83.長いお別れ 2019/06/02 (日)

 主演の山崎努さんの演技が見たくて「長いお別れ」を観ました。
若い頃は、山崎努さんの眼光が厳しくて鋭いのが怖くて苦手でした。
ある時、ドラマ「早春スケッチブック」を見てから、山崎努さんという役者の凄さに心打たれました。
それ以来、山崎努さんは別格の役者だと思うようになり尊敬しています。


 中野監督が映画を見た山崎さんから、「こびずに堂々とした立派な映画だ。」、
「見事な演出で、感服致しました。」と絶賛され、大変感激されたそうです。
私が最も驚いたのは、映画が順撮りではなかったことです。
認知症がかなり進行した状況を先に撮影したそうです。
山崎さんが演技計画を綿密に立てて演じられたのでしょう。演じ分けが見事でした。


 テーマは認知症ですが、7年間に亘り変化して行く様子が丁寧に描かれています。
暗さや辛さだけでなく、笑えたり、しみじみしたり、いろんな感情が複雑に湧き上がって来ます。
夫婦の愛情の深さ、娘たちのそれぞれの人生と、父を思う優しさがバランスよく描かれています。


 認知症はアメリカでは、ゆっくりと遠ざかるように少しずつ記憶を失くしていく様子から、
「Long Goodbye(長いお別れ)」とも表現されるそうです。
決して他人事ではない認知症を、身近な問題として考える契機となる良質な作品です。
久し振りによい映画を観ました。