244.「おらおらでひとりいぐも」 2020/11/11 (水)

 映画「おらおらでひとりいぐも」の主人公・桃子さんは、75歳でひとり暮らしをしています。
上京し、同郷の夫と出会い結婚。子育てを終え、平穏な生活を夢見ていたら、突然夫に先立たれます。
一見すると孤独なひとり暮らしに見えますが、実は桃子さんの分身である「心の声」(寂しさたち)との、
賑やかでユーモア溢れる心豊かな日々。好きなことが出来る「自由」を与えられることでもあります。


 実年齢よりもかなり高齢(75歳)の桃子さんを演じた、田中裕子さんの演技が素晴らしい。
ひとり暮らしの孤独と向き合い、受け容れ、心の声たちとの愉快な語り合いに、思わずフフと笑って見せる時の表情が絶妙。
岩手県遠野のお国訛りがほのぼのとして、作品のファンタジー性を高め、優しく包み込み効果的です。


 まさしく私にピッタリのテーマの映画でした。夫を亡くして、孤独とどう向き合うか、ひとりで生きるとは・・・、
共感できることがたくさんありました。朝目覚めるとネガティブな心の声(六角精児さん)が必ず現れ、
「寝てろ、どうせなんもすることないんだから」と囁くのを桃子さんが振り切って起床し、
毎朝目玉焼きを作るシーンがお気に入りのシーンです。75歳の桃子さんの人生が結構楽しそうに見えたので、
年を重ねることが楽しみに思えました。