190.「駄菓子屋小春」試写会 2018/09/22 (土)

 9月22日(土)、俳優の八名信夫さんが脚本・監督をされ、1年5カ月かけて制作された
熊本地震復興映画「駄菓子屋小春」の無料上映会が、パレアホールにて開催されました。


 映画上映前には、八名信夫さんをはじめとして柴崎蛾王さん(悪役商会)・キンキラ陽子さん(肥後にわか)・
副嶋由記さん(ソプラノ歌手)・オーデションで選ばれた中山あやかさん(子役)が舞台挨拶をされました。
撮影の裏話なども披露され、終始和やかで温かい雰囲気に包まれていました。


 「駄菓子屋小春」は、熊本市中央区河原町の旧い街並みや、全国的にも有名な宇土市御興来海岸などの風景が映し出されていました。
熊本からの出演者は、舞台挨拶にも登壇されたキンキラ陽子さんや副嶋由記さんの他にも、池田美樹さん(劇団きらら)・
メガネのヨネザワの社長ご夫妻・福田病院江上院長・新本高志さん等、熊本では顔馴染の有名人の方々が多数出演されました。


 新本さんは自転車でパウンドケーキを届けるといういつものスタイルで登場。普段のありのままの姿が自然体で映し出されていました。
キンキラ陽子さんは見せ場が多く、重要な役目を担っていました。初登場シーンでは、熊本地震で息子を亡くした母親の深い哀しみを切々と訴え涙を誘いました。
会場内ではすすり泣いている方が数多くいらっしゃいました。その他にも、軽妙な演技をされる池田美樹さんと息の合ったところを見せながら三味線と唄を披露して、
熊本地震で気持ちが暗くなりがちな人々の心を、明るく前向きに元気にするというシーンも印象的でした。
特に、私は下通を行進するシーンの撮影風景を偶然目撃しましたので、どのように編集されているのだろうかと、
このシーンを観るのをワクワクしながら楽しみにしていたので大変興味深く観ました。


 主演の小春を演じられたのは、ベテラン女優の一柳みるさん。
大学生の時から演劇活動をされていて、劇団昴の看板女優としてシェイクスピア劇を中心に活躍されていたそうです。
数多くのテレビドラマにも出演され、時代劇・現代劇・吹替えなど経験豊富な女優さんです。
凄みがあり迫力のある「悪役商会」の俳優陣を相手にして、一歩も引かない堂々とした演技でした。
また、駄菓子屋を営み子供達に愛され、面倒見が良く、人情にもあつい、愛嬌のある女性像を創り上げていました。
八名信夫さんとの大人のラブロマンスなども繊細に演じられていました。
凛とした芯の強さと、子供達に注ぐ深く優しい眼差しが心に残りました。


 映画のラストシーンは、御興来海岸で繰り広げられる生と死が描かれます。
私はラストシーンでは八名信夫さんの死生観が表現されていると感じました。
長い人生で数多くの死ぬシーンを演じられてこられましたが、今回の作品の中ではご自身が理想とする死を描かれたのでないでしょうか。
美しい風景の中で、愛する女性の傍で、愛すべき人たちを見つめながら、自分の人生に静かに幕を降ろす・・・、
八名信夫さんの願いや希望が込められた幸せな死の迎え方の描き方だと感じました。
遠景で映し出された人間の躍動するシルエットからは逞しく生きる人々の姿が描かれ、美しく余韻の残るシーンとなっていました。


 上映後、再び八名信夫さんが挨拶をされました。
これから2年間かけて、日本中の被災地を中心に上映会を開催される予定だそうです。
八名信夫さんは現在83歳。志は高く、気力に溢れているのが伝わって来ました。
外見もとても若々しくて、話し方もお元気そのものです。
映画からも、八名信夫さんからも、元気なパワーをたくさん頂けたような気がしました。