことです。

177. エキゾチック (2016.08.01)

 今日から8月、本格的な夏の到来です。朝から気温が上昇して日中の最高気温は35℃の予報が出ており、厳しい猛暑が続いています。

 今週のアレンジは、アンスリュームの強烈な赤色と、バンダ(翡翠蘭)の濃紫色の対比が刺激的で強烈です。熱帯アジアなどが原産の花たちは、情熱的でエキゾチックな雰囲気が漂い旅情を誘います。
 アンスリュームの花言葉は「恋に悶える心」。ハート型の鮮やかな赤色であることから、まるで誰かに恋焦がれる胸の内のようであることに由来しています。
 バンダ(翡翠蘭)はカトレアにも匹敵する華麗さとエレガントさで、圧倒的な存在感があります。
花言葉は「華やかな恋」。花言葉がどちらも恋にまつわるものなのが、偶然とはいえ面白いです。

176. ゆかた祭 (2016.07.30)

 休日街へ行くと、浴衣を着た人がいっぱい!
夏の風物詩「第12回 城下町くまもと ゆかた祭」が開催中でした。
下通エリアでは毎年恒例の「三年坂そうめん流し」、上通では縁日(ヨーヨー、釣り、人形・スーパーボールすくい、千本釣り、輪投げ)などのイベントが盛り沢山です。その他にも、びぷれすひろばにて和太鼓グループ山口屋の演奏、新市街 では「 プロレス ~2016火の国シリーズ~」の開催、すぐ近くではジャズの生演奏があり、心地よい音楽が流れてとてもリラックスできます。

 街中がお祭り気分で活気に満ち溢れ大賑わいです。
街中をゆっくり散策しているだけで、気分がウキウキしてきます。
 浴衣姿の方の中には、ストールを被っている東南アジアの女性も数多く見受けられました。海外からの観光客も少しは戻って来ているようです。
 8月には「火の国まつり」も開催されることが決定していますので、熊本の街はさらに賑わいを益すことでしょう。

175. 松本ハウス (2016.07.29)

 私が初めて漫才コンビ「松本ハウス」を知ったのは、NHKのEテレ「バリバラ」という番組です。「バリバラ」は生きずらさを抱える全てのマイノリティーの人達にとっての「バリア」をなくして、多様性のある社会を目指すことを目的とした情報バラエティ番組です。お笑いコンビ「松本ハウス」のハウス加賀谷さんは、小学5年生で統合失調症を発症しました。病気治療をしながら社会復帰を目指し、「自分の好きなことをして生きていこう」と決意します。そして、17歳の時、お笑い芸人こそが自分の居場所であると、松本キックさんとお笑いコンビ「松本ハウス」を結成します。90年代のテレビ「ボキャブラ天国」などでブレイクして人気絶頂の中、加賀谷さんの病状が悪化し、10年間に亘り闘病生活を送り、コンビとしての活動を休止します。その後、コンビを再結成し復活しました。
 私は「バリバラ」を見た時、加賀谷さんよりも相方のキックさんに強い興味が湧きました。
キックさんはコンビの相方として、また一人の人間として加賀谷さんのことをどのように思い、どのように接してきたのだろうか・・・とても知りたいと思いました。

 新聞の新刊書紹介で、松本キックさんが書かれた本「~過去の栄光を捨てよ。そして新しい笑いをつかみ取れ!~『相方は、統合失調症』」が幻冬舎より発売されることが告知されましたので、すぐに購入して読んでみました。統合失調症の加賀谷さんとのこれまでの歩みや、復活後に待ち受けていた理想と現実の狭間でもがき苦しみ、それでも進むしかなかった復活後の6年間の想いが凝縮された一冊になっています。
 キックさんの加賀谷さんとの距離の取り方は、過干渉でもなく無関心でもない絶妙な関係性を保ち続けています。キックさんは「病人の加賀谷、統合失調症の加賀谷ではなく、『一人の人間の加賀谷』と接しているんです。」、「病人だからと接したことが一度もなかった。」、「立場は仲間。特別扱いや取り立てて気を遣うこともなかった。」と語っています。接し方で特に注意していたことは「どういう症状があってどんなことが起きるのか、こんなことをさせてはいけない、あんなこともさせてはいけないと先回りしないようにしていた。」、「100人いれば100人がそれぞれ症状が違う『個性的』な病気なのだ。」と語っています。
 キックさんのことをある人は「一途で雑音がない『神様みたいな人』」、ある精神科医はキックさんのことを「ナチュラルカウンセラー」だと言います。また、キックさんは「加賀谷のそばで、なんだか修行させられてる気がする。」と言います。

 本を読んでみて、キックさんが加賀谷さんの病気を特別視しないで、何でも率直に話し合って、自然体で普通に接していることがよく分かりました。10年間の活動休止中もコンビ解消という選択肢は全くありませんでした。加賀谷さんの病状が一体いつになったら安定するのか、全く予測のつかない不安な日々を送りながらも、ただひたすら気長に待ち続けるのです。コンビ復活後も、加賀谷さんは記憶力低下、言語流暢性低下、疲労感、集中力の欠如、機転が利かない、話しをまとめることができないなど、できないこが多くなります。
 キックさんが試行錯誤の日々の中で導き出した結論は「こうなるはずだという概念に囚われて固執しない。」、「常識と経験を捨てる。」、「失敗の経験値が人生の経験値として活かされる。」、「小さな成功や発見の積み重ねが自信となり、今の自分を受け容れて価値を見出していた。」・・・キックさんの言葉のひとつひとつが胸に沁みました。障がいとの向き合い方、人の心に寄り添うこと、関わり方など教えられることがたくさんありました。

 本文中、何気ない二人の会話がよく登場します。切ないのだけれどおかしみがあり、まるで優れた漫才を鑑賞しているような感覚になります。本のテーマ自体は重いですが、つねにユーモアや笑いが散りばめられているので、深刻になり過ぎることなく一気に読むことができました。現在、松本ハウスは、二人が経験したことや工夫したことなどを中心とした講演会などをされています。講演会は加賀谷さんにとって「大切な時間」となっていて、キックさんにとっても「大きな財産」となっています。様々な立場の人から情報を得ることで、より深く加賀谷さんを知ることができたそうです。『世間と統合失調症を結ぶ橋渡し』としてのキックさんの役割はとても重要です。そして最後にキックさんは、「変わることが自然で、変わらないことは不自然なこと。」、「自然に任せて移ろうだけ。」と述べられています。いつか熊本に講演会で来られた時には、是非お話しを聞いてみたいです。

174. ASO MILK (2016.07.27)

 お中元で阿蘇・阿部牧場のミルクとヨーグルトドリンクを頂きました。
「ASO MILK」は鶴屋デパートで販売されているのを見たことがあります。
ロゴもデザインもスッキリとしていてスマートです。
 商品に添えられたパンフレットには、
「どこまでも続く大草原、透き通った空気と清らかな湧水。
雄大な阿蘇の大自然のど真ん中に阿部牧場はあります。
この自然の恵みをいっぱいに受けて自然循環型の酪農にこだわり続けています。
いつになっても変わらない美しい阿蘇でいつまでも美味しい『ASO MILK』を
目指していきます。」と書かれています。

 阿部牧場のfacebookや、テレビ「ガイヤの夜明け」での放送を拝見しました。
牧場主の阿部さんは震災でご自宅が被災し、牧場で避難生活を送りながら、
460頭の牛を必死で守り抜かなければならないという深刻な事態に陥りました。
断水のため、牛の世話に必要な1日40トンの水を調達するために、牧場から1キロ離れた湧水地を
毎日10往復しました。その後、湧水地からホースをつないで水を引いて、5月2日から牛乳の生産を再開することが出来ました。阿部さんは今、阿蘇の特産品を「阿蘇復興支援セット」として通信販売をする活動も行っており、阿蘇の復興のために力を尽くされています。

 美味しい「 ASO MILK」は、阿部さんが必死に牛の命を守り抜いたからこそ味わえるのです。
阿部さんが大変なご苦労をされたことに思いを馳せながら、じっくり味わせて頂きたいと思います。

173. 魚龍 (2016.07.26)

 昨日の熊日新聞で、熊本在住のSF作家梶尾真治さんが、創業49年の老舗仕出店「魚龍」(うおりゅう)の黒弁当(650円)を推薦されている記事を拝見しました。梶尾さんが20代の頃からご贔屓にされていて、「1品1品がどれも上品な美味。」と語られていましたので、是非試食してみたいと思いました。
すぐに予約をして、本日の昼食に弁護士とスタッフ全員で頂きました。

 お弁当は見た目は、とてもシンプルな感じがしました。
お弁当の中身は海老フライ、ミートボール、オクラの天ぷら、肉の紫蘇巻き揚げ、まながつお西京漬、茄子味噌炒め、鶏唐揚げ、きんぴら、里芋含め煮、かまぼこ、ポテトサラダ、卵焼き・・・全部で12種類程です。
見た目に派手さはありませんが、食べてみるとひとつひとつのおかずが丁寧に手作りされていて、
味もとても吟味されていることがよく分かります。味付けは熊本の人が好む、やや甘めの味付けです。
海老フライのパン粉は、パン製粉機で作った自家製パン粉を使用しているので、衣がカラッとしています。
味にバラエティがあって、とても美味しい大満足のお弁当でした(写真のお弁当は1000円のお弁当です)。

 「魚龍」のご主人にお弁当の種類について尋ねますと、「650円のでよかですよ。欲がなかけん。」と
笑いながら言われました。お会いすると、見るからに人柄の良さそうなご主人でした。
長年に亘り伝統の味を守り、真面目に料理に取組まれて来られたのだろうと思います。
お弁当の味わいにお人柄が滲み出ているように感じました。お薦めのお弁当です!

172. 清正公まつり (2016.07.25)

 休日の夕方、熊本市内のアーケードを歩いてると「ソイヤ、ソイヤ」という威勢のよい掛け声と、軽快なリズムが聴こえて来ました。
 さらに歩いて行くと、熊本城を築城した加藤清正にちなんだ夏祭り「清正公まつり」の夏季大祭・神幸祭が斎行されていました。

 今年の「清正公まつり」は熊本地震の影響で一時は開催が危ぶまれましたが、規模を縮小してでも今できる最高のまつりを斎行することになりました。
神輿の数は 例年の22基から3基に大幅に減りました。
また、行列の参加者もおよそ400人と、例年の5分の1程度に縮小されました。

 清正公まつりは「子供には幼き頃の『思い出』を、若者には『心の感動』を、
大人には『郷愁』を」を目的としていて、本年で42年目となります。
熊本に夏の訪れを知らせる神幸行列。伝統を絶やすことなく、心の復興に活気を与え、新しい熊本づくりのきっかけとなるようにとの願いが込められています。

 気温35℃の厳しい猛暑の中、神輿の競演や小学生70人が扮する可愛らしい
「千人清正」が、祭り気分を大いに盛上げてくれます。
 祭りを見ていると自然と笑顔になり、ワクワクして楽しい気持ちになれます。
偶然の出会いでしたが元気を与えて頂けて、祭りを見物できてよかったです。

171. ベロニカ (2016.07.25)
 今週のアレンジのカサブランカは、「アイスサンダー」という名前です。
純白で爽やかで美しく、名前からして涼しげです。
 「ベロニカ」は細長い穂がスマートでラインが美しく、さわやかな花色が魅力的です。英名の「スピードウェル」は、「グッドバイ」の意味があり、花がすぐに散ることに由来しています。「ベロニカ」という名前は、十字架を背負って処刑の丘に向かう途中のキリストの顔から流れる汗をハンカチでぬぐったと伝えられる、聖女ベロニカの名にちなむと言われています。花の名前の由来も調べてみると面白いです。
170. 「HAKATAOBANZAIFOODS蓮」 (2016.07.24)

 以前、福岡に住んでいたことがある事務スタッフお薦めの店「HAKATAOBANZAIFOODS蓮」を今回初めて訪れました。
「蓮」は博多の台所といわれる柳橋市場の老舗八百屋「八百光」の直営店です。
路地の奥にひっそりと佇む、野菜が主役の創作料理店です。

 「蓮」では毎年3回(春・夏・秋)、「季節の食事会」が開催されます。
偶然ですが、運良く丁度「夏の食事会」が期間限定で開催中でした。
お品書きを見てびっくり!まず野菜の数の多さに圧倒されました。
そしてさらに、全く知らない野菜の名前がいくつも書かれていることにも驚きました。創作料理は野菜の奥深い味、香り、食感を最大限に生かすよう考え抜かれ工夫されていて、料理人の野菜に対する深い愛情が伝わって来ます。
「野菜の味が豊かで美味しい!」と心から思えて感動しました。
優しく温かな味わいが、心と身体にゆっくり染み渡って行くように感じました。

 料理長は熊本出身(42歳)。福岡や山陰などで料理の修行をされました。
スタッフの方は「季節の食事会の開催前には、死ぬほど料理を考えます。」と話されていました。それは決してオーバーな表現ではなくて、本当に必死になって真剣に料理に向き合っていることは、奥深い味わいの料理から確かに伝わって来ました。
次回は「秋の食事会」の時に、是非訪れてみたいと思いました。

169. 映画への旅(12) 「 FAKE 」 (2016.07.22)

 7月の連休中、映画を5本観ました。5本のうち4本は、偶然にもドキュメンタリー映画でした。どの作品も個性的でそれぞれ面白く優れた作品でしたが、特に「FAKE」が最も心に残りました。「FAKE」は、オウム真理教の実態に迫るドキュメンタリー映画『A』と、その続編『A2』を手掛けた森達也監督の15年振りの最新作です。

 聴覚障害をもちながら「全聾の天才作曲家」、「現代のベートーベン」とまで称賛された佐村河内守氏。
ゴーストライター騒動後、作曲能力や聴覚障害まですべてを否定されバッシングや嘲笑の対象にされました。その素顔に迫り騒動後の模様を描いています。スクリーンに映し出される佐村河内守さんと妻の香さん。
自宅に引きこもって静かに暮らす様子が、淡々と映し出されます。
時折、マスコミ関係者が訪れ、取材の様子などの興味深いシーンもあります。
佐村河内守さんと妻の香さんは決して感情を露わにすることなく、いつも淡々としているという印象です。
バッシングに対しては、諦めたようにひたすら耐えているように感じました。
夫婦の心の内面の葛藤を想像すると、心が痛くなります。過酷な運命を共に歩んでいる、夫婦の強い絆を感じました。妻が夫の心の支えとなっていることがよく分かります。
深い信頼関係と夫婦愛があるからこそ、辛くても生きて行けるのだと思いました。

 「事実」、「真相」、「本当のこと」などは、結局、本人にしか分からないことなのです。
そして、本人さえも本心を偽って嘘を言ったり、演技をしたりする場合もあります。
他人が真実を断定するなどということは、容易ななことではありせん。
そこに潜む曖昧さを理解することも、必要ではないかと思います。
マスコミの情報を全面的に信じるのではなく、自分なりに「本当にそうなのだろうか・・・?」
と考えてみることが大切だと思いました。

 私は映画後半に流れた音楽に強く心を揺り動かされ、涙が込み上げてきました。
それは嘘偽りのない「事実」です。映画を観た後も、何日間にも亘りずっと考えさせられる映画でした。
1週間限定上映なのが惜しくてならない秀作です。

168. 天国にひとり (2016.07.21)

 7月1日発行の九州弁護士連合会「九弁連だより」(No.137)の表紙に、弁護士が撮影した写真「天国にひとり」が採用されました。
この写真は、くじゅう星生山で今年5月末に撮影されました。

 この時の写真ブログには、次のような言葉が添えられています。
~目にした瞬間に、登山者の声が聞こえて来ます。「ウァ―、天国みたい!」
全くそのとおりです。誰も天国は見たことはないけれども、
確かにこの絶景には感激してしまいます。いつまでも佇んでいます。~
~誰かが呟いたように、あたり一面、まるで天国のような雰囲気でした。
何年かに一度の出逢いです。命の輝きを感じているのでしょう。
誰もが心躍らせて、いまここにいることを楽しんでいます。~
~山頂に佇んで、ゆっくりと時に浸ります。風が吹き、雲が流れ、山があり、花がゆれ、頬に感じて、
時が流れて行きます。今ここにいる、私の命を感じます。山のいい時間です。~
~山上は強い風が上昇気流となって、次々とガスが流れて来ます。すべてが移ろっています。
すべての存在が、この限られた時を共に生きています。~
~大自然の中、花の断崖にひとり立つ。そこは天国。花の命も、私の命も、輝いている。~

 弁護士の話によりますと、今年のミヤマキリシマは、6年振り位に出逢う見事な美しさで、素晴らしい絶景だったそうです。心から感動し、「天国」だと思えるほど心が解放され、生きていることの喜びに満ち溢れていることが分かります。撮影者の感動が写真を見た人に、ストレートに伝わる写真ではないかと思います。

167. フェアリースター (2016.07.21)
 梅雨が明け、連日厳しい猛暑が続いています。
事務所のガーデンも夏のギラギラした陽射しに負けないように、元気で明るい花をたくさん植えました。 フラワーショップで一目惚れした「フェアリースター」は、
ミルキーピンク色の小さな愛らしい花が次々に咲き続けます。
花言葉は「楽しい思い出」です。
 夏のガーデンを彩る花として、元気に咲き続けて欲しいです。
166. 「死ぬときぐらい好きにさせてよ」 (2016.07.20)

 今朝の朝日新聞で、朝日広告賞の発表がありました。
以前、朝日新聞の朝刊に掲載された、2ページ見開きのカラー広告を見た時の衝撃は、今も忘れることが出来ません。早朝、寝起きのまだ覚めやらぬ状態で何気なく見た新聞広告の強いインパクトに、一瞬にして目を奪われました。
 今までこんな広告は見たことがない、一体これは何なのだろうか、どういう意図で制作されたのだろうか・・・そんな思いが頭を駆け巡りました。

 「オフィーリア」をモチーフにしていることはすぐに分かりましたが、何といっても樹木希林さんが水辺に横たわり、そして天を仰ぎ幸福感に満ち溢れた顔で、口元には柔らかな微笑みを浮かべているのが印象的でした。そこに添えられた「死ぬときぐらい好きにさせてよ」という言葉も、やはり樹木希林さんだからこその強い説得力があり深く共感できて、「すごい広告!」と衝撃を受けました。

 広告主の宝島社の名前は、紙面をよくよく見ないと分からないほど紙面の左端の下の隅に小さく表示してありました。話題性があり大きな反響を呼ぶことを予想したうえで、あえて社名を意図的に分かり難いようにレイアウトしていることが分かります。心憎い演出です。
 宝島社は、「『死』について考えることで、どう生きるかを考えるきっかけになればとの思いが込められている。」、「 いかに長く生きるかばかりに注目し、いかに死ぬかという視点が抜け落ちているように思います。」、「いかに死ぬかは、いかに生きるかと同じであり、それゆえ、個人の考え方、死生観がもっと尊重されてもいいのではないか、という視点から問いかけています。」とコメントしています。

 樹木希林さんは、「生きるのも日常、死んでいくのも日常」、「死は特別なものとして捉えられているが、死というのは悪いことではない。」、「最後は、もろとも宇宙の塵になりて。そんな気持ちでいるんです。」、「死について考えることで、どう生きるかを考える。」、「若い世代も含めた多くの人々の、きっかけになればと思っています。」、「そういったことを伝えていくのもひとつの役目なのかなと思いました。」とコメントされています。

 私の中では、おそらく今後もこの広告を超えるようなインパクトがあり、内容が優れた広告作品には出逢えないような気がします。忘れられない作品です。
 広告賞最高賞受賞は、文句なしの受賞だと思います。心よりお慶び申し上げます。おめでとうございます!

165. リョウブ (2016.07.19)

 今週のアレンジは、白い花(パンパス・アンスリューム・カサブランカ)を中心として、爽やかな感じです。いつもはすぐに花に注目するのですが、今回は「リョウブ」に注目しました。枝垂れている姿が風情があります。

 「リョウブ」について調べてみました。
北海道南部から九州にかけて自生する落葉性の小高木。
白い小花を穂状に咲かせます。穂の長さは10~20cmになり、枝先に垂れ下がる感じでつきます。表面は滑らかで光沢があり美しく、サルスベリの幹に似ています(サルスベリという地方もあるようです)。若葉は炊き込んでリョウブ飯として食用とされます。
昔は葉を乾燥させて保存し、救荒用食物にしていました。材は緻密で堅く、床柱や木炭になります。

 まさか食用になるとは思ってもいなかったので、色々調べてみると新しい発見があって面白いです。

164. 仁王さん (2016.07.19)

 熊日新聞に、仁王さん通りにある仁王像が被災したという記事が掲載されていました。被災後、仁王さん通りを何回か歩いていますが、仁王さんが被災していることには全く気付いていなかったので、新聞記事を読んで初めて被災したことを知り、とても驚きました。

 休日を利用して仁王さん通りに行って見ました。
正福寺の両門に立つ2体の仁王さんを、あらためてじっくり観察してみました。
確かに、右側に立つ仁王さんの左足が10㎝程浮き上がっていました。
正面から見ると、バランスを崩して少し傾いて寄り掛かっているようにも見えます。
 新聞では、「下から見ると、四股を踏んでいるように見え迫力満点」と書かれていました。私はこの表現にどうも違和感がありました。
本当にそうなのだろうか、『迫力満点』という表現はこの場合適切なのだろうか・・・そんな思いが強く湧き上がりました。
 私の正直な感想としては「よくこんな状態で倒れないで立っているな。」、
「早く何らかの応急処置をしないと仁王さんが壊れてしまわないだろうか。」と心配になりました。仁王さんの足元をよく見ると、大きな亀裂が何本も入っています。
新聞記事によると「修復の目途は立たない」ということです。

 仁王さんは熊本城の北東の鬼門を封じる役目があるそうです。
これからも仁王さん通りのシンボルとして、どうぞこれ以上大きな被害が及びませんようにと心から祈るばかりです。

163. 月のしずくと陽のひかり (2016.07.18)

 ツタヤ三年坂店の地下1階にあるカフェのイベントスペースで、「月のしずくと陽のひかり」というタイトルの青柳綾さんの絵画展が開催されていました。
開催期間は、7月18日(月)~7月31日(日)までです。

 今日は開催初日ということで、丁度、青柳綾さんがカフェにいらっしゃいました。お顔を拝見してビックリ!何と、映画館・デンキカンの館主のマダムだったのです。最近、デンキカンの3階フロアを担当されているので、よくお見掛けしている方でした。少し、青柳さんとお話しをしました。デンキカンの館内にも青柳さんが描かれた絵が飾ってあるとのことでした。展示している場所を訊ねますと、デンキカンカフェ(珈琲しもやま)のタイルの壁面と、2階のホールの壁面に展示しているとのことでした。

 丁度、午後から映画を観る予定でしたので、デンキカンに到着するとすぐに展示してある絵を暫く鑑賞しました。いつも何気なく見ていた絵ですが、デンキカンのマダムが描かれたことを初めて知り、改めて感慨深く拝見させて頂きました。
おおらかで伸びやか、ロマンチックで幻想的・・・特別なくつろぎ感を感じさせる空間作りに、大きな役割を果たしています。
  いつかデンキカンの各フロアを利用して、映画と絵画のコラボ展を開催されるのも面白いと思いました。

162. 自分を信じる力 (2016.07.17)

 7月16日、朝日新聞「はぐくむ」のコーナーは、「ネガティブ過ぎるモデル」として人気の栗原類さん(21歳)に、自らの経験から発達障害の子どもやその親に伝えたいことについてのインタビュー記事が掲載されました。また、朝日デジタル(ネット)では、栗原類さんのお母さんののインタビュー記事も併せて読むことが出来ます。栗原類さんが、発達障害と診断されたのは8歳の頃。学校の先生が気付いて検査を勧められ、 発達障害と診断されました。発達障害とは、長期記憶が苦手だったり、感覚が過敏であったり、いろんなことに自分なりの強いこだわりがあります。

 栗原類さんは、お母さんについて「僕が好きなことにはストップをかけず、いつも伸ばそうとしてくれました。」、「人生はマラソン。いずれ出来たらいいな、と思うくらいで続けるのがちょうどいい。」、「人それぞれのペースがあるので、長い目で見る感覚が大事かなと思います。」、「発達障害であることを、マイナスに捉えたことは一度もありません。」と語っていました。

 また、栗原類さんのお母さんのインタビューでは、「何に重点を置いて育てるかは、学業よりも情緒の発達が大切だと思ってきました。」、「 初めて見るものに目を輝かせ、楽しかったという気持ちが情緒的な発達を支えていくのだと思っています。」、「『楽しい』とか『うれしい』を他者と共有する体験は一つでも多い方がいいと感じます。」、「まわりに理解を求める努力を諦めてしまったら先に進めません。でも同時に、理解されなくても、自分だけの、自分の子どもに合った子育てをしていければ、それが子どもの未来につながると自分を信じる力が必要だとも感じています。」と語っていました。

 昨年5月、NHK「あさイチ」で発達障害の特集があった時、栗原類さんがゲスト出演されて発達障害であることを公表されました。私は番組を録画して見ていたので、病気を公表したことに対して勇気があるなと思いました。また、ご自分の体験談や考えを率直に語る姿にとても好感を抱きました。
 発達障害の当事者の具体的な話しは、あらゆる方にとっても参考になる点がたくさんあると思いました。
企画もよく、内容も充実した特集記事でした。

161. 雨ニモマケズ (2016.07.17)

 熊日新聞に、新市街に「雨ニモマケズ」の横断幕が掲げられているという記事が掲載されていたので、是非、実物を見たいと思って見に行ってみました。
 横断幕は、新市街アーケードにあるパチンコ店の店頭付近にありました。
タテ1m、ヨコ7メートル。群馬県桐生市出身の書家、津金きよみさんが東日本大震災で被災した桐生市の復興を願って制作したものですが、熊本地震で被災した人々を励ましたいと贈られたそうです。

 新市街はパチンコ店やケイリンの店舗などがあり、あまりイメージがよくありません。
新市街の目の前にある桜町では県民デパートや交通センターが再開発のため解体中なので、新市街のアーケードは、人通りも少なく寂しい感じです。横断幕を掲げるのは良いアイデアですし、アーケードのイメージアップにもなると思います。ただ、横断幕は地面から数十センチの低い位置に設置されているので見難くて、立ち止まってゆっくり見ようという気にはなりません。また、横断幕が工事現場のフェンスのようなものに簡単に括り付けられているのも寂しい感じがしました。パチンコ店から流れて来る賑やかで気忙しい感じの音楽も、横断幕の設置場所として相応しくないように思えました。一文字一文字、心のこもったものですから、静かな場所に設置して見せ方を工夫した方が良いのではないかなと思いました。

160. 桃スープ (2016.07.15)

 今日は事務所のランチ会です。場所は上通りの「まんじゃぺっしぇ」です。
この時期には、季節限定の「桃スープ」が完全予約制で頂けます。
今年は7月2日からスタートして、桃の入荷状況次第では9月頃まで頂けるかもしれないそうです。

 見るからに美味しそうな大きな桃の果肉を数ミリ程残して器にして、刳り抜いた果肉をスープ仕立てにしています。完熟の桃の美味しさを活かして、少しとろみをつけています。マダムに桃スープの作り方を訊ねましたが、企業秘密で教えては頂けませんでした。恐らく、桃のピューレにコーンスターチもしくはゼラチンを加えているのではないかと思います。その他にも桃の変色を防ぐためにレモン汁、少々のリキュール、白ワインなども加えている可能性も考えられますが・・・?
 レシピはシェフが苦労を重ねて辿り着いた秘伝の技と独自の味。
だからこそ価値があるのだと思います。作り方を訊ねたことを反省しました。

 マダムお薦めの桃スープを頂くお作法は、桃の薄皮のみを残して果肉を残すことなく全部頂きます。食べ終わったら、薄皮は美しく折り畳むのがベストとのことです。
私もお作法通りにしてみましたらマダムに褒められ、ちょと嬉しかったです。
 今年も桃スープに出逢え、幸せな時間を過ごすことができたことに感謝します。

159. さらに美味しいホテル (2016.07.15)

今朝の熊日新聞の連載特集「あの日から熊本地震3カ月」は、「戦後に次ぐ復興めざす」のタイトルで熊本ホテルキャッスルの斎藤隆士社長を取材した記事が掲載されていました。
 震災後、ホテル外壁の亀裂を覆ったブルーシートが、「けがをした顔に貼ったばんそうこうに見えた」、「もうだめだ」、「廃業するか、建て直しか。」、「人に迷惑をかけてはならない。」、「廃業した方が丸く収まる。」と一時は辛い決断をしていたそうです。しかし、激励の手紙、多くの激励の電話、従業員の激励などが背中を押してくれたとのことです。熊本の老舗ホテル「熊本ホテルキャッスル」は、1960年開業。熊本を訪れる昭和天皇、皇后両陛下の宿泊所確保のため、地元財界が出資して設立したという歴史あるホテルです。客室は8月初旬に一部再開、年内に全179室を復旧する予定であることを明らかにしています。

 改修工事が進められている熊本ホテルキャッスルですが、7月初旬よりホテルの外壁を覆うカバーの上に、巨大なサイズの熊本城の懸垂幕が掲げられていました。懸垂幕には「さらに美味しいホテルを目指して」と書かれています。今回のリニューアルを契機に、さらに美味しさを追求したホテルとして、全館再開する日が待ち遠しく楽しみです。

158. 九州ふっこう割 (2016.07.14)

 熊本地震から3カ月。NHKあさイチで、夏休みを控え被災地方面への旅行やボランティアの計画を立てている方へ向けて、九州への旅行代金が最大7割もお得になる「九州ふっこう割」のお得な観光情報、交通情報の詳細や、被害の大きかった西原村や益城町の現状についての特集がありましたので録画して見ました。

 「九州ふっこう割」は、国が180億円の補助金を投入し、熊本や大分には最大7割引、福岡・佐賀・長崎・宮崎・鹿児島へは最大5割引になるお得な旅行プランです。
 地震による宿泊客の減少に悩む大分・由布院と熊本・黒川温泉がコラボ企画「黒川×由布院 夢つなぐ200日」を始めています。黒川温泉と由布院温泉の両方に泊まると、2泊目が1割引になります。横の繋がりが出来て、連携が出来たことは心強いことです。黒川温泉と湯布院は車で1時間程ですが、将来的にはシャトルバスも計画しているそうです。
 熊本県内の最新の観光案内情報(熊本城、水前寺成就園(水前寺公園)、阿蘇の観光施設)の案内もありました。全国の方へ向けての情報としては、とても親切で分かりやすい内容となっていました。

 番組の後半は、西原村の農業復興ボランティアについてです。西原村では農家を支援するため、収穫した農作物の選別や箱詰めなどを行う農業ボランティアが活躍しています。これまでにのべ約1900人が参加し、およそ8割がリピーターでとなっています。 人が人を支え交流を継続することで、農家の方々の生産意欲が芽生え生きる大きな力になっています。
 そして、西原村の災害ボランティアセンターのスタッフとして活動する、寺本わかばさん(20)が中心となって動き出した復興プロジェクト「わかばmeeting」が紹介されました。支援イベントやボランティア活動を紹介するフリーペーパー「できるだけ週刊どぎゃん」の発行や、被災した人たち自身が炊き出しを行う「炊き出しマルシェ」の開催などを行っています。 わかばさんは県外の大学を休学する決心をして、被災者の心に寄り添いながら人と人を繋げる企画を実行し、復興を目指しています。わかばさんは「やってみたらみんな助けてくれる。楽しければよりいいな。」と言います。地元愛に気付いた若い力が人の心を動かし、大きな力となっていることを頼もしく感じました。くまモンが案内役として登場して大活躍し、内容の充実した番組になっていました。

157. 涼し気 (2016.07.13)

 今週のアレンジの主役は、「アナベル」、「ピンクカスケード」、「ルリタマアザミ」です。グリーンの「アナベル」は西洋アジサイですが、濃いグリーンが爽やかです。「ピンクカスケード」は、約1ミリ程の濃いピンク色の小花が枝垂れて咲く様子が、しなやかで涼しげです。「ルリタマアザミ」(瑠璃玉薊)は、阿蘇に自生しているヒゴタイによく似ています。丸い青紫の花が、凛として涼しげです。

 毎日蒸し暑く過ごし難い日々が続いていますが、涼し気な花たちを見ていると心がほっとして和みます。

156. 桃ケーキ (2016.07.12)

 夏の楽しみのひとつが「桃のケーキ」を頂くことです。
事務所の3時のおやつタイムには、夏になると「桃ケーキ」が頻繁に登場します。「桃のケーキ」はいろんな洋菓子店が作っていますが、今までいろいろと食べ比べてみた結果、唐人街にある「唐人町のケーキ屋さん」の桃のケーキが絶品です。

 6月に入ると「そろそろ販売するかな?」とソワソワしてお店に問合せてみます。すると、「美味しい桃が入荷しないと作らないので、7月に入ってからになります。」とのこと。
7月に入り「桃ケーキ」を作っているということを確認すると、すぐに買い求めました。
「桃ケーキ」と一年振りの感激の再会です。
桃自体が完熟でみずみずしく美味しいので、原材料選定の時点で間違いなく美味しいのです。
桃の美味しさを十分活かすために、コンポートは甘さ控え目に仕上げてあります。
桃の中にはあっさりとしたカスタードクリームが入っていて、桃のコンポートとのバランスは絶妙です。
桃の底辺には一般的にはタルトを敷き詰めているものをよく見かけますが、こちらはサクッとした軽い触感の薄いパイ生地が敷き詰められているのが大きな特徴です。
「桃ケーキ」の美味しさを存分に味わえるように、細やかな工夫がなされています。

 「唐人町のケーキ屋さん」の先代オーナーは、熊本の洋菓子店の草分け「マムール」のオーナーでした。
現在は、先代オーナーの味を引き継がれたオーナーが伝統の味を守りながら、東京の有名店で修業をされた経験からご自分なりの新しい洋菓子のスタイルを追及されています。今後も楽しみなお店です。

155. 太陽の花 (2016.07.11)

 一週間のはじまりである月曜の朝。
顧問会社の経営者の方が、所有されている敷地内で育てているヒマワリを摘んでお届け下さいました。優しいお心遣いに感謝致します。

 摘みたてのヒマワリは、茎が太くて力強く逞しい感じがしました。
ヒマワリは英語名はsunflower、まさに「太陽の花」です。
ヒマワリを眺めていると、朗らかになり気持ちが明るくなります。
また、人を元気にする不思議なパワーがあるようです。
花言葉は「私は貴方だけを見つめていたい。」です。素敵な花言葉です。
 真夏の輝くような太陽と真っ青な青空が待ち遠しいです。

154. 希望 (2016.07.09)

 昨日、以前事務スタッフだったMさんが、久し振りに事務所を訪れました。
Mさんは、結婚後すぐにご主人の仕事の関係で横浜に移住されました。
このたび待望の第一子が誕生し、この日はお子さんの1カ月検診とのことでMさんのお母さんも同行され、弁護士やスタッフ全員で暫く談笑しました。

 Mさんは横浜に移住後、東京丸の内にある法律事務所に勤務しています。
大勢のスタッフの中でも気後れすることなく優れた能力を発揮して大活躍されている、と人伝に聞いたことがあります。当事務所での経験を活かして、東京の事務所でも堂々と自信を持って仕事を行っていることが、とても頼もしく誇らしく感じれらます。Mさんは幼い頃から、優秀な銀行員だったお母さんをとても尊敬していました。
Mさんはお母さんにとてもよく似ているような気がします。東京の法律事務所でも大活躍しているMさん。
Mさんの存在は、私達の「誇り」であり「希望」でもあります。

 母となったMさん。仕事、育児、家庭生活の3本柱をしっかり見据えて、今後も懸命に力を尽くしてくれるものと信じています。Mさんなら大丈夫!私はそう思っています。

153. アドバンス・ケア・プランニング (2016.07.08)

 先日、NHKあさイチの特集「延命治療 その時家族は?」を録画して観ました。
余命わずかの家族が延命治療を「NO!」と言った時、 積極的な延命治療である胃ろう、人工呼吸器、心臓マッサージ、鼻チューブ、気管切開などの選択を迫られた時、家族はどのように向き合い、後になって後悔したり悩んだりしないようにするにはどのようにすべきかを考えるという内容でした。

 本人の希望を家族が事前に受け容れる方法として、「アドバンス・ケア・ プランニング」という取組みが紹介されました。回復の見込みがなくなった時、事前に本人の希望(意思)を確認し、家族も本人の気持ちを尊重し、納得し、受け容れ、同意する、というシステムです。全国15カ所の病院のみが採用しています。
このような取組みは、是非、全国の病院で採用して頂きたいものです。

 また、番組では評論家の樋口恵子さん(84歳)の延命治療に関する「事前指示書」も紹介されました。
手書きで、日付、署名、押印、代理人の指定をしています。誰が見ても分かる目立つ大きなファイルに保管されていました。また、保険証に名刺大サイズの「事前指示書」も同封して、つねに携帯されています。
 樋口さんは20年前、パートナーが延命治療を希望していないのに、医師に提案されるままに延命治療をしてしまったことを後悔し、自分の意思を書面で残すべきだと強く思われたそうです。

 延命治療の問題については、日頃から何気ない会話の中、家族間で納得が行くまで何回も話し合っておくこと、自分の希望を伝えること、書面で残すこと、などがいかに大切かがよく分かりました。

152. 陸乃宝珠(りくのほうじゅ) (2016.07.07)

 7月に入りますとお中元の季節ですが、事務所でも毎日たくさんのお客様からお心遣いを頂きまして贈り物が届けられます。本当に有難いことです。
ありがとうございます。心からお礼を申し上げます。

 今日は今の時期しか頂くことが出来ないお菓子が届きました。
お菓子の名前は「陸乃宝珠」(りくのほうじゅ)といいます。岡山県産のマスカット・オブ・アレキサンドリアを一粒ずつ丁寧にまるごと求肥で包みこんでいます。5月上旬頃より9月中旬位までの販売で、マスカットの収穫量次第では品切れになることもあります。冷蔵庫で冷やしてから頂くと、とてもジューシーで美味しいです。
 マスカット特有の美しい若草色も爽やかで、まさに「陸乃宝珠」と呼ぶのに相応しいお菓子です。

151. 映画への旅(11)  歌舞伎NEXT「アテルイ」 (2016.07.07)

 「劇団☆新感線」を主宰されている、いのうえひでのりさんが演出された歌舞伎「アテルイ」が、シネマ歌舞伎として映画館で鑑賞できます。
 「劇団☆新感線」から誕生した「いのうえ歌舞伎」のスタイルと、伝統ある歌舞伎が融合して新感覚の歌舞伎が誕生しました。主演は市川染五郎さん、中村勘九郎さん、中村七之助さんです。ダイナミックでテンポがよく、メリハリがある切れの良い演技は、観ていて惚れ惚れします。

 市川染五郎さんは以前「劇団☆新感線」の芝居に客演された時、ゲキ×シネで上映されたのを観たことがありました。以前観た時よりも、今回の作品の方が格段にスケールアップしていると思いました。
 勘九郎さんの演技を観ていると、故・勘三郎さんを彷彿させるシーンが幾度となくありました。父から子へと、伝統芸はしっかり受け継がれていることをしみじみ感じました。七之助さんが演じる一人二役の素晴らしさにも魅了されました。好きな人を一途に慕う娘のひたむきさやいじらしさと、凛々しく気高い神の化身の二役を演じ分けていました。特に、神の化身役の神々しさの表現力は見事でした。

 スピード感のある殺陣、流れるように美しい大立廻り、歌舞伎の様式美、見得の爽快感、歌舞伎特有の息づかい、決めポーズの醍醐味、自由自在に緩急つけた演技、・・・歌舞伎ならではの楽しみが満喫出来ました。また、出演者全員がまるで役が憑依したのかと思えるほどに全身全霊で演じている姿に、心を強く揺さぶられ泣きそうになるくらい深く感動しました。歌舞伎の手法を取り入れながら、新感覚の革新的な歌舞伎がここから始めるのだという覚悟が伝わって来ました。
 劇場の特等席から鑑賞しているようなワクワク感があり、贅沢な気分を味わえました。

150. 家族のカタチ (2016.07.06)

 今朝の朝日新聞「家族のカタチに自由を」をという記事に、驚きました。
大阪の39歳と38歳の男性弁護士が、「弁護士夫夫(ふうふ)」の同性婚カップルであることを公表し、写真も掲載していました。公表を決定するまでには相当な迷い、苦悩、覚悟を要しただろうと推察します。

 同性婚カップルは日常生活で受ける数々の不利益や偏見も根強く、弁護士という仕事にも多少影響があるのではないかな、と心配になりました。特集記事のまとめとして「家族の形は多様化しており、制度も変わる必要がある。」、「育児や介護といったケアを担うことに責任を負う人同士がつくる関係を家族とし、社会が保護する。」、「個々が自由に結び付き、互いに慈しみ、大切にするのが家族ではないのか。」との問題提起をしていました。

 私は映画の中、特にヨーロッパの映画などでは同性婚や同性のパートナーが頻繁に登場するので見慣れているためでしょうか、同性カップルに対しての偏見はありません。当人同士が幸せであると思えるのならそれでいいと思います。たまたま好きになった人が同性だった、というだけのことだと思います。
 不利益を蒙ることなく、いろんな人に対して優しく暮らしやすい社会であるようにと願っています。

149. 軽やかに (2016.07.05)

 今週のアレンジは、ピンクのシャープなストライプが入った胡蝶蘭「フレアー」がメインです。花びらにラインが入ることで、よりエレガントさが益し魅力的です。
 アレンジ全体を、ラズベリー系の深みのある色合いでまとめてあり、甘さだけではない気品のある可愛らしさが感じられます。

 胡蝶蘭は花びらがチョウチョを思わせることから、幸福が舞い込むとか繁栄のシンボルなどとといわれ、お祝いごとやギフトとして人気です。
 「フレアー」を眺めていると、今にもヒラヒラトと軽やかに空に舞い上がりそうな雰囲気があります。梅雨明けも近いようです。台風1号も発生し、熊本の夏は、今年も厳しい猛暑が予想されます。暑さに負けずに、軽やかに乗り切りたいものです。

148. 映画への旅(10)「海よりもまだ深く」 (2016.07.03)

 是枝裕和監督作品。映画のタイトルは、テレサ・テンの「別れの予感」の歌詞の一節から名付けられました。映画のテーマは、「私たちみんなが、子供の頃になりたかった大人になれるわけではない。」、「夢見た未来と違う人生を楽しむ生き方もある。」という人生の愛し方のヒントが得られる映画です。

 スタイル抜群でハンサムな阿部寛さんが、中年のダメ男を演じるというギャップがおもしろかったです。よれよれの服で少し背を丸めドタドタと歩く冴えない様子や、小説家として成功する夢を捨てきれずに虚勢を張ったり強がったり、別れた妻子に対して未練たっぷりでストーカー紛いのことをしたり、姉にお金の無心をして叱られたり、一人暮らしの母の年金をちょろまかそうとしたり、あるいは幼い子供のように甘えてみたり・・・そんな中年男を憎めない人間味溢れるチャーミングな人物として演じています。

 この映画のもう一人の主役は樹木希林さんです。映画の中にはたくさんの名セリフが散りばめられています。いかにも樹木希林さんが言いそうな言葉が数多く出て来ます。
例えば「幸せは何かを諦めないと手にできない」、「海より人を好きになったことなんてないから生きていける」、「人生なんて単純」・・・など。樹木希林さんが言うと、どんな言葉も強い説得力を持つので、深く共感できます。樹木希林さんはこの映画について「思うようにいかないですね。でも、こういう大人になりたいとか、こういう人生を歩きたいとか、思うようにいかなかったからペケかと言うとそうではなくて、それでも毎日を生きているのがいいんじゃないですか。思い通りにならないのが人生ですから。」と語られています。

 映画は後半、主人公が長年住み慣れた団地で、離婚した元家族が台風のために偶然、一晩を過ごすことになってしまいます。元家族の心の奥底にある変わらぬ愛情と、心の変化をうまく描き出します。
 台風がすべてを洗い流してくれたような清々しさが感じられる朝。元家族は前を向いて新しい人生を歩み出す決意をします。ほろ苦くもあり清々しさも感じられる素敵なシーンです。
 全体的にクスクスと笑えるシーンが多く、心地よい空気感やリズム、時間の流れが感じられました。
切なさ、懐かしさ、ぬくもり、温かさなどが感じられる優しい作品です。
 これまで観た是枝裕和監督の作品の中で一番好きです。

147. 夏の貴婦人 (2016.07.03)

 週末、いつものように映画を観るためにデンキカンへ行くと、デンキカンカフェ(珈琲しもやま)に入手困難な「ブルーマウンテンNO.1~夏の貴婦人~」が入荷しているとのことでした。折角の機会なので頂いてみることにしました。

 「ブルーマウンテンNO.1」は、ジャマイカ共和国にあるブルーマウンテン山脈東部の標高1200メートル近くの限られた地域の、過酷な環境で栽培されるコーヒーです。 コーヒーの品質は「寒暖差」、「平均気温」、「年間雨量」、「湿度」、「標高」などの条件が揃っているほど高くなるので、ブルーマウンテンエリアはこれらが全て揃った稀少な環境といえます。急斜面で生産していることから、機械が入ることが出来ず、ほとんどの工程を手作業で行っています。厳密な検査によって選別された豆の収穫量は極めて少なく希少価値があります。
 また、近年はハリケーンによる「サビ病」が発生し、コーヒーの木自体が壊滅するという状況にあり、益々収穫量は激減し入手困難となっています。
 街中で「ブルーマウンテンNO.1」として販売しているのを見た時には、十分な注意が必要かもしれません。

 コーヒー豆をミルで挽いている時から、ほんのり甘い香りが漂ってきます。
ネルを使用して丁寧に抽出して行きます。
コーヒの抽出工程や、一連の作業過程を眺めるのも楽しいひと時です。 
抽出されたコーヒーは、ギフト用のコーヒーバッグの色と同系色の艶やかで上品な色のコーヒーカップに注がれました。
甘い香り、まろやなか苦み、優しい酸味、繊細な味、コク、すべてにおいてバランスのとれた上品な味わいです。

 気品あふれる高貴な香りと味を堪能し、深い余韻にいつまでも包まれ、くつろぎの時間(とき)を過ごすことが出来ました。

146. 生き抜くという旗印~詩人・岩崎航の日々~ (2016.06.30)

 先日、NHKのETV特集 「生き抜くという旗印~詩人・岩崎航の日々~」の放送をビデオに録画していたので鑑賞しました。
 仙台在住の詩人・岩崎航(わたる)さん(40歳)。3歳の頃から全身の筋力が衰えていく難病の筋ジストロフィーを患い、自宅のベッドに寝たきりの状態で暮らして15年になります。20代半ばから、「生き抜くこと」をテーマに五行歌(五行で書く自由律詩)を綴り続けています。岩崎さんはホームページ「航のSKY NOTE」で五行詩を発表し続けていますが、これまでに3千以上の五行歌を紡ぎ出してきています。

 夜の暗闇の中、人工呼吸器の機械音だけが鳴り響く室内。携帯電話の灯りが燈る中、わずかに動く不自由な指先で五行詩を紡ぐ創作の様子が映し出されます。 岩崎さんにとって五行詩は生きてい行く覚悟を刻むことであり、自分の決心を呼び掛けるためでもあります。一日も一瞬も生きられない闇の中、命の炎が燃えて、詩が生まれます。一時は孤立感、疎外感、人と関わるのが怖い、未来がないと悲観した時期もありました。
自分の存在自体を消してしまいたいと思い、自殺を思い立ったこともありました。
 しかし、同時に「せっかくこの世に生まれたのだ、死んでたまるか。」という思いと、心の奥底に「生きたい!」という思いが強烈にあったのです。それからは、死にもの狂いで生きて行く覚悟と、治ることのない病と向き合う葛藤の日々が始まりました。

 岩崎航さんに3年前、転機が訪れます。
東京の出版社から初めての詩集『点滴ポール』を出版することになりました。
詩人の谷川俊太郎さんは、「日常のリズム、内部の鼓動、血流のリズム、メロディに私達以上に支配される切実な必然性があったと想像する。言葉の選び方が厳しさを持つようになっている。」と感想を述べられています。また、読者から届いた「生きる力もらった。」というメッセージの数々に、「人の心に届く」ことが力となり幸せを感じるようになります。そして「死ななくてよかった!」と心から思えるようになり、本当の意味での「人生の旅」がスタートします。
 そんな中、岩崎さんは5年前の東日本大震災の時、救急車で搬送され一命をとりとめます。
言葉を喪い、抗いようのない無力感、無念、恐怖に襲われ、自分の言葉に何の意味があるのかと見失いかけていた時、知人から「あなたが今、生きている姿をそのまま詠えばいい。」とアドバイスされます。
やがて「どんなことも何ものも芯まで焼き尽くすことはできない、そう信じたい。」と創作活動を再開します。

 現在、岩崎さんは40歳になりました。
「惑ったり、悩んだり、引受けて行くことに惑わない。」、「これからどうして生きて行くのか考え込まない。」と決意します。ある日、岩崎さんの朗詩会のイベントが開催されます。詩人として初めてのトークイベントです。
質疑応答のコーナーで観客の一人が「心に闇を抱え自殺する若者に対してどのような言葉をかけますか?」と質問しました。この問いに対して岩崎さんは「苦しかった。逃げ場がなかった。」、「踏み留まって、生きていてくれないか。」、「闇に包まれていた、あらたに苦労を抱え込み、耐え難いことをひっくるめて、あぁ生きていて良かったと思う瞬間もある。」、「危ういところにあった、この先、何があるか分からないが、みんなそれぞれ何かを抱えて闘いながら生きている。」と懸命に切々と熱く語る姿に、胸が締め付けられました。
 最後に岩崎さんは、「誰かの心に立場や境遇は違うが、一人一人それぞれの人間が抱えている悩みに無力ではあるが、少しでも響き合えることが幸せです。」と熱く語っていました。

 死を見つめ続けながら懸命にこの一瞬を生きている詩人、岩崎航さんが投げかける言葉の意味の深さや力強さに触れ、いろいろ深く考えさせられる貴重な番組でした。

145. 参加型上映 (2016.06.29)

 6月23日、日本テレビのNEWS ZERO、桐谷美玲キャスターの「my generation」は「参加型上映」の特集でした。座席が揺れたり、風や香りや水が噴き出す映画の場面に連動して多彩な特殊効果の体感型上映システム「4D映画館」で、「参加型上映」が大人気だという。

 今回取上げられていたのは、通称「キンプリ」という人気アニメ。
観客はコスプレしてペンライトを持ち、歓声をあげたり、そのうえアテレコまで楽しんだり・・・まるでライブ会場のようです。映像と観客の一体感があり、別次元の高みに到達し魅了されるようです。観客は一様に満足感に満ちた表情をしていました。熱烈なリピーターが続出し、70回も観たという強者までいることにただただ驚きました。映画館が不思議な空間へと変貌していました。「参加型上映」は他にもホラー映画を観ながら、思いっ切り絶叫しようという企画もあるとのこと。将来的には、アイデア次第では大きな可能性を秘めている分野だと感じました。

 これまでの映画鑑賞のスタイルとはかけ離れた、完全に別世界の楽しみ方です。
私も映画「ズートピア」を観た時、映像に合わせて歌ったり踊れたら楽しいだろうなとすごく思ったので、企画次第では「参加型上映」も体験してみたいと思いました。

144. 皇居外苑 きんつば (2016.06.29)

 先日、弁護士が日弁連の委員会に出席するために東京へ出張しました。
上京の折にはいつも何かしら珍しいお菓子を探して、東京のおみやげを事務スタッフにプレゼントしてくれます。
 今回は「皇居外苑 きんつば」という初めて見るお菓子を頂きました。
皇居外苑売店とBLUE SKYでのみ販売しており、BLUE SKYでは2015年12月23日から販売しています。「一般財団法人国民公園協会」が初監修したお菓子として話題になっています。

 金色のパッケージには、皇室の紋章である大きな菊の御紋があしらわれています。色合いが日本的で、インパクトがあります。パッケージをしばらく眺めているだけで、何だかありがたい気持ちになるから不思議です。北海道産小豆を使用して丁寧に仕上げられた日本の伝統的な菓子きんつばは、小豆が粒だっていて甘さはひかえ目でした。
 美しく品のよいデザインのパッケージは捨て難く、しばらく飾っていました。

143. 心の復興 (2016.06.28)

 6月27日、朝日新聞の熊本地震の被災者「家に帰るのが怖い」「眠れない」、心の傷「あなただけじゃないよ」という記事を興味深く読みました。
 ストレスや不安を抱えて自宅が怖くなったり、眠れなくなったり・・・という心との向き合い方について、いろいろとヒントを与えてくれる内容になっていました。

 不安定な心との向き合い方のコツは、神経が今以上に高ぶらないようにリラックスできることに取り組んだり、「あなただけじゃないよ」、「私も同じように辛いんだ」と繋がりを感じられれば「心の復興」に繋がりやすいと説いていました。悲しみや苦しみを共感してもらえる雰囲気や認識の大切さを教えられました。
 人の心を癒すのもやはり共感してくれる「人の心」なのだな、とあらためて思いました。

142. 時代を記録する (2016.06.27)

 6月25日、熊本日日新聞社より「熊本地震1カ月の記録」(特別縮刷版)が発売されましたので、早速購入しました。
 本の帯には「被災した県民と共に歩む熊本日日新聞1カ月の主な紙面」、「街並み、熊本城、阿蘇の山肌・・・私たちが暮らす美しいふるさとを震度7の激震が連続して襲った。自らも被災しながら被災者に背中を押され時代の記録に徹した新聞人たちの熱い思いをこの1冊に込めた。」と書かれてありました。

 本の内容は、熊本地震発生の4月15日~5月15日までの新聞記事が、カラーで256ページに亘り掲載されています。
 地元の新聞社の記者ならではの地道な取材の積み重ねから生まれた、貴重な記録となっています。まさに「永久保存版」として相応しいと思いました。

 あとがきには、記者たちが無我夢中で走り続け、懸命に取材し、「時代を記録する」という記者としての使命を果たすために熱い思いで取材をしてきたことが、しっかりと伝わって来ました。

141. La passion(ラ・パッション) (2016.06.27)

 事務所の会食を、「La passion」(ラ・パッション)にて開催しました。
「La passion」(ラ・パッション)は、以前は上通の長崎書店ビル2Fにありましたが、昨年10月に下通りの三年坂ビルの5階に移転しています。
 以前と比べるとかなりこじんまりとして、くつろげる感じになっています。
ご夫妻だけで温かなおもてなしをされていて、アットホームな雰囲気がしました。

 お料理は旬の食材をふんだんに使用し、前菜をワンプレーにしてキッシュ、ムース、スープ、サラダなど変化に富んだ味わいで楽しませてくれます。
 メインのお料理は正統派のフレンチらしい深い味わいに溢れ、シェフの確かな実力が感じられます。料理の盛付も多彩で、味のバランスも考え抜かれていることがよく分かります。

 梅雨のひと時、くつろぎの時を過ごし、気分をリフレッシュすることができました。
今週も仕事に精一杯、力を尽くします!

140. カロリーナ (2016.06.27)

 今週のアレンジは、「カロリーナ」が主役です。アイボリーの八重咲のユリの新種です。以前からピンク色のはありましたが、今回初めてアイボリーの「カロリーナ」が登場しました。まるでどこかの国の女王様のような名前ですが、幾重にも重なった花びらがゴージャスで上品で気品を感じさせます。ウエディングブーケとしても人気があります。
 カロリーナを引き立てる「スモークツリー」は、煙が燻っているように見えることから名付けられました。まるでフワフワの柔らかい羽毛のようです。

 花の色をアイボリー系の色合いで統一しているので、清潔感と落ち着きが感じられます。

139 湧水復活 (2016.06.26)

 熊本地震後の5月4日、水前寺公園の池の湧水が枯渇し心配だったので訪れましたが、その後湧水がどれ位復活しているのかが気に懸り、久し振りに再び水前寺公園を訪ねてみました。
 まず最初に気付いたのは、参道の入口の一部倒壊していた鳥居が撤去されていたことです。参道内の商店街もすっきりきれいに整えられていました。公園の正門入口付近も以前来た時は、倒壊した石燈がごろんと無造作にあちこちに横たわっていましたが、全て撤去されて美しくなっていました。入園の際には受付の係員の方が立ち上がって、「いってらしゃいませ。」優しく丁寧に応対して下さいました。

 園内を散策していると、5月に来た時には立入禁止だった「古今伝授の間」にも立ち入れるようになっていました。建物も庭も美しく手入れが行き届いています。
お菓子の「香梅」が管理しているので、お抹茶と和菓子を頂くこともできます。
地震で被害を受けたことを全く忘れてしまう程の長閑さが感じられました。

 5月21日、22日には、湧水復活を祈願して、池の「大掃除」作戦が行われ、地元の方や県内外のボランティアの方々が2日間に亘り、約1,000人程が参加されたというニュースをテレビや新聞で拝見しました。 
「水の都、熊本の心のふるさとである風景を取り戻したい」、「地域の人たちの憩いの場所を増やすために頑張りたい」という願いが通じたのでしょうか、再び湧水が復活して来ているようです。

 散策した印象としては、池の湧水は豊かで地震直後の湧水の枯渇はほぼ解消されているように感じました。
時折、心地よい風が吹き、さざ波が美しく、長閑な時間(とき)が流れて行きます。

138. 陣太鼓 (2016.06.23)

 熊本を代表するお菓子といえば「陣太鼓」です(1958年発売)。発売から58年、歴史のあるお菓子なのですね。新聞記事で陣太鼓を生産している会社「香梅」の西原村工場が地震で大きな被害を受け稼働を停止し、2カ月ぶりに生産が再開され、20日から販売できるようになったということを初めて知りました。
地震前は1日10万個生産していたそうですが、現在は1日3万4千個の生産。
完全復旧までには1年以上かかる見込みとのことです。
 私は生産を休止していたこと自体を全く知りませんでしたので、
新聞を読んで「そうだったのか・・・。」と驚きました。

 私が初めて陣太鼓を知ったのは東京に住んでいた頃です。熊本に旅行をされた方からおみやげとして頂きました。ネーミング、太鼓を思わせる丸い形、独特なパッケージの仕方、粒あんの中にたっぷりの求肥・・・
など、かなりインパクトがありました。
 東京にいた時には日本全国のお菓子を頂く機会が多く珍しいお菓子も色々頂きましたが、陣太鼓は印象に強く残るお菓子のひとつでした。

  熊本に来てからは「陣太鼓」は贈答用として人気が高く、お客様から頂くお菓子の断トツ1位でもあります。頂く機会が非常に多いので、自分で買ったことが今まで一度もありませんでした。
販売を再開されたということでしたので、今回初めて買い求めてみました。
蒸し暑い日が続いていますので、氷水を入れたガラスの器でよく冷やしてから頂きました。
 いろいろと思いを馳せながら頂くと味わいもより深まり、いつもよりも一層美味しく感じられました。

137. 森の中の読書 (2016.06.22)

 今朝の朝日新聞、「カフェより」という記事を興味深く読みました。
東京・高円寺の「アール座読書館」というカフェが紹介されていました。
静寂を楽しむ静かな空間なので、会話お断りで「森の中の読書」をイメージしたカフェだそうです。自分をひととき強制的にリセットして、自分を俯瞰から見る有意義な時間はとても落ち着くことが出来るそうです。また、カフェの宝物であるテーブルごとに置かれた「落書き帳」の素晴らしさにも触れていました。読まれることを意識して考えをまとめることで、心情が吐露されているということです。

 この記事を読み終えてから、「アール座読書館」のことを調べてみました。
高円寺の路地裏、古い木造建物の階段を上ると、緑豊かなアンティーク調の9つのゾーンに分けられた落ち着ける空間。水槽の水の流れる音に耳を澄ませたり、ジオラマを眺めたり、万華鏡を楽しんだりできるそうです。
 文学書(短編集、詩集)、写真集、画集、美術書、絵本、自然科学、思想、哲学書、心理学、旅行書等の幅広い分野の千冊の蔵書を取り揃えており、自由に読むことができるとのこと。静寂に浸りながらぼうっと過ごすのに適しているようです。
 
 「アール座読書館」のオーナーは、カフェの楽しみ方を次のように述べています。
「お席に腰掛けて気持ちを落ち着け、思考を止めて頭を休めて下さい。木々と水音と幻想的な音楽の中で感覚を開き、出来るだけ現実的なことを忘れて、読書やお飲み物や瞑想や妄想なんかを楽しんで下さい。
時間内でしたらお仕事やお勉強にご利用頂いても構いませんが、合間に一時でもそれを忘れる時間を作って頂けると幸いです。」オーナーの想いが伝わってきます。
 こんな空間に身を浸すと、本当に大切なことや物事の本質が見えて来るのかもしれません。
熊本にもこんなカフェがあるといいな、と心から思いました。

136. 警戒 (2016.06.21)
 昨晩からの梅雨前線の影響による記録的な大雨で、熊本県内では土砂災害など大きな被害が出ています。
昨晩、携帯電話から聞き慣れない緊急速報の警報音が鳴りました。
地震の警報音よりは穏やかですが、それでもやはり緊張感が走りました。
熊本県内の一部地域では避難指示や避難勧告が出されました。
甲佐町では21日午前0時20分ごろまでの1時間雨量が150.0ミリに上り、観測史上最多となりました。一晩中、猛烈な雨と雷光が続き不安な夜を過ごしました。
 
 今日は雨のピークは過ぎたものの、熊本地震で地盤が緩んでいるので、土砂災害や河川の増水への警戒に十分な注意が必要です。
(写真は今朝、避難勧告が解除された時の携帯電話の画面です。)
135. はにかみ (2016.06.20)
 今週のアレンジには、ピンク色の芍薬(シャクヤク)が活けられています。
芍薬といいますと「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉が有名です。芍薬はすらりと真っ直ぐに伸びて、豪華絢爛に咲き誇る花姿から、女性美の象徴とされています。
  フランスでは「聖母のバラ」、ヨーロッパでは「5月のバラ」、英語名は「ピオニー」。自然派コスメ「ロクシタン」が、ピオニーの甘く爽やかな香水を作っていることでも有名です。夕方になると花を閉じることから、花言葉は恥じらい、はにかみ・・・など奥ゆかしく慎みのある言葉となっています。
134.  映画への旅(9) 「マジカルガール」(スペイン映画) (2016.06.20)

 予告編を観た時、日本の魔法少女アニメに憧れる白血病の少女と父とのファンタジー風の愛情物語なのかな?・・・と思っていました。ところが、私の予想は全く外れました。予想外のことが次々に起こり、先が読めないミステリアスな展開に惹き込まれました。

 主要な登場人物は、余命幾ばくもない少女、心に闇を抱える謎の人妻・バルバラ、そして少女の夢を叶えるために罪を犯してしまう失業中の父、バルバラを献身的に愛する元教師の初老の男。
 娘の父は、娘が欲しがっている日本のアニメの高額なコスチュームを入手するために、裕福な家庭の人妻・バルバラを恐喝することから、運命が狂い出します。
謎めいて危険な香りがする不思議な雰囲気の人妻・バルバラ。
バルバラから「私の守護天使」と呼ばれ、過去にバルバラのために大きな罪を犯し服役していたことを想像させる元教師。4人の人生が交錯し運命が狂い出し堕ちて行き、最後は全く予想もしていなかった、あっと驚く意外な結末を迎えます。

 監督は意図して説明することや暴力シーンを見せずに暗に匂わせ、観客に「想像させる」という独創的な手法を駆使しています。観客が感性を研ぎ澄ませ想像力を働かせ、それぞれが自分なりの解釈をして観るという魅力に満ち溢れています。巧みな伏線を張り巡らせ、テンポよく物語は進みます。
この作品の独特な世界観を堪能しました。観終わってから全てのシーンを思い返してみて、実によく出来た脚本であることにあらためて感心しました。

 監督は以前はイラストレーターの仕事や漫画を描いていたので、印象的なシーンがいくつもあり脳裏に焼き付いて離れませんでした。日本文化(漫画・アニメ・文学・映画・歌など)への造詣が深い監督の、全てを見せないで想像力を掻き立てるという手法が私はとても好きです。
 なお、次回作はちあきなおみをモデルに、伝説の歌手がヒロインの映画を企画しているそうです。
スペイン人の新進気鋭の才気溢れる監督に、とても親近感が湧きます。次回作も大いに期待しています!

133. ライトアップ (2016.06.19)

 6月1日から熊本城のライトアップが再開されました。
ずっと写真を撮りたいと思っていたのですが、先日梅雨の中休みで、午後から天気が回復して晴天となったので、夜8時過ぎ徒歩で加藤神社へ行きました。
 ひと気のない静まり返った暗闇の中に、くっきりと浮かび上がる熊本城。
凛々しく美しいと感じました。朧月も何とも風情があります。

 写真を撮影していると、暗闇の中「こんばんは」と丁寧に挨拶されました。
若い男性が三脚を設置して、熱心に写真撮影を始めました。
 私が帰る時にも、やはり若い男性数名とすれ違いました。
夜間も多くの方々が訪れ、人気スポットになっているようです。
なお、点灯は日没から午後11時迄となっていますので、ご注意下さい。

132. 熊本地震写真展 (2016.06.17)

 熊本地震の本震から2ヶ月。
熊本博物館で開催されています「熊本地震~恐怖の夜から復興に向けて~」写真展を見に行って来ました。
 新聞で発表されていない今回初めて見る未発表の写真も展示されていました。写真や新聞を迫力のある大判に伸ばしているので、強い訴求力があります。
 時系列で展示された写真に自分の記憶を重ね合せ、思わず引き込まれ見入ってしまいました。私の近くで熱心に写真を見ていた年輩の男性は、写真を見つめながらずっと大きな深いため息をついていました。

 写真展の最後のコーナーに展示されていた1枚の写真を見て泣いてしまいました。それは東海大学農学部の大学生の方々と、学生アパートを営んでいる方々との別れのシーンです。大学生が必死に涙を堪えている表情があまりにも切なくて、涙が溢れてきました。学生とアパートのオーナーとの親密な関係性や、感情がストレートに伝わってくる写真でした。泣き顔を撮るよりも泣くのを堪えている表情の方が、切なさや辛さがより伝わってきて胸を打たれます。残念ながら写真展の会場内は撮影禁止だったので、写真は撮影できませんでした。

 写真展の隣にある常設展示室では、地震で散乱したままの状態にしてあるので、地震の被害の大きさがよく分かりました。また、通路を利用して熊日新聞だけでなく他社の新聞や外国の新聞が熊本地震をどのように伝えたかが分かるように展示してあり、興味深く見ました。出入口付近には防災グッズの展示もありました。ワンフロアの隅々まで有効に活用してあり、写真展を充実したものにするための工夫が随所に見受けられました。見応えのある写真展でした。

131. 人生の終い方 (2016.06.15)

 5月22日放送のNHKスペシャル「人生の終い方」を録画していましたが、じっくり観て考えてみたいと思ったので、あえて直ぐには観ないで、時間に余裕のある時にじっくり鑑賞することにしました。 「人生の終い方」とは、余命宣告後に死を意識してから、人生の総決算として大切な人に最期に遺したい言葉とは何か、と問い掛ける見応えのある番組です。 
 番組の司会は、まもなく80歳を迎え、体力の限界を理由に長寿番組「笑点」の司会を引退されたばかりの桂歌丸さんです。言葉を一言一言噛み締めるように語る姿が、この番組に相応しいと思いました。

 番組では7名の方々を取上げていましたが、私が特に心に残ったのは次の3名の方々です。
①昨年11月に逝去されました水木しげるさん(享年93歳)。死期を悟った水木さんは、突然、笑顔の家族写真を何枚も撮影するようになりました。穏やかな笑顔の幸せな時間の記憶を、家族に遺したのです。悲惨な戦争体験から、多くの仲間が苦しみながら亡くなって行く時の顔を忘れることが出来ず、うなされることも多かったそうです。だからこそ水木さんは笑顔の写真を遺したいと思われたのでしょう。家族と過ごす何気ない時間こそが幸せだと分かっていたのです。妻の布枝さんは写真を見る度に、「温かいハートを懐かしく思い出します。」と穏やかな微笑みを浮かべ語っていました。布枝さんはとっても幸せそうでした。

②末期の肺癌の90歳の女性は、50年間居酒屋を経営しながら、たった1人で知的障害のある1人娘を育ててきました。娘は母に「長生きしてね。」と言い、それに対し母は「ごめんね。もう疲れちゃった。」と詫びるのです。そして、自分のことよりも娘のことを気に懸けながら亡くなった母。そんな母の思いを受け止めた50人の常連さん達が、「偲ぶ会」を開催して娘を励まします。娘は「偲ぶ会」で、とてもしっかりとした立派なお礼の言葉を述べます。「偲ぶ会」に参加された誰もが驚くほどで、感動的でもありました。
 母は娘を支える温かい「人の輪」を遺してくれました。

③余命数ヶ月と宣告された35歳の男性。9歳と6歳の子供の父親です。父は子に「この先どんな困難に直面しても立ち向かうこと、諦めないことを伝えるために、どのようにして伝えたらいいのか・・・。」と悩み抜きます。そして、死期を悟った時、家族旅行に行くことを決断します。最期まで前向きに生きる父親の姿を、子供達に見ていて忘れないで欲しいと思います。子供達が将来、何か行き詰った時「親父も頑張っていたな・・・。」と思い出して欲しいと考えました。家族旅行の時、父は決して「辛い。」という言葉を口にしませんでした。
父は「すごく楽しかった!」、「もう1回来るのを目標にして、何回でも来よう。」と言い、楽しい家族旅行の思い出を遺したのです。そしてその4日後、亡くなりました。
子供達は「心配しないでいいよ。パパありがとう!天国でも頑張ってね。」、「辛いのに辛いのを見せなかった、強かった。」と言いました。
 父が子に命懸けで伝えたかったことは、大切な人の心の中でずっと生き続けるのです。

 一生懸命何かを遺すこと、どう生きて行くかを、あらためて考えるよい機会となりました。
 私なら大切な人に何を遺したいか・・・じっくり考えてみたいと思います。

130. 展望 (2016.06.14)

 熊本地震発生から今日で2ヶ月。
今朝の熊日新聞朝刊の第1面には、熊日新聞社社長の河村邦比児氏が
「ふるさと熊本の復興に向けて」と題する記事を執筆されていました。
新聞社の社長が直接執筆するのは異例のことなので、興味深く読みました。

 要旨としては、
「震災を乗り越え、どういう将来像を描くのか。熊日が地域復興にどう向き合うかというテーマが見えてきました。復旧・復興の過程で多くの問題点を解決した後、ふるさと熊本をどう描くかという大きな課題があります。地域復興の道のりに向き合う独自プロジェクト「熊本地震復興再生会議」を組織し取組みます。シンポジウムや調査報道などを軸に、これからの熊本をともに考え描いていきたいです。また、災禍の経験を共有し、後世に伝える記録作業にも取組んで行きます。被災者の心情に寄り添いながら解決策を探り、前に向いて進んで行く力に繋げて行きたいです。日常を取り戻し、より暮らしやすい街づくりへと長い道のりですが熊本県民の皆さんと共にあり続けたいと思います。」と執筆されていました。

 具体的で分かりやすく、素直に共感できました。県民の思いや心に寄り添い、温かな視点が感じられました。
地元新聞社として、これからどのように熊本の復興に向き合うのかがよく分かりました。
地震から2ヶ月に相応しい内容だと思いました。
 この記事を読んだからでしょうか熊本城が見たくなり、お昼の休憩時間に市役所の最上階にある展望所に行き、熊本城を暫く眺めました。晴天の中、今日も熊本城は悠然と力強くそびえ立っていました。
(写真は、市役所の展望所より撮影した熊本城です。)

129. 古館ワールド (2016.06.14)

 3月31日「報道ステーション」のメーンキャスターを降板された古館伊知郎さんが休養期間を経て、6月1日シークレットライブ「微妙な佳日~トーキングフルーツ」を皮切りに、テレビ番組「ぴったんこカンカン」、「おしゃれイズム」と立て続けにテレビ番組にゲスト出演されて、再出発されています。

 「おしゃれイズム」では、前身の「おしゃれカンケイ」という番組を11年間以上に亘り司会をしていた関係から、古巣に戻ったような居心地の良さを感じ、リラックスしていることがよく分かりました。今まで語らなかった本音が垣間見えました。
 「報道ステーション」では物凄く不自由な12年間で、大変な綱渡り状態であり、強いストレスを抱えていたようです。降板後はツタヤで映画を30本借りて観たと話されていました。
きっとこれまでは、好きな映画を観ることもままならない生活が続いていたのでしょう。

 私が最も興味深かったのは、「報道ステーション」のメーンキャスターをしていた時の生活についてです。
毎日、番組終了後に打合せ等をした後、帰宅は午前1時半~2時半で、就寝は午前4時~5時。
そして毎朝、新聞6誌を読んでいたそうです。過酷な日常を過ごしていたということがよく理解できました。
 帰宅してから就寝までの数時間が唯一の寛げる憩いの時間となっています。
どのように気分転換をしていたのかというと、CS放送の全く興味のない古い映画をぼうっと観ながら、一切飲み物をとらずに大好物の花豆1袋を全部食べ切るのだそうです。
そのようにして興奮した脳を徐々に鎮静化してから、睡眠導入剤1錠を服用して眠りについていたと語られていました。私など想像も出来ないほどのプレッシャーや強いストレスを抱えていたのだろう、ということが想像できます。眠りの質は決してよくはなかったはずです。とても危うい感じもしました。
報道の仕事を続けることは、おそらく体力的にも精神的にも限界だったのでしょう。

 今後は12年間報道で培った反骨精神を大切にしながら、かつて実況中継で一世を風靡したキラッと光る古館ワールドのトークにさらに磨きをかけて、円熟味を益したトークで益々ご活躍されることと思います。
 伸び伸びと、楽しみながら、新しい世界を切り拓いて行って欲しいと思いました。

128. 桃之夭夭(もものようよう) (2016.06.13)
 弁護士の大学の先輩で、以前熊本に在住されていましたが、定年退職後に鹿児島に移住された方が、震災後、初めて熊本を訪れました。
 いつも来熊の折にはお気遣い頂いて鹿児島のお菓子をお届け下さいます。
今回は初お目見えのお菓子を頂きました。お菓子の名前は「桃之夭夭(もものようよう)」です。一度聞いたら忘れられない、インパクトのある名前です。
お菓子に添えられた説明書には、
「若々しくみずみずしい桃は、古来より、嫁ぎゆく若い娘にたとえ、繁栄を願う人々の象徴として大切にされてきました。古くから中国の結婚式で詠われてきた漢詩「桃夭(とうよう)」の一句です。また、桃は仙木・仙果と呼ばれ邪気を祓い、不老長寿を与える果物としても親しまれています。『桃之夭夭』は桃の実入りの白餡を中にして、桃のリキュールを練り込んだ求肥生地で丁寧に包みました。桃の季節を感じる夏季限定の菓子です。」と書かれています。
 『桃之夭夭』は薄紅色の求肥に包まれて、包みを開いた途端、桃のリキュールの甘酸っぱいほのかな香りがしました。贈り手のお心遣いが伝わってくる、貴重なお菓子です。
127. 慎ましく (2016.06.13)
 今週のアレンジで、すぐに目を惹いたのは「すぐりの実」です。
別名:レッドカーラント。たわわに実った赤く艶々した実が、まるでルビーのように美しくて可愛らしいのです。
 そして次に目を惹いたのは、小振りなユリの花です。いつもよく見る大輪のユリとは違って、慎ましやかさが感じられました。お茶席などで好まれるそうです。
 お茶席の茶花といいますと、茶室の雰囲気や趣向に合うように、茶花も調和を考慮しなければいけないので、花そのものが自己主張し過ぎないで、空間と調和してさりげなく存在しているのが好ましいのかもしれません。このユリの花はアレンジで飾るよりも、本来は1輪かもしくは2輪を、スッキリと活けた方が相応しいようです。
126. ゼロの阿蘇 (2016.06.12)

 佐土原町にあるなかお画廊で開催されている、写真展「ゼロの阿蘇」を観て来ました。写真を撮影されました長野良市さんは、弁護士の高校の後輩にあたる方で、南阿蘇村在住の写真家です。

 阿蘇の実情を多くの方々に知って頂きたいとの思いから、今回緊急写真展を開催されました。前震の翌日から写真撮影を始められて、本震直後は報道陣も近付けなかったエリアでの写真も撮影されています。阿蘇の実情がリアルに伝わってくる写真展です。
 
 写真展のタイトル「ゼロの阿蘇」とは、「すべてがゼロに戻った気がしたから。」とのことです。また、同名の冊子(1冊500円)も販売していています。
 この冊子の中にある写真は、以前の姿との比較もできるように構成された部分もあり、被害の大きさやがよく分かるようになっています。以前とは風景が一変してしまった無残な写真を眺めていると、思わず「こんな姿になってしまって・・・。」と哀しい気持ちで一杯になり、胸が痛みます。
 なお、収益の一部は復興に向けた活動資金に充てるそうです。
開催期間は6月19日(日曜日)までですので、是非ご覧下さい。

125. 宙(そら)ガール (2016.06.12)

 昨晩放映されました「にっぽん百名山」は動画だけで構成されていましたので、弁護士の写真「山の宝石」は残念ながら使用されませんでした。
写真と全く同じアングルの動画が採用されていました。
写メを撮影しようと待機していましたが、本当に残念でした。

 番組を観ていて、篠原ともえさんのユニークな発言の数々が心に残りました。
特に「山に登ることは『歩く禅』ですね。」という言葉にはっとさせられました。
「そうなのか、私から見ると苦行とも思える登山。だから登山者は頂上を目指して、ただ黙々と山を登るのか。登山しながら心を無にしているのだろう・・・。」と思い、素直に深く共感出来ました。
その他にも、豊かで鋭い感性から生まれる言葉の数々に魅了されました。

 昔は賑やかで元気で、ギターを弾いたり、歌ったり、衣装のデザインをしたり・・・マルチな才能に溢れたタレントでした。ある時期からテレビでの露出が激減していましたが、最近NHKを中心に再び脚光を浴びています。今週の14日(火曜日)、「徹子の部屋」にも出演します。
 豊かな感性を磨きあげてさらにパワーアップして、より一層魅力が益しているように感じます。
他の誰とも違う個性がキラキラ輝いています。本当に素敵な女性になったな、としみじみ思いました。
 また、今年1月の朝日新聞のインタビューでは、ご自分のことを「山ガール」ではなくて「宙(そら)ガール」と称し、山から元気をチャージしていると発言されています。
 益々パワーアップして、チャーミングな篠原ともえさんに注目したいと思います。

124.にっぽん百名山スペシャル 「山が呼んでる!花と緑の峰へ」 (2016.06.10)

 6月11日(土曜日)午後9:00~午後10:30、NHKBSプレミアム、にっぽん百名山スペシャル「山が呼んでる!花と緑の峰へ」という番組の中で、弁護士が数年前に北アルプスの涸沢で撮影した写真「山の宝石」が登場するかも・・・(?)しれません。なお、詳細につきましては、「事務所ブログNo.46」に書いておりますのでご覧下さい。弁護士自身も実際に番組を観て見ないと写真が登場するかどうかは分からないという状況ですので、弁護士もスタッフも今からドキドキしています。
 写真が登場するかどうかも楽しみですが、スペシャル番組ですので内容が充実していることと思いますので、期待して観たいと思います。

 この番組のホームページを拝見しますと、
「にっぽん百名山」~新たなる峰々へ~は、「山を知り尽くした経験豊富なガイドに導かれ、自らが登山道を歩いているような主観映像を駆使し、空撮や三次元マップを用いて分かりやすく、今の時代感覚にあった“ヤマタビ”の魅力を伝えます。」、また、「にっぽん百名山」スペシャル「山が呼んでる!花と緑の峰へ」は、
「初夏。待ちわびていた本格的登山シーズンの到来だ。番組では、北アルプスの絶景地に建つ山小屋の小屋開きに密着。6mの雪と格闘しながら登山者を迎える準備を進める男たちの様子や、雪解けとともに咲き誇るミズバショウやワタスゲが見事な尾瀬、花の百名山の著者、田中澄江が愛した花の名峰を巡る山旅。さらには新緑の山を徹底的に遊びつくす方法など、初夏の山の魅力を存分にお伝えする。」と予告されております。

123. 街の文化の森 (2016.06.10)

 6月10日(金)、「蔦谷書店熊本三年坂」がリニューアルオープンしました。
当初は4月下旬オープン予定でしたが、地震の影響でオープンが延期されていました。鶴屋デパートのすぐ近くという立地に大変恵まれているということもあり、オープンを待ち望んだ大勢の人で賑わっていました。

 今回のリニューアルの大きな特色は「書店と百貨店の融合」を掲げていることです。書籍、洋服、各フロアごとの個性的なカフェ、熊本で生産された野菜やパンなどのマルシェ、観葉植物、各種雑貨、コスメ、CD、DVD等々・・・豊富な品揃えで多種多様な店舗があり楽しさに満ちています。従業員の方も旧・県民デパートの店員だった方々を多く採用されていることから、顔馴染みの店員さんも数多くお見掛けするので親近感がわきます。私が最も注目したのは、各フロアごとにあるカフェです。ほっと一息つける憩いのカフェからは、ゆっくり寛げる雰囲気が醸し出されていて、とても素敵だなと思いました。

 熊日新聞の記事によれば、運営会社は「街に文化を発信し、復興に貢献したい」、「熊本を元気にする旗印になるような店にしたい。」と語られたとのことです。確かに活気があって心が和めて、何度でも訪れたくなる感じでした。
 熊本にはデパートがひとつしかありませんので、誰もが憩える場所がまたひとつ増えたことはとても嬉しいです。

122. 心のシンボル (2016.06.09)

 6月8日(水)より加藤神社の参拝に限って、京町側からの坂道とKKRホテル前の坂道の通行が可能になりました。丁度、一週間前の6月1日(水)にも、二ノ丸公園からシャトルバスに乗り加藤神社で祈願と参拝をしました。
今日は歩いて景色を眺めながら、加藤神社へ参拝をするために行きました。
2カ月近くお城へ行く道は通行止めになっていましたが、歩き慣れた道を再び歩いてみると、とても懐かしく感じられました。また、加藤神社へ向かうまでの周囲の景色が大きく変わっているので、見慣れたはずの景色なのに異次元に迷い込んだような不思議な気持ちがしました。

 今日も待ちかねたように多くの方々が参拝に訪れていました。
車の往来も頻繁にありました。加藤神社に到着するまでは不安げな顔をされていた方も、参拝後は心が安らいだのでしょう、穏やかな顔をされているように感じました。交通整理や道案内をされている係員の方の声に聞き覚えがあったので顔を見ると、先週祈祷して頂いた時の神職の方でしたので、挨拶をして言葉を交わしました。

 参拝からの帰り道は、KKRホテル前へと行く坂を下ってから帰りました。
坂を下り終えると、そこは7日(火)から撤去が開始された崩落した石垣の保管場所になっていました。撤去された石材には全て番号が付けられていました。
この番号によって台帳(カルテ)を作成して、石垣の再建を目指すそうです。
築城から400年間、石垣の改修記録はないそうですが、少しでも元の姿を取り戻せますようにと願っています。やっと石垣の改修のための第一歩を踏み出せたことは意義深いです。

 夕方のニュース番組では、やはりお城(小峰城)の被災経験がある福島県白河市の取組みが紹介されていました。石材にメッセージを刻むという取組みが大きな反響を呼んだそうです。
また、石を積む作業も一般公開したことで大きな関心を呼んだとのことです。
お城の復興は「心のシンボルです。」という言葉も大変印象的でした。
 多くの方々の智慧や協力を得ながら、力強く前へ向かって歩んでいることを強く感じました。

121. 七変化 (2016.06.07)
 事務所のガーデンに咲く西洋アジサイ「マジカルコーラルピンク」が、個性的な輝きを放っています。ライムグリーンの蕾が咲き進むにつれて、ピンク色や濃いグリーン色に変化して行きます。日々の色の移り変わりが美しく、ひとつひとつの花の色合いの変化が楽しめます。アジサイは別名「七変化」とも言われますが、お天気によっても様々に変化する様子を多くの方々にお楽しみ頂ければと思います。
120. 映画への旅(8)「ズートピア」 (2016.06.06)

 映画マニアの知人が英語版と吹替え版を2回観て絶賛していたので、ずっと気になっていた作品でしたが、やっと鑑賞することが出来ました。
 ズートピア(理想郷)という架空の世界で暮らす動物たちの物語ですが、これは人間社会そのものを動物に置き換えた物語です。
 人間社会における偏見(固定概念)や差別問題を、草食動物や肉食動物、体の大きな動物や小動物などを描くことでより分かりやすい形で問題提起しています。
 高度なテクニックを駆使したアニメーションの美しさにうっとりしたり、ミステリアスな謎解きの面白さにハラハラしたりしながら、最後まで楽しめる巧みなストーリーとなっています。
 多様性を個性として認め合い、平和で幸せな愛に溢れた世界をつくろう、というメッセージが込められた感動的な映画です。

 エンディングで流れる歌手のシャキーラが歌う主題歌「トライ・エヴイリシング」(すべてにトライ)も素敵です。アップテンポな曲調と前向きな歌詞が、聴く人の心を捉えます。
私の前の席に座っていた若いお母さんと幼いお子さんは、立ち上がりこそしませんでしたが上半身を大きく揺らして身振り手振りで踊っていました。映画を観た後で、映画館の中でみんなで踊ろうという企画をしたら喜ばれそうだなと思いました。映画を観終わった後も胸のワクワク感が消えず、一度聴いたら忘れられなくなる魅力的な主題歌もいつまでも耳に残りました。
この映画を2度観たという、映画マニアの知人の気持ちがよく理解できました。
 どなたが観ても楽しめて感動できる映画です。お薦めです!

119. シネコン (2016.06.06)

 熊本県内のシネコン4か所は震災後軒並み休業していますが、一足早く小川町にある「TOHOシネマズ宇城」が5月30日から営業を再開しました。
熊本市内から小川町までは車で約1時間程かかります。

 私はこれまで震災前はシネプレックス、光の森シネマ、はませんシネマ、イオンシネマには行ったことがありましたが、宇城シネマだけには行ったことがありませんでしたので、今回初めて行きました。震災後は、どこへ行くにも交通渋滞がひどいので、小川町まで行くのも時間を要します。
 やっと到着すると、映画のチケットを購入するための長い行列が館内だけでなく外にまで続いていました。観る予定にしていた回のチケットはすでに完売の状況でしたので、諦めて次回上映のチケットを購入するために列に並びました。
宇城シネマはシネコンとしては小規模な部類に入る映画館なので大混雑していました。
ファミリー向けを意識しているようで、クレヨン」しんちゃんやコナンなどの小さいお子さんが楽しめるラインナップが充実しているようです。

 映画上映開始直後、震度3の強い揺れがありましたが、デンキカンなどと比べると揺れを強く感じました。
お隣のスクリーンで上映している作品の音響が聞こえてくるのも気に懸りました。
 また、モール内では補修工事中の店舗が数多くありました。空調関係のトラブルも完全には解消していないようで、モール内の通路の至る所に大型扇風機が何台も設置されていました。
 映画館までの往復の所要時間、館内設備の充実度、ラインナップの充実度などを総合的に判断しますと、福岡へ行った方が電車で30分で到着し快適ですので、福岡に行って観た方が便利がよく満足度も高いように感じました。

118. 初夏 (2016.06.06)

 今週のアレンジは、白い大輪のユリの花が凛とした美しさで際立っています。
白い色が清々しさを感じさせます。
赤い燃えるようなダリアはこれから本格的に訪れる熱い夏を連想させます。
小振りのヒマワリからは初夏らしさが感じさせます。

 熊本では梅雨入りしたばかりですが、花の世界は一足早く初夏らしさに満ちています。蒸し暑い日々が続きますと気分がすぐれない日々も多くなりがちですが、花たちにたくさんのパワーを頂いて上手に乗り切りたいです。

117. 安らかに Ⅱ (2016.06.03)

 6月1日の午前中、スタッフのお母さんが急逝されました。
4年前にお父さんを亡くされた直後にお母さんの病気が分かり、入退院を繰り返されていました。スタッフは今年の4月からずっと病室に泊まり込んで介護をしながら、仕事も続けていました。スタッフは介護と仕事の両立という難しい問題を抱えていながら、愚痴を言うことも弱音を吐くことも一切ありませんでした。
精神面も責任感も、人一倍強い方です。私はそんなスタッフを心から尊敬します。

 5月31日の午前中にお母さんの容態が急変し、その日の夜、状況を尋ねますと大きな変化はないように感じましたので、きっと回復されるだろうと信じていました。私はスタッフに「お母さんの心が安らかになるように、優しい言葉がけを続けてね。」、「手を握って、体を優しく撫でてあげてね。」、「悔いのないようにね。」とだけメールしました。スタッフからは「悔いのないように、母へ感謝の気持ちを伝えます。」とメールが届きました。
 翌日の昼、加藤神社へ祈願に行き「スタッフのお母さんの心が安らかでありますように。」と祈り続けました。
しかし、私が祈っていた時にはすでにお母さんはお亡くなりになっていたということを、夜、スタッフから連絡を頂いて分かりました。でも、心を込めて祈ったことは決して無駄ではなかったはずだと信じたいです。

 お通夜と告別式に参列させて頂きました。スタッフはお母さんを亡くした喪失感から痛々しい様子でしたが、参列者の方々の対応を気丈に健気に立派に遣り遂げていました。 告別式が開始されるとすぐに、大型スクリーンに柔らかな微笑みを浮かべたお母さんの写真が次々に映し出され、在りし日のお母さんを暫し偲びました。告別式の終盤には、バイオリンとフルートによる「精霊流し」、「見上げてごらん夜の星を」、「ふるさと」が生演奏されました。しっとりとした温かく柔らかな音色に心が和みました。
 スタッフはご両親の長い闘病生活をずっと支え続けました。ご両親はスタッフを心の支えにしていました。
優しく温かな気持ちに包まれながら看取られて、本当に安らかで幸せだったのだろうと思います。
 スタッフには心から「お疲れ様でした。」、「よく頑張りましたね。」、「ゆっくり休養して下さい。」と労いの言葉をかけたいと思います。

116. この街で (2016.06.02)

 鶴屋デパートの本館が1ヶ月半ぶりに全館営業を再開しました。
デパートのドル箱的催事「北海道展」と共に「復興応援セール」も同時開催されて大盛況です。再び活気が戻って来ました。

  本館1階サテライトスタジオでは、「復興応援コンサート~がんばろう熊本!」が開催されました。KMA(熊本ミュージックアーティスト)のピアノと弦楽器の生演奏と、エンジェリア(鶴屋コーラスグループ)が出演し、音楽の力で元気を届けようというイベントがありました。エンジェリアが歌う「この街で」を聴きました。
いつも鶴屋デパートでBGMとして流れているお馴染みの歌です。
満員の観客の中には、泣いている方もおられたようです。

 「この街で」は大切な出会いを作ってくれた大好きな街で、これからも思い出を重ねていきたいという想いが込められた歌です。作詞・作曲をされた荒井満さんの他にもトワエモアなども歌っています。
 2000年10月、松山市で開催された「21世紀に残したい言葉」というイベントの選考で、「恋し、結婚し、母になったこの街で、おばあちゃんになりたい!」という言葉が市長賞を受賞しました。
この言葉に魅力を感じた荒井満さんが作詞・作曲されて誕生した歌です。
「この街で」は、被災された方々へのメッセージソングとしても相応しい歌です。
日常の生活の中にこそ大切にすべき幸せがあることを教えてくれます。
そして、生まれ育った街や人への深い愛情が込められた歌になっています。

この街で

この街で 生まれ この街で 育ち
この街で 出会いました あなたと この街で
この街で 恋し この街で 結ばれ
この街で お母さんになりました この街で
あなたの すぐそばに いつも わたし
わたしの すぐそばに いつも あなた
この街で いつか おばあちゃんになりたい
おじいちゃんになった あなたと 歩いてゆきたい

坂の上に 広がる 青い空
白い雲が ひとつ 浮かんでいる
あの雲を 追い駆け 夢を追い駆けて
喜びも悲しみも あなたと この街で

この街で いつか おばあちゃんになりたい
おじいちゃんになった あなたと 歩いてゆきたい
この街で いつか おじいちゃんになりたい
おばあちゃんになった あなたと 歩いてゆきたい
いつまでも 好きな あなたと
歩いて ゆきたい

115. 祈願 (2016.06.01)

 立入禁止区域になっている加藤神社が、6月1日・4日・5日の3日間だけ参拝と祈願ができます。二ノ丸駐車場から加藤神社までは専用のシャトルバスが運行されています。時間は午前8:00~午後4:00迄です。

 私もお昼の休憩時間を利用して、参拝と祈願のために加藤神社に行きました。
辛島町にある会社経営者と社員の2名、ご高齢の女性が1名、私の合計4名が祈願をしました。祈祷して頂いている時「熊本の地がどうぞ鎮まりますように。」、「平安な生活がみんなに再び戻りますように。」そして、スタッフのお母さんが体調を崩されているので「どうぞ心が安らかでありますように。」と心の中で何回も繰り返し祈り続けました。祈祷して頂くと、清々しい気持ちになれました。

 加藤神社の建物自体は、あまり大きな被害はなかったそうです。
鳥居も破損していませんでした。しかし、植物園から加藤神社へ行く時、石垣の前に黒いビニール袋に入った大きな土嚢が大量に積み上げられている様子を見て、何とも不気味で異様な光景だなと思いました。

 帰りのシャトルバスを降りてから、同乗していた会社経営者の方に「ご自分のことではなくて、熊本の復興を祈願されたのですね。」とお声掛けをすると、「悲しいですから・・・」と言葉を噛み締めるように、一言だけ言いました。この言葉を聞いた時、ぐっときて胸が熱くなり思わず泣きそうになりました。
多くを語らなくても、短い言葉の中に熱い思いが凝縮されていて十分気持ちが伝わってきました。
 熊本で暮らす人々の思いや気持ちは、ひとつだと思いました。

114. 架け橋 (2016.06.01)

 花畑町にある「城見櫓」の最上階(6階)貴賓室が、5月25日から「展望茶室」として無料開放されています。時間は午前10:00~午後3:00までです。
開放期間は、城見櫓の営業が再開される夏頃までです。

 全面ガス張りの和室は20名程収容できる広さで、美しい庭園に面したゆったりとしたスペースの縁側からはお城が一望できます。
まさに絶景、素晴らしい眺めが堪能できます。
 また、双眼鏡まで備えるという至れり尽くせりの心遣いで、お城の被害状況が今まで見たこともないようなリアルさでよく分かります。
 そのうえ美味しい冷茶までサービスして頂いたうえに、優しい笑顔で温かなおもてなしをして下さいます。本当に恐縮してしまいました。

 なぜ貴賓室を無料開放することにしたかについて、城見櫓のご主人は次のように述べています
(*一部省略しています)。
「震災後、熊本城には沢山の人々がお城の様子を心配して訪ねて来ます。
被災したお城の姿に涙する多くの人を見ると、熊本城がどれだけ多くの人々に愛されていたのか……
胸が詰まる思いです。一人でも多くの人に熊本城の現状をご覧いただき、またその情報を広めてもらうことによりご支援ご協力の輪が広がり熊本城の早期再興・熊本県の早期復興に繋がるものと信じております。」、そして「心をひとつにできる架け橋に・・・」と語られた言葉も心に強く響きました。

113. 河童像 (2016.05.31)

 先日、熊日新聞に「金龍堂まるぶん店」の記事が掲載されていました。
上通りアーケードの中心的な大型老舗書店ですが、震災後からずっとシャッターが閉められたままなので、ずっと気に懸っていました。

 記事によれば天井の一部が剥がれ、壁にひびが入り、さらに屋上の貯水タンクが倒れて店内が水浸しになったとのことです。営業再開まで3カ月程かかることと、書店の入口に鎮座する「河童像」に被害がなかったことを伝えていました。
 金龍堂まるぶん店のシンボルである「河童像」は、街行く人にいかに注目してもらうかを思案していたオーナーが、偶然、福岡にある美術品店で「河童像」と出逢い、非売品でしたが作者から許可を得て、噴水のモニュメントとしたそうです。

 熊本の豊かな水を表現した噴水に鎮座する名物の河童像。
インパクトのある河童像に、誰もが思わず足を止めて見入ってしまいます。
河童像にお賽銭をあげたり、頭に水を注いだり、季節で変わる衣装を眺めてみたり・・・河童像は金龍堂まるぶん店の象徴として、多くの方々に親しまれ愛され続けています。

 長期休業中の店舗のシャッターには、再開を待ち望む多くの人たちが貼り紙に書き込みをしています。
大正時代から続く老舗書店との再開を楽しみにして、もうしばらく待ちたいと思います。

112. 躍動感 (2016.05.31)
 今週のアレンジは、黄色のオンシジュームが主役です。
別名は「ダンシング・レディ・オーキッド」です。
 チョウチョを連想させる色鮮やかな黄色の花たちが、優雅に踊っているように見えます。躍動感のある花々を眺めているとウキウキしてきます。
 オンシジュームは、花束やパーティなどでもよく見かける花です。
この花が飾られているだけでより一層華やかさが益します。
 明日から6月です。きっと楽しいことがたくさん待っている、そんな気がします。
111. 映画への旅(7) 「さざなみ」  (2016.05.29)

 原題は「45YEARS」という何とも味気ないタイトルですが、日本でのタイトルは「さざなみ」です。主人公の揺れ動く心の中の葛藤や微妙な変化を、うまく表現している素敵なタイトルです。

 映画の内容は、結婚45周年パーティを迎える夫婦のパーティまでの6日間の妻の心の葛藤を描いています。かつて山で遭難事故死した夫の恋人が長い年月を経て発見されます。
そのことにより、妻は夫がいかに亡くなった恋人を深く愛していたかを知るのです。
激しく動揺し、怒り、嫉妬します。そして妻は、夫の愛情に疑問や不信感を抱くようになります。
結婚して45年間という永い年月積み上げて来た愛情や信頼が大きく揺らぎ出すのです。
 ラストの結婚45周年パーティで、妻の深い幻滅と絶望感を感じさせる表情。そして、失望感を滲ませた冷ややかな眼差しで夫を見つめる時の切なさと哀しさが胸に突き刺さりました。

 主人公の妻をシャーロット・ランプリングが演じています。
かつて「愛の嵐」という作品を観てからずっと好きな俳優でした。端正な顔立ち、どこか冷やかさを感じさせる憂いのある表情。眼差しが独特で人の心の奥底を見つめ、本質を探るような鋭さを感じます。
顔は笑っているのに心の中は複雑な感情が渦巻いている、という表情を表現するのが実に見事です。
「さざなみ」はシャーロット・ランプリングが演じることを念頭において作られたかのような、シャーロット・ランプリングにしか演じることができない忘れられない作品となりました。

110. すべては未来のために (2016.05.29)

 熊本地震復興支援ソングが次々に発表されていますが、そんな中、シンガーソングライターの桜伊織さんの作られた「すべては未来のために」という歌を聴きました。震災後の5月5日の子供の日、大量の震災ゴミの仕分け作業を熱心に行っていた子供達の姿に深く感銘を受けて、一気に作り上げたそうです。
 歌詞の内容は、故郷熊本への深い愛情や熊本で暮らす人々に対する優しい思い遣りに満ち溢れています。
そして、生きる希望が湧いてきて明るい未来を思い描ける力強い歌となっています。
 桜伊織さんは元警察官で、正義感が強く実直な人柄の方です。
震災後の熊本の町やそこで暮らす人々に対する思いに真正面から誠実に向き合って、一生懸命に心を込めて作っているのが伝わって来ます。
 なお、「すべては未来のために」は桜伊織さんなりに復興支援に力を尽くしたいとの思いから、熊本復興支援義援金の寄附をして下さった方全員に、CDを無料でプレゼントしているそうです。
(写真は震災前に撮影した熊本城です。)

~すべては未来のために~

今も昔も  誰だって  一人ぼっち なんかじゃないさ
寄り添いながら  助け合うから  ここに町がある
清らかに  水は流れる  だからこそ  ここで暮らしている
美しい人がいる だからこそ ここで生きる
下を向いてちゃ始まらない 勇気を出して
やれることをやれるだけ 今はそれだけで いいんだから
愛する人がいる 愛する町だから すべては未来のために
さぁ手をつなぎ合って 笑って歩いて行こう すべては未来のために

今日も明日も 誰だって 一人ぼっち なんかじゃないさ
温もりがある だからこそ ここに町がある
見上げれば天守閣 涙こらえて 知恵が湧く
夜のネオン 煌めいている 肩を組み 友と交わす
何事もなく迎える 未来なんかより
何かを乗り越えて行く 未来の方がいいんだから
愛する人がいる 愛する町だから すべては未来のために
さぁ手をつなぎ合って 笑って歩いて行こう すべては未来のために
明日の朝 陽は 昇る
この町に 陽は 昇る

109. 旅立ち (2016.05.26)

 今日はKO―KOさんの告別式でした。
昨晩はKO―KOさんの歌声がずっと聴こえる感覚がしてあまり眠れませんでした。
お通夜は参列者がとても多かったので、KO-KOさんと対面することが叶いませんでした。そのことがずっと心残りでした。
 今日は早目に斎場に行き、ゆっくり対面することが出来ました。
「最期の晩餐」ライブの時の華やかな洋服を着用して、美しく化粧を施されていました。
対面した瞬間「美しい」と思いました。苦痛の表情が全くなく安らかで、ぐっすり眠っているようでした。
激痛から解放されて、安堵の表情を浮かべているようにも見えました。

 喪主の挨拶では最初に、高校生と専門学校生の2人のお嬢さんがそれぞれ言葉を述べられました。
48歳という若さで急逝された母を強く慕う気持ちを切々と率直に語られ、参列者全員がもらい泣きをしました。ご主人はKO-KOさんから「生まれ変わったら私を探してもう一度結婚してね、と言われたことが救いです。」と涙ながらに語られていました。その他にもいろんなお話から、ご家族の仲の良さが伝わって来て、温かなご家庭を築かれていたことがよく分かりました。
 特に印象深かったのは、長女の方が「ママの歌は私が歌って行くからね。」と言われたことです。
KO-KOさんが命を懸けた歌を娘さんが受け継がれて行くということは、KO-KOさんにとっては大きな喜びであり願いでもあったはずです。KO-KOさん、命のリレーはできましたね、悔いのない人生でしたね。

 あたたかな気持ちに包まれながら、最期の姿を見届けることが出来ました。
安らかにお眠り下さい。さようなら、KO-KOさん。
(写真は、KO-KOさんの最後のライブとなった「桜祭り」です。)

108. 安らかに (2016.05.25)

 昨日(5月24日)午前8時15分に急逝されましたKO―KOさんのお通夜が、健軍の神水斎場でありました。私もKO-KOさんに最後のお別れをするために参列しました。会葬者は約300人くらいで、会場内では立っている方が大勢いました。
遺影はKO―KOさんのCDアルバム「最期の晩餐」のジャケット写真でした。
 明るい色の花々が敷き詰められた祭壇は、陽気で明るい性格だったKO-KOさんに相応しい華やかさに満ちていました。

 昨日テレビ番組でKO-KOさんの特集番組が放送された直後ということもあり、KO-KOさんが亡くなったという感じがしなくて、斎場の空間の中にKO-KOさんの存在を強く感じました。私がKO-KOさんと出逢った時は激しい痛みに苦しんでおられたので、痛みから解放されたことが唯一の救いです。

 喪主であるご主人の挨拶の言葉で「普段は本当に癌なんだろうかと思うほど元気でした。」と話されていたのが心に残りました。積極的な治療をしないと決心して、覚悟を決めてからの人生がとても充実していたのだろうと思いました。 悔いのない人生を駆け抜けたKO-KOさん。
 会いたくなったら歌を聴きますね。これからは歌の中で逢いましょう。

107. 永遠の歌声 (2016.05.24)

 今日はKKTテレビ「テレビタミン」で、シンガーソングライターKO-KOさんの「てとてとて」が熊本応援ソングとして特集されるというので、前から楽しみにしていました。ところが、番組が始まる直前、KO-KOさんとデュオをされている桜伊織さんから、今朝、KO-KOさんが急逝されたとご連絡を頂きました。テレビ番組を楽しみにしてた私の気持ちは一気に吹き飛び、強いショックを受けました。
重苦しい複雑な思いで茫然と番組を見ましたが、映像の中のKO-KOさんの歌声は、一層私の心に染み渡りました。

 初めてKO-KOさんにお会いしたのは今年2月で、テレビ番組でKO-KOさんの特集を見てすぐに「会ってみたい!」と強く思い、出演されておられる店にすぐに会いに行きました。初対面でもすぐに打ち解けることができて、気取りのない気さくな方でした。この時、すでに体調が悪くなり始めていた頃で、あまりにも辛そうにしていたので、初対面にも関わらず首・肩・手などを揉んであげたりしました。その後、数回お会いしました。
 そして、3月29日にはKO―KOさんの最後のライブとなった富士フイルム「桜まつり」に行って、歌を聴きました。この時のKO-KOさんは本当は立っていることも辛く、腕も手もパンパンに腫れてマイクを握るのもやっとだったそうですが、最後まで笑顔で立派に歌い切りました。
その後、体調を崩され入院生活を送られていました。
 私はKO-KOさんとのお付き合いは短いですが、初めてお会いした時から病気に対する向合い方や生き方について深く共感できて、とても親近感を抱きました。飾らない率直な人柄にも好感が持てました。
 最近入院されていると聞き、お会いしたいと思いお見舞いに伺うと、奇跡的にKO-KOさんの体調がとても良くて、いつもと変わらない笑顔で明るく話して下さいました。
KO-KOさんはいつも元気よく笑っている笑顔の似合う魅力的な女性でした。
 
 KO-KOさんは病気と出逢って自分を見つめ、何が大切かに気付いて、その後は自分の大好きな歌に全力を傾けました。愛と生きることの大切さを表現したKO-KOさんの歌声は、これまでも、そしてこれからも、優しいメッセージとして熊本の人々の心を永遠に癒し続けると思います。
KO-KOさんは歌と共に永遠に生き続けるのです。

 KO-KOさんのご冥福を心より祈念致します。

106. 瓦職人 (2016.05.24)

 事務所の隣家が、5月の連休後から瓦屋根の修理工事をされています。
隣家の方は元々、京町界隈の広大な土地を所有されていた大地主なので、ご自宅の敷地は広大で屋根も本瓦を使用されています。修理工事をする範囲は、一般的な家の3倍程もありそうです。

 毎日、早朝からご高齢のご夫婦が屋根瓦の修理のために来られます。
私が驚いたのは奥様の軽やかな身のこなしです。
屋根に登るとすぐに四つん這いになり、サッァサッァサッァーと素早く屋根中を移動するのです。
まるで屋根の上を駆け回る俊敏な小動物のようです。その素早い動きに感心します。

 これまでご夫婦で職人をされている方に、何回かお会いしたことがあります。
夫の指示を受けてから、妻が補助的な仕事をするというのが一般的でした。
 この瓦職人の奥様に関しては、夫の片腕というよりも熟練した技を持っている立派な一人前の「瓦職人」だと思いました。

105. 咲き誇る (2016.05.23)

 今週のアレンジは、どの花もとろけるような柔らかい色合いをしています。
花たちがまるで競い合うかのように、咲き誇っています。
どの花も、それぞれに美しさを感じます。

 季節は初夏へと。

 梅雨を前にしたひとときの華やぎに、心が躍ります。

104. スッキリ (2016.05.23)

 ブログNo.51タイトル「断捨離Ⅰ」で書きましたが、震災の影響で事務所の連結している大型書庫が全て動いてしまったので、元通りの位置に戻すために不要な書籍を大量に処分しました。それと同時に、保管していた大量の古い事件の記録も処分することになりました。事件記録は機密文書ですので、特別な機密文書専用の処分方法を依頼します。書類を収納する箱も専用の特別な箱を使用しなければいけません。震災後の4月20日に専用箱の注文をしました。
 しかし、注文から1カ月過ぎても届きません。何回か催促の電話を入れると、いつも同じ返答で「震災後に一気に注文が集中して生産が間に合わなくて全く入荷がない。」とのことでした。

 やっと今日、待望の専用箱20枚が届きました。すぐに書類を詰込み、積み上げるとなかなか壮観です。
約1ヶ月間、大量の事件の書類が積上げられて場所を占領していて困り果てていたので、これで随分スッキリしました。まだ処分する書類があるので専用箱が不足しており、あと30枚追加注文しました。
今度はもう少し早く到着するとよいのですが。

103. アプローチ完成 (2016.05.21)
 震災で被害を受けた事務所アプローチの修理工事が完了しました。
オレンジ系の明るい色のタイルを敷きつめたので、今までよりもかなり明るくなりました。また、アプローチとガーデンの仕切りの高さを低くしたので圧迫感がなくなり、広々としてスッキリと生まれ変わりました。
 ガーデンも明るい色の花々に植替えたので、花たちも生き生きと輝いています。
102. うつくしいひと (2016.05.21)

 地震で被害を受ける前の熊本県内で撮影された映画「うつくしいひと」のチャリティー上映会がデンキカンで開催されました。
 午前11時からの上映を観るために、一番早い人で午前6時から並んだそうです。私は午前9時30分頃デンキカンに到着しましたが、すでに150人位の長蛇の列でした。また、午後1時からの回の上映を観るための長い行列も出来ていたので驚きました。デンキカンでこのような行列を見たのは初めてです。
 映画上映後、行定勲監督と高良健吾さんのトークショーが予定されているため、髙良さん目当ての若い女性が多数詰めかけていて異様な熱気に溢れていました。何年か振りに見る「補助席」も設置されたほどの大盛況振りでした。

 「うつくしいひと」は、昨年10月に熊本県内で撮影されました。
震災前の熊本城の景観や阿蘇などの風景が記録されていることでも話題を呼んでいます。
全国的にも支援の輪が広がり、約100件程の上映会の申込があるそうです。
オール熊本ロケで、約40分の短編作品です。映画の出演者もすべて熊本出身者です。
 ファーストシーンの熊本弁で繰り広げられる会話がベタな熊本ネタでユーモアに溢れているので、思わず声を上げて笑ってしまいました。果たして他県の方々には地元ネタのユーモアが伝わるのかな?とちょっと心配になったりしました。
 熊本城のシーンでは自然と身体が硬直してきて息苦しくなり、複雑な思いを抱きながら映像を食い入るように見詰めました。阿蘇のシーンも現在は立入禁止区域となっているエリアで撮影されているので、悲しく寂しい思いを抱きながら見入りました。熊本県が支援して制作している映画なので色々と制約がある中、それでも行定勲監督らしい美しくしっとりとした情緒、切なさ、郷愁などが表現されていました。

 映画上映終了後、行定勲監督と高良健吾さんのトークショーが開催されました。
高良健吾さんが一生懸命考えながら切々と思いを語る姿からは、強い郷土愛と誠実さが感じられました。
行定勲監督は一見クールな印象ですが、心の中には熱い郷土愛を抱いている方だと思いました。
 また、震災後の熊本を舞台にした「うつくしいひと」第2弾などの構想を練っていて、骨格は出来ていると語られていました。震災後の熊本を描くことで、前に向かって進んで行く新しい姿を映画に刻もうと考えておられるようでした。言葉の紡ぎ方がとても美しい方だなと感心しました。
 トークショー終了後は、行定勲監督と高良健吾さんが観客一人一人と握手をされて義援金を募っていました。映画を観終わった方々はみんな笑顔を浮かべ、満足気な顔をされていたのが印象的でした。

 また、デンキカンカフェでも急遽、和菓子職人かおりさんによる「福まんじゅう」が100個限定で提供されていました。カフェも大賑わいでした。かおりさんは結婚後は宮崎県にお住まいですが、熊本地震発生後に阿蘇の内牧を拠点として、復興支援に力を尽くされているそうです。 
 「福まんじゅう」は甘酒特有の芳ばしく深い香りがしました。甘さを極力おさえて素材の旨味を最大限に生かした餡は、味わい深くて何個でも食べれそうなくらい美味しかったです。
 まんじゅうの中央に小さく付けられた赤い色が、まるで微笑んだ時の「えくぼ」のようにも見えます。
小振りで可愛らしい「福まんじゅう」は、見てよし食べてよし、幸せな気分に包まれました。
 ただ、カフェも大混雑していたので、かおりさんのお話しをじっくり聞けなかったことが残念でした。
次回の開催に期待しています。

101. 赤煉瓦 (2016.05.20)

 熊本の老舗フランス料理店「赤煉瓦」が、このたびの地震で建物が被災したため、建物を解体し閉店することになりました。
 「赤煉瓦」は1907年(明治40年)に造られた氷室を改装して、1987年に開店しました。今年で29年目の歴史のあるレストランです。
 扉を開けるとすぐにゆったりと寛げるウェイティングルームがあります。
レストランへと続く小路には、四季折々の美しい草花が咲き乱れます。
吹き抜けのレストランは、レトロな雰囲気で落ち着きと風格を感じさせます。
「何か特別な時に利用したい。」と思わせるレストランでした。
味は本格的でサービスも洗練されていました。
熊本のフレンチのトップを常に走り続けていたレストランでした。

 熊日新聞で「解体」されて「閉店」することを知った時はとてもショックでした。
「赤煉瓦」の最後の姿を見届けて、記憶しておきたくてお店を訪ねてみました。
するとマダムとシェフがウェイティングルームにおられました。
マダムは私の顔を覚えていて下さって、「どうぞ中をご覧になりませんか。」と優しくおっしゃって下さいました。
レストランの1階と2階を案内して見せて下さいました。
1階は壁に亀裂が入っていますが、それほど被害は大きくなさそうに見えました。
でも2階は柱や壁に大きく深い亀裂が入り、今にも崩れ落ちそうな非常に危険な状態でした。
レストランの内部は埃っぽくてマスクを着用しないといられない状況でした。

 マダムのお話では、「今でも予約の電話が入るんですよ。」、「南坪井付近で小さなレストランをオープンさせたいです。」と新たな目標に向かって動き出す決意をされていました。
 風情のあるレンガ造りの建物が無くなってしまうことは本当に寂しいですが、伝統のある味が守られることが分かり少しほっとしました。

100. 地震酔い (2016.05.19)

 今朝の熊日新聞に「地震後めまい症候群」の記事が掲載されていました。
「地震後めまい症候群」は余震が起きていないのに、揺れているように感じるようになる症状のことです。私も地震後、この症状が酷くて気分がすぐれないことが多くて困りました。
  「地震後めまい症候群」の症状を改善する方法は、ある一点をじっと見つめて「揺れていない」としっかり認識することが大切だそうです。私は揺れを確認する時には、自宅では食卓テーブルの真上に取付けている吊下げ式のダウンライトをすぐに見て確認するようにしています。吊下げ式だと揺れに対して敏感に反応します。揺れの大きさを推測することも出来ます。記事に書かれていた改善方法は、確かに有効だと実感しています。自分がいる空間の中に、必ず揺れの正確な判断ができる箇所を見つけておくのが大切だと思います。ちなみに、事務所の中においては「書庫のガラス扉」が有効です。ちょっとでも揺れると、すぐにガシャガシャと音がします。さらに揺れが強くなると、書庫の下部の扉もガタガタと音をたて騒がしくなります。

 それともうひとつ有効なのは「体内センサー」です。こんなにも地震が頻発すると、体内センサーが揺れを敏感に感知するようになります。揺れを感知するとすぐに「揺れが弱いから震度1だね」、「揺れが強かったから震度3!」などとクイズみたいに言い当てて、後で地震速報を見て「当たったあ!」、「やっぱりね」などと言う方をあちこちでよくお見受けします。「前震」や「本震」の時の恐怖は2度と経験したくありませんが、震度3くらいまでなら少しは耐えられるようになりました。こういうのは「地震慣れ」とでもいうのでしょうか。

99. 新しい歴史 (2016.05.19)

 夕方のニュース番組で地震の被害が甚大だった熊本ホテルキャッスルが、6月末には宿泊の営業を再開することが発表されました。
 いつも利用するバス亭が熊本ホテルキャッスルの近くなので「再開できるのかな、建て直しをするのかな、もしや廃業するのかな・・・」と心配していました。
 先日もホテルの正面玄関口に大型のクレーン車が停車しており、足場が組まれていました。大きく亀裂の入った外壁の補修作業をする様子が全く見受けられなかったので、一体どうなるのだろうと心配しながら眺めていました。

 ニュース番組によると、建設会社に建物の被害調査を依頼し調査した結果「建物の構造自体にヒビは入っていないため、補修すれば営業は再開できる」ことが分かったので補修が済み次第、宿泊の営業を再開させることを明らかにしたそうです。熊本ホテルキャッスルの斉藤隆士社長は「由緒あるホテルなので失くすわけにはいかない。みなさんに心配して頂いたが結果的に廃業しなくていいという決定が出た。」と安堵の表情を浮かべていました。200人の従業員の雇用も守ることが出来ます。皇族の方々もお泊りになられた長い歴史のあるホテルです。
熊本県民に長く愛され続けて来た老舗ホテルです。
再開の目途がついて本当に良かったです。

 6月の再開に向けて、また新しい歴史がスタートしますね。

98. アプローチ工事 (2016.05.17)
 本日(17日)より、事務所アプローチの修理工事が始まりました。
地震の際、アプローチの階段に深い亀裂が入ったのを修復するための工事です。早朝からハツリ作業が開始しました。
 作業中は事務所入口ということもあり、お客様には大変ご迷惑をお掛け致しまして申し訳ございません。また、近隣の皆様方には騒音等で大変ご迷惑をお掛けしますことを、重ねてお詫び申し上げます。
 なお、作業期間は約1週間程度を予定しております。どうぞよろしくお願い致します。
97. 明るい希望 (2016.05.16)

 今週の事務所の花のアレンジは、全体を深みのある落ち着いた紫系の色合いでまとめています。最初見た時は、いつもの色鮮やかな感じと趣がだいぶ違っていたので「どうしてかな?」と思いました。

 でも、よくよく考えてみると今日は被害が甚大だった熊本地震の「本震」から1ヶ月目です。落着いた色合いにしている理由がすぐに納得でき、「鎮魂」という言葉がふいに浮かびました。

 特に新種のトルコキキョウが目を惹きました。
トルコキキョウの花言葉は「明るい希望」です。
きっとそんな願いも込められた、意味深いアレンジなのですね。

96. 西原村 (2016.05.15)

 今日は立野地区から西原村へ行きました。
 立野地区では、今回の震災により閉院が発表された立野病院の手前までは立ち入ることが出来ます。立野病院の向かい側にある原生林をしばらく眺めると、大きく崩落した箇所が何十カ所もありました。被害の大きさに驚くばかりです。

 西原村では阿蘇ミルク牧場へ行ってみました。
数組の親子の姿はあるものの、閑散とした雰囲気でした。唯一、物産店が少し賑わっているようでした。併設されているレストランも午後3時位には早々に閉店するようです。広大な敷地には人影もまばらで寂しい感じでした。

 帰りには西原村の布田地区などを通りました。
布田川断層帯に位置する集落の被害は甚大で、この地区にはもう人は住めないだろうと思うと複雑でした。
布田地区をさらに進むと、広大な土地を数台のショベルカーが急ピッチで造成していました。
おそらく仮設住宅を造るのだろうと思います。仮設住宅が完成したら、ここから西原村の方々の新しい生活がスタートします。一日も早い完成を願っています。

95. くまもと がんばるモン (2016.05.14)

 5月14日(土曜日)、地震から1カ月。
 鶴屋デパート(本館)の1階、地下1階、地下2階の3フロアだけが再開しました。店内は物凄い人で大盛況でした。
 1階の正面玄関口には、震災前に飾られた赤いカーネーション2000本のディスプレイのままだったので、まるでそこだけ時間が止まったままかのような不思議な感じがしました。
 地下1階にある休憩スペースには、高齢者の方々が少し疲れたような顔をされて座っていました。きっと久し振りに外出されたからではないでしょうか。
食料品に関しては、震災前と全く同じ品揃えだったので安心しました。

 鶴屋デパートの前の通りの上部には「くまもと がんばるモン」と書かれた、くまモンと熊本城をデザインした特大のフラッグが多数取り付けられていました。復旧・復興を目指す心意気を感じました。

94. 映画への旅(6) (2016.05.14)

1.「ロパートキナ 孤高の白鳥」
  震災後、デンキカン再開の記念すべき上映第1作目の作品です。
まだ、余震が頻発する中での映画鑑賞は正直緊張しましたが、上映が始まるとすぐにロパートキナのエレガントで美しく感性豊かな表現力に魅了されて、地震のことなどすっかり忘れて映画を堪能しました。
 映画を通して初めて知ったロパートキナ。「世界最高峰のプリンシパル」と称されているのは、この映画を観れば誰でも納得するでしょう。
高度な技術、鍛え上げた肉体美、一瞬一瞬の動きの美しさにうっとりと見惚れました。クラッシックからモダンまであらゆるジャンルの踊りを、深い洞察力で完璧に踊ります。
豊かな才能に恵まれているだけでなく、過酷な日々の鍛練に励む努力家でもあることが分かります。
全神経を身体の隅々まで行き渡らせた踊りを鑑賞していると、バレエは芸術だということがよく分かります。
バレエの美に触れることのできる貴重なドキュメンタリー映画です。
 震災後はテレビはニュース番組しか見ていませんでしたので、久し振りに美しいものに素直に感動する心を取り戻せました。

2.「スポットライト」
 アメリカアカデミー賞で作品賞と脚本賞をダブル獲得した注目の映画です。
アメリカの地元紙ボストン・グローブの記者たちが、カトリック教会の神父たちによる性虐待やその隠蔽を暴いた実話です。
 朝日新聞にマッカーシー監督のインタビュー記事が掲載されていまので、興味深く読みました。
映画を鑑賞した当時の記者は「暗闇の中を模索していた自分たちが、ありのままに描かれている。」との感想を述べたそうです。マッカーシー監督は「事実の追及に徹した記者たちの仕事に触発された映画だ。その姿勢に敬意を表したい。」、「ニュースの核心に迫るために、優秀な編集者がいかに必要であるかも示したかった。」、「腐敗は思わぬ場所に潜んでいる。だからこそ、地元に密着したジャーナリズムが大切。」、「映画が調査報道への関心を呼び起こす期待もある。」、「ジャーナリストだけでなく、企業家らが、報道が力を取り戻すための方策を生み出すことを願っている。」、「ジャーナリストによる監視がなければ、権力者は好き勝手なことを言い、嘘をつく。政治家に限らず、大企業、大銀行、大学などすべてに共通する。」と語られていました。

 緻密な脚本、個性的で重厚な俳優陣、的確な演出。全篇を通してジャーナリストの正義感、使命感、熱い魂が感じられる重厚で見応えのある作品でした。デンキカンの再開を祝福する、記念すべき作品として相応しい映画です。

93. 成長 (2016.05.13)

 昨年秋から産休に入っている事務スタッフを交えた、事務所の食事会を「とみた」で開催しました。「とみた」は震災の影響をあまり受けていないように見えましたが、店主に話しを聞くと「器の8割が割れました。それもいい器が全て割れました。」とのことでした。震災後は、「半年前から予約していた京都の日本料理「未在」に料理の勉強に行って、器も新たに購入して来ました。」と語られていました。日頃からとても勉強熱心なご主人らしい、震災後の過ごし方です。
 心地よい空間のしつらい、感動を与える料理の数々・・・京都まで行って学んだことを活かすために、料理に懸命に取組む姿が素晴らしいです。

 半年振りに会ったスタッフの赤ちゃんは順調に成長していました。
ちょっとふっくらとしてよく笑い、もうじきハイハイしそうな感じでした。
スタッフは優しいお母さんという雰囲気でした。
久し振りに赤ちゃんを抱っこしたり遊んだりしたので、和やかで楽しい時間を過ごせました。

92. フルーツの里 (2016.05.13)

 草葉町に「フルーツの里」という名前の果物店があります。
「フルーツの里」は昭和40年創業、熊本では老舗の果物店です。
ホテル、レストラン、ケーキショップなど御用達で、小売りをあまりしていません。
店にはシャッターが下りていることが多いのです。
果物を買う時には、必ず前もって電話をしないと買えません。

 「フルーツの里」のご主人(77歳)と久し振りに話しました。
果物はいつも店の一番奥に設置している、特大の大型冷蔵室で保管していて新鮮なので、震災後もホテルからの要望に応じて1日も仕事を休まなかったそうです。凄い人がここにもいました。お会いすると飄々とした感じの方ですが、老舗果物店としての気概や誇りを持っている方だといつも感じます。

91. 熱気 (2016.05.13)

 鶴屋デパート(本館)が明日から一部再開します。
今日は鶴屋デパート東館の7階イベントホールで今日と明日の2日間限定のイベントが開催されていました。エレベーターを降りるとすぐに物凄い行列と熱気に圧倒されました。イベント会場のお隣のスペースには、友の会や商品券などのコーナーが仮営業していました。こちらのコーナーも大混雑していました。

 私の近くにいる人が「鶴屋は憩いの場所だから、鶴屋が開かないと寂しい。」と言っているのが聴こえて来ました。全館オープンは6月に入ってから「順次」とのことなので、もう少し時間がかかりそうです。

90. 手取天満宮 (2016.05.13)

 震災後は下通りや上通りなどのメインの通りしか歩いていなかったのですが、震災後初めて「手取天満宮」の前を通りました。すると、水前寺公園と同じように鳥居の上部の横棒がありませんでした。天満宮の中を歩いて天満宮の裏側の鳥居を見ると被害がなかったかのように見えましたが近付いてよく見ると、柱には何本も亀裂が入っていて危険なのではないかなと思いました。

 「手取天満宮」は街中にあるので、誰でも気軽に立ち寄れる街中のオアシスのようなほっと寛げる場所でした。もし、鳥居が倒壊したならと思うと・・・この場所も十分用心しないといけない危険な場所になってしまいました。

89. 災害ボランティア (2016.05.13)

 バスに乗ると、右腕に「災害ボランティア」と書かれた大きな腕章を付けた人が乗っていました。60歳前後の男性1名、30歳前後の若い男性2名の合計3名です。今から益城町の災害現場で瓦礫の撤去処理を手伝うようです。若者の1人はたどたどしい日本語で、どうやら東南アジアの方のようです。 
3人とも下を向いて熱心に、作業内容が書かれた資料を読んでいました。
 すると、県立美術館分館前を通る時、突然3人が一斉に顔を上げて城や石垣の崩落現場を食い入るように見つめ出しました。3人とも言葉もなく、茫然とした表情だったのが印象的でした。
 美術館分館前から見る災害現場が、私達が最も真近に見ることが出来る城や石垣の崩落現場です。
この場所には毎日たくさんの人が訪れ、複雑な寂しげな表情で眺めている姿をよく目にします。

 かつては桜の季節になるとお花見スポットとして人気があり、とても賑わう憩いの場所でした。
結婚式の写真の前撮りなども一年を通して多い人気の場所でした。
今は非常に危険な場所になってしまい、立ち入ることが出来ません。
この場所を通る度に、すっかり変わり果てた無残な姿を見なくてはいけないことが、とても寂しくて辛くてなりません。何度見ても、見る度に胸が締めつけられます。

88. 癒し (2016.05.12)

 震災の被害の大きかった南阿蘇村の避難所前で、淹れたてのコーヒーを無料で振る舞う「Cafe(カフェ)おもいだち」があるという記事を目にしました。
カフェのオーナーは、南阿蘇村で3月中旬からキャンプ中に被災したという秋田市の加藤さん。加藤さんは今もテントで寝泊まりを続けているそうです。
 キャンプ用のガスバーナーとフライパンでコーヒー豆を煎り、手動のコーヒーミルで挽いて丁寧にお湯を注いだコーヒーを飲んだ避難者の方々は「ほっとする」と笑顔を見せていたそうです。

 この記事を読んだ時、私も震災後にすぐに再開したレストランでコーヒーを飲んだ時、心からほっとして寛げたことを思い出しました。
コーヒーの芳ばしい香りと深い味わいが与えてくれる癒し効果を実感しました。
 また、5月7日に再開したデンキカンで映画を観る時、「映画を観ている最中に強い揺れがあったら怖いな・・・。」という不安な気持ちを和らげてくれたのも1杯のコーヒーでした。
いつも通りにいつものコーヒーを飲みながら映画を観るということで、不安感を打ち消してくれました。

 コーヒーに癒されたり、救われたり、ということを実感しました。

87. 応援ソング (2016.05.11)

 ブログNo.68タイトル「てとてとて」 で書いた、シンガーソングライターKO-KOさんが作詞・作曲された「てとてとて」が熊本の応援ソングとして、youtubeで歌を聴くことが出来ます。

 「熊本地震テントプロジェクト」の活動をされるアルピニストの野口健さん、「案ずるより産むがやすし作戦」と名付けた、被災地での炊き出しの活動をされている有名レストランのシェフ奥田政行さん、熊本での炊き出しをパワフルに続けられた「国境なき料理団」団長の本道佳子さんなどの有名人の他、たくさんの熊本の方々が熊本の復興に向けた思いを書いたカードを手にして、穏やかに微笑んでいる姿が映し出されています。その中には私の知人もいました。みなさん柔らかないい笑顔です。
 KO―KOさんがピアノの弾き語りをされている姿もあります。伸びやかに澄み渡り慈しみのある歌声に包まれると、気持ちが安らかになります。素敵な応援ソングが出来ました。

 是非、一度聴いてみて下さい。
下記のアドレスをクリックすると、聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=vO9JVIFLkYI&feature=share

86. 感謝 (2016.05.11)

 2日間連続で雨が降り続き気持ちも沈みがちでしたが、今朝は雨も上がり大きな揺れを感じることもなかったので、とても安らかな気持ちで爽やかな朝を迎えました。今日は午前中、市役所に用事がありバスに乗って出掛けました。
バスの運転手さんのアナウンスがとても優しいことに、すぐに気が付きました。
ご高齢の方が下車する時には「いいですよ、お怪我のないようにゆっくりお降り下さい。」、そして下車する一人一人に「お気を付けて行ってらっしゃい。」と優しく言葉がけをするのです。ちょっとした思い遣りのある心遣いが胸に沁みます。

 市役所では「罹災証明書」の申請をする大勢の方で混雑していました。
被災箇所を撮影した写真やカラーコピー用紙を何枚も手にされて、市の担当職員の方に熱心に説明されていました。
 また、市役所の前には数台の自衛隊の車両が停まっていました。
給水作業はすでに終了しているのにどうしてかなと思っていたら、今日で全国から派遣されていた自衛隊が熊本から撤退するそうです。避難所では別れを惜しむ方々が多かったようです。
 給水、炊き出し、遭難者の捜索等々、災害現場の最前線で一生懸命に力を尽くして頂きました。
本当にお世話になりました。ありがとうございました。

85. ブログ (2016.05.10)

 今回の地震で大活躍したのがブログです。
震災後、多くの方々からご心配頂いてお電話やメールを頂きました。
県外の方はニュース番組を見て、とても心配して下さいます。
熊本県内でも被害の状況は、地域によって様々でした。
県外の方には事務所の被害状況を正確にお伝えするためと、記録として残しておきたいという思いから、今までよりもブログをこまめにアップするように努めました。
私はこまごまとした日常を書くことで状況や変化が分かるようにとの思いから、弁護士とは違う視点で書くようにしました。

 今朝も東京在住の友人から「あなたのブログを読むのが日課よ。よく状況が分かるよ。」と言われました。
県外の方に安心して頂くためにも自分自身のためにも、何でも注意深く観察して記録して行こうと思っています。

84. 工夫 (2016.05.10)

 震災後、数人の知人に断水とガスの供給が止まっていた時「食事をどうしていましたか?」と尋ねてみました。「カッセトコンロやホットプレートを利用して料理をしていた。」という方がとても多かったです。
 停電だけは免れたので、とにかく毎日ご飯を炊いてみんなに食べさせた・・・カセットコンロで焼肉をした・・・友人が味噌汁を作って、持って来てくれた・・・友人が魚屋さんなので、刺身を持って来てくれた・・・県外の知人から水や食料品が送られて来た・・・福岡まで買い出しに行った・・・料理する気力がなくて、避難はしていなかったけれど避難所に炊き出しを食べに行っていた・・・など、それぞれがそれなりに工夫していたことが分かりました。
 
 余談になりますが、「ドンキホーテ」が大量の水の販売をするために早期に再開したので有難かった、という話を聞きました。また大型店が軒並み被害が大きかった中で、比較的被害の少ないエリアにある「菊陽サンリー」が震災後早期に再開して、食料品の流通も早くて豊富だったそうです。
 そして、最も驚いたのは「子飼商店街」で本震直後も営業し続けた店があったということです。
凄い方がいるものです。一度会いに行ってパワーを少し分けて頂きたいです。
 震災直後の最新情報はテレビだけでなくツイッターだったり、ラジオのリスナーからもリアルタイムで情報が届けられていたのは貴重でした。

 今後のためにも、いろいろ参考になりました。

83. 若葉 (2016.05.10)

 今週の花のアレンジは、伸びやかな若葉と明るいヒマワリが目を惹きます。
ダイナミックに活けられた花たちは生き生きとして、元気を与えてくれます。

 昨日から多くの学校が再開しました。
京町地区には熊本大学付属小学校、中学校、京稜中学校があります。
久し振りに制服姿の子供達をたくさん見かけました。みんな楽しそうな顔をしていました。ニュース番組では、益城町の子供達がヘルメットを被って、元気そうに集団登校している様子が紹介されていました。道の端を歩くと危険な箇所も多いので、場所によっては道の真ん中を歩いたりして、かなり遠回りをして登校していました。それでも友達に再会できた喜びに満ち溢れた顔で、嬉しそうにしている姿が印象的で、微笑ましく眺めました。

 あいにく昨日から雨が降り続いています。今日は昨日よりも雨の降りが強く、雷も鳴り響いています。
雷に共鳴するかのように地鳴りも聞こえました。すぐに緊張感が高まり、一瞬、体が硬直しました。
大人でもこんなに怖いのです。子供達はもっと怖いだろうと思います。
子供達が怪我をしないように、事故に遭わないように、と願っています。

82. 鼓動 (2016.05.10)

 昨日は早朝と夜、2度も「震度3」の地震がありました。
特に夜9時前の地震は、4月14日の地震(午後9時20分頃発生)を思い出させました。地鳴りがして揺れが強く長かったので、感覚的には「震度4」に感じました。地震の直後、NHKの9時のニュースで「震度3」と発表されました。
とても恐くて心臓のドキドキがいつまでも治まりませんでした。
 今回の地震は地鳴りが凄いので、いつも耳を澄ませて注意深く感じ取るようにしています。地鳴りを感じると、大地が激しく鼓動しているように感じます。

 今朝も知人から連絡がありました。水を多目に備蓄しているそうです。
私も水をかなり多目に備蓄しています。水の確保は最も大切なことです。
2回も大地震を経験したのですから日頃から備えて、何があってもこれまでよりも少しは冷静に行動したいものです。

81. 老舗休業 (2016.05.08)

 新市街にある知人のお店「ハンク&ベティ」を、震災後はじめて訪ねてみました。震災直後の4月19日から、お店を開けていたと聞いて驚きました。
震災後、一時は新市街のアーケードは全面通行禁止でしたが、19日には一部解除されてアーケードの中央だけ通行出来るようになりました。
 元々プロパンガスを使用していたことと、水の復旧がかなり早かったので、震災後はカレーの炊き出しもされたそうです。店に灯りが燈っているのを見て来る人が、何人かはいたとのことでした。

 シェフとの雑談の中で、新市街にある「とんかつ勝烈亭」と「ふく泉」の話が出ました。地元の人だけでなく外国人観光客にも大人気の「とんかつ勝烈亭」は、建物が老朽化しており今回の地震で被害が大きかったので建替えることになりました。
新店舗が出来るまで、休業となるそうです。また、うどんの老舗「ふく泉」も地震の被害が大きく、再開の目途はたっていないそうです。新市街のシンボルのような老舗の飲食店が相次いで休業となってしまいました。
新市街が寂しくなります。

80. 鶴屋デパート一部再開 (2016.05.08)
 鶴屋デパートが5月14日(土曜日)、1階、地階1階、地下2階に限って再開することが決定しました。正面入口のシャッターに、再開を知らせる巨大なポスターが数枚展示してありました。再開日の5月14日は、前震から丁度1ケ月目となります。一部だけ再開はするものの、全館再開の見通しはまだ立っていないようです。
 鶴屋デパートの裏側は立入禁止区域となっていて、今日も巨大なクレーン車が配置されて作業をしていました。
79. 希望の灯 (2016.05.07)

 5月7日(土曜日)午前10:00、映画館のデンキカンが再開しました。
朝目覚めると、いつもの休日のようにまた再び映画を観ることが出来る、と思うと胸がワクワクしました。初回上映作品は「ロパートキナ 孤高の白鳥」、その後は「スポットライト世紀のスクープ」です。私は朝9時40分位にデンキカンに到着しました。デンキカンのある新市街は、震災直後は立入禁止区域となっていました。
毎週通っていた馴染みのデンキカンの入口を見ただけで、胸が一杯になりました。
2階のチケット売り場に行くと、マスコミが大勢待機していたので注目度の高さを感じました。

 デンキカンカフェの下山さんは今も御船町で避難生活を続けています。
今日は張り切って早朝からカフェにスタンバイされていて、晴々とした爽やかないいお顔をされていました。
避難生活が続く中、仕事がしたくても出来ないという状況が長く続き、さぞや辛く苦しかったことだろうと思います。今日は「スポットライト 世紀のスクープ」が大人気なので、カフェも大忙しだろうと思います。
毎週デンキカンでお見掛けする映画ファンの方々が、大勢来館されていました。
デンキカンの再開を、みんなが心待ちにしていたのです。

 夕方のNHKニュース(全国放送)でも、デンキカン再開のニュースが放送されました。
デンキカンの館主は、「たくさんのお客さんから、再開してくれてありがとう!という言葉を掛けられました。」と嬉しそうに顔を輝かせ語られていました。被害の大きかったシネコンが全く再開の目途が立たない状況の中、デンキカンの再開は希望の灯となりました。

78. 覚悟 (2016.05.06)

 5月5日発売、緊急復刊アサヒグラフ「九州・熊本大地震」~活断層の恐怖(定価580円)という本を読みました。本のサイズは、横23.5㎝×縦29.7㎝とワイド版となっています。特に被害の大きかった熊本城、南阿蘇村、益城町、阿蘇神社、米塚などは2ページに亘る見開きのカラー写真なので、強い訴求力があります。
建物は空撮で全体像を的確に捉え、人物にはぐっと近づき寄り添い、人間の温もりや感情までもが、ストレートに伝わってくるような凄い写真ばかりです。

 記者たちは、地震の最中に命懸けで暗闇の中を駆けずり回って必死に取材しています。その記事からは、災害現場の様子がリアルに伝わって来ます。記者たちが自分の五感を研ぎ澄ませて、瞬時にあらゆる変化を敏感に感じ取って予測したり判断して、素早く反応して動き出しています。どの記事も臨場感に溢れ、説得力があります。また、丁寧で細やかな取材を積み重ねることで、数多くの人間ドラマが胸に迫って来ます。記者としての使命感と覚悟を感じました。
 あらためて熊本地震に真正面から向き合わせてくれる、内容の充実した貴重な一冊となっています。
熊本地震を決して忘れないためにも、永久保存版として大切にします。

 本の後半部分のページに書かれていた「眠れない夜、祈りの朝」という言葉が、今の私の気持ちにぴったりです。今も「夜が怖い」、早く「朝が来て欲しい」、と毎日思っているのです。安心して眠れる夜は、一体いつになったら来るのでしょうか。でも怖がってばかりいては、日常は取り戻せません。
 本の巻末に「改めて自然災害について考え、覚悟と備えを徹底させましょう」と書かれていました。
「備え」は努力すればある程度は出来るかもしれませんが、「覚悟」は難しいです。突然襲ってくる災害時での「覚悟」とは、やはり日頃から考えておかなければいけない大切なことです。

77. こどもの日 (2016.05.05)

 昨日(4日)、私のいとこから大量のお菓子と野菜ジュースが届きました。
いとこに電話をすると「子供達にあげてね。」ということでした。
弁護士に相談して、大津町のホンダの体育館に避難されている、阿蘇立野地区の方々へお届けることにしました。

 初めてホンダの広大な敷地の中に入りました。
立野地区の100名程の方々が、ホンダの体育館に避難されています。避難者の中には、保育園の園児17名も含まれています。今日は「子供の日」です。子供達の好きないろんな種類のお菓子やジュースはとても喜ばれました。

 避難所に到着した時、昼食の炊き出しのアナウンスが流れました。
「今日のお昼は・・豚汁・・おにぎり・・唐揚げ・・アイスクリーム・・お菓子です。」と高齢者の方々にもしっかり伝わるように、意識的にゆっくりアナウンスしているのが分かりました。炊き出しも結構充実しているようでした。

 避難所からの帰り途、阿蘇方面を回りました。
アスファルトの道路には深い亀裂が至る所に入り、道がボコボコしていました。
弁護士が車を運転しながら阿蘇の山並みをじっと見つめ、「あぁ、こんな姿になってしまって・・・すっかり変わってしまった・・・」と寂しげにつぶやきました。そして、感極まって泣きそうな顔になり涙ぐんでいました。
弁護士は、阿蘇の風景を撮影することから写真をスタートしました。
阿蘇の山々、木々、草原、花、水・・・阿蘇の全てに深い深い思い出があるのです。
弁護士にかける言葉も見つかりません。

 昨晩から今日(5日)にかけて、阿蘇地方を中心に地震が頻発しています。
どうかこれ以上大きな被害が起きませんように、と願うばかりです。

76. シンプル (2016.05.04)

 今日、鶴屋デパートの本館の前を通ると、玄関口のタイルはきれいに修繕されていました。きっと深夜、急ピッチで修理したのでしょう。でもいまだに、閉館したままです。
 鶴屋デパートは、閉館しているデパートの外側の通路を利用して野菜や果物などを販売していました。また、下通りの旧ダイエー跡地前では食器類を販売していました。まさに、青空市場という感じでした。 
 今回の地震で、食器棚から食器が滑り落ちるように次々に激しく割れ落ち、メチャクチャに壊れました。殆んど食器がないという家も多いようです。アウトレットの食器の販売はタイムリーな企画だとは思います。
 しかし、今日も強い地震があり、一向に地震が鎮まる気配がないので、みなさん不安な思いを抱えていると思います。今すぐに、新たに食器を購入することには躊躇いがあります。

 夕方、友人から電話がありました。地震で食器棚が倒れたので、今は最低限の食器しか残っていないと言っていました。壊れた食器棚は、切断して処分したそうです。
料理がとても上手な方で、食器にもこだわっていた方でしたが「食器は数枚あればそれで十分。」と言い切っていました。私もお気に入りの食器やガラス製品の多くが割れてしまいましたが、新たに買い足す気持ちにはなれません。これからは、今ある食器を上手に使って、シンプルに暮らそうと思っています。

75. ひと安心 (2016.05.04)

 テレビのニュース番組で「水前寺公園の水が干上がった」と知り、心配で出掛けてみました。私は以前、毎週、水前寺公園のすぐ近くで習い事をしていた関係で、少し時間に余裕がある時には水前寺公園に行き、ベンチに座って風を感じながら静かに池を眺めるのが好きでした。「干上がった」と聞いた時には本当に驚くと共に、とても寂しい思いがしていました。

 是非一度、自分の目で確かめたいと思っていたので、今日(4日)水前寺公園に行くことにしました。
まず驚いたのは、水前寺公園の入口の鳥居の巨大な横棒がないことです。
参道を進むと、至る所に損壊した大きな石の灯籠が横倒しになって倒れています。
 恐る恐る公園内に入ると、一部干上がってはいるものの池に水があることに、ひとまずほっとしました。
給水ポンプで人工的に池に水を入れているそうです。池の周囲をゆっくりと一周してみました。
すると、干上がっている場所に近付くと干潟のような匂いがするのがともて気になりました。
 鯉がたくさん泳いでいる池のエリアの水量は豊富で、沢山の鯉が気持ちよさそうに泳ぎ回っていました。
元気そうな鯉を見ていると、何だかとても安心できました。
 いつもは観光客が少なくて閑散としている水前寺公園ですが、今日は私のように心配して訪れた人が多く賑わっていました。木陰でのんびり休む人や、鳩に餌をあげる人など・・・とても長閑な光景でした。

 「湧水の枯渇」という根本的な問題は何ら解消されてはいませんが、取り敢えず人工的であれ池に水があったことでひと安心しました。再び湧水が復活する日が来ることを願って、静かに見守りたいと思います。

74. カーネーション (2016.05.04)

 昨日(3日)は激しい雨、そして今日(4日)は朝から強風が吹き荒れています。
地震で瓦が損壊した屋根に、応急処置としてブルーシートを張っている家が多数あります。ブルーシートを土のうでしっかり固定している場合はよいのですが、紐で簡単に括りつけている家は今にもブルーシートが強風で飛ばされそうです。
外出する時には、ブルーシートや瓦が飛んでこないか、注意深く用心しながら歩きました。

 バスから見える熊本ホテルキャッスルの玄関口に、鯉のぼりが元気よく風に泳いでいる様子が見えました。熊本ホテルキャッスルは外壁の補修は全く手付かずの状態で痛々しいのですが、1階と地下1階にあるレストランが再開したので、玄関口からは温もりの感じられる灯りが燈っているのが見えます。

 昨日から、今日は水前寺公園に行こうと決めていました。
昼食は水前寺公園の参道にある「ロアジス」に行きました。
ロアジスは、5年前にオープンした時、偶然にも私が来店者第一号だったという不思議なご縁で、それ以来時々利用させて頂いています。今週月曜日(2日)から再開したそうです。震災後は、毎日温かいおにぎりの炊き出しをしていたそうです。店内は女性客で満席です。みなさん、話題は震災のことばかりのようです。
「自分の身にこんなことが降り懸かるとは思わんだったぁ・・・。」としみじみと話されているのが聞こえてきました。全くそのとおりです。みんながそう思っています。こうやって震災を振り返る心の余裕も少し芽生えてきているように感じました。帰り際、にっこり優しく微笑むマダムから、ピンク色のカーネーションを1輪プレゼントして頂きました。そういえば、もうじき「母の日」でした。すっかり忘れていました。
 働き者のシェフと細やかな優しい気遣いに溢れたマダム。
美味しい料理と素敵なプレゼント、ありがとうございました。

73. ひょっとこ踊り (2016.05.03)

 朝8時、博多駅の地下にあるシアトルコーヒーショップでコーヒーを飲み終えると、ひょっとこのお面を手にして、真っ赤な法被を羽織ったご高齢の男女6名に遭遇しました。今日(3日)と明日(4日)開催される「博多どんたく」の祭りを盛り上げるために、駅前に設置された舞台のイベントで、これから「ひょっとこ踊り」を披露されるそうです。よく見ると、ひょっとこのお面は全て違う愉快な表情をしています。
 踊り手の方々の年齢は70代後半位でしょうか、みなさんユーモラスなひょっとこのお面に負けないくらい、明るい笑顔でいい表情をされています。ちょっとした仕草や動きも軽快で、溌剌とされていてお元気な方々でした。休日の早朝、まさかひょっとこ踊りの方々に出逢うなどとは全く想像もしていなかったので、
「何て、ラッキーなんだろう。」と思い、とっても楽しい気持ちになれました。

早起きするといいことに出会えます。
早起きして本当に良かったです。

72. 祝!デンキカン再開  (2016.05.03)

 私は連休を利用して、映画を観るという目的のために福岡へ行きました。
震災後、熊本にある全ての映画館が閉館するという状況が続いていたからです。福岡の「KBCシネマ」という映画館は、熊本のデンキカンとラインナップが似ていて、良質な映画を上映すると聞いたので、初めてKBCシネマで映画を観ました。
 KBCシネマはこじんまりとしていて、入館するとすぐにチケット売り場、小さなロビーがありました。ひと昔前の映画館という印象です。
 チケット売場で、見るからに堅そうなポップコーンを販売しているのが気になりました。私の不安は的中しました。映画の上映中、私の後方の席の方がポップコーンをずっと食べ続けているのです。普通のポップコーンよりもかなり歯応えがあるらしく、ひと噛みする度に大きな音が響き渡るのです。「さざなみ」というしっとりとした静かな映画を観たのですが、ポップコーンを噛む音が気になって、映画に集中出来ませんでした。
 シネコンなどではポップコーンの販売は当り前ですが、良質な映画を上映する映画館としての誇りを持って、ポップコーンの販売をするのは止めて欲しいと思いました。また、椅子の座り心地も悪く、椅子の頭の部分に分厚い透明なビニールシートを被せてあったのも気になりました。

 他県の映画館で映画を観ることで、いかにデンキカンが映画を鑑賞する環境が整っているか、充実したラインナップで満足度が高いのか、などを改めて再認識する機会となりました。
 そして、「やっぱりデンキカンで映画を観たい。」と思う気持ちがより一層強くなりました。
毎日、デンキカンのホームページで再開がいつ頃になるのかをチェックするのが日課になっています。
今朝もいつものようにホームページをチェックすると、「今週の土曜日に、まずは2階だけ再開します。」と正式発表されていたので「よかった!」と思いました。これで、わざわざ福岡まで行かなくても熊本で以前のように映画を観ることができます。但し、地震で揺れが酷い時は上映中止だそうです。また、夜間に地震が頻発していることを考慮して、夕方には上映は終了するそうです。
 それでもいいです。熊本で、デンキカンで、映画を観ることが出来るのなら。
 ただ、それだけで十分、うれしいのです。

71. 義援金 (2016.05.03)

 阪急デパートの入口に、熊本の復興を祈る言葉が掲げられていました。
また、プリンのショップには「頑張ろう!熊本」という手作りの横断幕や大きなポスターが貼られていました。あまりにも横断幕やポスターが大きいので、はじめは一体何のショップなんだろうと思いました。商品のプリンがあまり目立たないほどです。
オーナーは熊本出身者なんでしょうか・・・、強い思いが伝わって来ます。

 また、天神の三越前では大勢の女子高校生が、「私達が必ず届けます!」と熊本地震への義援金を募っていました。イムズ前では中高年の方々が、歌声喫茶風にギターを弾きながら歌って、やはり義援金を募っていました。そんな光景をあたたかな気持ちで眺めていましたら、タクシーの運転手さんから、博多の駅前で中学生3人が自分達のお小遣い稼ぎのために、義援金と称してお金を集めて警察に補導されたという話を聞きました。また、熊本で被災したと嘘をついて寸借詐欺をする人の話も聞きました。
 義援金詐欺事件は、これから益々多くなることでしょう。十分注意をしなければいけないと、改めて思いました。

70. 奮闘 (2016.05.03)

 連休を利用して福岡へと。
福岡駅前に新しくオープンした丸井へ行ってみました。
1階に、九州初出店のオシャレなショップを多数集約させているのが大きな特徴です。今、注目のシリアルのショップは、シックなトーンでとても目を惹きます。
 私が最も注目したのは、可愛らしいキュ―ブブレッド(正方形の小さなパン)のショップです。
キューブブレッドをスライスした上に色鮮やかな野菜を載せたり、カラフルなスイーツ仕立てにしたり、新感覚でオシャレなのでパーティやプレゼントとしても最適だと思いました。
ディスプレイの仕方も斬新で、とても洗練されています。ずっと見ていても見飽きないほど新鮮でした。

 2階に行くと、ひと際大勢の人で埋め尽くされているショップがありました。
近付いて見てみると、何と、熊本から新たに出店した「きなこーや」でした。
本店は新屋敷にあります。以前も大丸デパートから出店しないか、と打診されたことがあるそうです。
店名からも分かるように、きな粉を使ったヘルシーな和菓子が中心のお店です。
それにしても物凄い人気なので驚きました。
 福岡の激戦区で、熊本のショップが奮闘していることを嬉しく思いました。

69. 記憶 (2016.04.30)

 震災後、初めて花畑町、辛島町、新町へと行き、お月山公園沿いの坂道を登り、二ノ丸公園の駐車場を抜けて、二ノ丸公園に行きました。通常は、辛島町から坂道を登って熊本城に向かうのですが、立入禁止となっていました。熊本城周辺は至る所が立入禁止区域となっているので、遠回りをして二ノ丸公園にやっと辿り着きました。

 二ノ丸公園では、カラフルな色のテントを張っている人が何人かいました。
運動をしている人や、シートを敷いてピクニックをしている人達もいました。   
二ノ丸公園から見える熊本城を撮影している人も数多く見受けられました。
でも、私は写真を撮る気には全くなれませんでした。
二ノ丸公園から眺める熊本城の全景や、私が最も馴染みがあり好きな場所である「薬研堀」(やげんぼり)の、あまりの変わり果てた無残な姿に絶句し、気持ちが暗く重く沈みました。

 「薬研堀」には小さな池があり、美しい木洩れ陽の下、広い空地ではYMCのサッカークラブの幼い子供達がよくサッカーの練習をしていました。その光景をいつも微笑ましく眺めていたものです。
 また、何かあると足繁く通い、お祈りをしに行っていた加藤神社は、この「薬研堀」の先にあります。
やはり立入禁止となっていて、当分は立ち入ることが出来なくなりました。
加藤神社が直ぐそこにあるのに行けないというもどかしさ。
寂しく切ない思いを抱きながら、再び、二ノ丸公園から新町へと戻りました。

 自分の足で歩いたこと、自分の目で見て感じたこと、その時の感覚や感情を決して忘れないで心に刻み、記憶しておこうと思いました。

68. てとてとて (2016.04.29)

 これまでにもブログで何回かご紹介させて頂いているシンガーソングライターのKO-KOさんは、今回の地震で最も被害の大きかった益城町にお住まいです。
体調を少し崩されていると聞いていたので、ずっと気懸りで心配していました。
今日、やっとお見舞いに行って来ました。KO-KOさんは午前中お散歩をされて体調が良さそうで、いつもと同じ明るい笑顔だったので安心しました。
 KO-KOさんが作詞作曲した「てとてとて」という歌が、熊本地震で被害に遭われた方々の心に寄り添うような優しい歌なので、復興ソングとしてぴったりだという話になりました。被災された方々の心を少しでも癒せるのなら、多くの方々に歌って欲しいとのことです。震災で傷ついた心を優しく包みこんでくれるような心地よさが感じられ、心がとても安らぎます。

てとてとて(作詞・作曲 KO-KO)

あなたの笑顔 あなたの泣き顔 あなたの声を わたしの命を

手を繋ぎ合えたのは 偶然それとも運命
ひとすじの光に 導かれながら 辿り着いた

澄み渡る青い空 流れゆく白い雲
花も鳥達も 生きるチカラを 与えてくれる

♪I belive myself てとてとて 繋げば
 Love my friends 1人じゃないよ
 みんな そばにいるから
 あなたのその手 信じてごらん
 てとてとて 繋ごうよ

孤独に泣いた夜も 明日が見えなくても
希望に満ちた 新しい朝が 迎えてくれる
嬉しい事 悲しい事 揺れ動くココロ
光と影に 試されながら 生きて行くわ

♪信じた人生(みち)を歩こうよ
 てとてとて 繋ごうよ

♪輝く人生(みち)を歩こうよ
 歌を唄って歩こうよ
 てとてとて 繋ごうよ
 てとてとて・・・・繋ごう

67. 熊本地震復旧応援ランチ (2016.04.29)

 夕方のテレビ「くまパワNEWS」の特集は、「国境なき料理団」の本道佳子さんが益城町で炊き出しをする様子を密着ルポしていました。御船町のカフェ「しましまの木」で、支援の野菜だけで彩りの美しい料理を作っています。
素材にこだわった手作りの温かい食事で「心と体を元気にして、みんな笑顔になって欲しい。」という願いを込めているそうです。
 本道さんは「風が吹いても復興に向かうし、熊本の人は熱いですから。」と語られていました。

 なお、明日(30日)は御船町のカフェ「しましまの木」で、熊本地震復旧応援ランチが開催されます。
時間は①12:00~1:30②2:00~3:30の2回開催されます。
各限定50名(先着順)。
無料で野菜料理がたっぷり頂けます。
避難生活が続いて栄養不足の方は、是非ご参加下さい。

66. ライフライン復旧 (2016.04.29)

 震災後、電気・ガス・水道などのライフラインのうち、ガスの復旧が最も遅れていました。事務所のある京町地区は、西部ガスのホームページで確認すると今日が復旧予定日となっていました。朝からいつ来るのかと心待ちにしてソワソワしていましたら、朝10時頃、西部ガスの車を発見したのでほっとしました。

 作業員の方々は、全国のガス会社17社から応援に来ています。
4600人態勢で1軒ずつ点検作業を進めています。事務所の点検に来られた作業員の方も広島から応援に来られた方でした。熊本で宿泊施設を確保するのが困難な状況なので、大宰府の宿泊施設からバスで熊本まで通っているそうです。
1人の作業員の方が、1日20軒程復旧作業を担当されているそうです。
 昨日の時点で復旧率が9割を超えて、明日(30日)で完全復旧となりそうだとのお話しでした。
 慣れない地での作業でお疲れでしょうに、終始笑顔の感じの良い作業員の方でしたので、事務所の駐車場に作業用の車を終日停めて利用して頂きました。各家庭の方々が作業員の方々に、うれしそうに感謝の言葉をかけていました。

 これで安心して暮らせます。作業員の方々、ありがとうございます。

65. 鶴屋 (2016.04.28)

 震災後、初めて「鶴屋」デパートの前を歩きました。

 鶴屋の入口付近のタイルが全くない状態だったので驚きました。
また、地震の時スプリンクラーが誤作動して店内が水浸しになった、とも聞きました。鶴屋デパートの全館再開がいつ頃になるのか、全く予想がつきません。

 熊本で唯一の貴重なデパートが閉店したままなんて・・・とても寂しいです。

64. 活用 (2016.04.27)

 震災後、弁護士の同期の先生(過去に震災を経験されたことがある東北在住の弁護士)から多額のお見舞金が送られて来てビックリしました。これはきっと「本当に困っている方々のために、自分の代わりに坂本から届けて欲しい。」という願いが込められているのだろうと思いました。

 先日「最期の晩餐 食事会」を開催されましたF医院の院長のFacebookを拝見しました。震災後、病院内は「野戦病院のようになっている」と書かれていました。院内の様子を撮影された写真からは、震災直後の混乱ぶりがリアルに伝わって来ました。また、「国境なき料理団」の本道さんがお忙しい中4月24日に来熊されて、益城町に出向いて炊き出しをされている様子も紹介されていました。
炊き出しでは何と、味噌汁を500杯も振る舞われたそうです。やはり、本道さんはパワフルです。凄いです!
 本道さんは5月3日まで熊本で炊き出しをされる予定だそうです。

 きっとF医院なら困っている方々のために、お見舞金を大切に活用して下さるだろうということになりました。同期の先生から届けられたお見舞金と共に、弁護士もお見舞金をF医院に寄附することにしました。そして、多忙な弁護士の代理として私がF医院まで直接お見舞金をお届けに行きました。
F先生は診察中でしたので、マダムに事情をお話しして確かにお届けしました。
  マダムのお話しでは「今度の日曜日に、本道さんが中心となって熊本の野菜をたっぷり使用した炊き出しを計画しています。」ということでした。被災された方々に野菜をたっぷり食べて頂きたい、との思いから計画されたそうです。このようなお話しを聞けただけでも、御船町までお届けに行った甲斐がありました。

 帰り途は御船町から益城町へと。
長閑な田園風景がどこまでも広がり、レンゲ畑に心が和みました。

63. 「Gamadasu!!」(ガマダス) (2016.04.27)

 熊本で唯一、良質な映画を上映している老舗映画館のデンキカンが、再開の見通しが立たない状況が続いています。
 デンキカンに併設されているデンキカンカフェ(珈琲しもやま)も、再開の目途がたっていません。また、下山さんは被害の大きかった益城町の近くの御船町にご自宅があり、現在も車中泊をされているそうです。長身の下山さんにとって、車中泊はさぞや辛いだろうと思います。

 下山さんはツイッターとFacebookを通じて、毎日、近況報告を発信し続けています。
 そんな下山さんが「Gamadasu!!」(ガマダス)という名前のドリップバッグコーヒーを製造しているということを知り、早速購入することにしました。
「Gamadasu!!」(ガマダス)とは、熊本の方言で「頑張る」という意味です。
復興支援コーヒーとして製造されたそうです。
 さすが感性抜群の下山さんらしく、パッケージの色やくまモンと熊本城をレイアウトしたシールにもセンスのよさが光ります。ちょっとしたさり気ないプレゼントとしても最適です。

 なお、ご購入を希望される方は下山さんのFacebookをご覧下さい。

62. トラウマ (2016.04.27)

 以前よりも余震の回数は減ったものの、突き上げるような不気味な感じの余震が一向に鎮まりません。私の知人は被害が大きかった地域にお住まいの方なので、「夜が怖いよ」、「朝が来た、よかった!」などと毎日ツイッターで発信されています。2回の大地震がいずれも夜に発生したので、そのことがトラウマになっているのです。私も夜になると「今晩は大丈夫だろうか・・・」と不安になり、恐怖心に襲われます。毎晩「大きく揺れませんように。」、「朝までぐっすり眠れますように。」と祈ってから眠るのが習慣となっています。

 最近、避難をされている方の家ばかりを狙う窃盗が頻発していたり、不必要な高額商品や大量の品物を、個人のFacebookを通じて支援物資として要求する義援金詐欺まがいの被害も発生しています。また、破損した瓦屋根やブロック塀の修理工事代金として高額な請求をするという事案も数多く見受けられるようです。甚大な被害が発生すると、必ず被害に便乗していかにして人を騙してお金儲けをしようかとそんなことばかり考える人がいます。今後も詐欺まがい事件は増え続けることでしょう。一人一人が冷静に対応し、正しい判断をすることが求められます。

61. 移ろい (2016.04.25)

 先週の花のアレンジは勿論お休みでした。今日も花が届くのだろうかと心配していましたが、午後届きました。
 震災後、初めての花のアレンジです。花を活けた方の想いを、心して受け止めようと思いながら花をしばらく眺めました。
 スックとし、凛としていて、白い大輪のユリが気高さを感じさせます。そして、淡いピンク色の紫陽花が忘れかけていた季節感を呼び醒ましてくれるようです。
4月もあとわずか・・・もうじき風薫る5月です。

 四季の移ろいを楽しむ、という心の余裕を再び取り戻せたような気がします。

60. 活気Ⅱ (2016.04.25)

 鶴屋デパートの本館の営業再開の目途がいつまでもたたない状況の中、昨日から東館だけ営業を再開しました。お昼の休憩時間に行ってみました。通常は東館は洋服と雑貨を販売しています。1階の通路と地下1階の駐車場までの連絡通路を利用して、野菜・果物・生鮮品・お菓子などの食料品を販売していました。大勢の人が詰め掛けて大賑わいでした。やはり鶴屋が営業を再開するのはうれしいです。買い物をする人達も笑顔がこぼれます。

 下通りを散策すると楽しい感じのするBGMも流れていて、大勢の人が行き交っていました。普段よりも人出が多いように感じました。
 帰り際、上通りの有名な熊本ラーメンの店の前を通りました。
店内は満席のようです。この店もいつも通りの賑わいです。
今日から開店している店の数が一気に増えました。

 街にいつもの活気が戻って来ました。

59. 元気です! (2016.04.25)

 震災で断水が何日間か続いたので、 事務所のガーデンの花が全部枯れてしまうのではないだろうかと随分心配しましたが、大丈夫でした。

 どの花たちも元気で生き生きとしています。
 水を数日間与えられなかったことで、より一層、強くたくましくなったような気がします。花も人間も同じだなと思います。

 愛しい花たちも、みんな元気です!

58. アリエル王子 (2016.04.25)

 昨日の早朝、NHKのニュース番組を見ていましたら、タイの人気ミュ―ジシャンがかつて日本の映画に主演したので、熊本地震への募金活動をされているということでした。タイの方が主演した映画とは一体どんな映画だったのだろうか・・・しばらくと考えていましたら、何と、昨年夏に公開された熊本・タイ国際共同制作映画「アリエル王子と監視人」でした。私も映画が公開された時、すぐにデンキカンで観ました。
 主演のアリエル王子を演じたチャ―ノン・リクンスラガシさんは、タイやアジアで活躍する人気バンドのミュージシャンです。ライブ会場で募金活動をされている姿が紹介されましたが、映画で観た時と同じチャーミングな笑顔が印象的でした。映画がご縁で、タイの方たちまで募金をして下さっているのはありがたいことです。

 なお、昨年の事務所ブログNo.78「映画への旅」に、映画の感想を書いております。

58. 支援物資 (2016.04.23)

 今日は弁護士が大津町の小学校に避難されている方々へ支援物資を寄附すると言うので、お手伝いのために弁護士に同行させて頂きました。
 「救援物資」を載せて全国から派遣されて来た自衛隊のジープや、工事用の大型車両が何台も慌ただしく道を行き交います。普段とは全く違う見慣れない異様な光景に途惑います。

 大津に行く途中、今回の地震で最も被害の大きかった益城町を通りました。
弁護士に「ここから益城町だよ。」と言われた途端、急に喉元が苦しくなりました。すぐに胸がドキドキしだして、胸が締め付けられるような感覚に襲われ、体が硬直しました。テレビで何回も繰り返し見た悲惨な光景が延々と続きます。直視するのが辛くて仕方ありませんでした。益城町の復興には一体どれ位の年数がかかるのだろうか・・・と思うと気持ちが暗く沈みました。

 そして、大津町町民の避難先になっている小学校に到着しました。
大量の支援物資を届けると、職員の方から大変喜ばれました。重苦しかった心が、少しだけ軽くなりました。

57. お礼 (2016.04.23)

 今回の「熊本地震」に際しまして、多くの皆様方からお電話やメールを頂きました。現在の時点での、お電話やメールを頂いた方々の一覧表を作成してみました。物凄い数です。対応し切れないほどの件数の多さに驚きます。

 あらためて作成した一覧表を眺めてみますと、皆様方の温かいお気持ちがひしひしと伝わって来ます。心よりお礼を申し上げます。

 本当にありがとうございました。

56. 活気Ⅰ (2016.04.23)

 今日もお昼の休憩時間を利用して繁華街を散策してみました。
まず、バスを降りてすぐに目を惹いたのは老舗の「熊本ホテルキャッスル」の無残な姿に茫然としました。外壁の至る所に亀裂が入っています。客室の窓ガラスには所々ブルーシートが張られています。ホテルの名前の看板の上に誇らしげに掲げられた「おかげさまで55年」と書かれた文字が痛々しく感じられました。

 熊本の繁華街の中心的存在であり、熊本で唯一のデパートである「鶴屋」は再開の見通しが立たないのか今日も閉店していました。「鶴屋」は繁華街のシンボルです。「鶴屋」が再開しないと繁華街には活気が戻って来ません。誰もが一日も早い再開を待ち望んでいるはずです。

 下通りを散策していると、数人の人達が輪になってお互いの無事を喜び合い、抱き合ったり手を握り締めたりしている光景があちらこちらで見受けられます。みんさん素敵な笑顔です。
とてもいい光景で、心が和みます。

 上通りでは老舗の肉屋さんが店舗の前で、作りたての本格的な味わいのお総菜や新鮮な野菜を販売していました。通りを行く人々が次々に買い求めて行き大盛況です。美味しいものを食べると元気が出ます。私もお総菜を購入しました。

 こうして繁華街は徐々にではありますが、確実に活気が戻りつつあります。開店している商店の数も日毎に増えて行っているのがよく分かります。きっと、来週からはもっともっと活気が出るのだろうと思います。

55. 心遣い (2016.04.22)

今朝、顧問先の保険会社の方が2人来られました。
車に大量の支援物資を積み込み届けて下さいました。
カップラーメン・アーモンドチョコレート・体拭き・水のいらないシャンプー・味のり・鯖の缶詰・保存用ご飯・トイレットペーパー・お茶・水・レトルトカレー・給水用の大型ポリタンク・スプーン・箸・紙皿などです。

 19日(火)にも水を頂いたばかりでしたのに、本日22日(金)にも2回に亘りきめ細やかなご配慮を頂きまして、大変恐縮しています。

 皆様方も大変な時に、お心遣いを頂きまして本当にありがとうございます。

54. 絆 (2016.04.21)

 今朝、弁護士の同級生から連絡がありました。
被害の大きかった西原村に住む2名の同級生が、水がなくて困っているとのことでした。その話を聞いた弁護士は、電話を切るとすぐに事務所にストックしていた水3箱・市役所で給水して来たポリタンクに入った水・果物などを車に積み込み、西原村へと向かいました。こういう時だからこそ、同級生の絆の強さを感じます。

 今日は朝から雨も激しく降り続き、余震も何度も続いています。
被害が大きかった西原村は地盤も緩んでいますので、立ち入ることはとても危険なことです。
 弁護士が事故に遭わないように、怪我のないようにと、無事を祈るばかりです。

53. 日常 (2016.04.20)

 お昼休みの時間を利用して熊本市の繁華街、下通りと上通りを散策しました。
 繁華街の入口に大きなクレーン車があり、ビルの2階にある美容室の大きな窓ガラスの補修工事をしていました。また、至る所に規制線が張られています。繁華街にあるほとんどの商店は休業していました。どの店も早期の開店を目指して、震災の被害の後片付けを一生懸命していました。

 そんな中、下通りにある八百屋さんが営業していました。店内にはいつもと変わらない新鮮な野菜が沢山並んでいました。ここ一週間、水のペットボトルとおにぎりばかり目にしていたので、とても新鮮でした。そこにはいつも通りの日常がありました。「いつも通りの普通の生活に戻れる。」そう確信して、ちょっとほっとしました。

52. 断捨離 Ⅱ (2016.04.20)
 今日は、事務所の西側の塀に亀裂が入り塀が建物に倒れ掛かり危険な状態なので、塀を撤去する作業がありました。
 震災直後で多忙な中、ご配慮を頂いてすぐに撤去作業をして頂きました。
長さ20m程ある塀を、少しずつ粉砕して行きます。
とても大変な作業です。
撤去作業は、朝から夕方までかかりました。
塀を撤去後は見通しがとてもよくなりました。  
  
 本当は最初から塀は必要がないものだったような気がします。
人間関係も建物も、風通しがとてもよくなったような気がします。
51. 断捨離 Ⅰ (2016.04.20)

 今週は震災の影響で急遽、裁判が全て延期になりました。
弁護士はこの機会を逃したら二度と出来ないとばかりに、早速「断捨離」を実行しました。「本震」の影響で重い書棚が動いてしまったのを元通りにするために、一度大量の本を書棚から出さなければいけません。そこで、思い切って不要な本を大量に処分しました。月・火・水と3日間かけてやっと本の整理が完了しました。
大変な労力を要する大仕事でした。

 本の整理がほぼ完了した時、弁護士が「まるで初めての頃に戻ったようだ。」とつぶやいていました。きっと弁護士になったばかりの頃の初々しい気持ちを思い出していたのだろうと思います。最小限の必要な本だけになり、書庫の中はとてもスッキリとして見やすくなりました。書庫が新たに生まれ変わったように見えて、清々しい気分です。

 今週中に事務所内の整理を終えて、来週からは心新たにして通常業務に取組みたいと思っています。

50. 感謝 (2016.04.19)

 1回目の地震があった翌日、朝一番でネットでアスクルに水の注文を大量に入れました。その後、本震が発生したので、恐らく届かないだろうと諦めていました。
 ところが、本日(19日)午後に届いたのでびっくりしました。すぐに、弁護士が近隣の方々(7軒)に1ケースづつ差し上げました。

 ずっと断水が続いていて不自由していましたが、お昼頃、事務所には水が通水されるようになりました。少し濁っていて匂いもありますが、近隣の方々はまだ水が出ないということでしたので、「事務所の外にある水栓を自由に使用して下さい。」と言いました。久し振りに水が流れる様子を眺めていると幸せを感じます。

 早速、ガーデンの花たちに水を少しずつ優しくかけると、花たちは一気にみずみずしく生き返ったようになりました。

 今回の震災では、水の有難さを心底感じました。水に感謝です!

49. リセット (2016.04.18)

 4月14日に大地震が発生して、熊本では翌15日から断水になってしまいました。15日に植木町にある立寄り湯が営業しているという情報がありましたので、植木町の「星の湯」へ行きました。そして、16日は山鹿温泉「さくら湯」に行きました。植木も山鹿もどちらの温泉もいつもと変わらない豊富な湯量でした。
熊本市では断水していて水はとても貴重なので不思議な気分でした。
 熊本でも地域によっては地震の被害をあまり受けていないのだということがよく分かりました。

 山鹿のさくら湯の入口には湧水が湧き出ていて、多くの方々が沢山のペットボトルや給水タンクを持参されて自由に水を汲んでいました。熊本市内では水の確保のためにあちこちのコンビニを探し回って苦労しているのが嘘のような、何とも長閑な光景でした。疲れた心と体を癒してくれる温泉。ちょっと遠出をしただけで、気軽にリックスできる場所があります。熊本市内でもばってんの湯や城の湯が営業を再開したそうです。
 こんな時だからこそ、心と体を一度リセットするためにも必要な時間だと思いました。

48. 願い (2016.04.16)

 昨晩の地震は前日の地震よりも揺れが激しくて、とても怖かったです。
今朝の新聞では昨晩の地震が「本震」で、阪神大震災と同規模とのことです。 本震により事務所の重い書庫が移動していたので、いかに地震の規模が大きかったのかを再認識しました。
 また、事務所入口のアプローチや塀などにも大きな亀裂が入りました。でも今回の本震でもやはりパソコンは無事でした。パソコンに被害が生じると仕事に支障をきたすので、本当に良かったです。

 今日は夕方から事務所の近所にあるセブンイレブンが開店するという情報が入ったので行きました。約1時間程、行列に並びました。入店は混乱を防ぐために、数人ずつに制限されていました。カップ麺は1人1個、水は1人1本、お弁当やおにぎりも1人1個、と厳しく制限されていました。今朝から断水になっているので、ご飯や飲み物は貴重です。とてもありがたかったです。

 今日は少し地震の回数が減ったように感じます。
一日も早く地震が鎮まって、いつも通りの穏やかな生活に戻れますようにと心より願っています。

47. 祈り (2016.04.15)

 昨晩の地震の影響で、事務所の打合せ机の大きなパーテ―ション(間仕切り)が倒れていたので驚きました。事務所には大型の書庫がいくつもあるので倒れていないか、大量の書籍が散乱していないか心配でしたが大丈夫でした。
そして、最も心配していたパソコンも倒れていなかったので安心しました。

 今朝は気持ちのよい晴天となりました。
昨晩の出来事が嘘のようです。事務所も通常通り業務をしています。
電気・ガス・水道のライフラインに影響が出ていないことがありがたいです。
 また、たくさんの皆様方からご心配して頂きましてメールやお電話を頂いております。心よりお礼を申し上げます。

 余震の回数が100回を超えると言う異常な事態で、上空には被害状況を調査するヘリコプターが絶え間なく旋回しています。被害の大きかった益城町を中心とする方面にお住いの皆様方、不安な日々が続きますがみんなで声を掛け合って元気を出して下さい。地震が静まり、これ以上被害が大きくならないことを心より願い、祈っております。

46. 「espresso」(エスプレッソ) (2016.04.14)

 昨日、月刊誌「くまもと経済」のM記者から突然連絡がありました。くまもと経済が発行している「」(エスプレッソ)という雑誌の5月号で「大人のアクビティ」という特集をするので、弁護士の趣味の写真について取材させて頂きたいとのことでした。
 M記者は、以前、弁護士が熊本県弁護士会の会長に就任した時、取材に来て下さった方です。その時、弁護士が趣味の写真について話したことが印象深かったようで、今も覚えていてくださったのです。

 「espresso」(エスプレッソ) は、熊本クオリテイライフ応援マガジンとして、「濃厚で味わい深い大人の時間」を基本コンセプトに、「人生をもっと面白く、豊かに過ごしたい、上質な価値のあるものを選びたい」そんなワンランク上のステージを嗜好する大人のためのライフスタイル応援マガジンを目指しています。大人のOFF TIMEを楽しむ情報誌として2007年10月に創刊し、春と秋の年2回の発行されています。

 昨日の夕方、M記者が事務所を来訪されて、特集記事についての説明とおおまかな打ち合わせをしました。後日、カメラマンを同行されて、実際に弁護士が写真撮影をしている様子などを取材するようです。 どんな内容になるのか今から楽しみです。

 その後のご報告です。
 4月19日、M記者より連絡がありました。震災後の企画として相応しくないということで、今回の企画は中止となりました。妥当な判断だと思います。またいつの日か、このような企画での誌面作りが出来る日が来るといいのですが。

45.映画への旅(6) (2016.04.13)

1.「火の山のマリア」(グァテマラ・フランス映画)
 中米メキシコの南に位置する古代マヤ文明の原郷、グァテマラ高地の先住民を描いた映画です。グァテマラというとすぐにコーヒー栽培のことが思い浮かびますが、火山・地震・温泉などでも有名で阿蘇と似たような風景が広がります。
 映画の主人公マリアは17歳。未婚ですが妊娠が発覚したことにより、公的機関が関与した赤ちゃん誘拐事件に巻き込まれます。スペイン語が話せないというハンディにより、理不尽な不利益を蒙ります。マヤ族の先住民の極貧生活、差別問題などがドキュメンタリータッチで描かれています。監督はグァテマラ生れで、電気・ガス・水道もなく教育も満足に受けられない劣悪な環境の中で暮らす先住民の暮らしぶりを熟知しているからこそ、先住民の抱える社会的問題点をリアルに描けています。

 私がこの映画を観て印象的だったのは、火山の麓に暮らす先住民の自然に対する畏敬の念です。黒い砂地の上に座り込み、自然を敬い祈る時の母とマリアの2人の姿の美しさが印象的でした。そして、極貧生活であっても逞しく生きる母と無口だけれど意思の強い娘との濃密な母娘関係も印象深かったです。母と娘の絆が深く強いと感じるシーンが数多くありました。どんなに時代が変わっても、母と娘の関係は変わることなく濃密であることに正直驚きました。
 主人公のマリアは無口で表情の変化に乏しい女性ですが、その胸の内にはふつふつと燃え滾るような熱い想いを抱きながら「必死に生きているのだ」ということは確かに伝わって来る映画でした。

2.「99分、世界美味めぐり」(スウェーデン映画)
 映画のタイトルは上映時間が99分なのでこのようなタイトルを付けたようですが、映画の内容的には美食巡りよりも美食巡りをする原題の「FOODIES」(フーディーズ)を追ったドキュメンタリー映画なので、映画のタイトルは原題の方が相応しいと思いました。
 「FOODIES」とは美食家、食いしん坊、食い道楽などを意味します。世界中のミシュラン三ツ星レストランを食べ歩く、個性的な5人のFOODIES。人気フードブロガーでもあります。年齢、経歴、人種など様々です。
 私など一生食べることが出来ない名店の数々が紹介されます。経済的、時間的余裕と、食べることに対する熱い情熱を抱いていることも重要です。5人のFOODIESのうち3人は社会的な成功者で、1人はタイの裕福な家庭に生まれ育った学生、そして香港の普通のOLです。
 興味深かったのは3人の社会的成功者は貧困層出身者で、子供時代は貧しい食生活を送っていたということです。だからこそ美味しいものに対する欲求が人一倍強いのかもしれません。

 私が最も印象深かったシーンは、裕福な家庭に育ち13歳から外国に留学している青年が、学生の身分ながら贅沢な美食巡りの果てに辿り着いたのが、中国の山奥にある伝統的でシンプルな中華料理だったことです。「最も美味しい。」、「涙が流れるほどだ。」と感嘆の声をあげ感激した様子を見ていたら、人はどんな美食よりもやはり懐かしい家庭的な味が恋しいし、心底美味しいと感じるものなのだろうと思いました。観ていてほっとするシーンでした。
 溜息の出るような美しく美味しそうな美食の数々を眺めるのも楽しいですが、そのことよりもやはり個性的な5人のFOODIESの姿を追った異色ドキュメンタリーとなっていたのがとても興味深く面白かったです。

44. 最高の晩餐 (2016.04.12)

 本日夕方、RKKテレビ「JUST」というニュース番組で、先日開催されました「最期の晩餐 食事会」が特集されました。
 食事会の発案者である藤岡医院の薬剤師で心理療法カウンセラーのマダムは、「タイトルだけ聞くとネガティブに思うかもしれませんが、みんなで食事を共にすることで病気になった今までの自分と決別して欲しいです。」、「食を通じて生きる活力を取り戻して欲しいです。」、「今、生きることに焦点をあてています。」、「末期がん患者の方は食べたくても食べれません。いつもは家族と別々の食事ですが、家族と一緒に楽しく食べてもらう機会を提供したいです。」、「食べることは栄養面だけでなく、生きるエネルギー源です。」、「誰と、どこで、どんな雰囲気で食べるかは重要なファクター(要素)です。」、「食べることに集中すること、楽しい会話を交わすこと、その時間は心と体のバランスが取れています。」、「楽しい時間であればあるほど、次の健康に繋がります。」と語られていました。

 食事会の料理を担当された「国境のなき料理団」団長の本道佳子さんは、野菜料理の専門家で日本全国を飛び回っている多忙な方です。本道さんは「南の野菜はホワンとしていています。体の中に入って、心の中がホワンとしてもらいたいです。」と語られていました。食材は野菜、豆、海藻などで植物性の食材のみを使用して調理しているそうです。料理には作り手の温かな思いが込められているのです。

 県外からの参加者(愛媛県)は、「ここ数カ月体調を崩していましたが、堪能しています。来た甲斐がありました。」と笑顔で語られていました。また、がん患者の方は「元気の源です。今こうして元気でいられます。」、「たくさんの人と同じものを食べられるのがいいですね。」、「こういう機会が持てたことが素晴らしいです。」と明るい顔で話されていました。当初は藤岡医院のがん患者さんだけのために始められた食事会ですが、現在は食や健康に関心がある方も参加されています。

 「最期の晩餐」とは、心まで満たしてくれる「最高の晩餐」なのです。1年に2回程、不定期で開催されているそうですので、次回も是非参加したいと思いました。

43. ときめき (2016.04.11)

 今週の花のアレンジは、甘さが感じられる淡いピンク系の花々と、
萌えるような若草色の木々の取り合せが、
今の季節感をよく表現していると思います。
 花を眺めていると、心が弾みときめいてきます。

 清々しく、爽やかな季節の到来です。

42. ハルコ・ドリンク (2016.04.10)

 今日は友人のNさんが、嘉島町で開催される歌の大会に出場するので応援に行きました。Nさんは歌のレッスンを10年間程、熱心に続けています。
1曲の歌を大体1年半から2年程の長い期間、納得が行くまでじっくりレッスンします。私はNさんの粘り強さと根気強さに驚くと共に、「継続する」努力を惜しまないNさんを尊敬しています。そんなNさんの日頃の努力の成果を見届けなくてはという思いで、Nさんの晴れ舞台を見つめました。今回の歌の大会前、Nさんのお母さんとご主人が体調を崩されて慌ただしい日々を送られていたので、歌のレッスンに集中出来なかったそうです。そんな悪条件の中でも長期間レッスンを重ねられている歌なので安定感があり、Nさんの個性がキラキラ光るNさんらしい歌になっていました。久し振りにNさんの歌が聴けたので、応援に行った甲斐がありました。

 そんなNさんが、2年前から自家製の発酵酵素ドリンクを試行錯誤しながら手作りされています。Nさんが所有されている天草の山林で育てた完全無農薬の果物(ビワ・アンズ・ブルーべリー・シークワサー・桃・みかん・伊予柑・ポンカン・タンカン・パール柑・スイートスプリング・清見・八朔・金柑・リンゴ・レモン・梅・ビワの葉・ネーブル・苺)、野菜(菊芋・生姜・ニンニク・大根・シソ・らっきょ)、野草(ドクダミ・ローリエ・ウコン・アロエ・オオバコの実・ハブ茶・レモングラス)など40種類程を少量づつ加えて発酵、熟成させながら手作りしています。毎日、丁寧に撹拌を繰り返し熟成過程を根気強く見守り続けています。
 ご自分が納得した安心安全なものだけで作りたい、という強い思いから手作りすることを始められたそうです。手作りなので少量しか出来ない貴重品です。それでも知人が体調を崩していると聞くと、すぐにさり気なく「飲んでみてね。」とそっと差し出してくれます。思い遣りのある優しい方なのです。
 私もこれまで何回もNさんから発酵酵素ドリンクを頂きました。大きく体調を崩すことなく、毎日元気に過ごせているのは、Nさんの発酵酵素ドリンクのお陰かもしれません。Nさんのお名前から「ハルコ・ドリンク」と私が勝手に命名しています。
 これからもご家族や困っておられる方々の健康維持のために、手間暇がかかり根気を要する大変な作業でしょうが、「ハルコ・ドリンク」を作り続けて下さい。そして大好きな歌を一日でも長く歌い続けられますようにと心から願っています。

41. クレソン (2016.04.09)

 私の友人Tさんのご主人は、県内で唯一の「水前寺のり」の養殖家です。
水前寺のりはかつて「水前寺成趣園」の湧水池で発見されたことから「水前寺のり」と名付けられました。大正13年、国の史跡名勝天然記念物に指定された希少な淡水藻の一種です。一時は絶滅の危機に瀕した水前寺のりに危機感を抱き、故郷の宝として守り抜く決意をされ、私費を投じてたった一人で養殖に取組んでおられます。

 先日、Tさんのご主人が大量の「クレソン」を事務所に届けて下さいました。
クレソンは清らかな水でないと成育しないそうです。水前寺のりの養殖池にたくさん自然に自生しているそうです。摘み取ったばかりの新鮮なクレソンをすぐに届けて下さいました。「胡麻和えや天ぷらが美味しかですよ。」と教えて頂いたので、胡麻和えを作ってみました。
昼食時に弁護士とスタッフ全員で頂きました。水前寺のりの養殖池は水流、水質、水温など試行錯誤を重ねて工夫を凝らしているので、クレソンも健やかに成育するのでしょう。
すがすがしい香りがして食感もよく、美味しく頂きました。
お心遣いを頂きましてありがとうございました。

40. 癒しの空間「食堂 つぼい」 (2016.04.08)

 坪井のゆめマート(旧:エース)のお隣に、昨年末に「食堂 つぼい」が開店しました。以前からお店の前を通る度にずっと気になっていました。
 先日参加しました「最期の晩餐食事会」の時、「食堂 つぼい」のシェフと偶然にも同じテーブルで席も隣同士でした。食堂を経営する前は事務職のお仕事をされていたそうです。ある日、息子さんから「母ちゃんは今やっている仕事は楽しいのか?」、「本当に自分が遣りたい仕事なのか?」と尋ねられたそうです。
そして、息子さんから「母ちゃん、飯作らんね。」と提案されたので、思い切って食堂を始めたそうです。まさしく、息子さんに背中を押されて新しい人生をスタートしたのです。食堂を始めるきっかけとなった話しを聞いて感激したので、「今度必ず食べに行きますね。」と約束しましたので、今日、早速お昼の休憩時間を利用してスタッフ同士で食事に出掛けました。

 まず、はじめにメニューを見ると第1ページ目には、
「昔からお母さん達が普通にやってた事が、結果として地球にやさしいことだったりする。
季節のものを頂くこと。生きるために頂くのだから、全ての命に感謝して獲り過ぎないようにして種を繋げ、
サイクルを壊さないようにする。」と書かれていました。そして、生産者の分かる有機栽培の野菜・厳選された調味料・手作りの発芽玄米味噌など全てにこだわって厳選されていました。

 1日5食限定「ゆるマクロビプレート」、天草大王のスープがあっさりして美味しい「フォー」、スパイシーな「野菜カレー」、柑橘系の「酵素ジュース」などをオーダーしました。どの料理も野菜がたっぷりで、優しい味わいのほっとする味がしました。食堂のお手伝いをされているのは、ほんわかムードのミチコさん。ミチコさんが12色の色鉛筆で描かれた里山の植物が壁一面に飾られていて、居心地の良い癒しの空間になっています。

 なお、お店の営業日や営業時間(お昼だけの営業です。)は変則的なので、興味のある方は必ずFacebookをご確認下さい。なお、夜の営業は移動販売をされている「養生カレー」さんとのコラボを予定されているそうです。

39. 春の嵐 (2016.04.08)

 昨日、春の嵐が吹き荒れる中、弁護士が午後から高千穂に行きました。
 高千穂にある顧問先の病院の理事長から病院の創立50周年記念写真集を作りたいので、弁護士に写真を撮影して欲しいとのご依頼がありました。
 病院の敷地内に咲く四季折々の花を撮影して欲しいとのご要望でしたので、まずは桜の撮影をすることになりました。弁護士はあいにく仕事が多忙を窮め、週末もすでに予定が入っているため、どうしても金曜日しか都合がつかなかったので、春の嵐が吹き荒れる中、同行した事務スタッフに傘を差し掛けてもらいながらの撮影となりました。

 一通り撮影を終えると、理事長が花を一輪手にしている姿が美しかったのでポートレートを数枚撮影することになりました。撮影しているうちに徐々に表情も和らいで行き、最後には柔和な笑顔を浮かべた素敵なポートレートが撮影出来ました。高千穂までは往復5時間かかりましたが、満足の行く写真も数枚撮れたようなのでよかったです。

 帰り際に、高千穂特産の立派な原木栽培椎茸を頂きました。早速、新鮮なうちに薄味で煮含めてスタッフ全員で頂きました。肉厚で椎茸本来の風味の強い美味しい椎茸でした。
 お心遣いを頂きましてありがとうございました。

38. 名脇役 (2016.04.07)

 RKKテレビ「WELCOME!」の今日の特集は、「佐野俊郎マスターが教える!至福の時間を過ごせる穴場コーヒー店」という特集でした。
 佐野俊郎さんは番組コメンテーターで、日本コーヒー文化学会会員です。 
コーヒーマスター佐野俊郎さんがデンキカン(映画館)に併設されているデンキカンカフェ「珈琲しもやま」を、こだわりの一押し穴場スポット・カフェとして紹介されていました。私が毎週末、映画を観に行った時に飲むのが「珈琲しもやま」のコーヒーです。これは見逃せないと思い、ビデオに録画して楽しみにして観ました。

 いつものお馴染みのタンブラー、サイフォン、ネルドリップ、ペーパーフイルター、カラフルなコーヒーカップなどが紹介されただけで何だか嬉しくなります。そして、下山さんがさっそうと登場。
画面一杯にアップで映し出される下山さんのお顔を、しげしげと眺めたりしました。普段お会いした時には下山さんのお顔を長時間見つめることはないので、何だかとっても不思議な気分でした。下山さんは長身で彫りの深い顔立ちで目力が強いので、佇んでいるだけで存在感がありました。

 下山さんはコーヒーに対して、「あくまでもメインではなくそっと添えられるような脇役でいたいといつも意識しています。」と控え目に語られたのが印象的でした。人の気持ちを和らげたり、温めてくれたり、癒してくれる一杯のコーヒー。お客様一人一人の気持ちを敏感に感じ取って、心を込めて淹れて下さるコーヒーの味は格別な美味しさです。下山さんのお人柄の良さが伝わって来ます。今回、下山さんのベストパートナーのマダムは、カメラ後方から撮影の様子の一部始終を見守り、出演をされなかったのが残念でした。

 それにしましても3時間もの長時間をかけて取材をして数分間に編集された映像は、アングル、カット、色調、照明など全てが素敵でした。鋭い感性と美的感覚をお持ちの下山さんに相応しい、こだわりの素敵な映像でした。

37. セカンドチャンス (2016.04.07)

 昨晩、BS-TBS「外国人記者は見た!日本inザ ワールド」という番組を初めて観ました。とても面白かったです。この番組は、パックン(パトリック・ハーラン)がメイン司会者で、外国人特派員5名と精神科医の和田秀樹医師によるトーク番組です。日本人のメディアとは違う海外目線で日本のニュースを切り込むことで、新しい発見や考え方、物事の見方などが学べる番組です。

 昨晩のテーマはショーンK氏の経歴詐称問題を取上げていました。
和田医師は、日本人は肩書や外見を重要視する傾向があるので中身を見るような教育をすべきだ、と提言されていました。また、韓国人記者はショーンK氏のキャスター姿にずっと憧れを抱いていた、と率直に述べられていました。ドイツ人と日本人とのハーフのジャーナリストは、ショーンK氏はセルフプロデュースが上手なので、他人に好感を抱いてもらうためのコツについてのセミナーなどを開催してはどうか、と提案していました。中東出身のジャーナリストは整形疑惑に触れて日本のマスコミでは外国人枠というのがあり、「スパイス」になるので需要があるからだろうと述べられていました。そして、外国人ジャーナリストの意見の大半を占めたのが社会的制裁は受けたのだから「セカンドチャンスは与えるべきだ。」ということでした。司会のパックンは実際にショーンK氏と会って英語で話したことがあるそうですが、ショーンK氏の流暢な英語力をとても褒めていました。

 余談として「クヒオ大佐」のことも紹介されました。
クヒオ大佐は、1970年~1990年代に発生した結婚詐欺事件を起こした人物です。純粋な日本人でありながら名前をジョナサン・エリザベス・クヒオと称して、カメハメハ大王とエリザベス女王の親類だと名乗りました。女性達に外国人だと信じ込ませるために顔を整形して外国人の容貌にして、次々に結婚詐欺事件を起こし約1億円を騙し取りました。「クヒオ大佐」は以前映画にもなりました。いかに日本人が外国人に弱いかの一例として紹介されました。

 この番組を通じて、日本のマスコミ報道だけでは見えてこない「真実」に触れたような思いがしました。
 最後に、パックンはショーンK氏に「出演依頼をしている。」そうです。熱心に呼び掛けていました。
 パックンのユーモアのある司会と外国人ジャーナリスの方々による本音トークは、他の番組では得られない楽しさに満ちていました。観る価値のある番組だと思いました。

36. 入社式 (2016.04.06)

 4月からNHKの「クローズアップ現代」の放送時間が午後10時からとなりました。また番組のタイトルが「クローズアップ現代+」となり、国谷裕子キャスターによる23年間に亘って培った「ジャーナリズム精神」を大事にしながら、独自の切り口で報道情報番組の新境地を開くことを目指しているとのことです。
 内容を刷新して、NHKの7名のアナウンサーによる複数キャスター体制となりました。以前「ニュースウオッチ9」のキャスターとして絶大な人気を誇り「癒しの声」とも称される井上あさひさんが、全国放送に復帰することでも話題になっています。日曜美術館でお馴染みの伊東敏恵さんは、「それぞれが専門性を磨いて、自分の視点を持って臨みたい。」と抱負を述べられています。 

 昨晩のテーマ「働くって、何ですか~変わる入社式と若者たち」を観ました。70万人余の新社会人が誕生した全国で入社式が行われ、様変わりしている今どきの入社式から見えて来る今どきの若者の意識を探っていました。内容としては、新入社員の9割が外国人という会社、同期は人間ではなくロボットというIT企業、親同伴で入社式を開いて親と社長が懇親会を行うというメーカー、過疎化に苦しむ北海道歌志内市で公務員として採用された若者に課せられた大きな課題、就職を希望する人の犯罪経歴に関係なく採用するという会社・・・などに密着していました。

 不透明な時代を生き抜こうとする企業と、若者の遣り甲斐や幸せなどに関する意外な姿が浮かび上がって来ました。終身雇用を望む新入社員は73.3%で、会社を選んだ理由では安定性重視の回答が増え続けているそうです。新入社員のタイプは「ドローン型」だそうです。ドローン型とは、内定という目的地に安定してたどり着くバランス感覚があり、ワークライフバランスを重視する傾向があり、フェイスブックなどの影響で「共感性」が強い世代だと分析していました。

 ゲストはシンガーソングライターのさだまさしさんと原田曜平さん(博報堂ブランドデザイン若者研究所・リーダー)のお二人でした。お話し上手なさださんと分析力に優れ説得力のある原田さんのお話が楽しくて、時間が短すぎるように感じました。キャスターに関しては、やはりかつての国谷裕子キャスターのどこまでも徹底的に問題点を掘り下げる鋭い切り口とはかなり違っていました。NHKアナウンサーがキャスターを務めているので、自分の言葉で自分の意見を語るということに関しては正直物足りなさを感じました。今回はかなり詰め込み過ぎている内容のようにも感じました。ひとつのテーマをじっくり掘り下げるという姿勢を貫いて欲しいなと思いました。

35. 式辞 (2016.04.05)

 昨晩のNHKニュースで、東京工業大学の入学式で三島良直学長がグローバル人材育成の一環として、式辞を全て英語で述べている様子が紹介されていました。驚きました。全文英語なので式辞の内容は分かりませんでしたが、学生達に捧げるスピーチは名文揃いと言われていますので、きっと素晴らしい内容の式辞なのだろうなと思いながら見ました。 賛否両論ある中、一体、どんな内容だったのか知りたくて調べてみました。和文の概要を一部抜粋します。

「将来、科学・技術の力で新しい社会を切り拓き、より良い人間社会を作り上げることに貢献する、という高い意識を持って勉強し、目標や夢を育んで欲しいということです。そしてその目標や夢を叶えるためには、何を身につけなくてはいけないかを考え、そのために必要と思うことに自ら挑戦していく気概を育てて欲しいと思います。大事なことは、『何のために勉強をするか』を考えながら前へ進むことです。自分が学びたいと思うことを、自ら学ぶことが、大学の学びの心構えなのです。将来自分が果たすべき役割、目標や夢を実現するために必要な専門力と人間力を身につけるために、学びの過程において大切なのは、かけがえのない仲間を作ることです。この仲間とのコミュニケーションが、大学の学びを支える大きな役目を果たすはずです。
 最後に、多様性とは今や世界的に重要なコンセプトであり、多様性が生み出す心のしなやかさや強さは、社会で活躍する際に必須です。その多様性を育む方法の一つに、海外との交流があります。皆さんの将来の舞台は世界です。是非挑戦して下さい。皆さんには、 将来の自分の姿を描き、その目標ために自分の力をどこまで伸ばすことができるか、限界を作らず挑戦する志を持って欲しいと思います。
 大学の学びにおいては積極的に学ぶ姿勢が最も重要です。大学は、教えてもらうところではなく、自ら学び考えて夢に向かうところです。この気持ちを忘れずに、一日も早く良い仲間を作り、共に学び、語り合い、充実した毎日を過ごして欲しいと願っています。」

34. 清明(せいめい) (2016.04.04)

 今日は二十四節気のひとつ、「清明」です。
「清明」とは春先の清らかで生き生きとした様子を表わした「清浄明潔」という語を略しているそうです。
生命力に満ち溢れる美しい季節となりました。

 今週の花のアレンジは、今年最後の桜の木を活けています。
街中の桜は今が満開。そろそろ花吹雪も楽しめそうな気配です。
事務所の室内では、あともう少しお花見が楽しめそうです。

33. 最期の晩餐 食事会 (2016.04.03)

 今日は御船町の「御船町なかギャラリー」で、最期の晩餐食事会が開催されました。今回初めて訪れた「御船町なかギャラリー」は、往時の酒藏や商家の面影を残す風情のある建物です。
 最期の晩餐食事会の内容としましては、東大病院助教授による「医療と食とアート」をテーマにしたトーク、テレビタミンでお馴染みの村上美香さんの司会による4名の医師の方々のトーク、「国境なき料理団」団長の本道佳子さんのトーク、テーブルごとのテーマに沿ったトーク、そして最後に予定されていたシンガーソングライターKO-KOさんのコンサートは、KO-KOさんが風邪をひいたのでコンサートは残念ながら中止となりました。

 晩餐会の会場に入ってすぐに驚いたのは、「国境なき料理団」団長の本道佳子さんが作られた野菜料理です。野菜で曼荼羅を作ったそうです。
発想力が豊かでダイナミックな盛付けでした。料理を眺めているだけで胸がワクワクしました。
カラフルな仕事着を身に纏い終始にこやかな本道さんに、とても興味が湧きました。
 本道さんは20代で単身渡米。ニューヨークの一流レストランのシェフをされた後、オーガニックやマクロビを学び帰国。「愛のある食卓」、「世界の人達が友達になれる料理」を目指すヒーリング料理人です。
 私も本道さんと少しだけお話しをさせて頂きました。初対面とは思えないほど気さくで話しやすくフレンドリーな方でした。力強く明るいパワーが漲っているように感じました。もっと色んなお話しを聞いてみたいと思える魅力的な方でした。

 医師の先生方のお話しからは、病気に対する考え方や向き合い方が学べました。晩餐会の締め括りとしてグループごとの話し合いも楽しくて、初対面の方達とも親しくお話しすることが出来ました。
 来場者は80名位で大盛況でした。テレビ局の取材もあり、東京(BSフジ)と地元熊本(RKK)の2社が熱心に取材していました。
 
 素敵な晩餐会の企画と実行は、御船町にあるF医院の院長とマダムです。
最初の頃は、医院内で患者さんのために開催されていたそうです。現在は誰でも参加できるようになり、今年で8年目だそうです。一個人の努力が実を結んで、内容の充実した大きな輪が広がっているのは素晴らしいと思いました。

32. ありがとう、そしてさようなら (2016.04.01)

 ブログNo.13「満開の時を待って」で書きました学園大学の巨大な壁画の前に移植された「枝垂れ桜」に逢いたくて、学園大学前を通る時、車窓からドキドキしながら眺めました。残念ながら、枝垂れ桜の木は桜の花が全く咲いていませんでした。
 実はここ数カ月、何故かしら「枝垂れ桜」のことが気に懸ってならなくて、3月初旬と中旬に2度に亘り、桜の開花状況を確認しに来ていました。
 移植前は早咲きの桜なので3月中旬になると見事に満開になっていました。
それなのに今年は全く花が咲いていなかったので、「もしかして、もう咲かないのかな・・・」と嫌な予感がしていました。その時の予感が的中したことがとてもショックでした。

 数年前、枝垂れ桜の持ち主の方は大病を患っていたので、学園大学へ贈呈する決心をされました。
枝垂れ桜と別れる時「壁画の邪魔をしないで咲けよ。」、「若い学生さん達に可愛がってもらえよ。」と愛しげに桜に声を掛けられたそうです。その話を聞いた時、私は思わず泣いてしましました。今でも思い出すと涙が流れます。持ち主の方は枝垂れ桜を手放すと気力が失せたのか、まもなくして亡くなられました。
寂しいですが枝垂れ桜も命を全うして、その役目を終えたのでしょう。

 私の記憶の中では、ため息の出る程美しくて素晴らしい満開の枝垂れ桜の光景が鮮やかに浮かびます。
その姿をいつまでも忘れません・・・ありがとう、そしてさようなら。

31. みやび (2016.04.01)

 今日から新年度がスタートします。
 気持ちを新たにして、事務所の親睦を図るために食事会を開催しました。
食事会の場所は、上熊本に今日オープンした「鮨処みやび」です。
光栄にもお客様第一号でした。有名デザイナーが手掛けたという店舗ビルの内装と外装は解放的でスタイリッシュで、随所に強いこだわりが感じられました。

 「鮨処みやび」のオーナーは、繊細で物腰が柔らかそうな方でした。
店舗ビル内に鮨職人を養成する学校を開校して、将来は世界中で活躍出来る職人を育てたいという大きな夢を抱いているそうです。
 若い感性で新たな道を切り拓いて行こうとする姿が印象的でした。

30. 死んでまた再生します (2016.04.01)

 私は、毎晩「報道ステーション」を観てから、一日を終えます。
昨日はメインキャスターの古館氏の最後の出演でした。番組のエンディング、8分間のお別れの言葉は圧巻でした。12年間という長期間に亘るキャスターとしての喜びや、苦しい胸の内を率直に語っていました。
 ここ数年、番組ではコメンテーターの古賀氏やショーンK氏などの問題等があったり、古館氏が率直な意見を言うと激しく批判されたりすることが多く、自由に発言でき難い状況にあったようです。
 この日の古館氏は、自分の言葉で自由に語ることが出来る喜びに満ちているように感じました。また、過度な重圧からの開放感と、12年間遣り遂げた満足感からでしょうか、柔和で穏やかなとってもいい顔をされているなと思いました。
 番組の最後には、古館氏の後任になられる富川氏の実直な人柄を紹介し、富川氏に向けて熱いエールを送られていました。挨拶を締め括る言葉「死んでまた再生します」にも熱く胸を打つものがありました。

 古館氏の最後の言葉を一部抜粋致します。
 「この頃は、報道番組で開けっぴろげに昔のように、いろんな発言が出来なくなりつつある空気を私も感じています。空気を読むという特性が人間にはある。どうしても空気は一方向に流れていってしまう。
だからこそ、反面では、水を差すという行為や言動が必要だ。
 つるんつるんの無難な言葉で固めた番組など、ちっとも面白くありません。・・・全体的にほどよいバランスに仕上げ直せば、そこに腐心をしていけばいいのではないかと、私は信念を持っています。
そういう意味では、12年間、私の中で育ってきた「報道ステーション魂」というものを後任の方々にもぜひ引き継いで頂いて、「言うべき事は言う」。多少厳しい発言でも。その激しい発言というものが、実は後年経ってあれがきっかけになって議論になって、良い方向に向いたじゃないかという事柄もあるんだと信じています。・・・ 
 富川悠太アナが4月11日から引き継ぎます。
彼には乱世の雄になって頂きたいです。凄惨な事件の現場で、冷静にリポートを入れてくれた。その足で自然災害の現場に行き、人々と寄り添いながら、一生懸命リポートを入れてくれました。
私が12年間「すごいな」と思ってきたのは、1回たりとも彼から仕事の愚痴を聞いたことはありません。驚きます。そういう人です。
精神年齢は私よりもずっと高いと思っています。・・・どうか、長い目で彼を中心とした新しい「報道ステーション」を見守って頂きたいと思います。
 私は今、こんな思いでいます。
人の情につかまりながら、折れた情の枝で死ぬ。
『浪花節だよ人生は』の一節です。
死んでまた再生します。
みなさん、本当にありがとうございました。」

29. 人生という旅 (2016.03.31)

 今日で3月も終わりです。明日からは新年度がスタートします。
 今朝の朝日新聞の「天声人語」が、今日という一日に相応しい内容でした。
 内容の一部を抜粋してご紹介させて頂きます。

 人間の春は、別れと出会いが交差する。
別れの3月はあわただしく過ぎて、新たな出会いへと暦が一枚めくられる・・・で始まり、人生の喜びや悲哀にも温かな眼差しを向けています。
 そして、詩人杉山平一さんの「桜」という詩の一節を紹介しています。

  ~桜~
  みんなが心に握っている桃色の三等切符を
  神様は静かにお切りになる
  ごらん はらはらと花びらが散る

 咲き満ちた桜の下では、誰もが等しく三等切符を心に握って、薄紅色の花を楽しむ。
人生という旅を慰め、励ます桜に、分け隔てないのだと、詩は優しく詠っている・・・と解説されていました。
 そして、「明日から新しい言葉が刻まれます。」という言葉で結ばれていました。

 一日がスタートする朝の慌ただしい時間の中、豊かな表現と美しい言葉を噛み締めながら読みました。
心に響く、余韻の残る素敵なコラムでした。

 今日という一日を、特別な思いを込めて過ごそうと思いました。

28. リルビット (2016.03.30)

 私は以前から、Eテレビの「バリバラ」という番組が好きで時々観ています。
体や心に不自由さを抱えている方や、周囲でサポートされている方の話しを聞いていると、いつも色々と気付かされることが多いからです。
 3月26日、熊本県総合福祉センターで「発達障害の就労を考える」というテーマでシンポジウムが開催されましたので参加してみました。内容は発達障がい者の就労の課題や支援を考えるというものでした。当事者(自閉症やアスペルガー症候群)4名と就労支援者による討論会や、当事者による就労の苦労や体験談などが率直に語られました。当事者と支援者との討論が堅苦しいものではなく、自由に語れる雰囲気だったので好印象を持ちました。

 そのシンポジウムを通して「リルビット」という会があることを知りました。丁度例会が開かれるということで、支援者の方からお誘いを受けて参加させて頂きました。例会の参加者は、大学生から40歳前後の当事者8名と支援者1名が参加されていました。病名はそれぞれ違いますがお互いの違いを受け容れて、それぞれの立場や視点から自分の考えを自由に発言できます。午後7~10時まで長時間に亘ってゆっくり語り合い、みんなで笑うことも多くてとても和やかな雰囲気でした。リルビットでは人の考え方や意見を否定したり非難したりしない、自分の考えを押し付けないという基本ルールが徹底しているので、安心して本音で話すことが出来ます。心地よい時間がゆっくり流れているように感じました。

  例会終了後、支援者の方にお話しを伺いました。リルビットを立ち上げて5年が経ったそうです。大阪などでは会を立ち上げても継続が難しく、わずか3ヶ月で消滅したそうです。いかに当時者に継続して参加してもらうかが重要課題とのことでした。支援者の方は日中は就労支援のお仕事をされていて、お仕事が終了してからリルビットでボランティアで支援活動をされているそうです。個人の努力で継続し続けていることに驚きました。例会終了後、支援者と当事者の方々は食事へ行かれるそうです。とてもフレンドリーでほっとする温かさが感じられました。思い切って参加してみて本当によかったです。
 なお、リルビットでは4月2日に、熊本電鉄「青ガエル」を利用した交流会を開催されるそうです。「多様性を知って欲しい」ということで企画されたそうです。詳細につきましては、リルビットのフェイスブックをご覧下さい。

27. ハーモニー (2016.03.30)

 今日のお昼頃、4年前に一度、ご相談されたことがある方が突然来所されました。弁護士が「いちご大福」が好きだということを今も覚えておられて、たくさんのいちご大福をお届け下さいました。

 大皿に小振りな可愛らしい形をした大福を並べてみると、なかなか壮観です。
ふんわり柔らかな餅に包まれた、いちごの甘酸っぱさと餡の甘さとのハーモニーが絶妙な美味しさです。お心遣いありがとうございます。

26. パスタファルファッレ (2016.03.29)

 今週の花のアレンジの主役はガーベラです。
ローズピンクの大輪のガーベラは、「パスタファルファッレ」という名前です。
花びらが細長くクルクルと波打って巻いているのが特徴です。
まるでツイストマカロニみたいですが、よくよく眺めていると明るく元気で陽気な太陽のようにも見えてきます。

 ローズピンクのガーベラからは強いパワーが感じられ、心を癒し元気を与えてくれるようです。今週も花から大きなパワーを貰って仕事に力を尽くします。

25. 桜まつり (2016.03.29)

 週末、菊陽町の富士フイルム九州で毎年恒例の桜まつりが開催されていましたので出掛けてみました。春休みということもあり大勢の家族連れで大盛況でした。
 広大な敷地には300本もの桜の木が植えられていて、満開まであともう少しといった感じでしたが、それでもなかなかきれいでした。

  敷地内のステージでは、テレビでもお馴染みの英太郎さんとMEGさんの司会によるクイズ大会が開催されていました。英太郎さんは普段テレビなどでは規制があって言えないようなことを自由奔放に発言して、観衆の大きな笑いを誘っていました。MEGさんも機転の利いたトークで楽しませてくれました。

  クイズ大会の後は、「オリココ」によるコンサートでした。オリココは以前、事務所ブログでご紹介したシンガーソングライターのKO―KOさんと桜伊織さんのお二人によるデュオです。
 歌い始めた時は晴れていたのですが、歌っている途中から突然雨が激しく降り出しました。雨が降りしきる中オリココのお二人は、オリジナルソングやNHK朝ドラ「あさが来た」の主題歌「365日の紙飛行機」など3曲を終始笑顔で心を込めて熱唱されていました。
皮肉なことに歌い終えると、やがて雨は止み晴れ間が見え出しました。 
 
  気まぐれな雨に翻弄された一日でした。晴天であったならお祭り気分をもっと満喫できたのにと思いましたが、それでも楽しかったです。

24. サクラカリ  (2016.03.24)

 いつもお世話になっているフラワーショップへ伺うと、「サクラカリ」という花に目を奪われました。「サクラカリ」は漢字で書くと「桜狩り」と書きます。西洋シャクナゲです。

 花の色が桜を思わせるピンク色でグラデーションが美しく、大輪の花が咲くととても見事です。花言葉も「高嶺の花」や「荘厳」などで、この花にぴったりです。

 たくさんの方々に楽しんで頂きたいので事務所の玄関口に飾っていますので、お近くにお越しの際にはちょっと立ち止まってご覧頂ければ幸いです。

23.  さくら便り  (2016.03.22)

 今日(3月22日)は熊本でも桜の開花宣言が発表されましたが、
事務所でも今週の花のアレンジで桜が楽しめます。

 まだ三分咲きの状況ですが、室内は暖かいので、
来週早々には満開を迎えそうな気配です。

 事務所の室内で、ミニお花見が楽しめそうです♪

22. 春風の届けもの (2016.03.19)

 外出中に、事務所の玄関の前に大量の菜の花が束ねられて置いてありびっくりしました。きっとお客様からのお心遣いのお花なのだろうと察して、早速、事務所の玄関口に花を飾っていましたら、顧問先の経営者の方が戻ってこられてお声を掛けて頂きました。お仕事先の近隣の河川敷に咲く菜の花を摘んで、届けに来て下さったそうです。本当にありがたく思いました。

 玄関口に菜の花を飾り終えてあらためて眺めてみると、一気に「春が来た!」という感じがして気持ちがとても明るくなりました。摘みたての花を届けて下さった優しいお気持ちに、心からありがとうございます。

21.  生きてるって言ってみろ  (2016.03.17)

 先日NHKBSで「ザ・フォークソング~出張ゼミナール」という番組がありました。
司会はなぎら健壱さんと坂崎幸之助さんです。フォークソングをひとつの時代の文化として紹介していました。司会のなぎら健壱さんはフォークソングに対する豊富な知識を持ち、また数多くのシンガーとの幅広い交友関係があります。なぎらさんならではの愉快なエピソードをふんだんに交えた軽妙なトークに惹き込まれ、番組の最後まで興味が尽きることなく楽しく見ることが出来ました。

 フォークの歴史を当時の貴重なライブ映像で辿りながら、個性的なシンガーの歌が数多く紹介されました。その中でも最も心に残ったのは友川カズキさんの「生きてるって言ってみろ」でした。魂の奥底から絞り出すような、聴く人の心に突き刺さるような強烈な歌い方と、叩き付けるようなギターの弾き方が、私の心に響いて衝撃的でした。
   夢と現実ぶらさげて 
   涙と孤独を相棒に
   コケシでもあるまいに 
   生きてるって言ってみろ 
   生きてるって言ってみろ 
   生きてるって言ってみろ・・
 何度も繰り返される「生きてるって言ってみろ」という言葉が、「あなたは本当に今、生きているのか?」と問いかけられているような気持ちになりました。

 昔、吉祥寺のライブハウス「曼荼羅」で友川カズキさんのライブを聞いたことがあります。その当時の友川さんは言葉を吐き出すように叫びながら歌い、ライブは終始、張り詰めたような緊張感が漲っていました。それは「恐い」と感じられるほどだったように記憶しています。
 現在の友川さんは、なぎらさんとの愉快なトークからは人間的にかなり丸くなっているようでした。でも、歌いだすと人が変わったように狂気さえも感じさせる顔付に変わり、まるで魂の叫びのような歌い方をされていました。

 友川さんから問いかけられたような気がして、「生きてるって言ってみろ」と心の中で何度もつぶやいてみるのでした。

20. 素敵な一日 (2016.03.17)

 朝から快晴で、サクラの開花が待ち遠しい季節となりました。 

 今日は事務スタッフのバースディでした。
昼食時に水前寺の日本料理「神の水」の「喜楽重ね弁当」と、立山ふみさんのケーキでお祝いをしました。「喜楽重ね弁当」は、おめでたい感じがするネーミングに惹かれ選びました。彩りや味のバランスがよく季節感も感じられて、食べる楽しみに満ちた美味しいお弁当でした。

 ケーキは、「お菓子工房FUMI」のケーキ作家・立山ふみさんのバースディケーキです。ふみさんのケーキは入手困難なことでも有名ですが、島田美術館に併設されたカフェや上通りオークス通りのカフェ「八(はち)」など、一部の限られたカフェでも頂くことができます。今回初めて訪問したお菓子工房は、水前寺の川沿いにあるマンションの一室にありました。部屋の中はシンプルで、作業場からは甘い香りが漂っていました。白いレースのエプロン姿のふみさんは、ほっそりとされていて物静かでゆっくりとした話し方をされる上品な感じの方でした。
 以前からふみさんに一度お会いしてみたいと思っていたので、直接お会いすることが出来て感激しました。ふみさんのケーキは、素材を吟味してシンプルな美味しさを追求したケーキです。味は人なり、としみじみ思いました。

 バースディのスタッフにとって、今日という一日が素敵な一日になりますように。

19. 優しさに包まれて (2016.03.14)

 今週の花のアレンジは、ほのかな淡いピンク色のシンビジウムを中心として、「チャイナピンク」という名前のシャープなチュ―リップ、大輪の華やかなバラ、ガーベラ、スイートピーなどです。すべての花の色をピンク色の濃淡でまとめています。

   ピンク色から受けるイメージは、明るさ、温かさ、甘さ、可愛らしさなどですが、ふんわりと優しく包み込むようなぬくもりが感じられます。

 事務所を訪れる方々を優しく温かく包みこむように接しなさいと、花から教えられたような気がしました。

18. 映画への旅(5) 「アーロと少年」 (2016.03.14)

  ディズニー・ピクサー制作のアニメーション作品です。
  言葉と文明を持つ臆病な恐竜の子供と、逞しく生き抜く力に溢れた言葉を持たない人間の少年との、友情と成長を描いています。愛嬌のある顔をした恐竜と、犬のような鋭い嗅覚を持つ少年は、言葉は通じないけれど表情、しぐさ、行動などで心の交流を深めて行きます。映画のテーマである「怖さを乗り越えることで初めて見える世界がある」、「一歩を踏み出す勇気の大切さ」を温かな視線で丁寧に描いています。

  そして、この映画の大きな魅力は、大自然の表現の美しさとリアルです。
実写なのかと思えるほどの美しい映像美。水、風、嵐、濁流、雲、空、木々、山並み、草原、花・・・。
一斉に飛び立つ鳥の大群、夜空に舞い上がるホタルの郡舞・・・。どのシーンもうっとりするほど美しいのです。
壮大な自然をこれほどまで美しくリアルに表現したアニメーション映画は、今回の作品が初めてではないかと思います。

  映画のラストは、恐竜と少年の別れのシーンです。心が揺れ動く様子を、情感豊かに繊細に描いています。切なくて、思わずほろりとさせられました。日本語版エンディング曲は、Kiroroの「Best Friend」で、映画の内容にピッタリの歌詞でした。最後のワンカットまで見逃せない秀作です。

17. 幸せな時間 (2016.03.13)

  週末、いつものようにデンキカンへ映画を観に行くと、デンキカンカフェでスペシャルイベント「和菓子と珈琲あそびの日」が開催されていました。
  「山都 福永堂」の和菓子職人のかおりさん特製の和菓子と、和菓子によく合う珈琲のコラボレーションが楽しい、毎回好評のイベントです。

  今回は、春の訪れが感じられる「椿餅」、「春霞」、「さくら」、「黄彩」という名前の和菓子が登場しました。珈琲は「和菓子スペシャルロースト・ケニア」です。春の草花を思わせるほのかな香りと、春の山菜のような心地よい苦みをイメージされたそうです。
  本当は全種類を味わってみたかったのですが、「椿餅」と、かおりさんお薦めの「さくら」を頂きました。季節感を大切にし、素材の美味しさを最大限に生かした甘さ控えめの優しい味わいは、かおりさんのお人柄そのもののように感じました。原材料を厳選して、丹精込めて丁寧に作っているのがよく分かります。かおりさんが、柔らかな笑顔でお客様一人一人に熱心に説明をしている姿からは、和菓子に懸ける熱い情熱と深い愛情がひしひしと伝わってきました。

  休日の午後のひととき、とても幸せな時間を過ごすことができました。

16. 春だねぇ (2016.03.09)

 今週の事務所の花のアレンジで、最も目を惹くのは「ミモザ」です。
ミモザは鮮やかな黄色の可愛いい花で、香りがとてもよいので気分が華やぎます。イタリアでは、男性が女性に日頃の感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈るという、素敵な習慣があるそうです。

 先週末、事務所の玄関入口に飾っている花の活け替えをしていると、背後からおばあちゃんと幼いお孫さんの会話が聞こえてきました。
 おばあちゃんが「ほら、みてごらん」と言うと、お孫さんが可愛らしい弾けるような声で「わぁー、きれい!」と感嘆の声を挙げました。すると、おばあちゃんが「春だねぇ」としみじみ言われました。私が、思わず振り返ると、事務所の前の通路に優しい笑顔を称えた2人が佇んでいたので、お互い会釈を交わしました。

 私の心の中で、いつまでも「春だねぇ」という言葉がリフレインしていました。

15.  映画への旅(4)  「マリーゴールド・ホテル 幸せの第二章」 (2016.03.09)

  前作「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」は、人生の終盤にイギリスからインドにやって来て、新たな人生のスタートを切る男女7人の群像劇でした。
今回の作品は前作品の姉妹編となっています。前作品と同様、やはりインドを舞台にして、シニア世代5組のそれぞれの恋愛模様と、1組の若者の結婚までのドタバタを、テンポよくコミカルに描いています。

   主演のジュディ・デンチとマギー・スミスは現在81歳。軽妙で繊細な演技はとても魅力的で、味わい深いものでした。イギリスの名優たちに加え、新たにリチャード・ギアが参加しているのも大きな魅力です。ときめきや甘酸っぱさ、切なさがあるロマンティックな物語を、ユーモアで優しく包みこんだ魅力的な映画です。

   映画のタイトルに添えられた「インドの太陽が微笑んだ。今が人生最高のとき」という言葉がピッタリの映画です。人生の限られた時間の中で、今この瞬間を大切にして生きよう、人生はいつでも変えられるというテーマになっています。

    映画のクライマックスは、盛大な結婚式のシーンです。インド映画ではすっかりお馴染みのボリウッドダンスも登場します。色鮮やかで豪華な彩りに包まれ、それぞれの人生を祝福します。美しく華やかなフイナーレは、生きることのエネルギーと歓びに満ち溢れています。

   映画を観終わった後、思わず自然と笑顔になり、「生きているっていいな。」と幸せな気持ちになれました。

14.  春の微笑み (2016.03.03)

 ガーデンのお手入れをしていましたら、いつもより陽射しが暖かいように感じました。オレンジ色のキンセンカ(ポットマリーゴールド)に明るい陽の光が優しく降り注いで眩しいほど光り輝いて、私に微笑みかけてくれているように感じられました。うれしくてしばらく見とれて佇んでしまいました。

 キンセンカは冬の寒さに耐え抜いて花を咲かせることから、「冬知らず」とも言われます。まるで太陽から「よく頑張ったね。」とご褒美を頂いているかのようでした。

 もう春の足音がそこまで聞こえています。

13.  満開の時を待って  (2016.03.01)

 事務所のお向かいの庭園には見事な枝垂れの梅の木があります。
毎年2月の下旬頃から蕾がほころび出し、うっすらとピンク色に色付き始めます。毎日、梅の花の開花の様子を眺めるのが大きな楽しみです。
 事務所のお向かいのお宅は、先祖が細川藩御用絵師だったそうです。昔はご自宅の手前に立派な画室を所有されていました。画室とご自宅の中間には庭園があり、四季折々の花が楽しめる風情のある日本庭園となっています。現在は数年前に画室を取り壊されたので、近隣の方々も庭園の多種多様な花々を鑑賞できるようになっています。

 また、数年前まで事務所の1軒先のお宅の庭に、見事な早咲きの枝垂れ桜がありました。満開の時の光景はとても美しくて壮観な景色でした。枝垂れ桜は、持ち主の方が体調を崩され桜の木のお手入れが困難になり、熊本学園大学に寄贈されて移植されました。桜の木の移殖作業が行われた時は、大人数の作業員の方によるとても大掛かりな作業となりました。近隣の方々も作業の一部始終を静かに見守りました。クレーン車で吊り上げられた桜の大木がトラックに積み込まれる時には、「これで見納めか・・・」という別離の寂しさと、「今まで楽しませてくれてありがとうございます。」という感謝の気持ちで胸が締め付けられ涙が込み上げて来ました。今でも学園大学の前を通る機会があると、桜の木を眺めては懐かしさで胸が一杯になります。

 今日から3月。明日からは気温も上昇して春の陽気になるそうですので、枝垂れの梅の花ももうじき満開の時を迎えることでしょう。今年も、満開の時に出逢えることの喜びと幸せに感謝したいと思います。

12.  春の香り (2016.02.22)

 今週の事務所の花のアレンジをご紹介します。

 花びらが幾重にも重なって華やかなチューリップ、可愛らしい花びらが目を惹く新種のカーネーション、そして雛祭りが近いことを感じさせる桃の花と、冬の終わりを告げ春の訪れを告げる花フリージア。フリージアが数本あるだけで清楚な甘い香りが辺り一面に漂い、思わず深呼吸したくなります。

 花の世界では、本格的な春が到来しています。

11.. 映画への旅(3)  「ひつじ村の兄弟」 (2016.02.21)

 北欧、アイスランドが舞台になっている映画です。
知人が数年前にアイスランドを旅して、阿蘇に似ていて火山や温泉があり、「毎晩のようにオーロラが見れてとても美しかった。」という話しを聞いていましたので、アイスランドという国についてとても興味がありました。映画は北アイスランドの広大な牧草地から始まり、最後は猛烈な雪が吹き荒れる山間の極寒地を映し出します。

 アイスランドは人口25万人程に対して、ひつじは100万頭もいるそうです。この映画の予告編を観た時には、何かしらの確執のある兄弟とひつじを巡るコミカルなファンタジー映画のように感じていました。
 しかし、実際に映画を観てみると、私が想像していた内容とはかなり違っていました。
ひつじがスクレイピーという感染症に見舞われ、村中のひつじを殺処分することになります。酪農家は生計が立ち行かなくなり、離職や移住などの厳しい現実が待ち受けています。長年家族のように深い愛情を注いで大切に育ててきたひつじ。先祖代々より守り抜かれた純粋な血統が絶滅することへの危機感や深い喪失感と哀しみなど、疫害による酪農家の厳しい現実がリアルに描かれています。

 そして、この映画が優れているのは、40年間絶縁状態(過去に遺産相続の件で争いがあったことが原因のようです)にある年老いたひつじ飼いの兄弟が、ひつじを絶滅させたくないという共通の強い思いから、弟が秘かに隠していた数匹のひつじを協力し合って火山近くの山へと無謀な逃避行を決行するのです。この事件を契機として、確執のあった兄弟が再び心を通わせることになります。

 映画は全体的にセリフも限られ登場人物も少なく静かなトーンの地味な作品ですが、兄弟がこれまでもいかに不仲であるかのエピソードを丹念に積み重ねて描いているので、ラストシーンの雪山で死に直面した弟を救うために兄のとった必死の行動が衝撃的でもあり、感動的でもありました。愛する者を絶対に喪いたくない必ず救うのだという、祈りにも似た揺るぎない強い信念、慈しみの心、無償の愛などが感じられて胸が締めつけられました。正直これ程まで感動するとは思ってもいませんでした。
 予告編からは全く想像もつかなかった独特な世界観を感じさせる、優れた感動的な作品でした。

10. 人生の交差点~カクテルは人生の味 (2016.02.16)

 私の好きな番組はNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」です。
 今回は、銀座にある小さなバー(13坪、席数20席)、「STAR BAR GINZA」のオーナー兼バーテンダー岸久さん(50歳)が登場しました。

 岸さんは31歳の時、世界カクテルコンペティションにおいて優勝し世界一に輝いた腕前の持ち主です。また、バーテンダーとしては日本で初めて「現代の名工」を受賞されています。
 そんな輝かしい経歴をお持ちの岸さんですが、若い頃から接客が苦手で、世間話もろくに出来ず、おべっかも冗談もうまく言えず、「自分はバーテンダーの仕事に向いていない。」とずっと悩んでいたそうです。接客が苦手なのを補うために、技術を人一倍努力して磨いていたそうです。今でも、お店の開店前に鏡に向かって表情筋を柔らかくする顔の運動をして、笑顔の練習をしている姿が印象的でした。また、お客様がカクテルを最初に口に含んだ時の一瞬の表情を見逃すまいと、店の奥のドアの隙間から注意深く凝視し観察している姿を興味深く拝見しました。

 番組の後半では、毎年、年末に日本を訪れる初老の夫婦が、旅の最後に必ず注文するという「アイリッシュコーヒー」の話が中心でした。ご夫妻の素敵な想い出話と共に、岸さんの渾身の1杯に懸けるプロの心意気が映し出されていました。「自分の心の乱れや滲みがカクテルの乱れに繋がる」、「迷いなく思い切ってやろうという腹が決まらなければ駄目だ」という強い思いが、極上のカクテルを生む大きなこだわりとなっているようです。
 そして、岸さんは最後に「人はバーに何を求めて来るのか、それは場所、時間、空間・・・、究極は人間に逢いにくるのだ。」、「プロフェッショナルとは、生業を超えたところで、心に残る仕事をする人だと思う。」と語られていました。

 番組の中で「たかが1杯、されど1杯」という言葉が出て来ていましたが、氷ひとつにも細心の注意を払い、あらゆることにこだわり抜いて、30年間必死に積み重ねてきた努力や工夫が到るところに感じられました。
 機会がありましたら、銀座で「渾身のカクテル」を一度は味わって、岸さんの1杯のカクテルに懸ける熱い想いを感じ取ってみたいと思いました。

9. うたかた~儚く覚める夢路を歩き続けて~ (2016.02.10)

  2月9日、熊本市民会館で「布施明デビュー50周年記念コンサート~次の一歩~」が開催されました。熊本でのコンサートは10年振りでした。ライブの構成、曲のアレンジ、歌の合間の軽妙洒脱なトークの台本など、全て布施明さんがご自身で手掛けておられて、洗練され完成度の高い舞台仕立てのコンサートでした。

  歌手生活50年を振り返り、今まで語ることのなかった苦悩、迷い、挫折なども率直に語られていました。端正な容姿でルックスにも恵まれ、類い稀な歌唱力で、順風満帆な歌手人生のように思われていたのですが、実はそうではなくて歌手生活を諦めようかと思える程の大きな苦悩を抱えていた時期もあった、ということを今回初めて知りました。また、数年前に最愛のお母様をご自宅で看取り、ご自身も大病を経験されたりと、幾多の人生経験を重ねられたことが分かりました。

  半世紀もの長い間、歌い続けている卓越した歌唱力は全く衰えることなく、圧倒的なパワーと訴求力でいろいろな人生を見事に表現していました。説得力があり深みのある歌声、そして命を吹き込まれた言葉が言霊となって胸に強く響きます。心が強く揺さぶられ、幾度となく涙が込み上げて来て深い感動に包まれました。
  私は歌が大好きでこれまでも数多くの歌手のコンサートを聴きに行きましたが、これ程までの深い感動を覚えたことはありません。歌という、一つの道を窮めた人の凄さ、一つの到達点を見たような思いがしました。コンサート終了後も、深い余韻にいつまでも浸っていたい、そんなふうに思える芳醇で極上なコンサートでした。

  布施明さんには50年を一区切りとして新しい一歩を踏み出して、命の続く限り、声の続く限り、いつまでも歌い続けて頂きたいと心から願っています。

8. 春色につつまれて (2016.02.08)

 立春も過ぎ、季節は春へと。

 事務所の今週の花は春満開です!
優しいパステルカラーのスィートピー、カーネーション、チューリップ、そしてサクラ。

  淡いピンク色の春色につつまれ、ほのかな甘い香りもします。
優しい色合いの花々を眺めていると、春の予感に心が弾み、幸福感に包まれるような思いがします。

7. 早春ガーデン (2016.01.29)

 先日の寒波襲来で、事務所のガーデンの花もすっかり元気がなくなってしまいましたので、八重咲きのプリムラ・ジュリアンを中心に植替えをしました。
  花びらが幾重にも美しく重なっているので、バラの花を思わせます。早春を思わせる明るい彩りに満ちて、気分もウキウキと華やぎます。

  ガーデンは一足早い早春ガーデンです。
季節の移ろいを少しでも感じて頂ければ幸いです。

6. 映画への旅(2)「ハッピーエンドの選び方」 (2016.01.29)

 イスラエル映画「ハッピーエンドの選び方」は、予告編はコメディー映画のような印象を受けたのですが、「尊厳死」がテーマで、シリアスさとユーモアが絶妙なバランスで描かれた映画でした。
  老人ホームで暮らす人々が、末期ガンで治療の手立てがなくなったり、認知症が進行して行き自分が自分でなくなる強い不安感に見舞われた時、自分の人生の最期をどう選択するのかが描かれていました。出演者全員がベテランのコメディアンなので、深刻になり過ぎることなく、時折ユーモアも織り交ぜて、全体的には温かなタッチで描かれていました。

  私はつい先日(1月19日放送)、NHKクローズアップ現代で「最期のときをどう決める~終末期鎮静をめぐる葛藤~」を観たばかりでしたので、複雑な思いで観ました。この番組は在宅療養する中で延命治療を望まない末期ガン患者の「終末期鎮静」をめぐる葛藤がテーマでした。この番組を観て、日本でも現実的には安楽死と変わらない、ゆっくりと亡くなって行く「安静死」が行われていることを初めて知り驚き、とても考えさせられたばかりでしたので、この映画はとてもタイムリーなテーマでした。

  「ハッピーエンドの選び方」は、自らの意思で自分の死期、人生の終わり方を決定するという物語です。家族も、深い愛情があるからこそ、本人の意思を尊重するという物語です。長い人生を共に暮らして来た夫婦が伴侶の死の決断を受け容れることができるのは、お互いの深い愛情があるからこそで、伴侶の置かれている状況に対する理解と共感が生まれ、その意思を尊重しようという気持ちが自然に芽生えるのだと思いました。
  難しい問題提起の作品です。映画を観終わった後も、私ならどうするか・・・ととても考えさせられる映画でした。

5. 春を待って (2016.01.21)

 今日は暦の上で一番寒いとされる「大寒」です。一日中、厳しい寒さが続いていました。そんな中、今年初めて事務所の懇親会を、日本料理「ねね」で開催しました。

  椀物の器に水引を添え、羽子板の形の皿に彩りよく盛付けられた料理からは、新春の慶びが感じられます。 私は常々、料理には料理人の人柄が出ると思っています。「ねね」のご主人は礼儀正しく控え目で手間を惜しまない方だと思います。季節の旬の食材を美しく彩りよく盛合せ、目で楽しませてくれます。そして、丁寧に細やかに調理された料理からは、美味しく食して頂きたいという思いが伝わって来ます。 また、着物姿が美しく京美人の若女将のはんなりとした風情が、リラックスできる雰囲気を醸し出してくれています。心のこもった温かなおもてなしで、寛ぎのひとときとなりました。

  街は人通りも少なく寒々とした光景でしたが、弁護士とスタッフ全員は心もお腹も満たされ幸福感に包まれました。「大寒」が過ぎれば、季節は春へと向かいます。しばし寒さに耐えて、春を心待ちましょう。

4. 「熱海殺人事件」 (2016.01.20)

 先日の日曜日、北九州芸術劇場で「熱海殺人事件」を鑑賞しました。
  「熱海殺人事件」は、これまでにも何度も再演されている劇作家故つかこうへいさんの代表作です。今回は初演のオリジナルキャストである風間杜夫さんと平田満さんが、33年振りに再共演しているのが大きな見所です。また、つかさんの一人娘で元タカラジェンヌの愛原実花さんと、若手俳優ながら芸歴の長い中尾明慶さんのフレッシュな共演も見所のひとつです。

  そして、今回最も興味深かったのは、「劇団☆新感線」の演出で有名な「いのうえひでのり」さんが演出をされたことです。「劇団☆新感線」は、チケットの入手が困難なことで有名な人気劇団です。大音量の音楽を効果音にする、歌のジャンルを問わず劇中に突然挿入する、ギターの生演奏をBGMとする、などは「劇団☆新感線」ではお馴染みの手法ですが、「熱海殺人事件」でも同様の手法が採られていました。オーバーアクションや小ネタのギャグをたっぷり散りばめて笑いを誘い、観客を楽しませます。

  主人公を演じる風間さんと平田さんの役の年齢設定が、初演時と同じ40歳と30歳で、セリフを物凄い勢いで、一気に畳み掛けるようにまくし立てる姿に圧倒されました。風間さんは、新聞に掲載されたインタビューで「長年の演技経験で身に付けた技術は極力使わず、33年前のあの時のあの勢いで演じたい。」と語られていました。長い俳優人生の原点となる大切な作品なので全身全霊で演じているのが分かります。作品に懸ける熱い情熱が伝わって来ました。

  今改めて観ても全く古さを感じさせませんでした。原作の良さを最大限に生かしながら、いのうえ流の演出を加味することによって、さらに作品が魅力的にパワーアップして再現されていました。2時間の上演中ずっと、大量の言葉のシャワーを浴びて、大量の汗を流しながら熱演する4人の俳優の熱気が伝わって来て、とても刺激的な時間を過ごせました。

  それにしましても、初めて訪れた北九州劇場の施設が充実していることに感心ました。以前から熊本では観劇をする機会が殆んどないので寂しい思いがしていました。熊本県立劇場等も演劇にもっと力を注いで頂きたいですし、今計画されている市中心部の商業施設でも充実した施設を設けてもっと気軽に観劇ができるようして頂きたいものです。

3. 小さな春 (2016.01.08)

 事務所の玄関入口と事務所の室内の花のアレンジは、一足早い春の花々に彩られています。

 新年早々、いつもお世話になっているフラワーショップにご挨拶に伺いました。ショーケースを眺めてみると、一足早い春を思わせる花々がずらりと並んでいました。特に淡いピンク色の愛らしいチューリップと、色鮮やかなピンク色の胡蝶蘭が目を惹きましたので、玄関口に活けてみました。

  年末は、白い胡蝶蘭と白いユリを活けてすっきり凛とした感じでしたが、ピンク色の花々を活けると生き生きとして心が弾みます。花から受ける印象が大きく変わると、気分も変わり新鮮な気持ちになれます。次はどんな花をどんなふうに活けようか、と考えるのも楽しいものです。

  ご相談にいらっしゃる皆様方やご近所の方々に、「小さな春」を少しでも感じて頂ければ幸いです。

2.福 尽くしで、スタート! (2016.01.06)

 お正月にデンキカンを訪れると、デンキカンカフェで縁起物の福豆(ニカラグア・マラカトゥーラ種、2015Nicaragua National WINNER )と、黒豆(ブラジル・セラードピーベリークラシコ、2015First crop一番摘み)を販売していました。
  ブラックとレッドのビビッドでキュートなパッケージが、とてもおしゃれで目を惹きましたので、すぐに買い求めました。机の上に置いてパッケージを暫く眺めていると、コーヒーの深い香りがほのかに辺り一面に漂い、思わず深呼吸したくなります。
  今日は事務所の仕事始めの日です。仕事を開始する前に、楽しみにしていた福豆と黒豆のパッケージの封をワクワクしながら開けて、弁護士と事務スタッフ全員で初物のコーヒーを味わいました。

  また、3時の小休憩時間には祝菓子を2個頂きました。
1個は「えくぼ饅頭」(別名 笑み饅頭)です。赤く色付いた赤ん坊のほっぺをイメージして、「笑いの絶えない一年に」との願いが込められています。もう1個は「花びらもち」です。皇室の行事に用いられてきた祝菓子として有名です。味噌餡と牛蒡を柚子の入った餅生地で包んでいます。どちらも今しか頂くことが出来ない貴重な祝菓子です。

  仕事始めの一日を初物尽くしで、新鮮な気持ちでスタートすることができました。
  皆様、今年もどうぞよろしくお願い致します。

1. 映画への旅(1) 「CREED」~クリード チャンプを継ぐ男~ (2016.01.03)

 今年初めて観た映画です。「クリード」とはボクシングの世界チャンピオンだった今は亡き父親の名前で、息子のアドニスが、父と同じチャンピオンへの道を目指してひたむきに生きる姿を描いた映画です。

  アドニスの父(クリード)は、ロッキーと闘いリング上で亡くなりました。アドニスは父親を知らずに愛人の子として育って荒れた少年時代を過ごしていましたが、ある日、アドニスに救いの手を差し伸べてくれる女性が現れました。その女性はアドニスの父の正妻でした。アドニスはその女性に引き取られ、裕福で恵まれた暮らしをして、教育を受け、立派な好青年に成長します。そして、大手企業で重要なポストを任せられるようになっていて、表面的にはすべてが順風満帆なようでした。
  しかし、アドニスは、内面では、父が偉大なチャンピオンだったということと、自分は愛人の子なので「過ち」として生まれて来た人間だという深い心の悩みをずっと抱いていて、心の引っ掛かりがあったので、いつも心が満たされていませんでした。それで、非日常ではメキシコでボクシングの試合に出たりしていましたが、やがて、会社も辞めてすべてを投げ捨てて、父と同じプロボクサーの道を歩む決心をします。きっと自分が生きていることの存在証明を求めたのでしょう。

  アドニスは、本格的にボクシングを学ぶために、かつて父と無二の親友でもあった伝説の男ロッキーにトレーナーとして教えを乞い、猛特訓を重ねます。アドニスは偉大な父の名前に押し潰されそうになりますが、ロッキーが良きトレーナとして、実際は良き父親のように、深い愛情を以って厳しく優しく指導します。
ロッキー自身も病魔と闘いながら、アドニスを成長へと導くという重要な役回りとなっています。老いたロッキーの枯れた味わいと圧倒的な存在感の大きさが、凄くいいのです。ロッキーの言葉にも含蓄があって、心に素直に響いてきます。「前へ踏み込め!打ち抜け!」、「今日しかない。明日はない」。「リングでは自分自身との闘いだ」。
  また、アドニスが知り合った恋人のビアンカも、進行性の難聴でありながらミュ―ジシャンとしての成功を夢見て精一杯生きている人で、「音楽をやるのは生きていることを実感したいから」、「覚悟を決めている。だから後悔しないように好きなことをする」等と言って、とても胸を打つ内容となっています。この作品はボクシングの世界を描いてはいますが、実は人生の真実を言い当てているいい言葉があちこちに散りばめられています。

  アドニスは目標に向って毎日をひたむきに生きることで、「俺は『過ちの子』ではない」、「自分の伝説を作る」、「人生は悪くない」と思えるようになります。アドニスが自分の出自や悩みを乗り越えて、自分自身を再構築して自分を肯定して好きになり、自分の道をしっかりと歩んで行く、そんな姿が感動的です。

  豊かな才能に溢れ将来性のある若い俳優と、熟練した味わい深いベテラン俳優。2人の競演により、ただのボクシング映画を超えた人生哲学が学べる秀作でした。
  今年初めて観た映画は、印象深い作品でした。




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