4.「燃ゆる女の肖像」 2021/01/02 (土)

 18世紀フランス、女性画家と貴族の女性との秘められた恋の物語。
女性監督が、かつて実際にパートナーの関係にあった主演女優に、あてがきをして脚本を書いています。
主演女優の魅力を、余すことなく存分に引き出している脚本と演出は実にお見事です。
作品のどの部分を切り取っても、まるで絵画のように美しく、計算し尽くされた緻密な作品です。


 画家とモデルという関係性の中で、お互いが心に秘めた恋愛感情を隠しながら、
視線と視線を熱く交わし合うシーンからは、恋愛感情が次第に高まって行く心模様が、
確かに伝わってきました。女性監督が描き出す、ふたりの女性の愛のシーンは美しく、
洗練されていて絵画的だと感じました。


 ラストシーンは、数年振りに偶然再会したふたりが、敢えて視線を交わさないことで、
秘められた愛がいかに深いものであったのかを、見事に表現していました。
終始、張り詰めた緊張感のある、静謐な美を感じさせる秀作です。