86.ごあいさつ 2019/06/07 (金)

 昨日は、夫が長年に亘りお世話になっていた、中央病院循環器のN医師にご挨拶に伺いました。
昨年のお別れの会の時、N医師はどうしてもお忙しいとのことで都合がつかず、
残念ながら欠席されましたので、お会いすることが出来ませんでした。
N医師にお会いするのは、昨年6月、夫が敗血症の検査をして頂いた時以来でした。


 夫は、昔からどんなに具合が悪くても、決して救急車を呼ぶことを許さない人でした。
敗血症になった時には、何十回心拍計で計測しても計測出来ない状態が続きました。
夫の意識も遠のいて行き危険な状態だったので、何回も救急車を呼ぼうとしましたが、
「絶対に呼んだらだめだ!」、「俺の許可なしに呼ぶな!」と夫が大声で叫ぶので、
私は本当に途方にくれ、困り果てました。


 数時間に亘り、根気よく夫を説得した結果、「N医師の診察を受ける。」とやっと言ったので、
すぐに中央病院のN医師に診察して頂きました。病院に到着するなり、猛スピードで検査室に運ばれて検査をしました。
検査室から出て来たN医師が、血相を変えて「救急車!」と大声で叫び、「こりゃ、体中が火を噴いている。」と言いました。
N医師の衝撃的な言葉が、今、夫の身体に起きていることの重大さを教えてくれました。
この時、夫はこれまでの人生で初めて救急車に乗り、中央病院から国立病院の血液内科へと向かいました。


 夫は、救急車に乗っている時、意識が朦朧としているにも関わらず、
精一杯の気遣いをして、救急隊員の方に笑顔で話しかけたりしていました。
私にも弱々しい笑顔を見せながらも、冗談を言ったりしていました。
私は、きっといつかは救急車に乗る日が来るのだろうなと漠然と思って覚悟はしていたので、
とうとうその時が来たな、という思いがしていました。


 余談になりますが、昨年6月は夫が敗血症で、8月は私が転倒して鎖骨骨折で、
同じく8月に息子がぎっくり腰で転倒して、家族全員が救急車のお世話になりました。
私と息子は、普段から何かあるとすぐに病院に行くので、まさか私と息子まで救急車に乗ることになるとは、
まったく想像もしていませんでした。不思議なことに、不運が続いていました。


 N医師は、朝からオペが入っていたので疲労感が感じられましたが、無理を言ってご挨拶をさせて頂きました。
1年振りの再会に、懐かしさと共に感慨深い思いが込み上げて来ました。
N医師から別れ際に「お元気でいて下さいね。」と優しい言葉を掛けて頂きました。
N医師も数年前、奥様を亡くされているので、私へのお気遣いをして下さったのでしょう。


 これで、夫が長年に亘りお世話になっていた3人の医師(血液内科と循環器)全員とお会いして、
直接お礼を申し上げることが出来ました。私の心の中でひとつの大きなけじめをつけることが出来たので、
心がすっきりとして晴々としました。