76.新しい人格 2020/03/25 (水)

 美術館分館の4階において開催中の「緒方信行彫刻展」を鑑賞しました。
これまでに美術館分館で彫刻の作品展を鑑賞する機会が何回もありましたが、いつも私が心惹かれる作品は緒方信行さんの作品でした。
今回、緒方信行さんの作品展を鑑賞出来ることが大変楽しみでした。4階の会場内に入ると、緒方信行さんが在廊されていました。
入館者全員に、優しく微笑みながら話し掛けていました。私にもお声を掛けて下さったので大変感激しました。
緒方信行さんは、緻密な作品群を観て私が勝手に想像していた人物像とは全く違う、柔和で物腰の柔らかい方でした。


 会場内の入口に展示されていた作品「風舞」は、傷ついた人々の心や体を癒す風の女神が、
今まさに地球を目指し舞い降りようとしている姿を創作した、躍動感溢れる作品となっています。
あらゆる角度からじっくり鑑賞していると、体中にパワーが漲り不思議な力を授けて頂けました。


 会場内中央では、「加藤清正公像」(高さ2m80㎝)、「雷神」(高さ2m10cm)、
「風神」(高さ2m50cm)の三体の迫力ある壮観なモニュメントに圧倒されました。
熊大の美術科の生徒の有志総勢26名の力を借りて制作された力作です。
作品には「三体の像が、私たちを見守ります・・・」とコメントが書かれていました。


 会場内後方の中央には、昨年の大河ドラマで有名になったマラソンの金栗四三さんの彫像が聳え立っていました。
両腕をしっかり組み、逞しい脚が印象的で意思の強さが伝わって来るようです。
「体力 気力 努力」の有名な言葉も刻まれていました。


 緒方信行さんの挨拶文には「モデルの再現に終わらずに、私たちと同じ空間に立つ「全く新しい一人」の誕生。
新しい人格を持った彫刻が、作者の思いを超えて見る人に語りかけます。彫刻であるその人と触れ合い語り合って欲しいと思います。
それが人体彫刻家の願いであり、この世に新しく生まれた作品自体の願いでもあると考えます。」と綴られていました。


 確かに、どの作品も表情豊かに、いろんなことを語りかけてくるように感じられました。
久し振りに生命力に溢れた物凄い物を観た、という思いがして深く感動しました。