171.テクノロジーでよみがえる「命」 2020/07/23 (木)

 昨晩放送されたNHK「クローズアップ現代」で、これまでの死生観について問題提起をする内容に、大変衝撃を受けました。
番組の内容は、亡くなった人が使用していたSNSのアカウントに、死後もメッセージを送り続ける人たちが増えているというのです。
近況報告などを絵文字入りの明るいタッチで、メールやラインをしていました。どうしてそのようなことをするのか理由を訊ねると、
「生きていたときに伝えられなかった思いを言いたいから・・・」、「既読はつかないけれど、スマホの中では生きているみたい
だから・・・」と答えていました。


 テクノロジーの発達により、生前の膨大な情報(性格・趣味・声・メール・SNS・写真等のデーター)から、
故人のデジタルクローンを作るサービスや、仮想現実の技術で亡くなった人と 再会するプロジェクトも出現していることが
紹介されました。すぐに思い出したのが「AI美空ひばり」さんのことです。美空ひばりさんをデジタル空間に完璧に再現し、
美空ひばりさんと親交のあった秋元康さんが新曲を書きおろし、「AI美空ひばり」さんがNHKの特別番組で歌っていました。
美空ひばりさんと生前親交の深かった方々が、大粒の涙を流しながら感慨深げに、映像を見つめている姿が印象的でした。

 
 外国では故人とSNSで会話できるアプリも開発され、実際にアプリを利用している人が、SNSでの会話を笑顔で楽しんでいる
様子も紹介されました。その他にも、最新のデジタル技術を駆使して、故人をまるで生きているかのように、AIとして再現する
ビジネスも紹介されました。番組の後半では、幼い娘をガンで亡くした母が、VR空間に再現された娘と再開する映像が紹介されました。
故人とコミュニケーションができるシステムの開発が進み、会話を交わしている様子は衝撃的でした。
仮想空間で、母が娘を抱き締めるシーンでは、観ていて複雑な思いが交錯して、何とも切なくなりました。
母は「娘を失った悲しみを、癒やすことができた」と語っていました。ゲストの上智大学・グリーフケア研究所所長は、
「喪のしごと」の重要性を説かれていました。「喪のしごと」とは、亡き人の死としっかり向き合うことです。
それはとても辛いことだけれど、時間が経てば必要な大切なことだったと思えると述べていました。


 今後益々、テクノロジーが進化し、故人のAIビジネス競争が進化し、激化することが予想されます。
私は、亡くなった後で後悔をしないためには、生きてる時に沢山の会話を交わすことこそが大切だと思います。
AIを見た瞬間は、外見や声にハッとさせられますが、やはり強い違和感を感じました。デジタル技術に頼るよりも、
自分の心の中にある沢山の故人の思い出のひとつひとつを、かけがえのない宝物として大切にすべきだと思います。
デジタル技術の進化により、死との向き合い方や死生観に大きな変化が訪れようとしているようです。
本当に大切なものは何かについて、深く考えさせられる内容の番組でした。