48.「KCIA 南山の部長たち」 2021/03/12 (金)

 映画「KCIA 南山の部長たち」は、1979年10月26日、大韓民国大統領直属の諜報機関である
中央情報部(通称:KCIA)部長キム・ギュピョンが、独裁者と批判されていたパク・チョンヒ(朴正煕)大統領を
射殺した実話を基にしたフィクション映画です。主演はイ・ビョンホン。キム部長の内面を深く掘り下げた人物像は見応えがあり、
高い演技力で演じ切っていて見事でした。


 大統領の側近のキム部長が、パク大統領を射殺するまでの40日間を克明に描いています。不信感、正義感、使命感が渦巻き、
終始緊張感が漲るシーンの連続にハラハラドキドキしながら鑑賞しました。史実をベースにしているので、はじめから映画の結末が
分かってはいますが、事件の背景となっている心理描写を丁寧に描いていて、俳優陣の迫真の演技も大変素晴らしく、
一気にラストシーンまで骨太に描いています。


 驚いたのは、実際の事件が発生したのが40年前。映画で描かれている話は、決して遠い昔の話ではないということです。
映画のエンディングで、朴正煕暗殺事件の裁判において意見陳述した、キム部長の実際の音声が流れたのは衝撃的でした。
自らの強い信念に基づいた行動であったことを、何の迷いもなくきっぱりと証言していた言葉に、意思の強さや誇りを感じました。