42.献立表 2019/07/25 (木)

 昨日、録画していた「徹子の部屋」を観ると、人気バイプレーヤーの年配の俳優が、妻を伴って出演していました。
風間杜夫さんと同世代の俳優は、味のある演技に定評がありますが、若い頃は容姿に恵まれていなかったため苦労をしたそうです。
そんな夫を支え続けた妻は、30数年間に亘り愛妻弁当を作り続けて、夫を支え続けたそうです。
家計の遣り繰りに苦労しながら、夫の弁当は人に見られても恥かしくないように、栄養や彩りを考えて丁寧に作っていました。
そんな弁当を、夫はいつも「美味しいなあ」と呟きながら食べているのだそうです。
妻が弁当の内容に変化をつけるために、ノートに弁当のおかずを記録したものを公開しました。
そのシーンを観ていたら、そういえば過去に司法修習生が夫の元に修習に来た時、
私も昼食の献立表を作成して保存していたことを、急に思い出しました。


 夫は過去に司法修習生の修習を、2回だけ担当したことがありました。
夫の性格からすると、司法修習生の面倒を見るのは大好きですし、何でも教えてあげたいというタイプですから、
当然のように司法修習生全員の担当教官になって欲しい、というお話も何回も言われ続けて来ました。
確かに、夫は明るく朗らかな性格なので、担当教官は適任でピッタリなのは十分分かっていました。
しかしながら、やはり体調が悪いことが原因で無理をさせられないので、私が全てお断りしていました。
司法修習生の修習も、夫の体調面を考慮すると受け入れは難しいと判断して、ずっとお断りしていました。
過去に2人だけですが、夫が司法修習生の修習を担当したのは、大変貴重な経験となりました。
夫は修習生が来ると、楽しくて仕方がないようでした。息子と年がそう違わない青年に、ひとつひとつの事件を通して、
色々教えるのは大きな喜びだったようです。自分の長年の経験を若い世代に伝える喜びは、格別だったようです。


 私は、家族以外の人に私が作った昼食を提供するのは、初めての経験だったので緊張の連続でした。
夕食よりも昼食作りに全力を傾けて一生懸命メニューを考えました。
修習生に、喜んでもらいたい、満足してもらいたい、と思いました。
最初の修習生の時の献立表は残っていませんが、過去に一度も作った経験のない「フォンデュ」を作って失敗したり、
「もんじゃ焼き」を作って不評だったりしたこともありました。
料理に失敗したり、不満がある時は、夫の表情を見ただけですぐに分かりました。
夕食の時は、夫から昼食のメニューについての反省会がありました。
「あの料理は作らない方が良かったんじゃない・・・」などと、時には手厳しいこと言われることもありました。
修習生は昼食を楽しみにしているだろうし、修習生同士でそれぞれの修習先の昼食の話も当然話題に出るだろうから、
夫に恥をかかせてはいけないと思って、失敗を繰り返しながらも、一生懸命料理作りに励みました。
いつも前日の夜から仕込み作業をして、当日は事務スタッフの分までついでに作る時も時折ありました。
私は、その当時は、何だか食堂のおばちゃんになった気分でした。


 二人目の修習生は、「昼食の料理を写真撮影しています」と言って、私に写真を見せてくれたことがありました。
その時には遣り甲斐を感じ、とても嬉しかったです。
今振り返ってみると、日頃作り慣れていないない料理を作ると、夫の顔が「大丈夫かな・・・」と、とても不安気になっていました。
やはり、作り慣れている定番の料理を作る方が、私も自信を持って作れるので美味しく食べてもらえました。


 当時、修習生から聞いた話では、他の修習生は毎日昼食はコンビニ弁当や外食(麺類など)続きだそうです。
貴重な司法修習生でしたから、夫の元で修習して良かったと思ってもらいたい、満足してもらいたい、という一心で、
夫も、私も、一生懸命頑張ったなぁ、と懐かしく思い出しました。