204.「幸せへのまわり道」 2020/09/15 (火)

 映画の主役は、アメリカのテレビ番組の司会者として有名なフレッド・ロジャース。
カウンセラーのようでもあり、聖職者のようでもあり、・・・実に魅力的な人物です。
フレッド・ロジャースを演じるのはトム・ハンクス。柔和な表情や穏やかな語り口、
物事の本質を深く鋭く見抜く能力を持ち合わせ、慈愛に満ちた眼差しが印象的でした。


 トム・ハンクスは、パペット達の声優をしたり歌ったりして、その幅広い演技力に驚きました。
また、この作品の最大の見せ場である「1分間の沈黙」の名シーンは大変素晴らしく、
トム・ハンクスの高い演技力が光り、さらに熟練した高い境地に至ったと感じました。


 映画の内容自体は、「家族の再生」というよくあるテーマですが、トム・ハンクスが
狂言師的役割を果たし、確執のある父と子がお互いの心の奥深くを丁寧に見つめ直し、
怒りや憎しみの感情をコントロールし、お互いを赦し合い、和解するまでの過程が凝った構成で描かれます。


 ミニチュアのカラフルな街並みや、可愛いパペットも登場するので、
一見するとファンタジーのようにも感じますが、「実話」とのことです。
トム・ハンクスの名演技、よく出来た脚本と演出により、心がじんわりと温かくなりました。
良い映画を観たという思いに包まれ、心地良い深い余韻が残りました。