209.どもりでよかったかな? 2018/11/24 (土)

 熊本言友会主催の「第8回 くまもと吃音のつどい」が、熊本保健科学大学で開催されました。
初めて訪れた保健科学大学は、崇城大学の先を左折した静かな場所にありました。
50周年記念館という広い立派なホールは、吃音に悩む若い人たちが大勢来ていて関心の高さを感じました。
福岡のテレビ局も取材に来ていました。


 シンポジウムは、「メガネのヨネザワ」の米澤社長の「希望は必ず実現する」というテーマでの
体験談が披露されました。現在75歳の米澤社長は、幼い頃から小児麻痺による足の障がいと、
吃音がありましたが、高校生の時出逢った先生方が褒めて伸ばすという指導をして下さったお陰で、
実力を発揮することが出来て自分に自信が持てたそうです。
 就職後、人の何倍も努力したお陰で実力を発揮することが出来て、現在は多数の企業の社長になられています。
吃音は直すと思うよりも、自信をつけさせることこそが重要だと説かれ、潜在能力を信じて活かし、
環境に挑戦する姿勢ことが意味があると熱く語られました。


 私が感激したのは、若者2名による体験談発表のコーナーです。
26歳の男性は、理系の大学院を卒業されて化学メーカーの開発に就職されて1年半。
おっとりとしておおらかな雰囲気で、話し方がユーモアがあります。
就活する中で、言えない言葉の言いかえをしてコントロールしたり、劣等感を感じ自信を失くし、
一時は就活を諦めて吃音から逃げていたこともあるそうです。
 でも、今はセルフヘルプグループへ参加して、吃音と向き合い、言語聴覚士のリハビリを受けているそうです。
吃音から逃げずに、コツコツと努力を続けていると明るい表情で話していました。


 33歳の男性は、「はい」という返事が出来ない、さしすせそが言えないことから、
吃音を嫌な大嫌いな存在と思い、コンプレックスだったと言います。
 しかし、自分が一番苦手なことに挑戦するこが自信に繋がるのではないかと考え直して、
あえて営業職を選択します。吃音から逃げることを止めて、毎日必死に一生懸命仕事をするうちに、
自分が思うほど周囲の人は吃音のことを深く問題視していないと感じます。
そして、うまく話すことよりも、伝えることこそが大切だと気付くのです。
過去には失敗した時、吃音を逃げ道にしていた。
吃音は不便だが、不幸ではない。今は、吃音があって良かったと心から思っていると発言されました。
悩んで、考えて、学んできたからこそ、自分らしく生きて行けると晴れ晴れとした笑顔で語っていました。


 特に、33歳の青年の気づきは素晴らしいと思いました。
幼少期から吃音に悩み続けて来た坂本弁護士の吃音に対する向き合い方や考え方と全く同じだと思いました。
吃音を障がいだと捉えたり、何とか治したいと思って悩む人も沢山いますが、
吃音に向き合い、自分の個性だと受け容れ、吃音と共に歩むと決心したなら、いつしか自分がとても愛おしくなるはずです。
坂本弁護士は「俺、よく頑張って生きて来たよな。」、「どもりが愛おしいよ。」、
「どもりでも良かったかな、くらいには思っているよ。」とよく言っていました。


 今日は坂本弁護士が心待ちにして楽しみにしていたシンポジウムでしたので、私が代わりに行ってきました。
素晴らしい体験談が聴けて、大変有意義なシンポジウムでした。