31.これからもよろしくね。 2019/07/07 (日)

 夫と私は、偶然にも誕生日が1日違いです。
夫は2月2日、私は2月3日生まれです。
誕生日を祝うのは、いつも夫の生まれた日に、2人分まとめて祝っていました。
私は、毎年夫にネクタイをプレゼントするのが恒例でした。
しかし、私は、夫からプレゼントを貰ったことがありませんでした。
私は「私へのプレゼントは?」と夫に訊ねると、夫はいつも「俺は愛情をプレゼントしてるから。」と冗談を言うのです。


 そんな夫が、たった1回だけ私の誕生日にプレゼントをくれました。
2017年2月3日、可愛らしいピンク色のバラの花束に、手書きのメッセージカードも添えられていました。
以前同窓会に参加した時、ある同級生が奥さんの誕生日に花束をプレゼントしたら喜んでくれたという話を聞いたので、
夫も私に花束を贈ろうと思ったのだそうです。私は誕生日に夫からプレゼントを貰ったのが初めてだったので、
物凄く驚くのと同時にとっても嬉しかったことを覚えています。


 夫は花束を渡す時、ちょっとはにかんだような照れくさそうな顔をしていましたが、
私が物凄く喜んだので満足気な嬉しそうな表情を浮かべていました。
いつもは私の方がサプライズ好きで、夫をどうやって驚かして喜ばせようかと策を練るのが好きなのですが、
この時は、夫の予想外のサプライズに大変感激しました。


 私が夫から初めて花束を貰ったのが2月3日。
夫は、2月末の東京出張(1泊2日)から帰宅すると、とても疲れた様子で食欲も失せていました。
翌3月、急激に体調が悪化し、4月に再び抗がん剤治療を開始しました。
メッセージカードに書かれていた「これからもよろしくね!」の文字と笑顔のマーク。
2017年は、人生の終盤へ向けた波乱のスタートとなりました。


 「これからもよろしくね!」という夫からのメッセージを、私はしっかり受け止めていただろうかと、私自身に問い掛けてみました。
2017年、2018年と、予想外の波瀾に満ちた2年間でしたが、夫の気持ちや考えは日頃から十分理解していたので、
私なりに力を尽くして、夫が望むような最期を迎えることが出来たのではないかと、今は思っています。