225.ネコたちの人生 2020/10/11 (日)

 数十年来の知人のKさんが、熊本地震で被災した店舗を再建した際に、地域住民との交流をより深めたいとの思いから、
長年の夢だったネコを数匹店舗内で飼い始めました。当初は数匹だったネコが瞬く間に数十匹になったと、Kさんから聞いた
ことがありました。Kさんはお子さんに恵まれなかったので、ネコを我が子のように可愛がっていました。毎日スポーツクラブで
身体の鍛錬をしているとも聞きました。見るからに身体が丈夫そうに見えたKさんですが、10月3日(土曜日)、偶然、
Kさんの店舗店頭に「休業」を知らせる貼紙が何枚も貼られているのを発見しました。私は、すぐにKさんが体調を崩された
のではないだろうかと、不吉な予感がしてなりませんでした。


 店舗側面のシャッターが開いていたので、ネコたちのことが心配でガラス越しに見ると、ネコたちは店内の中央に
身を寄せ合って静かに眠っていました。いつも陽気で笑顔の絶えないKさんが不在なので、ネコたちも元気がないように
感じられました。Kさんの奥様に連絡すると、やはり私の不安は的中していました。奥様は日頃仕事をされているので大変多忙で、
Kさんがネコの多頭飼育をしていたことを全く知らなかったと言います。奥様が「ネコたちの世話をします」と明言されたので
一安心しました。


 私はネコたちのことが心配で、毎日必ず様子を見に行っています。以前までの私なら、ガラス越しでさえネコを見ることさえも
出来ませんでした。ココサのネコカフェでガラス越しにネコを眺めたり、NHKの「世界ネコ歩き」の番組を観ていたお陰で、
ガラス越しならネコを見ることは大丈夫になりました。ネコたちが元気がないように思えたので、猫じゃらしの玩具を持って
行きました。しかし、多頭飼いのネコたちは猫じゃらしで遊んでもらった経験がないようで、警戒して遊ぼうとしません。
それよりも、私の掌をガラスにくっつけてじっとしていると興味深げにそっと何回も触ろうとします。


 私はネコを見るのは出来るようになりましたが、まだ触ったことがありません。本当はKさんの奥様の手助けを少しでもして、
ネコたちにご飯やおやつをあげれるといいのですが、残念ながらそのようなお手伝いは私には出来ません。
唯一、奥様から「ネコ砂を3袋買ってきて欲しい」と頼まれたので、初めてネコ砂を購入しました。
ショッピングカートで何とか運びましたが、3袋ともなればずしりと重くて運ぶのに大変難儀しました。


 ネコたちの毎日の食事と排泄の適切な管理は、1日たりとも怠ることは出来ませんので大仕事です。
飼い主が病気になった場合の動物の多頭飼育の困難さをしみじみと感じました。ネコには全く罪はありません。
飼い主側に全責任があります。ただ可愛いからという単純な個人的な思いだけで、適切な頭数管理を怠った結果が
多頭飼育に繋がってしまったのでしょう。この世に生を受けたネコたちは、果たして幸せな人生を送れるのでしょうか。
ネコたちの行く末に思いを巡らすと、暗く悲しい気持ちになってしまいます。今回の経験を契機として、Kさんがネコたち
にとっての本当の幸せについて、真剣に向き合って欲しいと心から願っています。


 それにしましても、猫じゃらしの玩具を手にして、ガラス越しにネコたちを眺めている自分自身の姿が不思議でなりません。
今年になってネコに対する興味が湧いたり、ネコを理解しようと努力を続けたのは、全ては今この時のためだったような気がして
なりません。私は、Kさんがお元気になるまで、毎日ネコたちの様子を観察して、少しでもネコたちがリラックス出来るように
慣れ親しんでもらい、僅かな時間ではありますがガラス越しの遊び相手になれるように、私なりに出来る限り精一杯、
心を尽くしたいと思っています。