231.「恋恋風塵」(れんれんふうじん) 2019/11/29 (金)

 第16回、熊日名画座は、ホウ・シャオシェン監督の自伝的4部作に位置づけられた、
青春映画「恋恋風塵」(れんれんふうじん)です。ホウ・シャオシェン監督の作品は人気が高く、会場内はほぼ満員でした。


 映画のファーストシーンは、汽車に揺られ暗いトンネルを抜けると、深い緑の山間の村へ辿り着きます。
まるで、私も汽車に乗車しているかのような気分を味わい、自然に映画の世界に溶け込み、引き込まれて行きました。
 物語は、幼馴染の男女の純粋で淡い初恋が、思わぬ結末を迎えるまでを淡々と描いています。
1965年代の台湾の生活や、風習がこまやかに描写されていて、大変興味深く鑑賞しました。
各シーンで必ず効果的に流れる、哀愁を帯びたギターの音色が、恋の行方を暗示するように切なく響きます。
 映画のラストシーン、主人公の故郷の山間の村に天から光が降り注ぎ、次第に光が移ろって行く様子を、
ゆっくり映し出して映画は終わります。主人公の人生の移ろいを象徴するような、素敵なラストシーンでした。


 上映後のエッセイストの吉本由美さんとの「おしゃべりタイム」では、幼い頃台湾で生活されていた方がいらして、
「景色が懐かしかった」と感慨深げにおしゃっていました。ホウ・シャオシェン監督作品は人気が高く、
「何本か観ています」という方がとても多かったです。ほぼ全員が感想を述べるので、
私も感じたことや気付いたことなどを、他の方とは違う視点で述べさせて頂きました。
他の方の感想を聴いていると、私が気付かなかった点を気付かされることもよくあるので、その点が面白いです。
また、吉本由美さんの可愛らしい話し方や、ほんわかした雰囲気が心地良く、映画会を魅力的なものにしています。
おしゃべりタイムが終了したのは、午後9時30分を過ぎていました。今年最後の映画会でしたが、楽しいひと時でした。
映画の選定にはご苦労が多いとは思いますが、来年も楽しみにしていますので、どうぞよろしくお願い致します。