56.映画への旅 「 盆 唄 」 2019/04/13 (土)

 福島県双葉町を舞台に、3年という長期取材をした音楽ドキュメンタリー映画です。


 地震、津波、原発事故により、帰還困難区域に指定されている双葉町。
被災後、双葉町の人々は散り散りになり、それぞれ窮屈な思いを抱えながら避難先での生活を送っています。


 映画のラスト20分間の櫓での盆唄のシーンは、大変素晴らしくて感動的でした。
心に染み渡る太鼓や笛の音色。
そして、一度聴いたら忘れられない味わい深い唄。
輪になって穏やかな笑顔を浮かべて楽し気に踊る人たちの姿が目に焼き付きます。
盆唄の音色と唄が響き渡り、いつまでも耳に残りました。


 かつて故郷は豊かな自然に恵まれ、稲穂はたわわに実り、静かに穏やかに波打っていた浜。
現在は、誰もいなくなって荒れ果て、ゴーストタウンになってしまった町。
突然、故郷を奪い取られてしまった双葉町の人々。
悲しい現実と向き合いながらも優しく穏やかな笑顔を浮かべ、
夢や希望を捨てないでたくましく生きる姿に、心から救われる思いがしました。


 映画を観終わってから、幼い頃、故郷の北海道で盆踊りを踊ったことを思い出しました。
薄暗闇に燈る櫓と提灯の灯りが郷愁を誘い、心躍った記憶が懐かしく蘇りました。