35.写真展 2019/07/12 (金)

 写真集を出版したのは、夫の病状が思わしくなく、再発を繰り返していた時期でした。
夫が生きているうちに、夫の「生きた証」として写真集を、これまでお世話になった方々へ、感謝の気持ちを込めて贈ろうと考えました。
親兄弟、親戚、同級生、顧問先、依頼者の方々・・・などへ贈呈しました。


 当初は、写真集を出版出来たことで満足していたので、写真展は開催しないつもりでした。
そうしましたら、夫の同級生の方々が、是非大津町の「水車物語」というギャラリーで写真展を開催して欲しいと言いました。
開催日をすでに予約されたと言うので、急遽、写真展を開催することになりました。
夫の故郷での開催なので、夫の両親をはじめとして弟たち、親戚の方々、村の方々、同級生の方々などが来てくれました。
「水車物語」では、ご来場頂いたみなさんとコーヒーを飲んだり軽食を頂いたりしながら、くつろいで和やかに語り合うことが出来ました。
ゆったりとした時間が流れる、とても温かな写真展だったことが印象深く残っています。


 大津町で開催した写真展がとても楽しかったので、夫は、次は美術館分館で開催したいと思うようになりました。
すぐに分館に申し込みに行くと、丁度運良く、夫が希望していた1階の広い展示場がキャンセルがあったというので申し込みました。
あとで分かったことですが、そのキャンセルをしたのは偶然にも、夫がNHK写真教室でご指導頂いた川畑先生だったそうです。
偶然とはいえ、不思議な縁を感じます。


 分館で開催した写真展は、当時大学生だった息子が写真の取付や受付を手伝ってくれました。
私は、写真に添えるタイトルと言葉を制作して、さらに会場内のテーブル等に光沢のある淡いピンク色の布を被せて、
会場内の雰囲気を明るく統一感の感じられる、柔らかな雰囲気の空間にしました。
わずか6日間の開催でしたが、1日1日が非常に濃密で充実していました。
夫が「俺の葬式でもこんなには人は集まらんだろ。」と笑いながら言うくらい、本当に沢山の方々にお会いしました。
夫はこれで思い残すことがないというくらい、物凄く喜んで満足していました。


 写真展の撤去作業は、やはり息子が中心となって行ってくれました。
親子3人で初めて力を合わせて写真展を成功させたことで、喜びも格別だったように記憶しています。
親子でこんな素晴らしい感動的な体験が出来たのも、思い切って写真展を開催したからこそです。
写真集の出版、そして写真展の開催、・・・大きな決断をして、力の限りを尽くしたからこそ、得た喜びも大きかったのだと思います。


 写真は、写真展の開催日の直前、リビングに写真展に展示する写真を並べて記念撮影をしました。
特にお気に入りの写真を並べています。夫のワクワク感や楽し気な雰囲気が伝わってきます。