37.「Away」 2021/02/23 (火)

 映画「Away」は、ラトビアのギンツ・ジルバロディスが、たったひとりで監督・製作・編集・音楽を担当し、
3年半の歳月をかけて完成させた長編アニメーションです。


 ストーリーは、飛行機事故で島に不時着した青年の様々な経験を描くロードムービーです。
特徴的なのは、セリフが一切ないこと。絶望・不安・孤独・希望を、印象的な映像美と自然界の心地よい音
で綴る美しいアニメーションです。主人公の青年をつねに見つめている、不気味な黒い巨大な物体。
私は、一体これは何なんだろうとずっと考え続けた結果、青年の心の中にある弱い部分や、死に対する恐怖感の
象徴として描かれているのではないかなと思いました。つまりはテーマは「生と死」であり、最終的には
未知の世界にある困難を乗り越えた先にある、生きることの希望や幸福感が描かれていると思いました。


 セリフが一切ないので、それだけに映画を鑑賞する人の想像力や感性に強く訴えかけてくる作品です。
心を研ぎ澄ませ鑑賞すると、心地よさが感じられる清々しい世界観に魅了されます。それにしても、
たった1人で3年半という長い年月、こんな美しい映画を制作したギンツ・ジルバロディス監督を心から尊敬します。