243.うみたまご 2020/11/10 (火)

 アフリカンサファリへ行ったついでに、別府の「うみたまご」に行きました。
雄大な景色が満喫出来る別府湾に面しているので、素晴らしいロケーションを最大限に生かした水族館です。
見学者の興味を強く惹くようなダイナミックな展示も多く、工夫が随所にしてあり大変見応えがありました。


 私は、30代の頃から別府にあるN病院に入院して病気の治療をしていた関係で、別府は馴染みのある
思い出深い場所です。私が入院していた時、夫は毎週お見舞いに来てくれていました。ある日、夫は、
お見舞いの帰りにひとりで「うみたまご」を訪れました。2頭のイルカが水面に射す光を目指して、
仲睦まじく泳いでいる写メールを送ってくれたことがありました。言葉は添えられていなかったけれど、
夫の温かい思い遣りの心が私の心にストレートに届き、大粒の涙をポロポロ流したことを今も忘れません。
あらためて、夫が撮影しただろうと思われるイルカのプールの水槽の底から、水面を見上げて眺めてみると、
撮影者の狙い通りに、2頭のイルカが泳ぐ姿を捉えることは、至難の業だということがよく分かりました。
きっと夫は、自分の思い通りのアングルになるまで、長時間熱心に撮影し続けたことが容易に想像出来ました。
治療中の私に希望を与えてくれる、本当に心に残る素敵な写真でした。


 息子が、夫が最後に愛用した大切なカメラを手にして、心が動いた瞬間を写し、シャッター音が響き渡ります。
息子の撮影風景をいろんな方角から眺めていると、夫の撮影風景を眺めていた時のことが懐かしく思い出されます。
夫は情熱や熱気が溢れている人でしたが、息子は夫とはかなり対照的で、繊細な感覚で鋭く捉えるタイプのように感じます。
夫が亡くなってから、息子が夫のカメラを手にして、自然に触れて、感動し、撮影することを心から楽しんでいる・・・。
そんな息子の姿を見ることが出来るのは、私にとっては大きな喜びです。夫から息子へ、心のバトンタッチが出来たような
思いがしています。懐かしく思い出深い街、別府。私にいろんな気づきを与えてくれました。


 写真撮影:坂本 翔
 撮影場所:大分県別府「うみたまご」