210.「き ら」 2019/11/07 (木)

 毎週、伝統工芸館と美術館分館へ行く途中にある「きら」というお店が、
以前からずっと気に懸かっていました。一度訪ねてみたいと思いつつも、
看板に「漬物茶屋」と小さな文字で書かれているので躊躇していました。
私の近くで「きら」の看板を覗き込んだ女性が「なぁんだ、漬物か」と、
がっかりしたような声で言って、通り過ぎて行きました。


 看板に料理の写真が掲載されていますが、ご飯・味噌汁・お茶と、
メイン料理は漬物となっています。副菜などはありません。
躊躇しつつも、一度試食してみようと思い、思い切ってお店に伺ってみました。


 店内はとても狭いですが、調度品やインテリなどのセンスが良くてお洒落な雰囲気です。
店主(男性)が、多種類の野菜を使用して調理しています。
「漬物茶屋」というより、それぞれの野菜の美味しさを引き出すよう工夫されています。
毎日20~30種類ほどの野菜を使用して、野菜ごとにすべて調理法を変えています。


 手間暇がかかった美味しい野菜料理に感激しました。
沢山の種類の野菜を美味しく頂けるので、身体が浄化されるようです。
もし、毎日こんな野菜料理を食べたら、きっと健康になれるだろうなと思いました。
「漬物茶屋」という言葉から受けるイメージとは懸け離れた、
それぞれの野菜の美味しさを追求した大満足のお店でした。


 何年も前から「きら」の存在を知りながら、一度も訪ねたことがなかったことを心底悔やみました。
野菜の美味しさの奥深さを教えてくれた「きら」に感謝します。
どの料理も、お手本にして作ってみたいと思わせるものばかりでした。
店主にある料理の調理法を訊ねると、隠し味に鶏がらスープや、
和風だしを加えていると教えて下さいました。
私が予想もしていなかった隠し味を、惜し気もなく教えて下さる店主。
店主の優しい人柄が、優しい味わいからも伝わってきました。