263.映画への旅 「密偵」 2017/12/16 (土)

 1920年代、日本統治時代に、独立運動団体「義烈団」と日本警察との攻防を描いた秘密諜報物語です。


 主演のソン・ガンホは、ふたつの民族の狭間で揺れ動く複雑な感情表現が巧みで見事でした。
終始緊張感のある熱演が印象的で、強く惹き込まれました。
義烈団のリーダー役は、コン・ユ。顔がイノッチにそっくりで、
正義感が強く誠実な人物像にピッタリです。


 日本警察の総督府警務局部長役は、鶴見辰吾さんが演じていました。
日本人の俳優なら誰しも好んでは演じたくない役柄ですので、
出演することを決意されるまでには相当な葛藤があったのではないかと想像します。
重要な日本人の役を日本人の俳優が演じたことの意義は大きく、
作品に強い説得力やリアルさが生まれたと感じました。


 この作品では、1920年代の日本統治時代の街の風景の再現や、
日本人の暮らしぶりなども描かれていますのでとても興味深く観ました。


 物語の最大の見せ場となる列車の車内では、緊迫感溢れるシーンの連続に、
ずうとハラハラドキドキしていました。
 久し振りに本格的で重厚な韓国映画を観たという気分に浸ることが出来て、
深い満足感が味わえる作品でした。